魔法少女リリカルなのは 愚王の魂を持つ者   作:ヒアデス

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補記 『J・D事件』レポート~動き始める者たち

【『J・D事件』についての報告書】

 

■事件No. AP0057564155-C735542

■事件種別  遺失遺産の違法使用企図による次元災害未遂事件

■担当    巡航L級8番艦アースラ

■指揮官   同艦艦長 リンディ・ハラオウン

■現場主任  執務官  クロノ・ハラオウン

 

■概要

 

 5/8 第97管理外世界を震源とする、小規模次元震を観測。

 運用部幹部職員レティ・ロウランの手配により、リンディ・ハラオウンが艦長を務めるL級8番艦アースラが現地世界へ出動。

 

 5/9 非転移モニタリングの結果、第97管理外世界において、ミッドチルダ式魔法を行使する三名の魔導師と、ベルカ式魔法を行使する四名の魔導師、狼素体の使い魔双方一体ずつ、二体とは別に猫素体の使い魔が一体、魔導師達と知己の民間人一名(※1)。さらに先の墜落事故(※2)で輸送船から紛失したと思われた未確認の遺失遺産『ジュエルシード』、および第一種捜索指定遺失遺産『闇の書』の存在を確認。

 件の魔導師達は遺失遺産の入手及び所有権をめぐっての戦闘行動を行っており、クロノ・ハラオウン執務官率いる武装隊がこれを鎮圧。

 その際に正体不明の魔導師((のち)にリーゼロッテと判明)が乱入し、執務官と魔導師一名に危害をくわえ、フェイト・テスタロッサ、アルフとともに逃亡。その間隙を縫ってリニスも現場から逃亡した。

 

 ※1 七名の魔導師、使い魔、民間人については添付ファイルAに記載

 ※2 墜落事故については添付ファイルBに記載。

 

 同日18時、本局へ提出した初動報告書(No.SSC866E8795)により、巡航8番艦アースラが事件の主担当となる。

 

 5/10 同艦艦長リンディ・ハラオウンの判断により、ユーノ・スクライア、高町なのは、八神はやて、御神健斗、ヴォルケンリッター四名を臨時局員として登用。『闇の書』の所有者である八神はやてと守護騎士一党に関しては監視も兼ねている。

 

 

 

――――――中略――――――

 

 

 

 5/18 深夜。当艦に臨時職員として勤めていたリーゼアリアを、八神はやて誘拐未遂、『ジュエルシード』略取の現行犯で逮捕。ならびに、本局に詰めていたギル・グレアム顧問官をテスタロッサ一派との共謀及び捜査妨害指示の容疑で任意同行。(のち)に逮捕。

 

 5/19 早朝。高町なのはとフェイト・テスタロッサの戦いにあわせ、クロノ・ハラオウンの指揮による『時の庭園攻略作戦』を決行。

 その作戦によって、主犯プレシア・テスタロッサ、フェイト・テスタロッサ、使い魔リニス、リーゼロッテを逮捕。それにおよび、テスタロッサ一派が所有していた『ジュエルシード』、『時の庭園』の動力に使用されていた『改良型ジュエルシード』の全てを回収。

 

 5/20 クロノ・ハラオウンの要望により、重要参考人としてギル・グレアムをアースラに召喚。事情聴取の(のち)にリーゼアリア・ロッテとともに本局へ送還された。

 同日。『闇の書』の封印処理のため、本局への帰還延長の許可を求める申請を提出。運用部に受理され、認可された。

 

 5/27 『闇の書』に内蔵されていた“防衛プログラム”が活動を開始。所有者である八神はやてが取り込まれるという事態が発生したものの、近くにあった『ジュエルシード』との連鎖反応により、防衛プログラムのみが『闇の書』から分離。この際『ジュエルシード』13個が消失。回収不可能となった。

 アースラに搭載した魔導砲アルカンシェルにより、『時の庭園』と防衛プログラムを破壊。

 

 ※『ジュエルシード』の保管不備について、リンディ・ハラオウン、クロノ・ハラオウンの両者は非を認めており、これについての処分を甘んじて受ける意向を見せている。

 

 5/29 食料品等の補給後、プレシア・テスタロッサ、フェイト・テスタロッサ、リニス、アルフ、8個の『ジュエルシード』、『改良型ジュエルシード』を護送したまま、アースラは本局へ帰還した。

 

 

 

 当局は本事件を、きっかけとなった二つの遺失遺産の頭文字をとって『J・D事件』と呼称。(首謀者の名をとって『PT(プレシア・テスタロッサ)事件』と呼ぶ動きもあったが、減刑により同容疑者が放免される可能性は十分にあり、その後の影響を鑑みて取りやめとなった)

 

 

 

 本事件の解決に協力した民間人に対する報奨は現在検討中。なお、協力者達は皆、嘱託魔導師として時空管理局への仮入局を望んでおり、彼らの魔力、技能を考慮すれば、試験合格はほぼ確実と思われる。

 

 

 

■最終被害結果

 

 8番艦アースラ プレシア・テスタロッサからの魔力攻撃による軽微の損傷

 重傷者 9名 軽傷者 23名

 死亡者 墜落した輸送船の乗員15名

 

 ジュエルシード 21個中13個を喪失

 時の庭園    アルカンシェルにより消滅

 

■容疑者の罪状、処遇

 

・プレシア・テスタロッサ

 

 罪状:違法研究、自身の使い魔への脅迫、管理外世界への魔力干渉、公務執行妨害、遺失遺産の違法収集・所持

 ※ジュエルシードを輸送していた船を墜落させた疑いもかけられているが、そちらについては一切否認しており証拠もあがってないため、輸送船墜落については告訴しない予定である。

 

 通常ならば禁錮数百年が妥当と思われるが、プレシア(姓略)は遺失遺産として登録されていない『ジュエルシード』の効力を正確に把握しておらず、“願いを叶える力を持つ遺物”としか認識していなかった。プレシアの目的は死亡した実娘の蘇生であり、次元震及び次元断層が起きる危険性については予想もしていなかったと供述している。

 違法研究についてもプレシアは深く反省しており、『ジェイル・スカリッティ』という首謀者をはじめ、研究に関わった研究者達の情報提供について全面的に協力するとのことである。

 また、プレシアは新暦52年に起きた『ヒュウドラ暴走事故』で実の娘を失ったことで精神薄弱に陥っていた時期があり、そこを『ジェイル・スカリエッティ』に付け込まれた可能性は否定できない。

 

 上記を鑑みた結果、容疑者の減刑と無期限の執行猶予によって、社会復帰の機会を与えることを法務部に提言する。

 

 備考)プレシアが次元犯罪に走るきっかけとなった、『ヒュウドラ暴走事故』と事故の責任を巡る裁判について不自然な点が多々あり。本事件とは別に再調査の必要があると思われる。

 

 

・フェイト・テスタロッサ

 

 罪状:管理外世界への違法渡航、公務執行妨害、遺失遺産の違法収集・所持

 

 プレシア同様、フェイトに対しても百年以上の禁錮が妥当と考えられるが、テスタロッサ一家は2年前まで、南部アルトセイム地方の山中で外部との接触を断ちながら生活しており、そのような閉鎖的な環境下でフェイトは、使い魔を通してプレシアから洗脳に近い教育を受けていた。それに加えて、フェイトはプレシアから意図的な無視、軽度の暴力といった心理的・肉体的虐待が恒常的に加えられており、自発的な判断行動を取る事が極めて困難だったのは想像に難くない。

 

 上記を鑑みた結果、『次元管理法・児童犯罪条項』に則り、数年程度の保護観察を通して容疑者の更生を促すのが妥当と思われる。

 

 

・リニス

・アルフ

 

 罪状:フェイト・テスタロッサと同様

 

 両者はそれぞれプレシア、フェイトが作成した使い魔にあたり、使い魔という特性上、主の意向に反する行動を取ることは不可能だったと推察される。その証拠にリニスに対してプレシアから契約破棄をちらつかせた脅迫行為が度々あったことが、プレシア自身の口から語られている。

 それを抜きにしても、両名のような使い魔にまで刑を執行するのは、次元管理法の理念にも一般的な倫理にも反する行いではないかと思われる。

 

 

・ギル・グレアム

 

 罪状:犯罪者との共謀、捜査攪乱、遺失遺産の隠匿、民間人殺害の企図

 

 通常なら五十年未満の禁錮刑が妥当と思われるが、『犯罪者との共謀』に対してはテスタロッサ一派の内偵・抑止を目的としていた可能性があるため、不問とすることを検討中。

 それ以外の罪状についても遺失遺産の封印を目的としたものであり、情状酌量の余地ありと判断。

 一定の罰金刑と退職勧告に留める事を首脳部は検討している。

 

 

・リーゼアリア 

・リーゼロッテ

 

 罪状︰犯罪者との共謀、公務執行妨害、捜査撹乱、誘拐未遂、遺失遺産略取未遂

 

 上記のリニス・アルフと同様、グレアムが作成した使い魔という特性上、主の意に反する行動は不可能と推察される。

 主同様、遺失遺産の封印を目的としていた事情も鑑みて、一切の罪に問わない事を首脳部は検討している。

 

 

 

 上記の容疑者に加え、先の『闇の書事件』の罪状に照らし合わせて、守護騎士四名、『闇の書』の管制融合騎を拘束するべきとの声が上がっているが、『闇の書事件』は全て当時の『闇の書の主』の主導によるものであり、プログラム体に過ぎない守護騎士と融合騎が主の命令に抗う術はなかったと推測され、闇の書が残骸だけとなった今は再犯の可能性も低いことから棄却する方針である。

 

 備考)守護騎士、融合騎を起訴したとしても、新暦54年以前に起きた『闇の書事件』の詳細が記されたデータのほとんどが現存していないため、立件は困難と思われる。

 

 

■遺失遺産の現状

 

 回収した『ジュエルシード』8個と『改良型ジュエルシード』については、後日、本局遺失物管理課に受け渡しの予定。

 

 『闇の書』は現在も八神はやてが所有し、ともに第97管理外世界に在る。

 防衛プログラムの破壊後、『闇の書』からは著しい魔力の減少が確認されており、“転移再生機能”の削除も確認されている。

 このことから八神はやてが所有しているのは『闇の書の残骸』に過ぎず、管理局が指定している遺失遺産の定義からかけ離れていると判断し、接収を断念した。

 

■追加事項

 

 防衛プログラムが『闇の書』から分離した際、プログラムとともに『闇の書』から分離したと思われる頁の目撃証言あり。『闇の書』の残存プログラムの可能性があり、調査が必要だと思われる。

 

 

 

作成日時 新暦65年5月30日

時空管理局執務官補佐兼巡航L級8番艦アースラ通信主任 エイミィ・リミエッタ


 

 

 

 

 

「これがアースラの連中が上げてきた報告か……一部、我々が聞いた話とは違うな」

 

「うむ。プレシア・テスタロッサは最初から次元断層の発生を目的としてジュエルシードを集めており、そのジュエルシードも闇の書を意図的に完成させるために使用したらしい」

 

「ああ、あの船に潜り込ませた“鼠”からはそう聞いておるな。うまい具合に虚構を織り交ぜよったか」

 

 本局内のどこかにある、いくつもの足場が浮かぶ暗い空間。

 そこにくぐもった老人の声が響く。だが、それらの声はスピーカーから響いたような、妙な反響音が混ざったものだった。

 その空間の中心で老人たちは話を続ける。

 

「ロストロギアの無断使用、闇の書の意図的な取り逃し、聴取内容の改竄――あまりに度が過ぎるのではないか。局の許しを得ずロストロギアを使用した時点で犯罪行為だというのに」

 

「だが、ジュエルシードというロストロギアを使って闇の書を無力化したのも確かだ。その功績は無視できん」

 

「ギル・グレアムの件もあるからな、下手に連中だけを罰すれば非難は避けられん。それに闇の書が本当に無害なものとなったのなら、管理局にとって大きな武器となる。それを差し引いても四体の守護プログラムと融合騎、そして闇の書の主の力は戦力として申し分ない。この好機を逃したくないというのが本音だ」

 

「“海”も“陸”も戦力不足は深刻だからな。レジアスあたりがよく不平をこぼしておるよ。ともあれ、闇の書の主たちとアースラが拾ってきたAAA以上の魔導師二人……いや、テスタロッサの娘を入れれば三人か。そやつらが心変わりせぬうちに囲みこんでしまいたいのは私も同感だ」

 

「奴らに言われるままテスタロッサ親子を解放する気か? さすがに次元断層を起こそうとした犯罪者を自由にするのは……」

 

「だが、娘の方はできるだけ早く解放するように“奴”からも言われている。我々としても戦力の向上とは別に《Fの産物》の力量を見てみたいところだ。ハラオウンたちの報告を信じ込んだふりをすれば、余計な疑惑を招くことなく《Fの娘》を解放することができるだろう」

 

「うむ。幸い、あの娘は釈放後すぐに局入りするつもりのようだしな。ジュエルシードと闇の書がない今、母親の方も次元を脅かす真似は出来んよ。第97管理外世界に部署を設ける予定がある。そちらにテスタロッサたちの監視も任せるとしよう」

 

 ある老人がそう言うと他の二人は沈黙し、場に静寂が漂う。そして一人が再び声を発した。

 

「リンディ・ハラオウン、クロノ・ハラオウン……少々独断専行がすぎるが、今回の功績に免じて大目に見てやるとしよう……それが結果的に次元世界の安寧に繋がるのであれば」

 

「ああ。全ては……」

 

「次元の海に浮かぶ数多の世界の平和のために」

 

 

 

「失礼します」

 

 三人が定例の言葉をかけ合ったところで女の声が響き、三人は会話を中断する。

 それと同時に浮遊する足場に乗って、局員服を着た長い青髪の女が現れた。

 

「ただいま戻ってまいりました。長い間お休みをいただいて申し訳ありません」

 

 直立したまま定型句を述べる女に対し、老人たちは声をかける。

 

「お前か……ちょうどよかった。他の者では調子が出ないと思っていたところでな」

 

「どうだった、久しぶりの休暇は? ゆっくり羽を伸ばせたかね?」

 

 その問いに女は笑みを深めて……

 

「ええ、とてもいいものが見られました。次に会う時が楽しみです」

 

「……? まあいい、そろそろ仕事を始めてくれ。お前になら安心して我らの命を預けることができる」

 

「はい……それでは、ポッドメンテナンスを始めさせていただきます」

 

 女が答えると、彼女が乗ってる足場は老人たちの前まで移動する。

 

 彼女の前にあったのは、黄色い液体で満たされた三本の巨大なポッドと、その中に一つずつ入っている脳髄だった。

 

 

 

 

 

 

「……とまあ、こんな形で終わったわけだが、いかがだったかな?」

 

 洞窟を改造した施設の中で、白衣を着た男が芝居がかった仕草で肩をすくめる。紫色の短い髪に金色の瞳を備えた、整った容姿の若そうな男だ。

 そんな彼の後ろから秘書のようなスーツを着た女が声を響かせた。ウェーブがかった薄紫の髪を垂らし、男と同じく金色の瞳を持つ女で、首元のタイには“Ⅰ”の刻印が入ったアクセサリーが付けている。

 

「見事と言う他ないかと。闇の書の侵食をはねのけて制御してしまう主が現れるとは。ですが、プレシア・テスタロッサが捕らわれたのは誤算ですね。もし彼女の口からドクターの情報が漏れれば……」

 

 女の懸念をドクターと呼ばれた男は一笑にふす。

 

「これぐらいで捕まるようなら私も君たちもとっくに拘置所の中さ。いつも通り“クライアント”が何とかしてくれるだろう。とはいえ、彼女が病を克服して一命を取り留めたのは確かに驚きだ。現代の魔法では手の施しようがなかったのだから。しかも死んだ娘まで蘇生させてしまうとは。いやはや、驚くべきは闇の書の力か、それとも“彼”の方か」

 

 そう言ってドクターはまたククッと笑う。それを聞いて女は問いかける。

 

「“ドゥーエ”の報告にあった、《グランダムの愚王の複製》のことですか?」

 

 その言葉にドクターは「ああ」とうなずいた。

 

「闇の書は過去の主たちによる改変のせいで、主を飲み込み、周りにあるすべてのものを破壊することしかできなくなってしまった改悪品なんだよ。使うべき主をも憑り殺してしまうなど道具としては本末転倒だろう。それをプログラム一つで元の魔導書に戻し、あまつさえあの親子を治すために使うとは。なかなかおもしろい事を考える。“愚王”などとんでもない」

 

「その呼び名はともかく、修正プログラムならドクターにも作ることが可能だと思いますが。プレシアや他の者の手など借りず、お一人だけで」

 

 どこか熱が入った声色で訴える女に、ドクターは笑みを浮かべて言った。

 

「ああ、できると思うよ。だが、私では闇の書の主にプログラムを使わせることはできなかっただろうし、ましてや“破壊の書”を治療のために使うなど思いもよらなかった。人の心を掴む才能に既存の枠にとらわれない発想力……やはり興味深いな」

 

 再び件の少年について語り、怪しげな笑みを漏らすドクターを見ながら、女はため息をついた。

 数百年間、数々の次元世界で猛威を振るった闇の書を修復したのは確かに驚きに値する。だが、少なくとも頭脳面においてはドクターに遠く及ばない。健斗という少年について女はそんな評価しかしていなかった。

 それとも、ドクターにしかわからない何かが彼にあるのか?

 

 内心首をひねりながら女は話を次に移す。

 

「それで、いかがいたしましょう? アリシア・テスタロッサを蘇生させたのが闇の書の力によるものなら、是が非でも手に入れるべきだと思いますが。それがあれば、《生命操作技術》の研究をさらに進展させられるかもしれません。無論、闇の書を使える八神はやてもともに確保する必要がありますが……」

 

 その問いにドクターはわざとらしく「うーん」と考えるようにうなり、首を横に振った。

 

「やめておこう。君の言うことも一理あるが、過去の遺産に頼って夢をかなえてもむなしいだけだ。彼の存在を知れたことと《Fの落とし子》のデータが取れただけでも十分だよ」

 

 ドクターがそう締めくくろうとした、その瞬間――

 

「あらあら~。ドクターのことだから、てっきり闇の書と持ち主の女の子を捕まえてこいって言うかと思ったのに、ずいぶんあっさりと引き下がるんですね~」

 

 ところどころ間延びした甘ったるい声が届き、ドクターも女もそちらを振り返る。

 

 そこには、長い茶髪を二つに結び、金色の眼の上に眼鏡をかけた女がいた。豊満な体のラインが浮き出たウェットスーツのような青い服の上に、毛皮のついた白いコートを着ており、スーツの首元には“Ⅳ”の刻印が刻まれている。

 

 前触れもなく現れた眼鏡の女に、ドクターと秘書風の女は眉一つ動かさずに応じた。

 

「クアットロか。いつから聞いていたんだい?」

 

 ドクターの問いにクアットロと呼ばれた女はあごに人差し指を当てて。

 

「ウーノお姉様が、ドゥーエの報告がどうとか言ったあたりからです。てっきりドゥーエお姉様が帰ってきたのかと思って、聞き耳を立てちゃいました~」

 

 ほとんど最初からか。舌を出しながらこつんと頭を叩くクアットロを眺めながら、ドクターとウーノはそう判断した。

 侵入者が現れたという様子でもないし、暇を持て余して戻ってきたのだろう。トーレが知ったら憤慨しそうだが。

 それを知りながらクアットロは悪びれもせずに続ける。

 

「それで、本当に闇の書は諦めちゃうんですか? 輸送船を撃墜してこれっぽっちの成果じゃ、亡くなった乗員の人たちが浮かばれませんよ~。なんなら闇の書の力で生き返った女の子だけでもさらっちゃったらどうです? その子の体を丹念に調べれば何かわかるかもしれませんし、私たちのような《戦闘機人》もしくは《人造魔導師》にしちゃえば、その後も色々と活用できちゃいますよ~♪」

 

 身体をくねらせながら提案するクアットロに対して、ドクターはふむとあごに手を乗せて言った。

 

「それは中々いいアイデアだね。あいにく戦闘機人にするには少し成長しすぎているが、人造魔導師ならうってつけかもしれない……だが、それもよしておこう。プレシアを怒らせると怖いし、《レリック》もなしに娘を蘇らせた彼に敬意を表したい」

 

「ああ、さっき話してたなんとかって王様の複製ですか。固有技能が使えるところと剣の腕が立つ以外はただのマセガキにしか思えませんけど。せいぜい《聖王の器》の予備か、《ファルガイア》っていう神様を復活させる生贄にしか使えないんじゃありません?」

 

 馬鹿にするように手を振るクアットロに、ドクターは苦笑を浮かべ、

 

「さて、どうかな。いずれにしろ、我々が事を起こせるようになるまでまだしばらく時間がかかる。闇の書の頁が一枚あちらで眠ったままのようだし、あちこちの世界でも不穏な動きがあるようだ。彼らのお手並みを拝見しながら来たるべき時に備えるとしよう」

 

 ドクターがそう言うとウーノとクアットロは不敵な笑みで了承する。

 

 彼の名はジェイル・スカリエッティ。

 プロジェクトFなどの違法研究を手掛ける犯罪者であり、輸送船撃墜をはじめ今回の事件の原因となるいくつかの出来事を起こした人物でもあり、後々健斗たちにとって最大の敵となる男でもある。

 

 

 

 

 

 

 第16管理世界 『リベルタ』

 『ヴァンデイン・コーポレーション』・役員室。

 

 高級な置物があちこちに置かれてある役員室で、ソファに座る二十代の男と彼の前に立っている初老の男がいた。

 初老の男からの報告に、二十代ほどの黒髪の男はどうでもよさそうに肘をつきながらも耳を傾ける。

 男の名はハーディス・ヴァンデイン。若くしてヴァンデイン・コーポレーションの取締役を務める俊才にして、次期社長となることが見込まれている男である。

 

「アレクトロ社からの救援要請か……」

 

「はい。ロストロギアの所持で逮捕された魔導師があちらに勤めていた研究者のようでして。その研究者が担当していたヒュウドラの暴走事故について、管理局が再調査を始めたそうです。その件でアレクトロ社から局幹部への根回しと買収に必要な資金の援助を要請されていますが……」

 

 部下らしき男はそこまで説明するが、ハーディスはある言葉にしか関心を向けず――

 

「ヒュウドラ……ああ、昔下請けに作らせていた魔力炉か。あれは惜しかったね。大気中の酸素から魔力を生み出すエネルギー発生装置。当時は画期的な理論だと思われていたからね。私も色々口出ししたものだよ。あれが完成すれば各世界を悩ませているエネルギー問題が一気に解決するはずだったのに。その機密と特許で我が社もどれほど潤った事か」

 

 そう言ってハーディスは肩をすくめる。その“口出し”のせいで事故が起きたことなど気にもとめていない様子で。

 部下は内心空恐ろしいものを感じながらも口を開き、話の筋道を戻そうとする。

 

「それで取締役、アレクトロ社への救援はいかがしましょう? もし事故の詳細が明るみに出れば、依頼主である我が社にも追及の手が及びかねないとのことですが……」

 

 それを防ぎたかったら今すぐ助けてくれ、ということか。

 アレクトロ社の要求を一言でまとめればそうなる。それを理解してハーディスは部下に尋ねた。

 

社長()はこの件について、なんと?」

 

 それに部下は、社長室がある上の方に目を泳がせて……

 

「取締役に任せるとのことです。後継者であるあなたの力量を見てみたいと言って……」

 

 部下の説明にバーディスは思わず苦笑を漏らした。

 

(事故を握り潰したいのは山々だが、下手に動けば逆に我が社の関与が明るみに出るかもしれない。そこで私の意見を聞きたいという事か)

 

 ハーディスにとって、父は経営者としては凡庸な人間だった。リベルタ最大の企業である事にあぐらをかき、この会社を更に大きくしようとする気概がない。そのくせ息子の才覚を見込んで入社直後から企画室を束ねるほどの地位を与え、重要なことは彼に丸投げするようになった。ヒュウドラの一件もそれが遠因と言える。

 そして祖先がベルカから持ち込んだ《原初の種》にも手を出していない。

 何もかもが普通の人間だ。()()()()()()()()()()

 

 父や歴代について一通り思いを巡らせてから、ハーディスはすでに決めていた結論を口にした。

 

「放っておこう。ヒュウドラ開発に失敗した時点であの会社にはもう用はないし、我が社と事故を関連付ける証拠はすべて隠滅した。もういっそ潰れてもらった方がいいくらいさ」

 

 先ほどと変わらない穏やかな口調でハーディスはそう言い切る。それに対して部下は「わかりました。そのように取り計らいます」と首肯した。

 そこでハーディスは眼前に空間モニターに目を移す。そのモニターに映っている若い頃のプレシア・テスタロッサを眺めながら、ハーディスはつぶやく。

 

「アレクトロ社の元研究員か……やっぱり頃合いを見計らって“消しておく”べきだったかな。買収した執務官の補佐が変な動きを見せていたから、そちらにしておいたけど。そういえばそっちの方は大丈夫かい?」

 

 その問いに部下は首を縦に振り、

 

「はい、あの執務官が一人で行ったことになるはずです。当人に釘は指しておきましたし、もし余計な事を言おうとすれば“不幸な事故”によって命を落とすことになるかと」

 

 淡々と告げる部下にハーディスは鷹揚にうなずきながら……

 

「そうか、それならいいんだ。……しかし、彼女は違法実験の際に体を壊して今頃病死してる頃のはずだが、なぜ今も生きてるんだろうね?」

 

 モニターを眺めたままハーディスはそんな問いを投げる。だが部下にも見当がつかないようで首を横に振るばかりだった。

 一方、ハーディスはプレシアの罪状を思い出しながらつぶやく。

 

「ロストロギアの違法収集か、少し気になるな。――そのテスタロッサという研究者について調べてくれないか。彼女が手に入れた、もしくは手に入れようとしたロストロギア、そのロストロギアに関わった者についても一通り。アレクトロ社に回す予定だった金を使えば、管理局から情報を引き出すこともできるはずだ」

 

「かしこまりました。そのように取り計らいます」

 

 了承の意を示して退出する部下を見送りながら、ハーディスはある予感を感じて笑みを浮かべる。

 

(現代魔法を超えた力を持つロストロギアか、もしかすれば……後で“レオノーラ”に聞いてみるか)

 

 

 

 

 

 それから間を置かずして、時空管理局の強制捜査と解雇した社員たちからの告発によって暴走事故の全貌が暴かれ、アレクトロ社の重役たちと当時主任補佐だった男、彼らに加担していた元執務官は軒並み逮捕された。

 前代未聞のスキャンダルによりアレクトロ社の業績は急速に悪化し、経営陣のほとんどが丸々いなくなったことも相まって、捜査から三ヶ月後、完全に経営が立ち行かなくなったアレクトロ社は破産申請をし倒産することとなった。

 

 だが、ヒュウドラ暴走事故を引き起こした“真の元凶”が報いを受けることになるのは、まだまだ先の事である。

 

 

 

 

 

 

 第1管理世界*1『ミッドチルダ』

 ベルカ自治領 『聖王教会』・大聖堂

 

 

 “彼女”がいる部屋はカーテンで閉め切られており、日の光が一切届いていない。

 その部屋の中央に無数の紙片が発光し、輪を作りながら宙を浮いていた。それらの中央には黒いワンピース型の衣装を着た女が立っている。

 女がある紙片に向かって睨むように目を細めると、紙片は女の前まで飛んでくる。

 女の眼前に迫ったそれにはミッドチルダ語とは異なる文字が浮かび上がっていた。

 女は文字を視線でなぞり、古すぎる文字による文章に四苦八苦しながら、なんとかそれを読み解こうとする。

 

「『管理より外れた97の世界』……『東の京を覆う鉄の群、それとともに顕れる不滅の闇と王に従う三体の従者』……『彼らに対するは愚者を演じし王と三人の乙女たち』…………これは………」

 

 苦心の末にどうにか文を読み終え、女は技能を解いた。

 すると、まわりに浮かんでいた紙片は輝きを失い、女の手元に集まる。

 それを帯で結びため息をつきながら、女は席についた。

 女は空間モニターを開き、それを操作する。するとカーテンが自動で開き、室内に燦々(さんさん)と照りつく日の光が飛び込み、部屋の主たる女の姿を映し出した。

 

 日光を取り込んでいるように輝く長い金髪の上に紫色のカチューシャをつけ、カチューシャや胸元のリボンと同じ紫色の瞳で窓の外を見上げている美女。

 彼女の名はカリム・グラシア。

 聖王教会が擁している『教会騎士団』に所属する騎士で、時空管理局とも繋がりがある才女である。もっとも後者は、自身が持つ《希少技能》によるものが大きいが。

 

 その技能――《預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)》による預言が記された紙片(ページ)を見ながら、カリムは今も考えを巡らせていた。

 

(不滅の“闇”に、愚者を演じし王……これはもしかして……)

 

 預言の中に含まれている二つの単語に、カリムはあるロストロギアとその持ち主だった王のことを思い浮かべる。だが、件のロストロギアはともかく、王の方は300年前に死んでいるはずだ。その王がなぜ“預言”に現れるのだろうか?

 

「騎士カリム、ヌエラです。確認していただきたいものがあるのですが」

 

 ノックの音とヌエラという女の声が響き、カリムは扉を見ながら声をかける。

 

「構わないわ。入ってちょうだい」

 

 カリムが入室を許可すると「失礼します」の一声とともに、黒い修道着を着た女が入ってきた。短く切り揃えた赤紫色の髪ときつそうに吊り上げられた橙色の瞳は、見るからに真面目そうな印象を受ける。

 彼女はシャッハ・ヌエラ。大聖堂に勤める修道女(シスター)で、カリム同様騎士団に所属している。

 

「シャッハ、確認してほしいものとは何かしら?」

 

「はい。管理局から、古代ベルカにまつわるロストロギアを破壊したとの知らせが届いて、騎士カリムにも確認をしてほしいと司教様から」

 

「そう。回収ならまだしも破壊なんて穏やかじゃないわね。もしかして《闇の書》かしら?」

 

 カリムは冗談半分で尋ねるが、シャッハは笑いもせず首を横に振るだけだった。

 シャッハから、報告書のデータが入ったカード型の端末を受け取って……

 

「疲れたでしょう。私が報告書に目を通してる間、紅茶の一杯でも飲んでいったら」

 

「いえ、仕事中ですので遠慮します」

 

 仕事を理由にすげなく断るシャッハに苦笑しながら、カリムはモニターを表示して報告書を見る。だが、その内容を目にした瞬間、カリムは驚愕で目を見張った。

 

(闇の書の防衛プログラム()()を破壊したですって!? しかも闇の書が発見されたのは第97管理外世界――これは)

 

 報告書の内容と先ほどの預言を比べてカリムはもしやと思う。そしてさらに彼女を驚かせたのは――

 

(事件の解決に協力した民間人たちのうち、一人の名前は“御神 健斗(みかみ けんと)”……まさか)

 

 呆然と報告書を眺めるカリムを見てシャッハは心配そうに尋ねた。

 

「騎士カリム……どうされました? 何か悪い事でも……」

 

 その問いにカリムはどう答えたらいいか迷う。

 報告書の中身自体に問題はない。むしろ闇の書が今後猛威を振るう可能性が低くなったのは喜ばしい事ではある。だが預言の事を考えるとそうも言っていられない。

 鉄の群や三体の従者はともかく、《不滅の闇》は明らかに闇の書に関わるものの気がしてならない。

 

(現在の闇の書の主は八神はやてという女の子……管理局に協力していたようだし、悪い人物ではなさそうね。一度話をしてみるべきかしら。できれば御神健斗という人とも会っておきたいわね。確か二ヶ月後に聖王陛下ゆかりの行事が……)

 

 そこまで考えてからカリムは口を開く。

 

「シャッハ、二ヶ月後の『収穫祭』はどうなっているのかしら?」

 

 カリムの問いにシャッハは手元に小さなモニターを開きながら言った。

 

「はい、例年通り開催される予定になってます。別の予定がなければ騎士カリムと私も参加することになってます……ロッサも首に縄を付けてでも連れて行く予定ですが……」

 

 眉を吊り上げながら言うシャッハに、カリムは苦笑を浮かべながら……

 

「そう。あの子のことはいつも通りあなたに任せるわ。ところで、収穫祭に個人的なお客様を招くことはできるかしら? 聖王教の信徒ではないのだけど」

 

「はい。元々聖王教会の門戸は常に開かれていますので、信徒でなくても収穫祭に参加できるはずです。聖王陛下を侮辱するようなことを言ったりしたりしない限りはですけど」

 

 肯定しながらも念のために釘を刺してくるシャッハに対して、カリムは真剣な表情で言った。

 

「わかりました。私はこれから管理局の方と打ち合わせをします。あなたはもう下がってちょうだい」

 

「はい、それでは失礼します」

 

 そう言ってシャッハは一礼してから執務室を出る。

 それを見送ってからカリムは通信用のモニターを開き、相手に向かって口を開いた。

 

「教会騎士団のカリム・グラシアです。リンディ・ハラオウン様とお話しさせていただきたいのですが……」

 

 

 

 

 

 

 第97管理外世界 現地名称『地球』

 ドイツ ミュンヘン

 

 ミュンヘンの郊外に、キルツシュタインという伯爵家が所有する広大な敷地と大きな屋敷がある。

 その屋敷の3階の部屋に、キルツシュタイン家の“真の当主”が住んでいた。

 “真の当主”が住む部屋の扉をメイドらしき格好の女がコンコンと叩く。すると――

 

「入るがよい」

 

 メイドが名乗る前に、入室を許可する声が部屋の中から届く。

 失礼しますの一言とともにメイドは部屋へと入った。

 レコード盤から響くクラシックの音楽がこだまする部屋の中で、主は椅子ごと背を向けていた。

 用向きを尋ねもせず背を向けたまま音楽を聴き続ける主に対して、メイドは口を開く。

 

「《総当主》様、ご報告を申し上げます。また新たに《一族》の秘密を知った人間が現れました。今回は数が多く、そのうえ以前と同じ土地ですので直接報告に上がりました」

 

「同じ土地か。まさか日本の海鳴という町じゃなかろうな。さくらがシンイチロウという男と“契約”をして以来、あそこからちょくちょく《一族》を知る者が出てくるようになったからの」

 

 ため息をこぼしながら尋ねる主に、メイドは「はい」と言った。

 

「総当主様のご推察の通り、相川真一郎と高町恭也と同じ、海鳴市に住む人間です。今回《一族》の秘密を知ったのは、月村俊様の次女――月村すずか様のご学友に当たる方々です」

 

「ほう。そういえば忍も己が男と“契約”を結びおったな。まさかとは思うが、すずかも“契約”を……」

 

 総当主の問いにメイドは首を縦に揺らして言った。

 

「はい。血を吸った方とその他に秘密を知った方たち全員と、秘密を共有する“契約”を結んだとのことです」

 

「……すずかが血を吸ったのは男か?」

 

 突然の問いに戸惑うことなく、メイドは首を縦に揺らした。

 

「はい。御神健斗という、すずか様と同じ学年の男子生徒です。実はそのことで総当主様にお伝えしたいことが……」

 

「ああ、すずかとそやつが出来ておるという話ぐらいなら驚かんぞ。さくらの時は大事な孫を取られて腹もたちはしたが、忍まで“契約”した男とくっついたと聞いて慣れてしまったわい」

 

 そう言いつつ不機嫌そうに片手を振る総当主に、メイドは「いえ」と言って……

 

「すずか様と健斗という少年の関係についてはまだわかっておりません。ただ、御神健斗について気になることがありまして」

 

「気になることの。一体なんじゃ?」

 

 不機嫌そうなまま尋ねる総当主にメイドはそれを言った。

 

「すずか様のご学友方が《一族》の秘密を知るきっかけになった事件において、アリサ・バニングスがジュエルシードという青い宝石に取り付かれ、すずか様たちとアリサ・バニングスが交戦したのですが……その際、御神健斗は三角形の魔法陣を浮かべる術を使いながら戦っていたとのことです」

 

「――なぬっ!?」

 

 その報告に総当主は虚を突かれたような声を上げた。メイドは続けて話す。

 

「その後、すずか様と“秘密厳守の契約”を結ぶ際、その代わりというように、御神健斗も魔法のことや『ベルカ』という世界について話していたそうです。私の記憶が確かなら大奥様の出身地がそのような名前だったと思います。彼が使っていた術に関しても……」

 

「ああ。妻もよくおかしな術を使っておったわい。ハンターに襲われた時はその術で助けられたりもしたのう。儂も少しだけ教わってな、“この姿”を得られたのもそれがあっての事じゃ!」

 

 先ほどとは一転、上機嫌そうに語って総当主は椅子を回転させてメイドに体を向ける。

 そして、十に満たない少年()()()()男が姿を露わにする。長い白髪を垂らし、青眼を備えた整った容姿。

 彼の名はヴィクター。キルツシュタイン家の真の当主にして、《夜の一族》の《総当主》にあたる者だ。

 

 総当主ヴィクターは満面の笑みを見せながら口を開く。

 

「まさか今になってベルカという言葉を耳にするとはのう。そういえば妻がよく言っておったな。あやつの故郷にいた“ケント”という王のことを。興味がわいてきたわい。久しぶりに孫娘(さくら)の顔を見に行くついでに、健斗という小僧に会ってみるとするか!」

*1
時空管理局の発祥地であることから、内外ともに“管理”を抜いて『第1世界』と呼ばれることが多い。他の世界でも自世界を指す時に“管理”を抜くことはしばしばある

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