すべてを守るために。   作:その辺のオウガテイル

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話がごっちゃになりますが、ここで甥の木村、加速します。
ということで、バッサリカットしつつこの話で2071年まで行きます。


荒ぶる神

適合試験から数週間。

夢を見た。

自分が白髪の女の子と笑い合ってる夢

他愛もない冗談を交わしていた。

 

「神威さん、私のこと好きですか?」

 

「アリサ?急にどうしたんだ?」

 

「時折夢に見るんです。神威さんが遠くどこかへ行ってしまう夢。私は怖いのかもしれません。神威さんがいつも私のそばに居てくれて、神威さんという支えがなくなるのが.......」

 

「.....アリサ、好きだ。でも、居なくなってしまうかもしれない。君を置いて二度と会えなくなるかもしれない。だけどなアリサ。アリサと俺が過ごした時間は、しっかりとアリサの心に残る。もしも、仮定の話になるが俺がお前を置いて二度と会えなくなったら....俺を想っていた事を忘れて幸せになってくれ。」

 

「そんな!私は神威さんを忘れたくなんてないです!」

 

「仮定、仮定の話だ!......だが、本当にそんな状況になったら...俺の事は忘れてくれ。アリサ、君は幸せにならなきゃならない。俺はアリサが大切だ。だから....な?」

 

「でも...でもっ...!」

 

そう言って少女は泣きながら神威の胸に抱きつく。

 

「この選択がアリサ、君にとってとても辛い事は分かってる。でもな、俺はお前を本当に大事に想ってるからこそ言っているんだ。俺だってアリサと会えなくなるのは嫌さ。でも俺たちはゴットイーター。いついなくなってもおかしくない。だから、覚悟はしておいてくれ....」

 

「うぅ.....はい....」

 

≪hr≫

 

「今のは.....夢.....か」

 

マイルームで目を覚ました神威は重い体を起こしてベットの縁に腰掛ける。

 

「アリサ....か....いずれ会うことになるのかね....まあ、深い事は考えずに訓練に行かないとな...」

 

制服を着替えてエントランスへ向かうと途中でいかにも新人という感じのゴットイーターと会う。

 

「同じ新人か。俺はブレンダン。ブレンダンでいい。」

 

「俺は神夜神威。神威でいいぞ。よろしくなブレンダン。」

 

「ああ、俺はこれから任務だ。無事ならまた会おう。」

 

「ああ、またな」

 

そう、ここはクソッタレな職場.....

今日も誰かがどこかで死んでる。

昨日話していたやつが今日は物言わぬ仏になって帰ってくることもある。

 

「ヒバリさん、訓練任務受けたいんだけど。」

 

「はいっ!神威さんに訓練任務が追加されてます。今日の訓練結果次第で実戦投入も検討されます!」

 

「分かったよ。」

 

「あの!神威さん!」

 

「ん?どうかしました?」

 

「お話しする時、もっと砕けた口調で大丈夫です!」

 

「....ははは!分かったよヒバリ。今度からこれで話す事にするよ。んじゃあ、行ってきます。」

 

「はいっ!訓練頑張ってください!」

 


 

更に時は流れて2年後

 

『大型種反応あり!これは...ヴァジュラです!!まもなく作戦区域内に侵入する模様!侵入までおよそ30秒!!!』

 

「了解だ!俺とソーマでひきつける!神威は遊撃!サクヤは後方支援を頼む!」

 

――――――――――――――――――――――――

 

「神威!どうしたんだ?お前らしくないぞ?」

 

「リンドウさん......俺、わからなくなったんです。......俺のせいでツバキさんが退役して...リンドウさん、あんたにまで迷惑をかけて....その上、生きる意味さえも失った。」

 

神威は首にかけていたロケットを握りしめて顔を伏せる。

 

「そんなことは....」

 

「リンドウさん、あんたが気にしてないって言っても、俺には、ゴッドイーターとしての矜持も戦う意味も分からなくなった...だから...しばらくロシア支部に行くことにした」

 

「......そうか。俺から話は通しておく。」

 

「......」

 


 

ロシア支部に出向して1年、

神機使いになって3年がたった。

俺は何もかもをすり減らし、ロシア支部でもある意味の孤立。

気にかけてくれる同業はいるが、もはや俺の心は空っぽだった。

 

「カムイさん!緊急です!ヴァジュラ2頭とサリエル1頭、中型種数頭がロシア支部に向かって進行中です!出撃命令が出ました!」

 

「了解。直ちに出撃する。」

 

「カムイさん....何時もすみません....」

 

「構わない。こちらにはこういう時に対応するために俺が来てるんだ......」

 

ロシア支部ではオウガテイルを一人で倒せて一人前。ヴァジュラのような大型種が一頭でも支部がざわつくレベルだ。

はっきり言って激戦区の極東支部に来たら死ぬようなやつが大勢いる。

 

「目標補足。交戦に移る。」

 

ヴァジュラをまず一頭潰すために先にスタングレネードで牽制。

怯んだところを自前のロングソードで一体目のヴァジュラの前足二本を斬り飛ばし体勢を崩し、

二体目を捕食形態シュトルムで急速に近づき捕食。

そのままバーストしヴァジュラのコアがある部位を抉り取りコアを捕食。

サリエルの後方からの射撃がうざいのでバースト状態による身体能力上昇にものを言わせて急加速。

そしてそのままサリエルに飛びつき邪眼を神機で潰す。

 

「ったく、てめぇらみたいな雑魚には構ってられねぇんだよ......」

 

神機を引き抜き地面に降りると前足を再生したヴァジュラが飛び掛かってきた。

 

「ガァアアアア!!!」

 

「うるせぇぞ!駄猫がぁ!!!」

 

それを拳でぶん殴り地面に叩き落とすと神機で首を刎ね、コアを捕食する。

そしてそのまま、ダウンしているサリエルのコアを捕食し、残りの中型種の掃討へと向かう。

 

「他の部隊の様子はどうだ?」

 

『いずれも中型種と交戦中!苦戦しています!』

 

「了解。あと5分持ちこたえろと伝えてくれ。すぐに片付ける!」

 


 

「カムイさん、先ほどの作戦お疲れさまでした!」

 

「ああ。」

 

短く返答するとカムイはドカッとエントランスのソファに腰を掛け休息を取る。

 

「カムイさん!先の作戦お疲れさん!」

「カムイさん!お疲れ様です!よかったらこれ、どうぞ!」

「カムイさん!」「カムイさん!」

 

この支部の奴らは俺が極東から来た奴なのに慕ってくれている。

心の中では同意も割れてるのは知らんがな。

 

「カムイ少尉!本日付けで新型の新人が配属になりましたのでご報告です!」

 

「いや、俺じゃなくこの支部の第一部隊隊長に言うべきだろ。」

 

「この支部最強のカムイさんからじゃないとむりでしょーよ!周りの奴らもカムイさんより先は恐れ多いって言ってますしね。」

 

「お前らな......」

 

「新入り、挨拶するんだ。」

 

「本日付でフェンリルロシア支部に配属となりました。アリサ・イリーニチナ・アミエーラです。せいぜい足を引っ張らないでくださいね。」

 

「おい!カムイさんになんて口を!!!」

 

「いや、いい......アリサ、というんだな?」

 

「先ほどもそういったと思いますけど?」

 

「おいっ!!」

 

「少しアリサと話がしたい。少し借りてもいいか?」

 

「え?えぇ......構いませんが......」

 

「少し借りる。」

 

「ちょっと!どこへ連れてくつもりですか!?」

 

アリサの手を引いてエレベーターへと向かう

 

「なに、屋上だ。」

 

――――――――――――――――

 

「で、話ってなんですか」

 

「俺の守りたい者になってくれ。」

 

「は??何を言ってるんですかあなたは?流石に気持ち悪いですよ。」

 

流石に端折りすぎたか....

 

「すまん、言葉足らずだったな。俺の目には今のお前は酷く脆く映っている。予測だが、精神面に問題を抱えているんだろう?それも、薬で無理やり押さえつけるレベルの物を。」

 

「.....ッ」

 

「それに関してとやかく言うつもりはない。そんな状態でもアラガミを一匹でも多く殺すという覚悟がお前からは感じられる。数か月だけになるが俺はお前を守る。辛くなったらいつでも言え。」

 

「余計なお世話です!!」

 

アリサは顔を真っ赤にして屋上からいなくなった。

 

「言葉間違えたみたいだな....」

 


 

一人で屋上にいる時にとある人物から無線が入る。

 

『私だ。ヨハネス・フォン・シックザールだ。』

 

「何の用ですか、極東支部支部長殿。」

 

『ははは、元気なようだね。どうやら実力もリンドウ君と大差なくなってきたようだ。』

 

「俺だって忙しいんです。手短にお願いします。」

 

『ロシア支部に新型適合者、アリサ・イリーニチナ・アミエーラ君がいるね?』

 

「ええ、所属してますね。」

 

『彼女をこちらにスカウトしたい。と言っても、もう声はかけているのだがね。どうやら彼女自身も少々迷っているようでね。』

 

「俺からも声を掛けろと?」

 

『理解が早くて助かる。その通りだ。』

 

「...あんたが何を考えているのかは知らないが、いいでしょう。声を掛けておきます。」

 

『君がこちらに戻ってくる2か月の間にしっかりこちら側に引き込んでくれ。』

 

「了解しました、支部長殿。」

 


 

「アリサ。」

 

「......何の用ですか」

 

俺は一拍おいてストレートに言う

 

「俺と一緒に極東支部に来い。」

 

「「「「きゃあああああ!カムイさんだいたーん!!」」」」

 

「なっ....な....」

 

「俺がお前についてやる。」

 

「よくもこんなところでそんな恥ずかしいことが言えますね!自覚足りてないんじゃないですか!?」

 

「?言っている意味がよくわからんが、俺(達)はお前が(戦力として)欲しい。」

 

「「「「きゃあああああ!!」」」」

 

「...............か、考えておきます。」

 

「そうか。期限は俺が極東支部に帰る1週間前までだ。」

 

「...........」

 


 

極東支部へと戻る一週間前

 

「カムイさん。」

 

「決まったか」

 

「はい、私は極東支部へ行きます。」

 

「そうか。極東支部支部長へは話を通してある。」

 

「そう、ですか......」

 

「これからもよろしく頼む。」

 

「......はい」

 

心底いやそうな表情ではなく少し顔を赤らめて返事をするアリサ。

......どうして顔を赤らめているんだ?

 


 

2071年極東支部に帰ってきた。

顔ぶれも変わってるんだろうな......

 

「本日付で極東支部第一部隊に復帰する神夜神威だ。階級は少尉。神機は旧型ロングソード。よろしく頼む。」

 

「お勤めご苦労さん、よく戻ってきた。」

 

「...リンドウさん」

 

「フンッ...どうやら見ないうちに逞しくなったみてぇだな。」

 

「...ソーマ」

 

「おかえりなさい。あっちも大変だったでしょ?」

 

「...サクヤさん」

 

「どうやら、やっと大馬鹿者も相手を見つけたか」

 

「...ツバキさん...どう意味ですかそれ...」

 

神威が挨拶を終えるとアリサに自己紹介を促す。

 

「はじめまして。アリサ・イリーニチナ・アミエーラと申します。本日一二○○付けでロシア支部からこちらの支部に配属になりました。よろしくお願いします。」

 

「女の子ならいつでも大歓迎だよ!」

 

急にその場が冷める。

おいこいつ、いま人の女(自称)に手を出そうとしなかったか?

 

「ちょっとコウタ。初対面でそれなはないよ....」

 

女の子が引き気味の表情で言った。

その通りだ(ブーメラン)

 

「あなたみたいな人は眼中にありません。神威さんを見習って出直してください。」

 

「あっ...うん...ごめん....」

 

思ったよりも鋭くえぐったなおい

 

「えー?なになに~?もしかして神威くんとできちゃってる?」

 

「おーおー、若いねぇ」

 

「え、いや!ちがっ!」

 

「いい加減にしてくれ、アリサが困ってる。ツバキさん今後の予定をお願いします。」

 

やれやれといった様子で神威はツバキに進行を促す。

 

「ああ、ブレーキ役のお前が帰ってきたのを実感したところで、アリサ、神威はリンドウと行動。そのほかはいつも通り行動するように。」

 

「「「「「了解!」」」」」

 


 

「あ、あの!神威さん!」

 

「ん?ああ、君か。何か用か?」

 

「あ、私!神薙ユウナといいます!リンドウさんからよくお話を聞いています!神威さんってアリサちゃんと付き合ってるんですか?」

 

「.....あ?」

 

「??アリサちゃんが神威さんを見る時熱をこもった目で見てましたから....」

 

「いや、付き合った覚えはない。勘違いはさせたかもしれんが。」

 

「そっかぁ....貴重なお時間ありがとうございました。」

 

「いーや大丈夫だ。」

 

ユウナは頭を下げるとそそくさ居なくなった。

入れ違いでゲンが向かいに腰を下ろす。

 

「よう、神威。戻ってきたんだな。」

 

「ええ、ちょうど1年半ぶりです。」

 

「傷は癒えたか?」

 

「分かりません。今でもツバキさんを退役に追い込んだ時を夢に見ます。」

 

「そうか。ツバキは気にしていないと言っていたぞ。」

 

「ですが....」

 

「それはお前にとっての長所であり短所だ。あまり思いつめるな。お前はやれるだけのことをしたんだ。それもお前は新兵だったろ?」

 

「はい...たまにツバキに付き合ってやれ。あいつ男っ気がまったくねぇからな!」

 

「..........ゲンさん、後ろ....」

 

「誰が、男っ気がないだって?」

 

「こ、こりゃあ、失礼....」

 

「まあいい、事実だしな。神威今度飲みに付き合え。」

 

「アッハイ」

 

合流早々に潰されそうだと、神威は実感した。

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