祝福の歌声~コナン世界でライスは頑張って生きてみるよお姉さま!~   作:クレナイハルハ

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始めてのライブ

 

 

灰原哀side

 

パソコンに通知があった。工藤くんからの緊急のメールではなく、ネットのサイト。正確には青い鳥と言うアプリだ。

 

あの一件以来、私は彼女……ライスシャワーの奏でる音楽が好きになっていた。

 

ネット上に投稿される、彼女の歌う動画。

 

様々な歌は私が年齢と見た目を偽り小学生として暮らす上で発生するストレスを忘れさせてくれた。

 

そんな青い鳥のアプリに付いた通知、新しい歌が投稿されたのだろうか?そう思い、青い鳥で彼女のアカウントへと飛ぶ。

 

そこにあったのは、彼女が近日に米花町でLIVEをライブハウスを借りて開くと言う事だ。しかも新曲の発表も行うらしい。

 

可能なら行きたい、開催日は幸運な事に祝日。

 

博士に頼んでみようかしら?

 

そんな事を考えながら、パソコンを閉じて自室から出て博士の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジンside

 

 

海外での仕事を終わらせ、日本へと帰るため俺達は空港へと来ていた。

 

ウォッカが帰りの飛行機の時刻を確認するため、電子掲示板を見に向かった。

 

そんな時、アイツのアカウント。最近見ていなかったな。青い鳥にログインすると、アイツのコメントがあったことを知らせる通知があった。即座にアイツのコメントへと飛ぶ。そこには、数日後の午後にアイツがLIVEを開くことを通知していた。

 

「兄貴、掲示板を見てきましたが普通の便じゃあ日本へは最低でも3日、4日かかるものしか──」

 

「明日だ」

 

「はい?」

 

「アイツがライヴハウスを借りて初のLIVEを開くらしい。」

 

「お嬢が?」

 

ウォッカは驚きからか、サングラスの奥で目を見開いている。

 

そりゃあそうだろうな、携帯を渡しインターネットで広告すればと提案したのは俺達だが、日本から離れている間にそこまで成長していたと言う事に俺でも驚いた。

 

アカウントには沢山のフォロワー、動画はほとんどが高評価。

 

あの日、お互いにボロボロだったはずが今じゃアイツは立派なミュージシャンとなり体も痩せこけていたあの頃と比べれば、良く成長していた。

 

「すぐに、日本へと迎えそうなチケットをとってきます」

 

「頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降谷 零side

 

 

あの一件から、彼女のアカウントを定期的に見るようにしていた。

 

フォローしたのは、俺ではなく安室透だが。もし彼女が本当にあの実験の生き残りなら、そう考える。

 

いくら彼女の身元を調べても、彼女の身元を証明する物は存在しない。周りからの目は彼女が自身をライスシャワーだと名乗るミュージシャンだとしか認識していない。

 

もし、このまま彼女がミュージシャンとしての活動を行うなら必ずしも彼女の容姿は組織を引き寄せてしまう。

 

このまま、言う酷いかもしれないがストリートミュージシャンのままでいて欲しい。もし彼女が有名となったら、奴らの目が必ず彼女を捕らえてしまう。

 

どうにか彼女に見張りをつけられないか、そう考えるが彼女を守るのに公安の人員は派遣できない。

 

既に他の同僚は、他の人物の情報収集や潜入に行ってしまっている。もし彼女の事を頼めるとしたら、それは………。

 

脳内に浮かんだのはアイツ、ヒロ。組織には死んだと思われている筈だから、頼むとしたらアイツしかいない。だが、危険じゃないか?またアイツが死にかけるのでは無いか?

 

そんな考えが脳内に浮かんでは消えていく。

 

そんな時、彼女のアカウントに動きがあった。即座に確認すると、彼女がライヴハウスを借りてLIVEを行うと言う告知だった。

 

ライヴハウスの大きさとしては、まだ小さい方だろう。だが、向かう100の中に組織の奴らが居ないとも限らない。

 

アイツに頼むしかない。

 

そう思い、俺は携帯でアイツへと電話をかけた。

 

『ゼロ、どうしたんだ?』

 

「ヒロ、お前に頼みがある……数日後の■日、予定を開けておいてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カノンside

 

 

青い鳥での告知は思ったよりも反響があった。

 

LIVE当日、私達の会場には想像以上に沢山の観客が入っていた。最初としては100人くらいで慣れようか、そう思っていたけど120人という観客席は満員となってしまった。

 

『みんな……ライス達のライブの為に?』

 

うん、そうだよ。

 

ライスにそう返しながら、観客席を見るとやはりかお兄様が変装して紛れてた。他にも前にあった灰原哀ちゃんや萩原さん達警察組も来ているのが見えた。

 

降谷零と諸伏景光は仕事をしなくて良いのだろうか?確か彼らは休日より仕事だったはずだけど……すぐ近くに捕まえるべき奴らがいるのに。

 

と言うか少年探偵団組がいたら事件がおこるんじゃ?てかその前にそれぞれの事を気付きそうなんだけど……。

 

取り敢えず、みんなを楽しませる為に頑張ろうかライス。

 

『う、うん。ライス頑張る!』

 

無理はしないでね?

 

一応、練習はしたけどその時は観客無しだった。このLIVEを通してライスが人に慣れていけば良いけど。

 

そう思いながら私達は衣装、まぁライスの勝負服を着てギターを持つ。

 

さぁ、私達のステージを始めよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土日の祝日、様々な年の人々が1つのライブハウスへと入っていく。中には子供や外人もそのハウスへと入っていく。

 

今まで、公園で歌っていたストリートミュージシャンである少女にとっての晴れ姿を見ようと会場へと足を踏み入れていく。

 

ザワザワと発表されない曲で何の曲が出るのかと騒ぐ者達、はたまたステージで彼女の歌が聞けることが出来る事に感動する者達。

 

そんな中でも、歌う以前から彼女を知る者達も今日このLIVEへと訪れていた。

 

本来ならば、その人物達が同じ場所に集えば劇場版となり殺人事件が起こるであろう。

 

そんな時だった、会場の明かりが段々と暗くなっていき真っ暗になった時だった。

 

会場にファンファーレが鳴り響く。その曲に気付いた者はペンライトに光を灯し掲げ始める。

 

そして明かりが点灯し、そこには漆黒の少女が俯き立っていた。そして次の瞬間にスタートのコールが鳴り響き彼女のLIVEはスタートした。

 

楽しげに、観客のコールを聞いて躍りながらも歌う。他にギターを引きながら、いつものそれは様々な歌、祈りのような。心からの声のような歌。素早くテンポの良い歌。勇気を貰えるような歌。沢山の歌が彼女の口から響き渡り、観客達は楽しそうにペンライトを降る。

 

中には掲げるだけの者や、ただ立って見ているだけの者。初めてLIVE等のイベントに参加したのか、ペンライトを見様見真似で振る人がいた。

 

そんな観客の反応は歌う彼女の本来の人格にとって幻のような光景だった。

 

『みんなが、ライスの色のペンライトを振ってくれてる。』

 

うん、みんな私とライスの歌を楽しんでくれてるんだよ。

 

さて、次で最後の曲だよ。最後まで頑張れる?

 

『うん、みんなにありがとうって伝える為に最後まで頑張るよ天使様!』

 

ライスの言葉を聞き、私はマイクをもう一度握りしめる。

 

「みんな、今日はライスの初めてのLIVEに来てくれてありがとう!最後に、新曲を歌って終わろうと思います。聞いてください、青空のラプソディー!」

 

この曲は私からライスへのメッセージも入っている。

 

それは『ボクはキミの翼になる勇気がある』と言う歌詞。

 

ライスが彼女の住む世界へと帰るための、そして彼女が前を向いて行けるように導くツバサ。

 

カノンがライスの翼になる、ライス自身が自力で羽ばたけるようになるまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場にて、彼女の発表した新曲。

 

それは明るく、元気な歌い出しそして彼女が趣味の歌をこうして皆に聞いてもらえるまでを表しているよう。

 

「扉開けてほら、声が聴こえるよ。

     さあ!行こう!     」

 

その声と共に、彼女のバックにあるモニターには青空が浮かび上がる。

 

「僕は君の翼になれる勇気があるよ。

どんな試練も怖くない、その魔法があるから」

 

沢山の人に歌で勇気を与えてくれているような、背中を押してくれるような歌。

 

でも、それに対して二番の歌詞を楽しげに歌う彼女と共に盛り上がり、その場にいた者達はその時、歌詞にあった違和感に気付かなかった。

 

「僕は君を背中に乗せて空を舞うよ!

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そんな、意味深な歌詞に気付いた者は果たして──。

 

 

 






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