祝福の歌声~コナン世界でライスは頑張って生きてみるよお姉さま!~ 作:クレナイハルハ
いつかは、終わるその日まで。
人へと怯えるライスを支える、ライスの心はゆっくりだがその形を修復している。
あと数日で完全な物になるだろう、早く彼女を元の世界に返さないといけない。
……今も彼女の世界の刻をゆっくりと流しているザフキエル様の為にも。
でも、心の何処かにライスと別れたくない。
叶うなら、このままライスの元に。
そう思いながら、ライスシャワーの眠る姿を見つめる。胎児のように体を縮め、心の世界で眠っている彼女。
だけど、彼女の片手は私の手を掴んで離そうとしない。
でも、それは叶わぬ願い。
カノンは天使、ライスはウマ娘。
カノンは天界、ライスはウマ娘の世界。
住む世界も流れる時間も違う。
いつか会う約束をして分かれたとしても、私にとっての数日はライスに取っての何十年にもなる。
再会など、出来るはずがない。
でも、私は……カノンは分かれた方が良いのだと分かっている、彼女は元の世界で良いトレーナーと出会い、多くの祝福を得るのだ。
その方が、私と共にこの世界にいるより彼女に取っての幸せなのだろうから。
だから、せめて今だけは……彼女の心が治るまではどうか……一緒に、居させてね。
そう思いながら空いた手で彼女の髪を梳く。あの日、あの子にして貰ったように、主にして貰っているように。
それをライスは心地良さそうな表情を浮かべ眠っている。
ライスシャワーは夢を見る。
あの日、レースを走った後のウイニングライブを。
今でもその光景が、深く深く心の中に刻まれている。
自身の走った事へ対する批判の声に罵倒。ありもしないフェイクニュース。
でも、そんな夢の中でも一人だけライスシャワーと共にその光景を見る物がいる。
カノン、ライスシャワーに憑依した天使。
ライスシャワーは彼女が隣にいることに安堵した。
天使様がいるなら、ライスは一人じゃない。
今見ている夢はとても楽しい物だ。
先ほどまでの暗い場所から綺麗な丘へと変わる。花が咲き、蝶が舞う。丘の上には1本の木が根を張り、その枝に付いた葉で小さな日陰を作り出していた。
天使様とライスが一緒に野原を走り、一緒に笑う、一緒にご飯を食べる。
そして天使様が気に寄り掛かって座りギターを弾きながら歌い、その隣に座り天使様の体に寄り掛かってライスも歌う。
そんな夢は彼女をとても幸せにした。
でもそんな夢にも終わりが来る。
ライスはふと自身の寄り掛かっている物の指を見た。
金色の粒子が指から零れ、少しづつ指が、手が消えていく。
ライスシャワーは彼女抱き締める。
ライスを一人にしないで、消えないで、寂しいと願い涙を浮かべる。
そんなライスシャワーに彼女は微笑みかけ、口を開いた。
だがそこで、ライスシャワーの夢は終わり彼女の言葉は聞こえなかった。
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