祝福の歌声~コナン世界でライスは頑張って生きてみるよお姉さま!~   作:クレナイハルハ

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遅くなりました、やっぱりコナンキャラの口調はムズいんじゃあ………







タイムリミット~動き出す時計~

 

ライスシャワーside

 

 

外套を返して貰うため、(ライス)は褐色のお兄さんの居た場所へと小走りで向かっていた。おばさんの鞄を返して貰うために走ったとは言え、改めて考えれば警察の人にお世話になっても可笑しくない事、しちゃったかな。

 

うぅ、不安だ。それに、目立っちゃったからか、それともこの服とウマ耳のせいかずっと見られてるしスマホにも先程からずっと通知音が成っている。

 

取り敢えず外套を返して貰おう、それから携帯を見る事にしよう。そんな事を考えながらさっき外套を預けた褐色のお兄さん達がいた場所へと向かう。

 

早足で歩いているけど、あのお兄さんは外国人っぽかったしすぐに見つかると良いな。そんな事を考えているとさっきの人達が立ち話しているのが見えた。

 

「す、すいませーん!」

 

そう叫びながら走っているとお兄さん達が私の方に気づいた。

 

「君は………」

 

(ライス)の外套、ありがとうございました突然頼んだのに……」

 

「いえ、大丈夫です。」

 

「それにしても、ずいぶんと個性的なファッションですね。」

 

「え、あ!アハハ、そうですね」

 

金髪で褐色のお兄さんの言葉を濁しながらささっと外套を被りフードを被る。よし、一先ずこれで大丈夫。

 

「それにしても、お前スゲー足早いな。すぐに見えなくなってビックリしたぜ。」

 

近くにいたおじさんも話しに入ってくる。

 

(ライス)、その……走るのが好き、だから

 

「走るのが好きで、あんなに早く走れるなんて凄いですよ!陸上とかやってたんですか?」

 

「いえ、その……」

 

さ、さすがにウマ娘の存在する世界のトレーニングセンター学園なんて言えるわけが無いし、独学で誤魔化せるかな?

 

「ど、独学です」

 

「へぇー!お姉さん凄いんだね!」

 

「そ、そんなこと……エヘヘ」

 

さっきから褒められてばかりだから少し恥ずかしいな。

 

「そう言えば、名前を教えてはいませんでしたね。僕は安室透。此方の毛利探偵の弟子です」

 

「私が名探偵、毛利小五郎です!何かあったら相談に乗りますよ、お嬢さん。こっちは娘の蘭、そしてこいつはコナンです。」

 

た、探偵さんなんだ。ま、漫画とかでしか見たことがなかったけど本当に探偵はいたんだ。でも、収入とか大丈夫なのかな?そんな事を考えながら差し出された名刺を受けとる。

 

「よろしくねお姉さん!ねぇねぇ!どうやったらあんなに早く走れるの?」

 

どうしよう、人として走る時のアドバイス……思い付かない。だって(ライス)はウマ娘だし

 

(ライス)はその、教える方法わからないから……」

 

「お姉さんの名前は?」

 

取り敢えずそう言っているとき、このコナン君に対して何処か見覚えのあるような気がする。

 

気のせい、かな?そう言えば皆も自己紹介したし、私も自己紹介した方が良いよね?

 

(ライス)の名前はその……ライスシャワー、です」

 

そう言うと毛利さんは目を見開いて驚きコナン君と蘭さんは首を傾げ、安室さんは一瞬顔を歪めたような気がした。

 

「ほぅ!ライスシャワー!ライスシャワーを知っとるとは!お嬢さんも競馬が好きなのか!」

 

「ッ!」

 

ライスの事を、知っている。その事から頭の中で久しぶりとも言える感覚が頭を支配する。

 

「ちょ、お父さん!なんでライスシャワーさんの名前が競馬なんかに繋がるのよ!」

 

「良いか蘭!ライスシャワーはな!」

 

目の前が真っ暗になって、何も見えない。

体を支配するの恐怖心、そして強く植え付けられた他人からの感情。

 

『また罵倒される』『逃げなきゃ』

 

『また不幸になる』『また不幸にしてしまう』

 

『怖い』『嫌』『悲しい』

 

『誰もライスの走りを望まない』

 

()()()は今すぐにでも走り出したい、この場から逃げ出したい。

 

「すげぇ!馬なんだよ!」

 

そんな思いは、そんな毛利さんのたった一言で砕け散る。

 

「え?」

 

まるでカーテンを開けたように、真っ暗な中に目の前に光が差し込んできた。

 

「菊花賞でミホノブルボンのクラシック三冠制覇!それに1993年の天皇賞春ではメジロマックイーンの同競走三連覇をそれぞれレコードタイムを叩き出して阻止したすげぇ馬なんだよ!!」

 

それは、ずっと否定され続けていた()()()の初めて自身の耳で聞いた自分以外がライスへ向けた肯定的な言葉。

 

「そんなことからライスシャワーは『関東の刺客』『黒い刺客』『レコードブレイカー』の異名を持つんだぜ!くぅ!俺も映像見てて思わず胸が熱く───」

 

なんで、なんで罵倒しないの?

 

ライスが走ると皆嫌な顔をするのに、なんでこの人はこんなにも楽しそうにライスの走りを語るの?

 

「よかったら此方を」

 

そう言って安室さんがハンカチを差し出してくる。意図が分からず、首を傾げその拍子に頬から涙が頬を滴り、地面へと落ちる。

 

泣いている事に、今気付いた。

 

「ちょっとお父さん!泣いちゃったじゃない!!」

 

「い、いやその!俺は馬の話をしてるだけで……」

 

ライスは、沢山の人から否定され続けた。そう思った、ライスの全てが壊れた日。あのライブでも、罵倒のみが耳に聞こえると思っていた

けど、違ったんだ。ライスを応援してくれる人も、いたんだ。

 

「ありがとう、ございます。」

 

気が付けばライスはそう口を開いていた。

 

()()()に、気付かせてくれて、肯定してくれて……ありがとう、ございます。」

 

そのまま()()()は久しぶりに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、(ライス)のお腹からグゥーと大きな音が鳴った。恥ずかしい、顔が熱い。恐らく今はトマトのように頬が赤くなっている。

 

そう言えば、(ライス)の体って一度本気で走ると凄くお腹が減っちゃうんだよね。ウマ娘って少し燃費が悪いのかな……。

 

「あの、し、失礼します」

 

そう言って走り出そうとして、私の手を誰かが握る。見れば、コナン君が私の手を握っていた。

 

「ねぇねぇお姉さん!この後みんなでご飯食べにいくんだけど、お姉さんも一緒に行かない?ボク、もっとお姉さんとお話したいなぁ」

 

………ごめんなさいお姉さま、(ライス)ご飯には勝てなかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安室透side

 

 

出会ったのは偶然だった。本来ならば保護するはずであった黒の組織の研究者達の行った人間と他の生物の遺伝子を掛け合わせ、新たな生命を作り出す実験。

 

小さな子供を誘拐し、その子達で実験を行っている。少し前に組織との間に裏切りがあり、実験を行っていた研究所についた時には研究員は皆殺しにされていた。

 

研究内には沢山の人体に異変のある子供の遺体が保管されていたらしい。研究の資料によると、子供の中では牙が生えている子や目の色があり得ない色に変化した子。頭に生えた耳が聞こえ、人間としての耳が機能を失った子もいるらしい。現実ではあり得ない空想上の生物、獣人。

 

せめて、生きている子供だけでも保護したかった。だが報告書にはこのたった一人の完成した最高傑作である少女を残しすべての子供たちは殺された。

 

親元に返すことも叶わなかった、その現実が自分の力不足を痛感させられた。その後、組織がその少女を捜索した。もちろん、俺も風見に捜索の指示を出したが少女は見付からず、その少女に関する情報も無く、これ以上の捜索は不可能となりこの話は終わりとなった。

 

最近になって分かったのだが少女に現れた体の異変、それは馬の耳と尻尾らしい。

 

そんな事が今分かったとしても、もう少女が何処にいるか、そもそも生きているのかも分からない。

 

そんなある日、安室透として毛利先生やコナン君達と共に行動していた時だった。毛利先生の近くに止まった車に毛利先生を押し退けるように男性が入っていく。男性が車に入る瞬間に、女性物のバックが見えた。頭の中で男の車に乗る様子から、盗難が思い当たる時には車は走っていった。

 

そんな時だった、僕達の前に黒い外套を羽織りフードを深く被った小さな子供が両膝に手をついて呼吸していた。やはり、あの男は盗難を?いや、まずこの子から話を聞いて見るしかない。

 

「君、どうかしたのかい?あの車に乗っていた人を追いかけていたようだけど」

 

そう声をかけてみるが、子供は此方を向かず俯いて呼吸を繰り返す。何か聞き出さないと、さっきの車の男に関しても何も分からないままだ。

 

すると外套から僅かに見えた顔が此方を捉える、恐らくは僕たちに気付いたのだろう。

 

「あの、大丈夫ですか?さっきの人は─」

 

態度を改めて、刺激しないように話しかけるなか、突如として少女が外套へと手を伸ばし強く掴む

 

「すいません、少しの間私ライスの外套預かって下さい!」

 

その声と共に外套がバサリと音を立てて宙に放り出され僕の腕に乗る。そしてそれの同時に外套を羽織っていた少女が姿を表した。漆黒のドレスを纏い頭に馬の耳、そして尻尾が生えた異常な姿の少女。

 

「なっ!」

 

あの実験の中で生き残った、たった一人の生き残りの少女。

 

そんな彼女は前傾姿勢になり、瞳を閉じた瞬間、まるで金縛りにあったような感覚がした。まるで蛇に睨まれている蛙のように全く動くことが出来ない。

 

その時だ、少女がゆっくりと目を開く。一瞬だが、俺には少女の片目に青い炎が灯っているように見えた。そして次の瞬間には俺達の前から消えた。いや正確には走っていった、それも人の出せるとは思えない速度でだ。

 

とてもだが信じられない気持ちでいると少し先で車と何かが衝突するような音が聞こえた。事故か?いや、まさかさっきの少女が?

 

そんな事を考えながら毛利先生達と会話する。

 

幸い、彼女の外套を預かっているから戻っては来るはず。その時に聞くか

 

そして帰ってきた少女は僕から外套を受け取ると直ぐに羽織りその尻尾や耳を隠す。

 

毛利先生やコナン君と話すなか、彼女の名前が分かった。彼女の名はライスシャワー、日本語でも英語でもない、そんな果たして名前と呼んでも良いのかわからない名前。この名は自ら名付けたのか?はたまた研究所の誰かが名付けたのかわからない

 

ライスシャワー、その意味は結婚式後に出てくる新郎新婦へお米を撒いて祝福する事を差す。奴らが作り出した、改造されたこの子に付けられた名が祝福を意味するライスシャワー。そんな考えに思わず安室透としての顔が一瞬だが剥がれ、急いで安室透としての仮面を被り直す。

 

「ほぅ!ライスシャワー!ライスシャワーを知っとるとは!お嬢さんも競馬が好きなのか!」

 

「ッ!」

 

「ちょ、お父さん!なんでライスシャワーさんの名前が競馬なんかに繋がるのよ!」

 

競馬?何故ライスシャワーと競馬が繋がる?毛利先生は一体何を?

 

そう思いながらライスシャワーと名乗る少女を見ると俯いていた。まるでこの場の何かに怯え逃げ出したそうに。

 

「良いか蘭!ライスシャワーはな!すげぇ!馬なんだよ!」

 

馬?

 

「え?」

 

まるで俺の心を代弁するかのようにライスシャワーが目を見開き顔を上げる。その表情は驚愕に染まっていた

 

「菊花賞でミホノブルボンのクラシック三冠制覇!それに1993年の天皇賞春ではメジロマックイーンの同競走三連覇をそれぞれレコードタイムを叩き出して阻止したすげぇ馬なんだよ!!」

 

なるほど、つまり毛利先生は過去の競馬の馬の事を言っていたのか。

 

「そんなことからライスシャワーは『関東の刺客』『黒い刺客』『レコードブレイカー』の異名を持つんだぜ!くぅ!俺も映像見てて思わず胸が熱く───」

 

見ると、ライスシャワーは泣いていた。綺麗な瞳から大粒の涙を流して。

 

「よかったら此方を」

 

そう言って持っていたハンカチを渡すと彼女は少し頭を下げハンカチで頬の涙を拭う。だが様子を見る限り恐怖や悲しみからの涙ではなかった。

 

「ちょっとお父さん!泣いちゃったじゃない!!」

 

「い、いやその!俺は馬の話をしてるだけで……」

 

蘭さんに言われて慌てる毛利先生、コナン君も少し驚いているように見える。

 

「ありがとう、ございます。」

 

そんな時、少女がそう口を開いた

 

()()()に、気付かせてくれて、肯定してくれて……ありがとう、ございます。」

 

まるで子供がオモチャを与えられた時のような純粋な笑顔、瞳からは涙が少し流れていながらも、口から出た言葉は重かった。

 

肯定してくれた、と言うことは彼女は今まで否定され続けていたと言う意味を考えられる。

 

しかも人体実験のために誘拐され、産み出された命。周りの人とは違う、そんな彼女は周りからは嫌われて育ってきたからこそ、毛利先生に名前を褒められた事にこんなにも嬉し涙を流して出る言葉。

 

こんなにも優しい少女へど人体実験を施した組織を必ず、解体して見せる。

 

そんな思いを胸に、俺は安室透として彼女に接するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても

 

「凄いですね………」

 

目の前では先程のライスシャワーさんが沢山の料理を平らげていた。しかも今もラーメンを食べ続けているのを見てそう呟いた。

 

コナン君がライスシャワーを晩御飯に誘いファミレスに入ったのだが、最初に毛利先生が全員分を奢るとお金を出そうとしたのだが、ライスシャワーさんが自分の分は払いますと言って聞かなかった。今となっては毛利先生は少し安堵しているように見える

 

「お姉さん大食いの人?」

 

「違うよ?!…変だよね?こんなに食べるの。」

 

「そんな事ないですよ?」

 

「そうですよ!ねぇお父さん」

 

「蘭の言う通りだ、今度テレビでやる大食いの番組にチャレンジ出来るんじゃねぇか?」

 

「エヘヘ、(ライス)はウマ娘だから本気で走ると凄くお腹が減っちゃって」

 

そう言いながら麺を啜るライスシャワーさんの口から出た『ウマ娘』と言う単語は何だろうか?。文字通りならライスシャワーさんの事を差すのだろうけど、でもそのような単語があると言うことは少なくともライスさん以外にも同じウマの特徴を持った子供達がいると言う事だろうか?

 

「ところで、お姉さんは何処の学校に通ってるの?」

 

(ライス)、これでも成人してるよ?だから学校には通ってないの」

 

「へー、じゃあ何のお仕事してるの?」

 

「え、えーと(ライス)はお仕事はしてないの。ストリートミュージシャンをしてるの。えっとこれがライスのアカウントだからよかったら見に来てね」

 

そう言ってライスシャワーさんが差し出したスマホにはライスシャワーと言うアカウント名と自分で撮ったのであろう彼女の顔写真。

 

なんとなくどこかで見たことがあるような気がしながらも俺はパクパクと料理を平らげる彼女を見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、ライスの走る姿を撮った動画は拡散され彼女のファンの元へと辿り着く。

 

 

某国、某所にて。

 

全身を真っ黒な服装で統一したガタイの良い男性がとある動画を上司である銀髪の男性へと

見せる。

 

「兄貴、これって」

 

「………早めに終わらせて帰るぞ」

 

「へい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米花、某所にて。

 

少女がふと、調理の手を止めテレビのニュースを見る。

 

『先日あげられたこの動画、車道を車を越える速度で駆け抜けていく少女の動画ですが今ではその動画サイトでは100万回再生されており』

 

「これって……一体彼女に何が?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所、一人の女性が目を閉じ祈るように腕を組んでいた。女性は瞳開き、何処か心配するような表情は浮かべ口を開いた。

 

 

 

 

「そろそろ限界、ですか。彼女の傷は深い、もっと時間を掛けるべきですが……このまま()()()()()()()を止めておくことは出来ない。少しでも時間を動かすしかない、あの世界で彼女が消えてから数日ならまだ()()が効きます。ですが、一年間も経てばもう修正は難しい………速く彼女の傷を癒すのです。頼みましたよ、カノン………。」

 

 

 

 

 

 




謎のメジロ仮面X
「ご愛読ありがとうございますわ!
次回辺りからこの作品はENDへ向けて追い込みに入りりますわ!
出来るだけ止まらないよう書き続けますわ!
感想、お気に入り登録、高評価
お待ちしていますわ!
同じくウマ娘作品である
『パクパクですわ!のキャラに転生したんだけど、何か違いますわ……』
もよろしくですわ!」

???
「あいつ変な仮面着けて何してんだ?」

???
「さぁ?最近のマックイーン何か変だよね?」

短編ifを需要がありますか?

  • コナン世界にて
  • ウマ娘世界にて
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