霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して! 作:みけさんわーきゃっと
誤字脱字報告者のSERIO様、クオーレっと様、紅月 雪様、すかたず様、colpo様ありがとうございます。
評価くださった方、特に一言迄頂いた方、本当にありがとうございます。
今回の話はどうもエロ汚染されたようなので浄化のために本来の意味でのやおい話
(やまなし、いみなし、オチなしの話)を書きました。
文字数も少ないのでショートストーリーぐらいのつもりでお願いします。
「さっむ」
手にミカンの入った籠をもって独り言ちる。
今日は朝から雪が降って結構冷え込んでいたのだが、日が落ちてさらに冷え込んできたようだ。
幻想郷に来て一番困ったのがこの気温の変化だ。
夏暑く、冬寒い。当たり前の事ではあるが、エアコンなど望むべくもないこの環境ではわりと切実な問題だ。
夏場はチルノにでも引っ付けば涼は取れる(なので夏場の俺はチルノに甘い)のだが、冬場はもう、取れる手段が昔からある暖房しかないのだ。
そして、紅魔館みたいなところには暖炉が(生意気にも魔理沙の部屋にもある)備え付けられているが、博麗神社は日本家屋。囲炉裏や火鉢ぐらいしか熱源が存在しないのである。
というわけで俺がこたつを作った。
作ったと言っても火鉢に布団をかぶせるタイプの置炬燵をすこし改造して、現代風のテーブルのあるタイプのこたつに改造しただけだが。
熱源が火鉢なのは変わらないので、中央に柱のようなものが存在してしまうため、肩まで突っ込んで全身をあっためるとかはできない。
しかし置炬燵と違って複数人が足ぐらいは突っ込めるようになったので、現代のこたつとさほど変わらない運用ができる。
チルノが中に入って「一回休み」になる事件(溶けたのではなくたぶん窒息、せまい空間で炭燃やしているので)があったため、中に入るのは厳禁である。
寝転がれないことを除けば自分で言うのもなんだがなかなかいい改造だと思うぞ。
ただし、火を使ってることには変わりないので十分な注意は必要だが。
布団のほつれた糸やはみ出た綿から本体に引火することだって十分にあり得るからな。
で、このこたつにはもう一つ欠点があって。
「おーい、ミカン持ってきたぞー」
「ん-、ありがとー」
霊夢ちゃんをダメにしてしまうんだな、これが。
どてらを着込んで、猫背になってできる限り奥まで入ろうと体をちぢこませる霊夢ちゃん。
手もなるべく出したくないらしく、さっき湯呑を咥えて茶を飲もうとして盛大にこぼすという、ちょっとチルノじみた行動をしたり、俺にミカンを取りに行けと圧をかけたり。おしっこをギリギリまで我慢して、鬼気迫る顔でダッシュしてトイレに行ったりと、せっかくの美少女なのに台無しである。
それでも可愛いけどな!
「しかし、今日は特にひどいな、いや確かに寒いけど」
「寒いわよ。正直アンタがいろいろ住環境整えてくれるから、我慢ができなくなった気もするけどね」
「それは誉めてるのか、非難してるのか……?」
「両方。感謝はしてるわよ」
さいでっか。
霊夢ちゃんは素直じゃないから、こういう時は感謝9割ぐらいの時だと、長い付き合いで学んだから、少し嬉しいな。
「霊夢ちゃん大好き」
「アンタいつも唐突にそれ言うの何なの?」
おっと、また漏れてしまったようだ。
だって仕方ないじゃないか、可愛いんだからさ。
「いや、純粋な本音だけど……」
「アンタももの好きというかなんというか……ま、ありがとうぐらいは言っておくわ」
霊夢ちゃんのものいいはツンデレとはちょっと違うんだけど、こう、言葉の端々に感情が隠れてる気がする。
「うう、寒い……ちょっと、アンタミカン剥きなさいよ」
「別に剥いてもいいけど、食べるとき手を出さないと食べれないだろ?」
「少なくとも冷えたミカンは触らないですむわよ……あ、そうだ」
そういうと霊夢ちゃんはこたつから出て……あれ?寒いんじゃないの?
「アンタちょっとこたつからでなさい」
なんで俺まで!?
そうおもいつつこたつから出ようとすると霊夢ちゃんが制止した。
「あ、そのぐらいでいいわよ」
「え?」
俺がこたつから抜け出ようと尻をずらして下がったところで、動きを止められた。
そして霊夢ちゃんが……
「よっこいしょっと」
「うえっ!?」
こたつと俺の隙間に入り込んで俺の上に座ったよ!?
ぬくやわこい感触と、霊夢ちゃんのいい匂いで俺の思考はショート寸前、今すぐ会いたいよ(混乱)
「これなら背中も暖かいし、問題ないわね」
「俺の理性が問題ありまくりなんですがそれは!?」
「サルじゃないなら我慢しなさい」
「アッハイ」
霊夢ちゃん辛辣うぅぅぅっ!
「だいたい、くっつくなんてよくあることでしょうが、何意識してんのよ」
「それは左右方向!あとたまに前後!上下方向とかおかしいでしょ!あと前後左右でもいつも意識してるからぁ!」
俺、大混乱。
俺が変な作業してる時とか覗き込んできて背中に霊夢ちゃんのさらしでつぶした固いおっぱい感じるだけで大興奮なのに、なにこの密着具合。
明日幻想郷滅ぶの?
さらしで思い出したけどそういえば……
「ねえ、今日霊夢ちゃんおっぱい大きくない?」
「アンタねえ……」
とあきれたような霊夢ちゃん、いや明らかに大きい気がする。
「こんな寒い日どこにも出かける予定がないからさらし巻いてないだけよ」
「えっ……!?」
後ろから思わず胸元をのぞき込む、確かに谷間が深い。
これ、霊夢ちゃんが前傾姿勢になったら見えるんじゃね?
「もうアンタが何考えてるか丸わかりだわ、苦しいから押すな!」
霊夢ちゃんを前傾姿勢にさせようとどうも俺の体で押してしまっていたらしい(完全に無意識)霊夢ちゃんに結構強めに怒られてしまった。
それにしても
「育ったなあ……」
「アンタ無意識だろうけどなんでもかんでも口に出すの本気でやめたほうがいいわよ?」
しみじみと出会った頃の大きさと比べてしまったのがまるわかりになってしまったようだ。
霊夢ちゃんは怒るよりも呆れているような口調なのでセーフだと思いたい。
「アンタも大きくなったわよ?最初私と頭半分ぐらいしか変わらなかったのに、今じゃこうやってすっぽりと私が収まってるじゃない」
言われてみればそうかも、今も俺の上に載ってるにもかかわらず、俺のあごぐらいに霊夢ちゃんの頭がある感じだ。
「二年半か、なんか霊夢ちゃんとは生まれたときから一緒にいた気がする」
「そこまでは言わないけど、そうね、なじみっぷりがすごいわね」
俺は知識はあるけど記憶がないからな。
ある意味本当に生まれたころから一緒のようなもんなんだがな。
「そうだ、最初の目的忘れるところだったわ、ミカン剥いて」
「仰せのままに」
「似合ってないわよ」
「レミリアさんには受け――痛っ」
「余計なこと言ってないではやく剥いて」
霊夢ちゃんに太ももをつねられた。
そんなにミカン食いたいのか。しょうがない、急いで剥くか。
「おりゃあ」
秘技真っ二つ剥き!
ミカンを皮ごと半分に割り、割ったところから指を入れて手早く剥く技である。
なお、素人がやると割る時につぶしてしまったりして大変なことになるから注意だ。
「器用な剥き方するわね」
「急いで剥くときの技だな、素人にはお勧めできない」
「アンタはプロフェッショナルなの?」
と、少し呆れたような口調で霊夢ちゃんが問いかけてくる。
「おう、ミカン剥き検定準一級だ」
と、益体もない答えを返す、もちろんでたらめである。
「準一級ならプロフェッショナルとは言えないわねえ」
「なに、すぐ一級も取るさ、ほい、むけたぞ」
緩い空気の緩い馬鹿話が心地いい。
こういう話をしているときに「霊夢ちゃん大好き」ってこぼれちまうんだよな。
「あーん」
「食べさせろと!?」
今日の霊夢ちゃんはかなりのぐうたらモードのようだ。
まあ、たまにあるこういうモードの霊夢ちゃんはとても可愛いので可愛いんだよ(語彙消滅)
「ほい」
「うん」
「ほい」
「ん」
餅つきか!?
思わず心の中で突っ込んでしまったが、霊夢ちゃんが飲み込んで口を開けるところに次のミカンを差し込んでいく作業が思ったより楽しい。
半分ぐらい食べたところで「もういい」と。我がままだな!?そういうところも可愛いけど!(もはやかわいいしか語彙がない)
霊夢ちゃんがこたつから手を出して……ってだすんかい!
ミカンをもって――
「はい、あーん」
「のこり半分一気!?」
あーんしてくれるのは良いんだが、残った半分まとめて俺に差し出してきたぞ……
「何回もやったら手が冷えるでしょ、なによ、あたしがあーんしてあげてるのに食べないのかしら?」
「霊夢ちゃんのあーんなら毒でも食うけどさ!」
「なら食べなさいよ、手が冷たいんだから早く」
「いただきますっと」
まあ、俺も男だからこれぐらいなら一気食いはできるけど。
「あ、汁飛ばしたら抓るわよ」
理不尽な!?
叫びたかったがそうすると汁が飛ぶので食い終わるまではおとなしくしていた。
「あーぬくぬくねー」
今の霊夢ちゃんは俺を座椅子のようにして体重を預けてきている。
少し反ったような斜めの体勢になっているせいで、胸のふくらみが強調されていてなかなかに眼福だ。
そっと後ろからもみたい衝動に駆られてしまい、少しづつ手の位置を胸に近づけていく。
そんな動作が気づかれないわけがなく……
「ぬおおおっ!?」
めっちゃつねられた。
「アンタって本当に莫迦ねぇ……」
「霊夢ちゃんがエロ可愛いのが悪い」
「開き直られても、困るんだけど……」
そう言われてもそうとしか言いようがないからな。
「だいたい無防備すぎるぞ、今日の霊夢ちゃんは、誘ってるのか?いいぜ、俺はいつでも理性をかなぐり捨てる準備はできている!」
「アンタってば……はあ、ま、いいわ。なんていうか、音すら消えるような雪の降る夜は、物寂しくならない?」
「それはわかる」
雪がしんしん降っているときって、妙に寂しく感じるんだよな。
「それでたまたま人肌恋しい気分になってるだけよ」
「それで我慢を強いられる俺の身にもなってほしいな」
「うーん、さすがに酷か……じゃあ、そうね……抱きしめる位なら……いいわよ」
今なんと?
「えっ、マジ?」
「アンタにくっつかれても嫌ではないし、私も背中あったかくなるしね、言っておくけど揉んだりしたら……片方つぶすわよ」
「どこを!?」
「え、そりゃあきん――」
「女の子がそんなこと言っちゃいけません!」
あと怖いので聞きたくありません!
タマがヒュッってなったわ!
「でも霊夢ちゃん、それはそれで俺つらいんだけど」
おもに理性的な意味で。
「なにもなしと、我慢すればしばらく密着できるのどっちがいいの?」
「密着!」
「じゃあ我慢することね」
「アッハイ」
くっそう、いいようにやられてる、だってしょうがないじゃないか霊夢ちゃん可愛いんだもの!(今日何度言ったかわからない)
「じゃあどうぞ」
「お、おう」
やっべ緊張する(いろんな意味で)
左手は腰、右手は……怒られるかな?と思いつつ胸の上に腕が回るようにして抱きすくめてみる。
柔らかい。
どうも揉んでないのでセーフのようだ。
俺の緊張も解けリラックスする、腕が幸せな感触だ。たまに腕組んでくる早苗ちゃんや小町ちゃんなんかも腕におっぱいの感触をかんじたりはするが、それとは比べ物にならないぐらい腕が幸せである。
考えたらさらし巻いてないときの感触初めてかもしれない。
俺の緊張が解けたのが伝わったのか、霊夢ちゃんは深く俺にもたれかかってくつろぎ始める。
「ん、悪くないわね、アンタは?」
「ごめん、いっぱいいっぱい、おっぱいいっぱいでうまく言葉にならん」
「……はあ、アンタスケベな割には弱いわよね」
「可愛い子のおっぱい触って冷静でいられたら、男として終わってるわ!」
むしろ混乱してるおかげでマイサンがスタンダップしないかんじだぜ。
「……アンタは今あくびが出るかしら?」
「ん、え?いや緊張してそれどころじゃないけど……」
「そ、ふぁあああ、私は出るわね」
「どういうことだ?」
眠いのかな?
「いつだったか、誰だったか、言われたことがあるのよ」
「何を?」
「一緒にいて幸せなあくびが出る人と暮らしなさいって、長い人生、それぐらい気を抜けないと……」
「え、あ、う?えっ、ちょっとそれって」
「ふぁうううぅ……」
「霊夢ちゃん今のってどういう意味!?霊夢ちゃん!?」
「zzz……」
寝てるよ!?
何だ今の!?
俺はいったいどう解釈すればいいんだ!?
俺が緊張してるから霊夢ちゃんに好き好き言ってるのが嘘くさいってことか!?
それとも霊夢ちゃんは……
でも、霊夢ちゃんは博麗の巫女なんだよな……
俺も真剣に考えたことはある、でも結局そこにたどり着くんだよなあ……
「ま、いいやまた後で考えよう」
身体を俺に預けて、安らかに眠る霊夢ちゃんはいつもの凛々しい顔とちがい、少し子供っぽくてかわいい。
「ふぁああああ、霊夢ちゃん見てたら俺も眠くなってきたな」
霊夢ちゃんを起こさないよう抱きかかえたまま俺も倒れ込む。
このままでは霊夢ちゃんの体が冷えてしまうので俺のどてらを掛布団代わりに霊夢ちゃんにかけてやる、俺は霊夢ちゃんの肉布団(響きがエロいぜ)であったかいしな。
「ふあああ、むう、本格的に眠いわ、ぬくやわこいのと接触してるとだめだな」
と、欠伸をひとつして、俺も目を閉じた。
本当にやまなし、いみなし、オチなしですが。
玉には頭空っぽにしたい時もあるのです、勘弁してください。
お気に入り、ご意見、ご感想、評価などお待ちしています。
とくにこういう変則枠は感想でいろいろ言ってくれると大変助かります。
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