霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して! 作:みけさんわーきゃっと
誤字脱字報告者のすかたず様、SERIO様、クオーレっと様、kaixx様、すかたず様、タツタ様ありがとうございます。
評価くださった方、特に一言迄頂いた方、本当にありがとうございます。
今回はぬくぬくで浄化されたのでエロス成分は薄めです(どちらにせよ帰るだけですので)
次回以降をお待ちください。
――目が覚めた、だがここで起き上がってはいけない、棺桶にしこたま頭をぶつけて悶絶することになるからだ(過去に二度経験がある)
レミリアさんのほうをみると、ぎゅっと腕にしがみついてすやすやと寝ている。
こういうところはやっぱり姉妹だなあと思う。
「レミリアさん、起きてください、朝ですよ」
吸血鬼に朝ですよと言って起こすのは違和感がすごいが、レミリアさんは昼夜逆転(つまり「普通の人間と同じ)してるからな。
「んぅ……おはようのキスしてくれたら起きるわ……」
いつものことながら毎回これを言われる。
もちろん断って揺さぶって起こしていたのだが……
ちゅっ
「おはようございます、起きたか?」
「お前……ふふ、いいものね、男に起こされるのも。いい感じに前向きになったのかしら?」
「開き直っただけかもだけどな、ま、俺なりに頑張ってみようかなと」
「少しあの子に嫉妬するわね」
「いや、少なくともレミリアさんが俺をこうしたんだよ。俺は感謝してる。だから嫉妬よりも誇ってほしいかな?」
そういうとレミリアさんは腕を強めに掴んで睨むように言った。
「お前、すこし抑えなさい。私だって我慢の限界があるのよ?」
「えっ!?怒るポイントあった?」
「そうじゃなくて……ふ、そういうところはまだ駄目ね」
「なんかいきなりだめだしされた!?」
まったく、これだからお前は……とかぶつぶつ言いながらも腕にしっかりしがみついているレミリアさんは可愛いな。
少女の魅力と大人の魅力が合わさり最強に見える。
「よい……しょっと」
内側からでも開けられるようにした棺桶ベッド三号を押し開け、外に出る。朝日を浴びたいところだが、レミリアさんに合わせて、この寝室には窓がないんだよな。
レミリアさんの方をちらと見る、棺桶の中で少し崩した正座をして「んーっ!」と、伸びをしている。
完全に透けたネグリジェ越しに見える肌と、正座していることにより食い込んだローレグのショーツ(透けた赤!)が伸びの動作でツンとした突起に押し上げられるネグリジェと合わさってエロ可愛い。
「モーニンスタンダップと合わせてかなり刺激強いんで、エロ可愛いのはやめてくれなさい」
ただでさえギンギン(多分昨日の食事が今頃効いてきたのだろう、痛い)なのにこれ以上俺の息子をいじめないでほしい。
「あら?手を出してもいいわよ。私のものになるならだけど」
「我慢する」
「そ、ざぁんねん」
からかうように言うレミリアさんを、先に出た俺が引っ張り上げるようにして棺桶の外に出す、出されたときに飛びつくようにして俺の股間に頬ずりしていったのは絶対わざとだろう、ちょっと気持ちよかった。
頬ズリだったらやばかったな。うん、頭がピンクだ、やばいな。
「なにかいつにもまして変な顔してるけど、ゆっくりでいいのよ、考えるのは」
「変とは失礼な!でも、まあ、わかった」
レミリアさんの心使いはありがたくもあり、見透かされているようで恥ずかしくもある。
でも、一皮むけた気はするな。
ムケては元からいたがな!(霊夢ちゃんが皮被ってるとおしっこの時飛沫飛ぶのよねと、ぼそっと言ったので必死でムいた。ビガーパンツなるものが無縁塚にあったので使ってみたら無事ムケた)
「いつでも来なさい、紅魔館の門はあなたを拒まないわ」
「そもそも門番が機能してない気もするけどな……」
「また遊びに来てね、お兄様!」
「おーう、フランもいつでも来いよ」
「うん!」
「それではこちらをお収めください」
「ありがとな咲夜ちゃん」
フランの能力を引き取った後、スカーレット姉妹(と咲夜ちゃん、いつの間にか控えてた)に見送られて紅魔館を後にする。
当たり前のように美鈴ちゃんがいないんだが……
レミリアさんの本気がわかったので別にお金などはいらないと言ったが「それはそれ、これはこれ」と、ちゃんと支払われた。
その金額10万円。
妙齢の女性が体を売ってもなかなか手に入らない金額だと思う。
ちなみに幻想郷の貨幣だが、外来人が困るだろうというので定期的に慧音ちゃんが入れ替えることにしたらしい。
貨幣の歴史を改変すると持っているお金まで自動的に時代に合った金額に変化するとのこと。便利な能力だな。
ちょっと前までは一円札があったというから驚きだ。
まあ、ちょっと前が何年前かは分からないけども。
妹紅さんの少し前が普通に戦国時代だったりしたからな、少し前に京都の伏見のあたりで桔梗の花の兜をかぶった人間を仕留めたことがあるとか言ってた。
……それ明智光秀じゃね?(戦慄)
……歴史の闇は置いておいて、幻想郷では人間以外の時間の感覚を推し量るのは無意味だってことだな。
まあ、人間でも咲夜ちゃんは特殊だと思うけどな。
俺もそうなるのか、人間として死ぬのか.
いまはまだわからねえけど、精一杯生きないとな。
紅魔館からある程度離れて、対空魔術の範囲外に来たので俺は飛び上がった。
さて、どうしようかな?
昨日行けなかったチルノのところに行ってかまい倒すのもいいんだが、手ぶらだとおやつちらつかせて弄ることができないから面白さが半減するんだよな(外道)
リグルを弄るのもありだな、徹底的に男扱いして(風呂に誘ったり、ツレションさそったり、好きなおっぱいの形について語ったり)やると、すごい女の子っぽい言葉としぐさで反抗しようとする。
もうすこしでちゃん呼びしてもいいぐらい可愛い。(非道)
大妖精は不幸キャラが染みついているのか、めっちゃ甘やかしてやると、こんなに幸せでよいのかとだんだん挙動不審になっていくのが、また可愛い。(ゲス)
……うん、俺ちょっと妖精弄りすぎだな!
でも、まあ、名もなき妖精も含めてそれなりに懐かれてるはず。
俺のひそかな自慢として妖精を休ませたことがないのがある。
もちろん、チルノが自爆したりした場合は別だが、自分で弾幕などで処したことはいまだ一人もない。
あと匹で数えない。
異変中にあまりにもたかられるときは、スペルカード「だだ甘の蜂蜜菓子」(行動阻害スペルカード、蜂蜜に浸かったかの如く、動きと弾幕を超スローにして阻害する。中心部に近づくほどほど遅くなる。おまけで妖精の好きそうな匂いを中心部から出す。霊夢ちゃん曰く妖精ホイホイ)を切って対処する
リリーホワイトは季節でテンションが変わるが基本的には妖精の中ではいい子。
ドロワーズをはいていたのにがっかりしていると、次の時にはパンツをはいてきてくれたりする。
名前のとおり、純白のパンツだった。ただし布面積は多めで色気はない。
時々黒い服を着ているが、その時は黒いのだろうか、今度確かめなくてはなるまい(使命感)
三月精もそれなりに(こいつらは完全に餌付けした感じだが)懐いてくれているし、ルーミア(妖怪らしいが俺の中では妖精と同じ枠である)に至ってはもはや兄か父のような感覚である。
エタニティラルバも幽香さんのところに頻繁に行く関係上仲がいい。
ラルバは妖精の割には頭がよく、下ネタも面白い切り返しをしてきたりする。
ただ、幽香さんと二人きりになるとほぼどっかから覗いている、エロに興味津々なのだろうか……?
クラウンピースだけいまだに距離感がつかみかねている。
自分のペースに巻き込むのがうまいというか、つかみどころがないというか、なかなか手ごわい。
懐いてはくれていると思うけど、他の妖精より幾分ドライだ。
……冷静に考えるとたまに霊夢ちゃんが
まあ、構うのをやめる気はさらさらないがな!
チルノの巣(あの乱雑さは巣である)を遠くに見ながら
だが、俺の足は(飛んでいるけど)香霖堂に向いたのであった。
「のすけー!きたぞー!」
「つなか、相変わらず急だね」
香霖堂の戸を開けて大声で呼ぶと、奥から本を片手にこの店の主たる霖之助が現れた。
素材は良いのに髪は大抵ワイルドな感じになっている。
まあ、それでも普通にイケメンというなかなかに憎らしい男だ。
幻想郷で数少ない俺の名を呼ぶ(というか、あだ名でだが)人物でもある。
俺は俺でのすけと呼ぶ。
幻想郷に来た時に俺を見つけた人物でもあり、霖之助の微妙な距離感は心地よく、なかなかに楽しい。
多分男では一番気を許している相手だ
……文がカメラワークを駆使して、俺たち二人を耽美な写真に仕上げて記事を書いたときは、ガチで拘束して文が二度としない&謝罪記事を各家庭に配ると泣いて許しを請うまで、妖魔本から召喚した。エロゲニールスライム(学名)にくすぐらせまくったからな。
最後ビクンビクンしてた気もするがそれぐらいの罪は犯したと思う。
本当は俺がダイレクトに悪戯したかったのだが、最初の捕らえるのがが幽香さん(ツタで縛り上げた)だったため、俺自体は報酬として幽香さんの抱き枕にされていたからな、まあ幽香さんは幽香さんで可愛かったからいいんだが。
……耳元で囁くように「私を嬲ってみたいですか?」とか聞いてくるのはやめてほしかった、エロいんですよ!
「まあな、紅魔館によった帰りだよ。特に目的もなかったから来てみた」
「もともと香霖堂はそういう場所だよ、魔理沙や霊夢だって用がないのに来ているからね。もっとも霊夢は君を引き取ってからめっきり来なくなったけどね」
「魔理沙はまだ来るのか、もう結婚しちまえよ」
「好かれてるとはおもうけど、そういう好かれ方ではないと思うけどね。おじさんに懐く姪っ子みたいな感じじゃないかな」
「ヤっちまえば何とかなりそうな気もするが」
ああみえて魔理沙は心は乙女(ただし、行動はがさつ)だし、チョロイとおもうんだよな。
多分、それなりに友好度の高い奴が真正面から口説いたら誰でもOK貰えそうな気がするぞ。
「今日のつなはいきなりきわどい話題来るね、何かあったかい?」
「ん、まあ、自分の立ち位置を見失いかけてる感じかな?」
「つなは馬鹿に見えて考えすぎなところがあるからね、結婚話を振るってことは、ついに霊夢と結婚するのかい?」
片眉をあげてから眼鏡を直すしぐさをして、俺に笑いかけてくる。
霖之助の事だからそうじゃないのがわかっていて、話しやすいように振ってくれてるんだろうな。
「できれば苦労しないなー、俺、最初霊夢ちゃん嫌いだったんだよ。でも見た目は可愛いから、ぶっちゃけエロいことできたらいいなってぐらいしか思ってなかった。でもなんか、こう、変なんだよ」
「よく知ってるよ、つなはいつでも愚痴ってたじゃないか」
「最初はこの店にも世話になったよなあ……あらためてありがとうな、のすけ」
「僕の方こそ蔵がほとんど片付いたからね、ありがたかったさ。まあ思った以上に役に立たないものが多かったけどもね」
「役に立つものを自分のものにして役に立たないものだけ商品にするからガラクタばっかり残ってるんだよ。せめて捨てろよ」
「もったいない。せっかく拾ってきたものだし、いつか直せるようになるかもしれないじゃないか」
「んなこと言ってるから塵塚怪王なんかうまれたんじゃねーかよ!小傘ちゃんたちがみんな巻き込まれて大変なことになってたろーが!」
塵塚懐王はゴミ(使えるのに使わない、あるいは壊れた道具という説も)の付喪神だ。周囲のゴミを纏ってどんどん強化されていく……うん、小傘ちゃんたち一部の付喪神がゴミ扱いされて合体してしまったんだ。もちろん異変だわな。
こころちゃんだけが免れて俺と霊夢ちゃんと事件を取材に来た文と異変解決にのりだしたんだ。
異変は無事解決したんだが、しばらく「私はゴミなんです……」とか小傘ちゃんたちの目が死んでた。
「ああ、そんなこともあったね」
「こいつ、流しやがった……!」
「まあ、話を戻すけど、結局つながどうしたいかだと思うんだよ」
「そうなんだよなあ。正直言うと俺が誰を好きなのか、自分でもわからねえ。霊夢ちゃんは好きだけどこれって家族愛じゃ?とかねーちゃんに性欲感じてる弟なんじゃとか、おもうこともあるんだよな」
「ほう?どうしてそう思うんだい?」
「吹っ切れねーんだわ、たぶんヤろうとおもったらヤれそうな気はする。まあ、そのあとめっちゃ怒られるか、追い出されるかもしれねえし、逆にそのまま恋人になるかもしれない。でもよ、ヤる気にはならねーんだわ。霊夢ちゃんでヌくことは普通にできるし、おっぱいだって触りたいと思うんだけどな。なんでだろうな?」
「ふうむ、僕自体、そういうことに疎いから「こうだ」という答えは出せないけど……霊夢はああ見えても責任感は強い、それこそ君が知っているよりもっとだ。君はそれを感じとっているのかもしれないな」
「のすけ、はっきり言ってくれ、この件に関しちゃ俺は頭が回らねえんだ」
「霊夢は博麗の巫女として生きている。巫女に求められるのは神聖さ。平たく言うと処女性だね。これは概念的なものだけど、性行為によって物理的に失わせることもできる」
「もっと簡単に」
「まったく、つなは普段は賢いのにな。要約すると「処女じゃなくなったら、霊力がなくなるかもしれない」もっと平たく言えば「ヤったら博麗の巫女じゃなくなるかも」だね」
「……霊夢ちゃんがたまに「私は博麗の巫女だから」とかいうんだよな。遠回しな拒絶だろうな……」
薄々は感じていたしレミリアさんも示唆していたが、霖之助にぶっちゃけてもらって再確認した。
いや、ヤれないからって霊夢ちゃんの魅力はみじんも落ちないけどな。
「なあのすけ。博麗の巫女って一人しかいないのか?」
「うーん、正確性に欠ける答えしか出せないな。僕もそこまで年配ではないし」
「焦らすな」
「基本的にはお役目ができなくなったら、次代を育てる感じになってたはずだよ、ただ……」
「ただ?」
「先代の博麗の巫女は蒸発してしまったんだ、だから八雲紫がどこからか霊夢を連れてきて、当代に据えたんだ」
「蒸発ねえ」
幻想郷にいる限り萃香さんと紫さんのタッグからは逃れられないと思う。
紫さんが知ってて隠匿しているか、それとも、現世に戻った可能性もある。
つまり、何らかの方法で、霊夢ちゃんを連れて現世に戻るのも一つの方法ではあるのか?
「君にそれができるのかい?」
霖之助が俺の考えを見透かしたように声をかけてくる。
「できるさ、きっと」
確かに難しいだろうけど、不可能ではないと俺は思う。
「ちがうよ、つな」
「ん?」
「幻想郷を捨てられるのかい?君を愛してくれた、君を受け入れてくれた、この幻想郷を」
俺はただ沈黙することしかできなかった。
何を言っても嘘になりそうで。
それはきっと幻想郷を裏切る行為だから。
「厳しいこと言ったけどね、僕もつながいなくなるのは寂しいからね?僕だって君の事は好きだよ」
「おいよせ、文が聞いてたらどうする」
俺の脳裏に「事実なら構いませんよね!」とか満面の笑みでサムズアップしてる文の姿がよぎったぞ。
「僕は気にしないけど?」
「俺が気にするわぁ!」
捏造記事ですら結構各所から反響があったっていうのに事実みたいに黙認するなよ。
前回同様命蓮寺で教育されちまうだろうが!
でも寺って同性愛者が多かったんだよな、歴史上は……つまり白蓮ちゃん筆頭に百合の花園なのでは!
いいな!
ふう、落ち着いた。
「なんかすごい勢いで百面相してたけど、立ち直ったようで何よりだよ。まあ、本気で博麗の巫女を調べたければ稗田家の史料を当たってみれば何かわかるかもしれない。一番手っ取り早いのは八雲紫から話を聞くことだろうが……」
「まあ、答えねえだろうな」
紫さんはそう言うことは答えるわけがねえな。いつものうさんくさい笑みでごまかされて終わりだ。
阿求ちゃんのところに今度行くことにするか。
「それにしても……いままでつなはこういう問題をあとまわしというか、なあなあにしてきたはずだが……何があった?」
「のすけは鋭いな。ちょっとレミリアさんにガチ目に諭された。あと愛の告白もついでに」
「お嬢様からしたら、愛の告白がメインなんじゃないかな?」
「その辺は薄々感じてたからな、まあでもちゃんと考えるようにするって答えは出したよ」
「なるほど。今日ここに来たのもその一環ってわけかい?」
「おう、やっぱりのすけと話するとまとめやすいな」
「まったく、たまには何もない時でも顔を出してくれよ」
「あたりまえだ、その、何だ……ほら、俺とのすけは……友達だろ?」
「違うね」
「えっ!?」
えっ!?
ちょっと霖之助!?
友達と思ってたの俺だけか!?
はっずいわ!!
「親友だろ?」
「……わざとだろ、のすけ」
「さて、何のことだか」
眼鏡をくいっとしながらとぼける霖之助。
このやろう、眼鏡に指紋つけるぞ!(なお霖之助のガチギレポイント)
そのあと
コーラを集めておいてくれたのは良いんだが、最初期のやばいコーラは霖之助が飲めって言ってあるのに、取っておかないでくれ。
まあ、飲みすぎれば霖之助もキマるかもしれんが、俺が被害を受けなければどうでもいい(畜生ムーブ)
「ん、戻ってきたのね」
「ただいま、お土産あるよー」
「おかえり」
お昼ちょっと前ぐらいに帰ると、いつも通りお茶を飲んでいる霊夢ちゃん。
日常の風景だけど、なぜか今はとてもいいものに思えてしまう。
「霊夢ちゃんそこは「おかえりなさい、ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?」でしょう?」
そう言われたらもちろん霊夢ちゃん一択だが。
「おかえりなさい、霊符にする?夢符にする?それとも無想天生?」
「やめてくださいしんでしまいます」
「なら馬鹿なこと言わないことね。ま、無事に帰ってきて何よりだわ」
このやり取り、一日しかたってないのになんか懐かしくてほっとするわー
「さすがに毎回何か事件起こさないって」
「アンタ10回行ったら3回ぐらい問題持って帰ってきてるからね?」
まさかの三割打者!?自分じゃあんまり自覚ないけどそんなだっけ…………そんなだったわ!
自分でも驚きだわ。
「でもまあ、幻想郷中の女の子は一通り絡んだはずだから大丈夫!」
「昔もそう言って月にいったわよね」
「紫さんが悪い」
即紫さんを売ってみる。
「アンタに隙が多すぎるのよ、まったく」
っと、隙か。好きに聞こえて焦ったわ。
だいぶん脳みそが汚染されてるな。
「霊夢ちゃん大好き!」
「アンタそれ言っておけばいいとか思ってないでしょうね?唐突すぎるわよ」
「一日ぶりにあったからつい……」
いや、何か言わないとと思ったら、ガチで無意識に出たわ。
俺、霊夢ちゃんいなくなったら病むんじゃね?
「ご飯は?」
「のすけのところで煎餅汁食った」
煎餅は現代だとおやつだけど、幻想郷だと普通に保存食としても使う。元は米だもんな、堅パンみたいなかんじだな。
「まだ食べる?軽いものなら作るわよ」
「いいの?」
基本的に博麗神社は朝晩二食である。まあなんだかんだいって間食は結構するんだけど。
「たいした手間でもないし、本当に簡単なものよ」
「じゃあお願い」
「ん、ちょっと待ってなさい」
割烹着を装着して炊事場に向かう霊夢ちゃん。
割烹着の霊夢ちゃん可愛い。
保温炊飯器なんかないから、残りご飯でおじやかなんかかな?
出汁のいい匂いが……
なんか幸せだな。美少女の手作りご飯だぜ(普段から食ってるけど、俺の分だけ作ってくれるというのは、こう、何かくるものがある)
ほけーっと戸口からたまにちらちら見える霊夢ちゃんの尻を眺めているとあることを思い出した。
「そういえば霊夢ちゃーん?」
「ん?なによ」
「一人せせりって――」
「してないわよ」(威圧)
「いや、だから一人せ――」
「アンタがいなくて一人になったからってしてないわよ!」
「いや、そうじゃないんだが……」
「それ以上言うとおじやぶっかけるわよ」
「それ戦国時代の防御!」
攻城戦で守り手は、煮えたおかゆぶっかけたりしたらしい、へばりついていつまでも熱いからかなり効いたそうだ。
しかしレミリアさんに聞けって言われただけなのに理不尽な……
いったい一人せせりって何なんだ。
「わかった、これ以上聞かない」
「そ、賢明ね」
釈然としないものを感じながら霊夢ちゃんの作ってくれたおじやを食べる。
うん、いつもの霊夢ちゃんの作る味だ。
すこし薄味で代わりに薬味が多めに乗っている。
俺が作るとちょっとしょっぱめだ、しょうゆをこよなく愛している俺は何にでも醤油入れるからな。
ただ、薄味と言ってもちゃんと美味しい。霊夢ちゃんが作ってくれたということを差し引いても普通においしいと思う味だな。
「うん、うまい」
「そ、ありがと」
はふはふしながら食っていると霊夢ちゃんが、俺から匙を奪った。
「アンタ美味しそうに食べすぎ、一口貰うわよ」
と、何のためらいもなく俺の匙で一口ぱくりと食べる霊夢ちゃん。「うん、我ながらいい出来ね」とにっこりとほほ笑んで匙を俺に返してくれた。
俺は返された匙でおじやを食べすすめながら考える。
どういったらいいんだろうな、現状完全に家族じゃん。
でも、兄妹も(もしかしたら霊夢ちゃんが姉かもしれないが)夫婦も家族だ。
はたして今はどっちなのだろうか、これからどっちになるのだろうか。
そう考えながら俺はおじやを平らげた。
レミリアさんところで我慢したから今晩はパンツ借りなきゃな。
お気に入り、ご意見、ご感想、評価などお待ちしています。
アンケートを見る限り8000文字前後のままで行こうと思います。
総合評価5000を目指しております。ぜひご協力ください。
超えたら何かします。
リングの曲がずっとくーるーきっとくるーだと思ってた。
この間歌詞を見る機会があって気づいた。
ねくすと(次は呪いとか祟りとかなんとかしてみた話)
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魔理沙とデートした話
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