霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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肉Q ID:oE9poaJc様、空殻 ID:80ZDnF0o様、カワックス様、はにワ様、なさちら様、GameMaster様。感想どうもありがとうございます。

誤字脱字報告者のすかたず様、ユウれい様、クオーレっと様、monkey様。
ありがとうございます。

評価くださった方、特に一言、10点頂いた方、本当にありがとうございます。


だいぶエロくなってきたころの主人公。
ただし、まだ自分からアクティブにはいかないぐらいです。

どのくらい人間に近くするかは悩みました、原作や商業関係だけを拾っていっても時間とともにだんだん人間臭くなっていっているようなので、それより後の年代と言うことで結構人間臭いです。成長してるんだなあと思いちょっと楽しかったです。
こういうものだと思って読んでいただければ幸いです


魔理沙ちゃんが酷かった話

「お代わりはいるかしら?」

 

「じゃあ、もう一杯貰おうかな」

 

お代わりを勧められて、俺はお茶をもう一杯貰うことにした。

 

「ホレ、キャクジン。カップヲヨコセ」

 

「おう、ありがとな」

 

「ナニ、コレガシャンハイノシゴトダ」

 

どうも、俺です。

現在俺はアリス=マーガトロイドとか言う名前の魔法使いの家で、身体に布を巻きつけた状態で茶を飲んでる。

なぜこんな状況になっているかというと、霊夢ちゃんから飛ぶ力を借りて幻想郷を見て回っていたら魔理沙ちゃんが超高速でカッ飛んでたんで「おー、魔理沙ちゃんどうしたー?」と声を掛けたら。

 

 

 

 

掴まれて後ろに向かって思いっきり投げられた(憤怒)

 

 

 

 

しかも「足止めよろしくなー」とか言って飛び去って行くので何事かと思ったら、魔理沙ちゃんを追いかけてきたらしいこのアリス=マーガトロイドという魔法使いの少女と激突、(魔理沙ちゃんは俺をうまい位置に投げやがった)空中でもつれ合いながら落下する事態に陥ったわけだ。

 

一瞬死を覚悟したが、何とか気合いで持ち直した。

……までは良かったんだが、俺が上昇したときに思いっきりスカートの中に顔を突っ込んだらしく、眼前に真っ赤なハイレグのパンツ、(各所にレースが使われておりエロさよりも普通に美しいと思った。ただし角度は結構えぐい、腰骨のあたりまであるブーメランみたいなやつだ)が匂いをかげそうなぐらいの近距離で(実際、いいにおいがした。女性の匂いを濃くして煮詰めたようなにおいで、結構くらくらした)鑑賞することになった。

 

当然ながらアリス……ちゃん?は激怒して俺を近くの池に叩き落として……そのあと少し頭が冷えたのか俺を救出してくれた。

 

お代わりをもらい、礼を言う。

 

「ありがとな、えっと上海ちゃん?」

 

「ナニ、イイッテコトヨ、ソレニシテモチャンハテレルゼ」

 

喋り方が少し変だが、この上海って子も可愛いな。

妖精サイズだが、メイド服を着ており、メイドみたいなことをしているみたいだ。

 

「そう言えば紹介してなかったわね、この子は上海。私の作った人形であり、使い魔ね。上海人形型の一体で魂が芽生えかけた希少体よ、昔は与えられた命令にしか反応しなかったのだけど、今は多少なり自分で考えて動けるみたいだわ」

 

「魂が芽生えかけた……この人形100年ぐらい使ってるのかな?」

 

俗にいう付喪神ってやつなのだろうか?

 

「いえ、そんなには経っていないけれど」

 

「うーん、付喪神かなって思ったんだけど違ったか、いやまてよ、九十九(つくも)って文字通り九十九(きゅうじゅうきゅう)の意味じゃなくて長い年月って意味だったはずだから、うん、あり得るのか」

 

「何か知っているのかしら?」

 

アリス……ちゃんでいいや、年齢不詳だけど可愛いし!

むしろいい加減魔理沙ちゃんは魔理沙でいいような気もしてきたんだよな。

 

「いや、付喪神みたいに魂が宿ったんじゃないかなって」

 

「ああ、100年って、そういう……でも残念だけど――」

 

「いや、九十九(つくも)には「長い年月」って意味がある。10年や20年でも長いと言えば長いだろうし。思いの強さが関係しているならもしくは……ってところかな」

 

ピグマリオやピノキオだってある意味似たようなもんだろうし、世界各地にそう言う伝承がある以上九十九(つくも)っていうのは日本での言葉にしかすぎねえからな。

 

「面白い仮説ね、魔法の心得でも?」

 

「いや、だけどここに来てから不思議体験はいっぱいしているし、付喪神の知り合いもいるしな、そういうことがあってもいいと思ったんだよ」

 

「ん?あなた外来人?ああ、霊夢のところにひとり来たって聞いたのだけど……あなたが?」

 

「おう、俺だわ。で、思いが強いほどそういうことが起きやすいのかもっておもったんだ。アリスちゃんはきっととてもその上海ちゃんを大切にしていたんだと思うし、上海ちゃんはアリスちゃんをとても好きだったんだと思うんだ」

 

「バッ、バカジャネーノ。シャンハイハ――」

 

「そう、そうだったら嬉しいわね、ね、上海」

 

「シャ、シャンハーイ」

 

うん、この主従はいいな。みててほっこりする。二人とも可愛いしな。

 

「そういえばなんで魔理沙ちゃん追いかけていたの?」

 

「あら、あなたは知らないのかしら?」

 

「え、何を?」

 

「あの子、盗癖があるのよ」

 

「……え?」

 

なん……だと……?

 

「本人は「永久に借りておくだけ」とかいっているけど、まあ盗みよね」

 

アカン、アカンて魔理沙ちゃん。

しかも盗癖とまで言われるってことは一回や二回じゃなくて常習だろ!?

なにやってくれちゃってんの?(別に俺が保護者ではないが)

 

「つかぬことをお聞きしますが、何を……」

 

下着とかなら俺が取り返してきてもいいぞ!

 

「ナイトシェードとテオナナカトル……魔法薬の原料ね、それなりに高級品よ」

 

「おいくら万円で?」

 

「処理したものだから、そうね……20万ぐらいかしらね」

 

アカンやつ!

普通に犯罪だわ!いや金額の多寡は問題じゃないけどさ!

 

「あー……こんど捕まえておこうか?」

 

「折檻したところで懲りないし、現物はたぶんすぐ使われてしまうだろうから取り返すのは無理ね、必要な材料採取する感覚で盗みに来るから」

 

本当に何してんだ魔理沙ちゃんは!?

 

「なんかすまん、俺のせいでとり逃してしまったみたいだな」

 

「別にいいわ、逃げ足だけは早いんだからあの子。それに、おかげで新しくこんな素敵なお友達ができたのだからね、上海もうれしいでしょう?」

 

「ベッ、ベツニシャンハイハ、ウレシクナンカナインダカラネッ」

 

アリスちゃんめっちゃいい子だ……あと上海ちゃんはなんでツンデレ風なの?

可愛いからいいけど!

 

しかしどのくらい心があるんだろうな?

ちょっと気になった俺は上海ちゃんに話しかけてみた。

 

「上海ちゃんは可愛いよねー。なんでそんなに可愛いの?」

 

「バッバカジャネーノ!シャンハイハニンギョウダゾ、クドイテルンジャネーヨ!」

 

ふむ、下手な妖精より賢そう、というか完璧な付喪神である小傘ちゃんより賢そうなんだが(流れ弾)

 

「いや、人形は普通可愛いものだろ。つまり上海ちゃんは可愛い」

 

「オマッ……オマエホントノバカダナ!ゴシュジンノホウガカワイイダロ!」

 

「しゃ、上海?」

 

「もちろんアリスちゃんも可愛いぞ。可愛いうえに裁縫も上手、部屋のセンスもいい」

 

「あ、あなたもなにを言っているの!?」

 

「それに、パンツはセクシーだったし、太ももから腰のラインは綺麗だった、あといい匂いが――ぶべらっ!?」

 

「忘れてください!」

 

「ゴシュジン、シャンハイハナゲルモンジャネーゾ」

 

照れたアリスちゃんに上海ちゃんを投げつけられた。

上海ちゃんも同じパンツ履いてるのな、サイズ違うのにわざわざ同じの履かせるってデザインが気に入っているのか、さりげないペアルックなのか……はっ!

 

「上海ちゃんってブラジャー着けてる?」

 

「オマエ、ナンカウチドコロワルカッタカ?ダイジョウブカ?」

 

上海ちゃんが心配そうに俺をうかがう。

うん、表情もちゃんとあるよな。普通に可愛い美少女にしか見えない。

だがそれよりも――

 

「いいから、つけてるのか?」

 

「ア、アア。シャンハイハペチャンコダケドチャントツケテル」

 

「見せてくれ!たぶんアリスちゃんも同じのつけて――二回目っ!?」

 

「ホウラーイ」

 

なんか上海ちゃんと似たような人形を投げつけられた。ただこっちはあまり生気がなく投げつけられた後立ち上がったりもしなかった。

やっぱり上海ちゃんだけが特別製なんだな。

 

「あなたって結構破廉恥なんですね……身の危険を感じたので追い出していいですか?」

 

「ごめん、二人が可愛かったからちょっと暴走した」

 

流石にほぼ裸で叩きだされるのは勘弁願いたい。

 

「次はないですよ?」

 

「おう、悪かった」

 

「ホント、バカダナ」

 

ついにじゃねーのじゃなくなっていいきられたよ!?

 

「そういや、この子は?鳴き声?からして多分蓬莱人形ってとこなんだろうけど」

 

「ホウラーイ」

 

「そうよ、この子もほんの少しだけ、自立稼働の気配はあるかんじだけど、心が芽生えるのはまだ先のようね。蓬莱、元の位置に戻りなさい」

 

「ホウラーイ」

 

「いちおう指示すれば動くんだな」

 

「それが人形遣いの私の力でもあるからね」

 

手持ち無沙汰になった俺は上海を撫でてみた。

サラサラの髪で、まるで作り物の感じがしない……っていうかぬくやわこいんだが。

あ、小傘ちゃんもぬくやわこいしそれは付喪神の特性なのかな?

 

「オ、オオ、キャクジンハナデルノガウマイナ」

 

「子猫とか子犬とかもふり倒すからな、いつのまにかうまくなった感じだな」

 

ちなみにあうんももふり倒したことがある、嬉ションするまでもふったらそれからもふらせてもらえなくなった。解せぬ。

 

「触覚もちゃんとあるんだな?もう一個の生命だな、上海ちゃんは」

 

「ミカクハマダナイガナ」

 

「……そもそも食えるの?」

 

「クエルゾ、ダサナイケド……ドコニキエテイルノカワカラナイ、ゴシュジンモフメイダトイッテタ」

 

「ちょっとしたホラーだな!?」

 

死体食わせたら完全犯罪成立しそうだな。いや、そもそも人形に暗殺させれば立証できないからそれでもいいんだろうけど。

 

上海と無駄話していると、アリスちゃんが作業を終えて俺に声をかけてきた。

 

「できたわ、着てみてくれる?」

 

アリスちゃんはさっきから何をしていたかというと、俺の服を縫ってた。

ちなみにほつれたから繕いなおすとかいうんじゃなくて、一から生地裁断して作ってた。

池に落ちてでろでろになってたので(魔法の森の池は汚い)作ったほうが早いと判断したようだ、俺は洗ったほうが早い気もしたんだが、生地縫い始めてからのスピードに沈黙せざるを得なかった。

会話に参加しながらこのスピードとかすげえな。

 

渡された服は、下はだぶついたズボンタイプで、すそと腰で紐を締めて履くタイプだ。

上着は布を二つ折りにして首の通るところに穴をあけてあり左右は組みひもで止める感じになっている。

両方とも簡単に作れるフリーサイズの服でありながら手抜き感がなく柄の付いた生地のチョイスや、クロスされて止める組みひもや、だぶついた感じががおしゃれだ。

 

横が普通に見えるんだが、まあ男だしこの程度問題ない。太っていたら見苦しいだろうが幻想郷に来てから少し経った今では健康的な食事と肉体労働でじぶんでも「おお」とか言ってポージングしたくなる程度には引き締まっている。

俺も脇見せデビューだな!需要あるかわからんけど!

 

とりあえず下半身が心もとないので(間に合わせのおむつっぽいの履いてる)まずはズボンからだな。

だぶついてるので足を突っ込みにくいな。

あと、アリスちゃんが出来が気になるのか近くにいるのでさすがの俺も恥ずかしい。

 

何とか足を通してアリスちゃんに紐を結んでもらっていると――

 

 

 

 

「アリス、魔理沙が来なかっ――邪魔したわね」

 

「ちょ!ちょっとパチュリー!あなた何か誤解してるわよ!」

 

全体的に紫の寝間着?を着た少し大人びた……少女?女性?が、扉を開けて入ってきたが今の俺たちの状況(俺上半身裸、アリスちゃん、俺のズボンの紐に手をかけている)を見て即座に帰ろうとした。

 

「睦言を始めるのではなくて?……ああ、終わったのかしら」

 

「始めるつもりも終わった後でもありません!あなたも何か言ってあげて」

 

「アリスちゃんのパンツはすごい角度の赤のハイレグでした」

 

「つまり、事後ね」

 

「オマエ、コノジョウキョウデスゴイナ!?」

 

「あなたはああああああああっ!」

 

少しキレた感じの絶叫とともにどこからともなく大量の上海人形が現れて俺をボコり始め――まて、刃物はよせ!

 

「上海ちゃーん、これ止めてーっ!」

 

「チッ、ショウガネーナ。オイ、ゴシュジン。サスガニ、チガデルトソウジガメンドウダ、オチツイテクレ」

 

上海ちゃんが手をひらひらさせると量産型の動きが止まる。

やっぱり上海ちゃんが統括してるらしいな、読みが当たったぜ。

だが、止める理由が酷くね?

 

「あー、さすがにやばかった。ボケるのは時と場合を選ぶようにしないとな」

 

アリスちゃんは初対面だからちょっとまだ踏み込むラインが見極めれないな、反省しよう。

たぶん機会があればまたボケるとは思うけどな!(反省の念が見えない)

 

息を整えているアリスちゃんにごめんねをしていると

 

「そもそも、あなたは誰?」

 

と紫の薔薇の人。

 

「おう、この前から博麗神社で世話になっている外来人?ってやつだ」

 

「博麗神社の外来人……?あなた、フランにお菓子をあげなかったかしら?」

 

「ん、フランの関係者か?」

 

「ええ、紅魔館に住んでいるパチュリー=ノーレッジよ」

 

どっかで聞いたことが……ああ!

 

「フランにえっちなこと教えた人か!苦情言おうと思ってたんだ!」

 

「パチュリー、あなたそんなことを……」

 

「何それ!?私しらないわよ!?」

 

「フランにお菓子あげたとき、「嘘をついてえっちなことするの?」って聞かれた。誰がそんなこと言ったと聞いたらパチュリーって言ってたぞ」

 

「それはフランが騙されやすそうな感じで純真だから……」

 

「まあ、それはわかるけど、あれぐらいの年齢の子は覚えた言葉何でも使うからな、むやみに言わないほうがいいと思うぞ」

 

「フランはああみえても500歳近いのだけど……」

 

「マジで!?」

 

ピュアすぎるだろ!?

幻想郷は外見と年齢が合わなさすぎだわ。

むしろ年齢より外見に精神が左右されてる感じのようにも思えるな。

 

「まあ、でも精神的に幼そうだし、小さい子扱いしても問題ないだろ」

 

「順応が早いわね」

 

「コイツハヤスギテ、ゴシュジンニ、スデニエンリョナイカラナ」

 

女性に早い早いと言われるとなんか嫌です(真顔)

 

「まあとりあえず、これで苦情言ったことにしていいかな、それと近いうちに紅魔館に行きたいんだけど、連絡とか必要かな?フランに今度行くって言って結構間があいちゃったから」

 

「そうね……たどり着けるのだったら特に問題ないわ。外出するのは咲夜ぐらいだし。それと入り口の門番が寝てるかもしれないけども、起こせば取り次いでくれると思うわ」

 

「それって門番の意味あるのか?」

 

「一応不審者は通さない建前になっているわよ、今日も魔理沙が押し通って行ったけど」

 

……もしかして

 

「なんか魔理沙ちゃんに盗まれた?」

 

「ええ、手に入れたばかりの魔法薬の本を」

 

「……それで私のところに材料を盗みに来たのね、動きが早いというか、あきれるわね」

 

「だから私も急いでこちらに来たのだけど、その様子だと少し遅かったようね」

 

「いや、なんかごめん、捕まえてあとでお尻ぺんぺんしておくから」

 

「ソレ、オマエガケツサワリタイダケダロ」

 

「win-winというやつだぞ?」

 

俺は尻を触れる、パチュリーちゃんとアリスちゃんは溜飲が下がる。うん、win-winだな!

後、流石にちょっと酷いのでお仕置きもかねている。

魔理沙ちゃん窃盗前提で動いてるじゃねえか。なにやってんだよ。女泥棒は捕まったらあんなことやこんなことをされるのが世の常なんだぞ、それをお尻ぺんぺんと乳もみぐらいで許してやろうというのだ。(増えた)

甘んじてお仕置きされるべきだな!

 

「そうね、たまには魔理沙も痛い目見るべきかもね」

 

「おっ、乗り気だなアリスちゃん」

 

「あなたとお友達になれたのは、まあ、悪くはないとおもうのだけども、恥ずかしい目にあった仕返しぐらいは……ね?それにあなたも一歩間違えたら危なかったでしょう?」

 

言われてみればそうだな。死んでた可能性もあったんだ。

あれ、かなりイラッっときた。

これはあれだな。

 

「そうだな……禁断の書、ウ=ス異本に書いてあるようなことを実行しても許されるのではなかろうか」

 

「何その本!?私全然聞いたことないわよ!」

 

「そりゃあ、女性には少しばかり刺激が強すぎるからな、秘匿されてるんだろう」

 

なんかパチュリーちゃんが食いついてきた、深く突っ込まれても困るんだよな。

 

「私趣味で図書館持ってるのだけど、関連書物なんか一切ない感じね。聞いたことが全くないもの!で、内容は?内容はどんなものなの!?」

 

趣味で図書館持ってるとかすごいワードが聞こえてきたんだけど、マジで?

 

「いや、その本は刺激が強い、話すわけには……」

 

そう言って言葉を濁すと、パチュリーちゃんがすごい勢いで詰め寄ってきた。

 

「問題ないわ!ネクロノミコンだって還らぬアドニスの書だってよんだことがあるもの!ね!おしえて!」

 

「ちょ……パチュリーちゃん……!」

 

ぐいぐい詰め寄ってきてついに俺にほぼ密着状態まで迫ってきた。

パチュリーちゃん結構「ある」な!

今の俺は上半身裸なので俺の体に当たってむにゅっとつぶれる感触が実に素晴らしい。

だが、これを指摘すれば離れてくれるだろう、名残惜しいが俺はパチュリーちゃんに告げた。

 

「パチュリーちゃんおっぱい当たってる……!」

 

「教えてくれるなら別にこれぐらい構わないわ!」

 

マジで!?ちょっと本に執着持ちすぎじゃない?

アリスちゃんも「パチュリー……」とか呆れてるじゃん!

 

「わかった、教える……教えるが、がっかりするなよ」

 

「わかったわ!で、著者は!ジャンルは!内容は!」

 

教えてもらえるとわかってますますヒートアップして、動くたびに俺の体でぐにぐにとおっぱいが形を変え……なん……だと……!?

 

こんだけ形を変えるってことはもしかして服の下ノーブラか!?

たしかにダボっとしていて体のラインは出ない感じだよな。見た目も寝間着っぽい感じといいつけてない気がする!

 

「あ、ああそうだな」

 

全神経が当たっているところに集中していてうまく考えがまとまらねええっ!

しばらく当てられてて実感したわ、絶対これノーブラだ!

だってコリっとした感触たまにあるもん!(混乱)

 

それでも俺は何とか言葉を紡ぎだす。

 

「作者は、不明……?いやたくさんいるのか。ジャンルは主に艶本。内容は様々な形での欲望を見せつけてくる、それらには決まったスタイルはなく、また無限というほど大量だ」

 

「つ、艶本!?」

 

「ああ、だから女性にはしられていないんだと思う、男が必死に隠すからな、それで内容をもう少しいうと、数万、いやもっとか、あらゆる形態の、愛情、情欲、変質、強姦、複数、異形、ありとあらゆる欲望の在り方を見せつけてくる。人と見せられかたによっては正気を失うことすらあるという」

 

「そんな本が……」

 

「ああ、だから無理に見ようとする必要はないと思う、知識とかにはあまり関係がない本だからな。尤もパチュリーちゃんがそういうことに興味津々なら、まあ止めはしないが」

 

パチュリーちゃんは結構ムッツリだと思う、だってエロワードのたびにこりこりの硬度増してる気がするもん。

流石に指摘とかしないけどな!

 

「そ……うね、機会があれば怖いもの見たさで見てみたいけど、探し出して迄見てみたいほどの本のわけでは……なさそうね」

 

「賢明だ、ところでそろそろ離れてくれるか、アリスちゃんの前で襲っちゃいそうになるぞ、パチュリーちゃんは可愛いからな」

 

「あっ、そうねごめんなさい」

 

「いや、気持ちよかったからいいけど」

 

「ソレヲイエルオマエスゲーナ、ゴシュジンナンカサッキカラカオマッカデカタマッテルゾ」

 

「おお、アリスちゃんは純情なんだな、うん可愛い。で、上着もそろそろくれると嬉しいかな」

 

「あっ、そうだったわね……うん、ちょっと呆けてたわ。はい、これをかぶればわた……上海が紐を結んでくれるわ」

 

「ニゲタナ、ゴシュジン」

 

アリスちゃんに渡された服に頭を通すと、上海が(あとなぜかパチュリーちゃんが)紐を縛ってくれた。

ちょっと上海ちゃん?締めすぎじゃない?

 

「締めすぎじゃない?」

 

「シャンハイハコレグライピッチリシテテ、キンニクノカタチワカルホウガスキダゼ」

 

「まさかのフェチ!?」

 

「それもそうね」

 

「パチュリーちゃんまで!?」

 

着替えが終わった俺は……

 

「あれ?結構かっこよくね?」

 

と自画自賛してみる。

筋肉コスプレというほどにはついてないけども、十分に男らしい肉体が誇示されているような感じになった。

ピッチリタイツまではいかないけど、ヒーローっぽい。

下半身がだぶついてる七分丈なのも対比となってメリハリがきいたシルエットだ。

 

「私はダブついたのイメージして縫ったんだけど……そうね、悪くないわね」

 

「イイナ!」

 

「そうね、胸板のあたりはさすが男の子ね」

 

と、アリスちゃんも認める男っぷりのようだ。

 

「美少女三人に言われるとさすがに照れるな」

 

「ダカラシャンハイハニンギョウダッテノ」

 

とか言ってるが可愛いから俺には関係ないぞ?

 

着替えて人心地ついた俺は美少女三人とお茶会を楽しんだ。

たまにエロ発言が出て怒られたりもしたが、嫌われてるほどではないようで安心した。

 

パチュリーちゃんが時々咳をしていた(喘息もちと言っていた)のが気になったので、紅魔館に行くときはあればはちみつかりん飴、かりんが見当たらなかったら大根飴でも作って持っていこうと思う。

喘息は直らなくてものどのダメージは減らせるからな。

 

あと、アリスちゃんにもお礼を持ってこないとな。

 

 

 

 

 

 

そうして楽しいひと時を過ごした俺は博麗神社に帰るのだった。

 

――今日も新しいことがあった。

可愛い女性と知り合いにもなれた。

俺の心の隙間が埋まっていくのを感じる。

 

いつかここが心から愛せるようになるのだろうか

この時の俺はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――後日、箒に座ることさえできず、そろりそろりと歩く魔理沙ちゃんが目撃されたらしい。

俺はしりませんよ、尻だけに。




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