霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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スケベな主人公と合わせるとこの二人輝くんですが、まだスケベが弱い主人公と合わせると硬いですね……
幻想郷に来たなりの話が続いたせいかちかごろパンツが足りないので次話は(本編は阿求なのでこれまたパンツが足りない)自分の好みで一つ書きます。のまえにリクエスト分と寅さんもですか……
頑張ります。

たくさんの皆様。
感想どうもありがとうございます。

パンチラ登録者数が1100人を越えました
ありがとうございます。


誤字脱字報告者のティアール様、紅 零様、so-tak様、monkey様、提督様、クオーレっと様、孝也様、すかたず様、家無しじゃない無銘だ様、64b様。
いつもいつもたくさんの修正ありがとうございます。
読み返しているのになぜ誤字が出るのか…‥謎です。

霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!のチラ見せ
というネタバレ、小ネタ用の投稿もしております。
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生きたまま地獄に落ちた話

なかなかのいい陽気だ。

 

幽香ちゃんのところで、花畑を耕してついでにお茶をもらってきたところだ。耕すと言っても野菜ではないから簡単でいいので楽だ。

 

小春日和というのがぴったりな天気に、俺は少し寄り道をして帰ることにした。

太陽の畑を回って(と言っても向日葵はまだないが)かえっていたところ……

 

 

 

 

アイヌの衣装とメイドの衣装の合いのこのような服を着た赤髪の女性が倒れていた。

 

 

 

 

 

「おいおいおいおいおい、いったい何があったんだよ?」

 

縄張り(?)に入られた幽香ちゃんがしばき倒した可能性もあるがさっきまで一緒にお茶してたのでその線は薄いだろう。

 

仰向けに倒れていて、顔は向こう側を向いていて見えないが美人のような気がする(もっともこっちに来て美人美少女以外見たことはない気もするが)

 

「大きいな?」

 

 

俺と同じぐらいの身長(タッパ)がありそうだ。

胸を見ると(さすがに緊急時にやましい気持ちはない、でも身長の割には小さいという感想ぐらいいいだろう?)上下しているので最悪の状況ではなさそうだ。

 

「えっと、おーいそこのお嬢さん?お姉さん?まあいいや。大丈夫か?」

 

どうせ見かけに関係なく俺より年上なのはほぼ確定してるのが幻想郷だからな。

 

「ン……」

 

女性が身じろぎする。

揺さぶれば起きるんじゃないか?とおもい肩口を揺さぶる(どことは言わないが揺れない)

顔は案の定整った顔立ちだが、眉をしかめている。

 

「んんんんっ」

 

「うおっ!?」

 

揺さぶっていた俺の手をつかんで引き倒された。「あいたた」とか言っているうちに、何度か引っ張られ、俺の頭を抱え込むような体制になるとしっくり来たのか動きを止めた。

 

 

 

でかくはないが柔らかい膨らみにうずもれるように完全にホールドされている。

密着してるので女性特有のいい匂いも濃く俺の鼻腔をくすぐる。

 

「うっわ……やべえもうこのまま身をゆだねたい」

 

ぬくやわこいという表現がぴったりの柔らかさだ。

しかし、この人は一体なぜこんなところに……?といぶかしんでいると「すぴーすぴー」と寝息が聞こえてきた。

 

 

「もしかして、寝てるだけ!?」

 

いや、確かに今日は良い陽気だし、俺も太陽の畑で寝ることはあるが、それはあくまでも草むらの上とかであって、こんな土の上で寝たりなんかはしねえぞ!?

 

「しかも俺抱き枕かよ」

 

ぶつぶつ言っているが不満はない。

というか健全な男子がこの状況で不満が出るわけがない。

割としっかり目に抱きかかえられているせいで密着具合がすごく、また胸の感触だけではなく、抱きかかえられている後頭部も気持ちいい、なんかさすさすなでてきてるし。

 

「おまけに結構力強いし!」

 

多分妖怪か何かだろうとおもうが、めちゃめちゃ力が強い。

収まるように抱きかかえている分にはそうでもないのだが、抜け出そうとするとダイソンかザンギエフのごとく吸い込まれるように、元の体勢に戻ってしまう。そしてその状態になると俺が全力で抜け出そうとしてもびくともしない……下手に力込められたら「ぐしゃ」って行きそうで怖いんだが……

 

これは長丁場になるな……と、半ばあきらめかけたときにふと思った。

引き剥がすためにおっぱいさわっちゃっても不可抗力じゃね?

というか現状で顔全体でおっぱいに触っていると言っても過言ではない。ならばこう、今更な感じはしないだろうか?

 

……近頃自分でも思うんだが妙に色に目覚めたと思う。うっかりと霊夢ちゃんのパンツを手に取ってしまったり(なお見つかって生きた心地がしなかった)霊夢ちゃんが装着していたさらしを使ってしまった(意味深)りとどうもタガが緩んだみたいになっている。

 

あと幻想郷の女の子たちのガードが甘いせいもあるよな。そのせいで性欲を持て余す。

もうね、チラチラチラチラとパンツが見えるんだよ!優曇華ちゃんとかあんなふわふわで短いスカートで飛び跳ねるように移動するもんだから、もろみえだし(大き目の白いパンツだった。色気はないけど、なんかこう滾る)魔理沙ちゃんもドロワーズとはいえスカートで俺の頭を越えて飛ぶとか何考えてるんだよ。

移動中に見える点でいえば妖精たちが圧倒的に多いけどもな縮尺が小さいだけで頭身が高い大き目のお姉さん系妖精はもっと気を付けていただきたい。

 

あと小傘ちゃんとかもガードが甘い、というか緩い。生足で肩車は本当にやめてほしい。

萃香ちゃんも普通に縁側で座ってるとパンツが見えてる(というか見せてくる!)し、いったいどうなってるんだここの女の子たちは……

はたてちゃんにいたってはおっぱい押し付けてくるのがデフォルトという嬉しい悲鳴しか出ねえわ!

幽香ちゃんはちょっと特殊だけど、それでもパンツ見せるのに抵抗がない感じだ。ハイキックかましてきたりするからな……

 

ただ、同じ外来人の早苗ちゃんも普通にガードが甘かったので、幻想郷にはパンツのガードが緩くなるミーム汚染(常識改変)でもあるのだろうか……?

 

とりあえず引きはがすために手で女性の体を押してみる……びくともしねえ!?

 

「これはしょうがないな、不可抗力だ不可抗力」

 

そう誰かに向かって言い訳しつつ顔の左右に手を持ってきておっぱいにそえる。

 

 

 

 

なんだこれ……大きくないけどすげえ揉みごたえある。

 

 

おっぱいってすごいな……としみじみ思いつつ、ぐっと腕立ての要領で女性を押して剥がそうとする。

 

だ……だめだ。剥がれないし、揉みしだきたくなるのでだめだ!

そう思ってどうするかと少し動きを止めたところ。

 

「ぐえっ!?」

 

胸元から少し離れていたのがいけなかったのか、またもやしっかりと抱え込まれた。

少し痛みを感じる位だが、顔は気持ちいい。

だが、一つ問題がある。

 

「息が……!」

 

そう、呼吸が困難なぐらいしっかりと押さえつけられたのである。

だんだんと苦しくなってもがくが、そんなので脱出できたらさっき何とかなっている。

やがて俺は酸欠状態になり……

 

 

 

巨乳じゃなくてもおっぱいで窒息できるんだな……

 

 

 

最後に考えたのはそんな益体もないことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああああっ!?あ、あれ動けねえ!?」

 

「おや、起きたのかい」

 

意識を取り戻した俺が悲鳴とともに飛び起きようとしたが体が動かない!?

何とか動く首だけを振ってみると、簀巻きにされて、船?のようなものにのせられていた。

さっきの女性らしい人物が櫂を使って舟をこいでいる。

俺が起きたとみると反応を返してくれた。

 

「え、あ、ああ……いったいどういう状況だ?」

 

もしかして痴漢としてこのまま川に捨てられるのだろうか、もしそうなら誤解を解かなければなるまい。

流石の俺も簀巻きのままでは溺れて死んでしまう(手足を縛られた程度では泳げる。神奈子ちゃんに仕込まれた)

 

「ん?ここは三途の川だね、で、お前さんは地獄に向かっているところだよ」

 

「まさかのもう死んでた!?」

 

俺、驚愕。

死因がおっぱいによる窒息死とかある意味幸せな死に方だったかもしれないが……ん?

なんでさっきの女性が一緒に来てるんだ?というか船頭してるんだ?

 

「そういえばお姉さんは一体……?」

 

「あたいかい?あたいは小野塚小町、死神さね」

 

「死神っ!?あ、いや神様とか閻魔様とか普通にいるんだから、いてもおかしくないわな、で小町ちゃんは俺をお迎えに来たってわけか、まあお迎えの仕方があんなのはちょっと面食らったけど悪い死に方じゃあないな」

 

少なくとも病気で苦しんだ末とか大けがとかよりよっぽどいい。

 

「お前さんえらく達観してるねぇ、普通は本当か!?とか死にたくない!とか取り乱すもんだけどね」

 

「まあ、なるようにしかならんし、こっちに来て不思議体験一杯したからな」

 

「でも、受け入れてもらったところ悪いけど死んでないよ。お前さんは生身で今ここにいるよ」

 

「マジ?」

 

「マジもマジ、大真面目さ」

 

「なんで?」

 

「映姫様が一度連れて来いって言ってたのさ。でも面倒だからお前さんに会わない場所でサボ……英気を養ってたんだけどなあ。なんでお前さん太陽の畑まで来てるんだ?あそこにはやばい妖怪がいるっての聞いたことないのかい?」

 

今さぼってるって……?あと面倒だからとか……けっこうものぐさな人なのか?

あと幽香ちゃんの事なら残念ながら……

 

「たぶん小町ちゃんが言ってる妖怪とお茶してきたぞ」

 

いちおう簡単な襲撃は(ローキックからのハイキックで沈められたが今日は珍しく黒のパンツ履いていて眼福だった。ウエストラインの少し下が空いていて地肌が見える感じだった。しかもお嬢様系なのに色が黒とか最高だな!)あったけど、そのあとはいつも通りお菓子食べながら駄弁ってお茶してたんだよな。

 

「アレと!?いうけど狂犬みたいなもんだろう!?」

 

「うーん、言うほど危なくないんだけどな、幽香ちゃんは」

 

妖怪によくある禁忌系の妖怪で「花を荒らす」という禁忌さえ破らなければ命までは取られない(けがをしないとは言っていない)のである意味夜に出てくる小鬼のほうがよっぽどやばい。

奴らは普通に殺しにかかってくるからな。

 

「失敗したねえ。玄武の沢あたりにいればよかったかね」

 

「はたてちゃんや椛とよく待ち合わせするな」

 

「……じゃあ魔法の森」

 

「魔理沙ちゃんを呼びに行ったり、アリスちゃんとこでお茶するな」

 

「守矢……」

 

「神奈子ちゃんと週2ぐらいで修行してるな」

 

「おまえさん本当に外来人かい!?えらいなじんでるじゃないか!」

 

「自分で言ってて俺も驚きだわ……で映姫ちゃんってたまに人里で見る閻魔様のことかな?背はでっかいのに妙に幼い顔立ちの」

 

「映姫様を閻魔様とわかったうえでちゃんで呼ぶとかおまえさん大物なのかい?ただのバカなのかい?」

 

「可愛い女の子だしなあ」

 

「馬鹿の方だったか……まあいいさね。話を戻すけど、会わないようにしていたんだけども、こうやって出会ってしまったら、もうしょうがない。惚けようにも映姫様に嘘は通じないからね、だからしょうがなくこうやって地獄にご招待!ってわけ」

 

「嘘が通じないか……やっぱ舌抜かれるの?」

 

「いんや、ただ説教がね」

 

「説教?その程度で済むの?」

 

意外に有情だな!?なんかやっとこみたいなもので舌抜かれるイメージがあったんだが。

 

「映姫様の説教は基本的に一時間以上は確定だからね?酷い時は数時間ぶっ続けというのもあるんだよ……」

 

本当に疲れたような顔で言う小町ちゃん。さっきのサボリ宣言と言い、うかつなところあるっぽいし、結構説教されているんだろうな。

 

でもまあ説教で済むなら問題ないか。

ってでも俺なんで呼ばれたんだろうな?街中で声かけてくれればいいのに。

 

「小町ちゃん、俺なんで地獄に呼ばれたの?あと簀巻きほどいてくれると嬉しいんだけど?」

 

「呼ばれた原因はちょっとわからないね。それと簀巻きは一応私の身の安全のためかな?」

 

「身の安全って俺暴れたりしねえよ?」

 

「いや、お前さんさっき私の胸に顔うずめてたじゃないか、下もおっきくなってたし」

 

「いやいやいやいや!?俺がうずめたんじゃなくて小町ちゃんが俺を抱きしめた……というかとらえてたんだよ!?あとおっきくなってたのはたぶんそれ命の危機による本能だよ!少なくとも意識のある時はおっきくなってなかったはず……!」

 

そもそも絞められてからそんなこと考える余裕なんかなかったしな。

 

「ちょっと鎌と間違えちゃったんだよ、いたずらされると困るから手元に置いてるとき多いから、でも、まあ役得だったろ?」

 

「役得も何も死にかけたんだよ!?嬉しいとかよりも苦しかったわ!」

 

「どーだかねえ。ま、そういうわけだからおとなしく転がされておきな。なあに、川になげこんだりはしないよ」

 

「いや、だけどもし船が転覆とかしたら俺流石にやばいんだが……」

 

「あばれなきゃ大丈夫だよ、それに小舟とはいえ安定性は大したものだよ、三途のタイタニックとはこの船の事だ」

 

「それ沈む奴!」

 

わざと言ってるのかマジなのか、沈没する船の代名詞みたいな名前付いてやがる!?

立って櫂で漕ぐタイプの渡し船みたいな帆のない船は結構簡単に転覆した気がするんだが……

復帰も楽にできるんだけど、簀巻きにされてたらさすがになあ……

 

「ま、能力使えば一瞬でつくんだけどねえ……」

 

能力?程度能力の事か。

幻想郷では各自程度能力という謎の超常現象を引き起こせる能力を持っていてその内容も各自で異なる。

俺ですら「帳面に書いた能力を借りることができる程度の能力」を持っていたりする。

すぐにつくってことは時間系か距離系の能力かな?

 

「使わないのか?」

 

「すぐ着いたら次の仕事しなきゃならないだろう?勤務時間いっぱい迄かけて――」

 

 

 

 

 

 

「小町!!」

 

 

 

 

 

 

「きゃん!?え……映姫様!?」

 

 

 

 

 

「見ていますよ、早くこちらに送り届けなさい!」

 

 

 

 

 

「は、はい!只今参ります!」

 

「な、何だ今の声!?」

 

ちょっと割れたような……スピーカー?

 

「映姫様だよ……遠眼鏡で見てなんかラッパみたいなので声を出してるんだ。河童め、余計なものを……!」

 

「あーメガホンか、電池式のやつかな?電池なら無縁塚によくあるし」

 

そして河童から手に入れたというならば、そのメガホンはたぶん俺が無縁塚で見つけたやつを河童と取引したものかもしれない……黙っていよう!

 

「お前さんは気楽でいいね、私はたぶん説教確定だよ……」

 

がっくりと肩を落としてうなだれる小町ちゃん、ちょっと可愛らしいなと、思ってたら――

 

「さ、ついたよ。ここが地獄、閻魔庁さ」

 

「うわ!?本当に一瞬だな!?」

 

さっきまでの操船は何だったのか、櫂をひと漕ぎもせずに到着を宣言されたぞ!?

 

「まあね、風情がないから私はあんまり好きじゃないんだけどね」

 

と、言いながらようやく簀巻きから解放してくれた。

 

「んーっ!流石に強張ったな」

 

伸びをして体をほぐしながら周囲を見渡す。

桟橋などはなく海岸に直接乗り上げて乗降する感じのようだ。

載ってきた船は……

 

「いや、これまじでタイタニック!」

 

かなりの年季が入った渡し船だった(沈まなくてよかった)

 

「いやー、まあ予算がね……」

 

「地獄なのに世知辛いな!?」

 

 

 

 

「小町!!」

 

 

 

 

 

「あー!はい!わかりました今すぐ案内します!」

 

駄弁っていたら再度の叱責。声結構怖いな。見た感じ幼いんだけどな映姫ちゃん。

 

「さあ、いくよ」

 

と、小町ちゃんが宣言して軽く肩に手を置かれると一瞬で場面が切り替わり、立派な建物の前に俺はいた。

すげえな!小町ちゃんの能力。どういう仕組みかわからんが移動に特化した能力なのかな?

 

案内されたのはそこそこ立派な建物の前。閻魔庁というらしいが、入り口には仁王立ちした閻魔様……映姫ちゃんが立っている。

 

「来ましたね、どうぞ奥に。小町、今日の件は不問……とまではいきませんが軽めの説諭で済まします。また、彼を送り返さなければならないので、近場にいなさい。わかりましたね?」

 

「はい、わかりました映姫様」

 

「よろしい。ではあなたはこちらへ」

 

と、映姫ちゃんに促されて奥の部屋へ通される。

あれ?てっきり裁判みたいなの受けると思ってたけど(一応悪事をした覚えはない……セクハラは罪ですか?)なんか思ってたのと違う?

 

畳のある洋室と言ったらいいのか、なんか微妙なところに通された。座る場所も直ではなく椅子のようだ。

 

「どうぞ、お掛けなさいな」

 

「あ、じゃあ失礼して」

 

俺が座るのをみて映姫ちゃんも向かいに座り、挨拶をしてくれた。

 

「まずは遠いところお疲れ様です。私は四季映姫・ヤマザナドゥ。街中で何度かすれ違ったこともありましたね。俗にいう閻魔です」

 

「俺は一十。といって本名じゃないんですけど……えっと映姫ちゃん?は俺に何か用がありました?」

 

なんか久しぶりに名乗った気がするな。

とりあえず丁寧に遇してくれたから俺も丁寧に返す。なんかあんまりこういう言葉使わないからおかしいかもしれないが、心持ちが大切だよな。

 

「映姫……ちゃん?……あなたは少しばかり、馴れ馴れしすぎる。たしかに私の見た目はかなり若々しいがそれなりの年齢は重ねている。ああ、それなりというが人外のモノとしてのそれなりだからしてヒトからすれば悠久と言ってもいい。つまり(中略)――だということだ。繰り言になるが私は別にあなたの上司というわけではないので命令をするわけではない、だが人として年長者を敬う気持ちは必要であり大事だということを忘れないでほしい」

 

 

 

うへえ……5分以上長々と説教されたがつまりは「目上の人にちゃんをつけるのはどうか」と言ってるわけだ。

一行で終わるのに延々と説教されたぜ……

まあ、だからといって「映姫様」はちょっと違う気がするんだよな、いやふつうに「四季さん」でいいんだろうけども……

 

「うーん、でも俺の中じゃやっぱり映姫ちゃんは映姫ちゃんなんですよねえ……」

 

「ふむ、その心は?」

 

「見た目が若くて可愛い。侮ってるんじゃなくて純粋にそう思ってるんです。これは幻想郷の他の子たちにも言えるんだけど。実際の年齢がわからないからな、だからだいたいの外見と話してみた感じの印象で敬称を変えてる感じですかね。でも子供以外は基本はちゃんかな?みんな可愛いし」

 

「なるほど、嘘はないようですね」

 

「あ、やっぱりわかるんですか?嘘ついたかどうかは?」

 

「ええ、私の白黒はっきりつける程度の能力でわかります。さて、あなたの言い分は理解しました。少なくともそこには親愛が多少なりともこもっているものだと思いましょう。しかし、町のうわさを聞いたところによるとあなたは少しばかり妖と近すぎるような気がします。いえ、もちろんそれが悪とは言わないのですが善でもありません、人は人、妖は妖の世界があるということです、その境界を(中略)――とした場合それらは何を基準にして行動するのかと言うことです、多分にあなたは(中略)――ので必要のない接触はやめるべきだと思いますよ」

 

長げえ……そして正論すぎる!

正論は確かに大事なのだが映姫ちゃんのやってることは正論でぶんなぐっているに等しい。

共感も、理解も、譲歩もないんだ。こういう説教をする人間はすごく厄介だな。なにせ正しいことを言っているので理屈では論破できないんだわ。

 

「でもそれが罪っていうなら、俺は罪人でもいいよ。「みんな仲良く」は確かに無理だろうけど、仲良くなれる可能性を最初からつぶしたくはないんですよ」

 

「あなたの言い分はわかりました、しかし、罪であるなら私はさばかなくてはなりません。それが私の職務ですから。罪を自覚しさばかれる気概がある。実に結構。ですが――あなたは少しばかり無責任が過ぎる。あなたが妖と仲良くする、それの是非とおいておいても、それを見た他人が同じことをしようとする。あなたは少々頭が回るのかもしれませんが、そうではない人も多いのです。あなたが成功しているから自分も……などという考えを持つものは多いでしょう。妖は文字通り妖艶なものも多い、ただでさえ惹かれる者は多いのにあなたという成功例があるだけで短慮に走る。いえ、もちろん自己責任ではありますが妖には特定条件下で強い効果を発揮するものも多いのです。人里全滅などもありえなくはないのですがあなたはそれらを分かって(中略)――ましてや半妖などが人の領域を食いつぶす、あるいは第三の勢力となることも考えなくてはなりません。それに地獄の管轄は基本的には人間(中略)――となっているのは世界の理でもあります。つまり人間と妖の境界を破るだけではなく根本的な存在意義にもかかわってくるのです。博麗の巫女の存在意義もそのあたりにあると言えます。ひいてはこの幻想郷の存在意義が(中略)――という結果になると思っています。ですので幻想郷にとってはそれが一番良い結果になると私は思っています」

 

これは……小町ちゃんがあんな顔になるのも理解できるな……

今10分以上しゃべり続けてたぞ映姫ちゃん!?それでいて早口ということも無く、しかもよくある怒りに任せた説教と違うし、繰り返すだけの中身のない説教とも違う。

ただ、意味はわかるんだが、正論すぎてわかってることなので「全く頭に入ってこない」というある意味拷問に等しい時間だ。

これは……強敵だぞ(敵ではない)

 

「でも映姫ちゃん」

 

「またあなたはちゃんなどと……まあそれは良いとしましょう。私とて女性、若く見られて悪い気がするものではありません」

 

お、少しは理解してもらえ――

 

「――ですが」

 

まさか……!?

 

「あなたは少しばかり女誑すぎる」

 

始まったぁ!?

だいたい理解してきたぞ「あなたは少しばかり○○すぎる」から入ってくるのな、説教に。

だが理解できても回避はできないのか!(無慈悲)

 

「今話をしていてあなたの事が多少なりとも理解できたつもりではあります。あなたは共感性が強く、また偏見もない、それはすばらしいことではありますが、幻想郷のある意味純粋なものたちには少々過ぎた毒になるようです。あなた自体は色気を出しているつもりはないのだとは思いますが(中略)――の先もいろいろな出会いがあるとは思いますがいつか刺されるでしょう、いえもしかしたら全員侍らすのかもしれませんが。ただそれはそれであなたのもとに過大な戦力が集(中略)――のようになるわけです、しかし博麗の巫女の元に身を寄せているというのは少し作為を感じなくもありません。何故年頃の(中略)――などという事態を引き起こすことにもなりかねないのです、それはそれで自然な姿ではあるかもしれませんが幻想郷からすればどうなるか予想が(中略)――となるのはあなたも理解できるかと思います」

 

……はっ!?ちょっと魂飛んでた!?

よくもまあこれだけいろんな語彙で説教できるな……!

……こんど小町ちゃんと……いたら閻魔庁の職員にも差し入れ持ってこよう。

もうね、疲労すっげえ溜まってると思うんだ。精神的な。

 

「映姫ちゃんの言いたい事は分かった……わかりました。幻想郷への影響、人里の人間への影響、妖の影響。どれも理解した。しましたよ。でもさ、理解したうえで聞くけどそれは本当に罪なのですか?臭いものにふたをしてるだけじゃないのか?……ですか?」

 

反論すれば倍する説教が帰ってくるのはわかる。でもさ、映姫ちゃんの言うことはおかしいんだよ、だって正論しか言わねえもん。議論っていうのは屁理屈や感情論も含めて反論することで成り立つんだ。

映姫ちゃんのはただ押し付けてるだけ、ただしいのかもしれないけど、間違ってると俺は思う。

 

もっと酷い言い方をすれば映姫ちゃんのわがままだよ。

エゴだよ、それはってやつだな。

 

映姫ちゃんの説教が始まる前にさらに俺は言う。

 

「間違いを犯したりしないのはもう人間じゃないよ。それこそ妖だ。俺は間違ってでも、人間でいたい……です」

 

疲れてるのか丁寧な言葉が出ねえわ……

 

「しかし、死後の世界……地獄で文字通り地獄の責め苦を味わうことになりますよ。私はできればそういうことは少なくしたいのです」

 

「映姫ちゃんは優しいんだな。でも、それこそ余計なお世話だよ。……です。やったことには責任を取らないと」

 

「……ではここに浄玻璃の鏡があります。これであなたの罪業を覗いて、どのような責め苦を味わうのか教えてあげましょう。それを聞いてもまだ同じことを言えるのなら……」

 

「いいよ、見てほしいぐらいだ」

 

もしかしたら俺のなくした記憶がうつってるかもしれないしな。

 

「解りました。それでは」

 

そういうと映姫ちゃんは手鏡を取り出して俺の方に鏡の背を向けて鏡をのぞき込んだ。

……えらい小さいな!?なんか、こう。大きい姿見みたいなイメージがあったが。

 

……ん?

 

「むむむ」

 

映姫ちゃんが眉を寄せてうなっている……なんだ、俺、なんかすごいことしてたのか?

殺人とかだったら……いやそれよりも婦女暴行とかの方がもっと嫌だな、気分的に。

 

「むううううう?」

 

えっと、映姫ちゃんが手鏡を振ったり……?「ななめ45度でチョップするといいとか誰かが言ってましたね」とかいって鏡にチョップしたりしてるぞ……?

 

「ええ!?なんで!?」

 

「ちょっ!?映姫ちゃん!?さすがに割れないか!?」

 

かなり強めにバンバン叩いてるんだが割れるぞ!?

 

「ど、どうやら故障したみたいです、ごくごくまれにあるそうなのですがまさか今壊れるとは……」

 

「えっと、仕事に差し支えないの?」

 

「ありますが、交代制なので、相方には申し訳ないですが修理の間連続勤務してもらえないか頼んできます。とりあえずあなたは私の言ったことを心にとめておいてください」

 

「はい、わかりました」(実行するとは言っていない)

 

「では小町に送らせるので……小町!小町!「はいただいま!」客人がお帰りです!送ってあげてください。それと私は所用ができたのであなたもしばらく自由行動していてください」

 

「わかりました、ではお客人、行きましょう(一刻も早く)」

 

「あ、ああ。ではまた、映姫ちゃん」

 

「あなたは……まあいいでしょう。説教されないように節制して生きるのですよ」

 

なんか小町ちゃんの心の声が聞こえたような気がしたが、礼儀として映姫ちゃんに挨拶はしておいた。

釘を刺されたが、まあできる範囲でいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りはほんの一瞬だった(船にすら乗らなかった)肩に手を当てられると博麗神社の俺の部屋の前の縁側にたどり着いていた。

 

……その能力借りてえな!すっげえ便利そうだぞ。

 

「えっと、小町ちゃん」

 

「なんだい?」

 

「上がってくか?茶と茶菓子ぐらい出すよ」

 

まずは仲良くなろう。いきなり映姫ちゃんの説教をガン無視しているが、なに閻魔様の怖さは死んでから考えればいい。

 

「ああ、そうだね……うんと甘い茶菓子をおくれでないかい」

 

小町ちゃんもお疲れのようだな。

 

「あるぜ、試作品のあんこがな……!」

 

とはいってもガチで餡子しかないので餅でも焼いて絡めて食うことにする。甘いものという要望は満たせるだろう。

 

「いやー、しかし――」

 

茶を入れて小町ちゃんにだしたあと、餅を焼きながら小町ちゃんに言う。

 

「強烈だな、映姫ちゃん」

 

「だろ?おかげでおちおちさぼってられやしないよ」

 

「いやさぼるのはどうかと思うけどな、ま、息抜きぐらいはしたいよな」

 

「わかってくれるかい?というか結構長かったからお前さんも……?」

 

「ああ、がっつり説教された……聞く気ねえけどな。心には止めておくよ、一応善意で言ってくれてるんだし。でも清廉潔白に生きるつもりはねえな。美味いもん食って、バカ騒ぎして、あんま強くねえけど、たまには酒も飲んで、ああ、そうだ「まじめに不真面目」やっていきてくよ、俺は」

 

「まじめに不真面目か……いいえて妙だね」

 

「ある意味普通の人間はそうなのかもしれんけどな。小町ちゃんもさぼるんなら、たまには博麗神社に来いよ、茶菓子とお茶、余裕があれば飯ぐらいなら出すから、あとは昼寝するスペースぐらいはあるぜ」

 

「そうやって甘言で誘ってあたいのこの熟れた肉体を虎視眈々と狙っているんだな?腰タンタンするために!」

 

「なんでそうなる!?」

 

腰タンタンっていう表現はちょっとツボに入ったがな!でも腰パンパンだよな?(下品)

あと小町ちゃんは熟れてない。むしろ身長からすれば……

 

「ところでここに死神の鎌があるんだけど」

 

「俺何も言ってないよねえ!?」

 

小町ちゃんにあんころ餅を出しながらツッコミを入れる。思ってるだけならセーフだろ、口に出したら戦争だろうけどさ。

 

「目は口程に物を言うって言うだろ?ああ、こいつはうまそうだね、いただくよ」

 

「はい、おあがりよー」

 

今日はまあいろいろあったけど……

可愛い子と知り合えたし、俺的にはいい日だったかな?

 

あんころ餅を食う小町ちゃんを見ながら茶をすすり不思議と満たされた気分になったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おかしいですね、壊れていませんでした……?」

 

 

 




アンケート更新しました。
次回は本編です。

ZUNさんが小町は巨乳じゃないって言ってた。

お気に入り、ご意見、ご感想、評価などお待ちしています。
とくに感想を返したり、感想に合わせて、ちょろっとづつ作品の事を語るのは好きです。
あとここすき機能も見てると結構楽しいです。

お気に入りや評価は増えてるの見てるとエモいです。エロいじゃなくてエモいです。
モチベーションアップにご協力ください。
感想、評価、お気に入り増加等で少し早くなります。

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ねくすと(次は呪いとか祟りとかなんとかしてみた話)

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