霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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パンチラ移植品です。
幽香ちゃんとバトルした話のうらがわです。
文は実況向け。


プロレス中継

「さあ、間もなく始まります花妖VS外来人、手元のデータによるとこれで47戦46敗1無効試合と、外来人がいまだ勝ちがありません、おっと実況はこの私。射命丸文が務めさせていただきます、音声は河童印の高性能収音機でこちらも聞こえるようにしてありますが、こちらの声は向こうには聞こえないのでご安心を、映像は動画も撮れるようになった、羨ましくなんてないですよ。はたてのリアルタイム盗撮「盗撮っていうな!?」でおとどけします!この実況ももう20回を数える位になりましたが毎回毎回外来人は驚かせてくれます、今日こそ花妖に土をつけることができるのか、みどころですね」

 

テンションも高く実況しているのは天狗の射命丸文だ。

今日は近頃定期的な娯楽となっているイベントなのである。

 

実際のところはイベントにかこつけた飲み会みたいなものなのだが。

 

「解説はいつものごとく私が適当に適当そうな人に振るので、振られたらお願いしますねー」

 

と、見ての通り既に適当感満載である。

 

ちなみに集まっているのは結構多いが勇儀やチルノやパルスィなど乱入しかねない人物(乱入理由は各々で違うが)や慧音や映姫などの見世物にするのはどうか……と言う常識人などなどは最初から誘ってはいない。

あと保護者(霊夢)と口の軽い白黒も。

あとは来れる人間が来るような感じである。

 

意外なことに神霊廟や命蓮寺の人間も普通に来るのである。

とくに白蓮などは……

 

「聖様ー。その……」

 

「節度を守って人に迷惑をかけず、感謝していただきなさい」

 

「わっかりましたー!みんなー!聖様がいいってー」

 

まさかの酒、容認である。

 

「私が言うのもなんだけど、いいのかい?」

 

と、すでに飲んでいる小鬼――萃香が白蓮に問いかける。

 

「ええ、「お酒を遠ざけて悟ったって言ってもそれは悟ってないんじゃねえか?飲んだうえで何がダメなのか、いいのか自分で見極めないといつまでたっても悟れねえと思うんだよな」だそうですよ。そういわれるとお釈迦様も若いころはいろいろと経験していましたし、ある意味真理なのかなと思いまして」

 

「あいつはな―、馬鹿の癖に物事の本質をとらえてるんだよ」

 

「わかります。そのくせ本人はとらえどころがないんですよね」

 

「へえ、お堅いと思ったけど案外……なあ、お前さんはどっちがわだい?」

 

「どっちと言いますと……?」

 

「友人か恋慕かだよ」

 

「私はっ……仏に身をささげた身ですし……」

 

「なるほど、こっち側か」

 

「どっちのこと――」

 

 

「さあ始まりました、まずは両者ゆっくりした立ち上がり、花妖は王者の風格。いつものことながら相手の出方を見ているようです。おっと外来人が何か……これは初見ですねー誰かわかる人……パチュリーさん解説お願いします!」

 

「わ、私!?もう、いきなりね。今彼が使ったのはウイッカ……妖精使役術ね。かなりレアな魔法で、妖精との相性が特に重要なんだけど、彼はその点は問題がないわ。ただ私たちも普段妖精を雑魚扱いしてるように、実際に効果も雑魚だから気休め程度ね、ちょっと注意を引いたり、くすぐったりする程度の効果しかないわ。しかも今呼んだのは初歩の初歩の召喚術でパックのようだし」

 

「なるほど!弾除けでしょうかね?っとさらに何かしているぞー!おっと武器が炎に包まれた、これはいつものファイアウェポンという奴ですね?パチュリーさん」

 

「そうね、属性付与魔術の一つで、いろんな属性があるわ、魔術は魔法に比べて直接的な破壊には適していないけど少ない魔力で長時間効果が出るから、長期戦には便利よ、あと地味に身体も光ってるでしょう?」

 

「お?そうですね、淡く光ってますね」

 

「あれはプロテクション、厚手の服を一枚着たぐらいの防御力しかないけど、動きを阻害しないので地味に便利な魔術よ」

 

「なるほどーパチュリーさんありがとうございました」

 

「いえいえ」

 

「獲物は今回も連結三節棍のようですね。彼の得意武器でしたっけ華扇さん?」

 

「んぐっ!?ま、饅頭がっ!……ごくん。はい、そうですね。彼の性格にぴったりの何でもできる武器です。でも妖怪相手の時はやはり連結した状態で振り回すことが多いですね、単純に打撃力が一番高くなるので」

 

「さあ、じりじりと間合いを……おっと外来人が仕掛けた!まだ距離があるが……火の玉だ!火の玉を放ったぞ!だがこれはいともたやすく花妖に防がれる!毎回思うんですがあの傘はいったいなんでできているのか!私も一度全力であれでしばかれましたが、折れるどころか曲がりすらしませんよ!で、あの火の玉はいったい……?」

 

「あれは……いつの間に!?」

 

「むう、知っているのか華扇!」

 

「なんでそこでネタを挟んでくるんですか!?あれは五行術……仙術ですね。チョイスとしては賢い選択です」

 

通じる華扇も華扇である。

 

「賢いと言いますと?」

 

「仙術は森羅万象に作用して使う術なので消費するものがないのです、いわば無尽蔵に使える術ですね」

 

「それはなかなかすごい術ですねー!でもちろん欠点はあるんですよね?」

 

「なぜすごいワクワクしているかが謎なんですが、ええ、もちろんあります。わかりやすく言えば、あるべき姿を捻じ曲げて使っているので失敗すると反動があります。自爆したり性格が変わったり一時的に五感の一部、または全部を喪失したり酷い時には年単位の静養が必要となる場合もあるので、私は彼には仙術は教えなかったのですが…‥」

 

と、華扇が神霊廟の面子に目を向けると、布都が明後日の方向を向きながら「スヒースヒー」とならない口笛を一生懸命鳴らそうとしていた。

 

「どうやらマヌケは見つかったようですね……」

 

殺意の波動を込めた視線を向けると布都は慌てたように弁解を始める。

 

「わっ、我悪くないぞっ!?むしろ勝手に術を真似しようとしてたから危なくないように注意して手ほどきしただけだからな!そも仙骨のない人間が術を使おうとするなら、仙人方式より道士の方式の方が安全であろ!?」

 

「一理ありますが、その場合は師匠である私に連絡をすべきだったのではないかと思うんですけど」

 

「あやや、これは面白――いえ、もめごとですか?仙人方式と道士方式で違いはあるんですか?」

 

「簡単に言うと仙人は命令で、道士はお願いです。命令の場合は強い術もできますが反発も大きい、お願いは強い術は使いにくいですが反動も比較的小さいです」

 

「なるほど、むしろいろんなものに好かれる彼の場合はお願い形式の方があってる気もしますね」

 

文がそう言うと布都はぶんぶんと大きく首を振って頷いた。

 

「そ、そうなのだ!あやつ道士方式で炎の嵐とか複合術まで使いこなすぞ!むしろ道士になるべき人物だと我は思うぞ!」

 

「なるほど、さて花妖のツタ攻撃に対応しつつ火の術で攻撃を続ける外来人!っとここで弓をどこからともなく取り出した!一体何をしたのだ!えっとわかる人!」

 

グダグダである。

 

「パチュリーが解説するわ。あれはアポート、魔術的な刻印をして、場所がわかっているものを引き寄せる術式ね。距離が遠いほど消費が激しいのだけど、多分彼のことだからあらかじめ近くまで持ち込んでると思うわ」

 

「つがえた矢が光を放ちながら飛んでいく!これはあれですね博麗神社の破魔矢でしょうか、っと!それがさらに加速した―っ!?いや、誘導弾幕のように追尾していくーっ!」

 

「精霊魔法ね、精霊と契約必須だけども、彼にはたやすいことかもしれないわね。今使ったのは風の精霊のようね」

 

と、魔法関係は自分の領分とばかりに解説するパチュリー。

 

「のようだな、それにしても気合の入った破魔矢だな。どれほど念を込めて作ったのやら……それにしても三つがけで打つとはまだまだ筋力が足りんな、もう少し筋トレを増やさなければな」

 

と、続けて神奈子。日本の神は精霊に近いものがあるのだ。

神奈子のつぶやきに「やめてください、しんでしまいます」とあの男はきっと答えるだろう。

 

「花妖は防御しようと傘を向けるが……直撃!直撃だーっ!この試合初めてのクリーンヒットが出ましたよ!しかも、立て続けに火弾もあたるぅーっ!傘が壊れたのか?あ、いえ今開いて再び防御を始めました!何やら術らしきものをつぶやいていましたが今のはいったい何があったのでしょうか!?」

 

「禁呪……ですか」

 

華扇が低い声でつぶやき、またもや神霊廟面子をにらみつける。

 

「ほっほっほっほっほっほっ」

 

勺で口元を隠し笑う神子。

だがこめかみに汗が流れている。

 

「禁呪とは何でしょうかーいえ多分私も昔食らった覚えはあるんですが」

 

「そうですね、仙術にもあるけど、陰陽師や道士も使う割と一般的な術ですね。安倍晴明などは「禁」の一言だけで調伏できたと言いますが。正しい使い方は今彼がやったみたいに何を禁止するか指定して使います。対応力が求められるので普通は大雑把に指定して使う術式ですが、細かくすればするほど消費は減ります」

 

「なるほどーありがとうございます。おっとここで動きが!花妖が焦れたのか間合いを詰め始めてきました!対するは……また何かやってますねえ、えっとこれは先ほどの妖精術でしょうか?パチュリーさん」

 

「なるほど、考えたわね」

 

「と、いいますと?」

 

「パックとロビングッドフェローは同一視されることもある存在よ、格自体はロビングッドフェローの方が上なので召喚には結構な魔力を使うのだけど、このように関連するものをつなげて召還することによって少ない魔力で行使することができるようになるわ。とはいっても所詮妖精だからね……」

 

「なるほど!パックをリリースしてデッキからロビングッドフェローを特殊召喚!ってとこですか」

 

「ごめん、文、何を言ってるのかわからないわ」

 

「あやや、ギャザのほうがよかったですかねえ、っと今度は何やら……念仏ですか?これも初の技術ですね!と、そこからの後ろ回し蹴りが炸裂だーっ!完全にフェイントとして機能しましたね!で念仏の解説と言えばここはもちろん――」

 

「私の出番ですね。彼が今使ったのは真言、マントラと呼ばれるもので対象の加護を借りるものです。今のは迦楼羅、ガルーダと言ったほうがわかる人も多いかもしれませんね。加護は神速です、とはいってもそこまで速度が上がるわけでもないですが」

 

「なるほど、唱えるだけでいいのですか?」

 

「そうです。真言は字面からわかるように、言葉そのものに力がある……というよりも諸仏に願いを届けるためのものですので、真摯に唱えれば、加護の大小はあれど、だれでも使うことができますよ。ただ、連続で同じ加護を受けることはできません、何度もお願いされたら聞く気をなくすでしょう?同じようにしばらくは間を開ける必要があるんですよ」

 

「それは良いことを聞きました、ぜひ恋愛に効く真言などを後で聞いておきたいものですねっと足を止めての殴り合い!またもや念仏……マントラでしたね。をとなえているぞーっ!正直私には何を言っているのかさえ理解不能です、解説お願いします!」

 

「はい、今のは金剛力士、俗にいう仁王様ですね。の力を借りるマントラです。金剛力か金剛身のどちらかですが……彼は山門付近で真似てポージングしてることが多くて、それが奉納の舞扱いになっているのか相性がいいんですよね仁王様と……いまもトラダリセイをトリダリセイと間違えてましたが、加護は受けられたみたいです」

 

「まさかの仁王迄仲良し!外来人の人外たらしはとどまるところを知りませんね!?ですが間違っていても効果が出るのですか?」

 

「帰依する心、すがる心が一番大事なので。「おん・あぶらあげ・そわか」や、「生麦大豆二升五合」などの例もありますしね」

 

「なんです?それ?」

 

「病魔退散のマントラと、厄落としの念仏ですが正しくは「オン・アビラウンケン・ソワカ」と「なむだいしへんじょうこんごう」です。ですが不思議と唱えていた当人たちはこれで効果を発揮していたのですよ。御仏の慈悲ですね」

 

南無ーと合唱する白蓮。

 

「面白いことに、正しい言葉を知ったときから、この言葉は効果を発揮しなくなったそうです。信じる心が薄れてしまったのでしょう」

 

「先からいいところがない故我も解説していいかな?」

 

「どうぞ布都さん。で、何か解説するところでも?」

 

「シチューにカツととかいってたのはあれも呪文だぞ?七五調の呪い歌であるな」

 

「ほう!してどのような?」

 

「わからんけどな!ただ何らかの効果はあると思う!」

 

「使えない布都さんは退場――っと今度は呪符ですね!また博麗のお札でしょうか」

 

「いえ、あれは……」

 

と華扇がまたもや神霊廟面子を見やると屠自古が明後日の方を向きながら「静電気が多くて髪がまとまんないなー」などとやっている。……自分で放電しながら。

 

「結局三人共ですか……、こほん、あれは霊符、仙人や、道士、陰陽師のほかに神職もつかいますが、霊剣符のようなので道士か仙人系の符ですね、道士系の符は作るのにものすごい手間……手書きですので。と希少材料を使ったりしますが、逆を言えばそれさえあれば素人でも……いえ、もちろん書画の才能はいるでしょうが。かなりの物を作れて、なおかつ使うときにも簡単な一言で使えるという利点があります」

 

「和歌!和歌はわかるぞ!あれは言霊の一種で人間じゃない女の動きをしばしの間阻害するという裏の意味にもなる!もともとは天女を返さないという意味の歌だからな!」

 

汚名返上とばかりに布都が騒ぐ。

 

「なるほど、では布都さんは巣にお帰りください」

 

「我の扱い酷くないかのっ!?」

 

「さあ、ここで外来人の「無視かっ!?」ラッシュだぁーっ!三度、四度、滅多打ちだー!さあ花妖はどうでるか、っと強引に腕で止めて……これは、そろそろですかね……いま花妖の目が見開いたーっ!オラオラとどこからか聞こえてきそうなラッシュ!さらに術を混ぜての立体的な攻撃に外来人は防戦一方だーっ!いや、何かキラキラしたものを射出して花弁を打ち落としていく!」

 

「五行術の金行ですね、金克木。木の属性である幽香の術には有効になる手段ですね、先ほどから火を主体にしてるのも木生火で木に対して火の術は追加効果があるからですね」

 

「なるほど、考えられてますね、意外に彼は知的なんですよね。痴的でもありますがっと、マントラですねえっと……」

 

「聖観音菩薩のマントラですね。劇的な効果はないでしょうが、回復力を高めます」

 

「地味だけどじわじわ効くタイプの術ですね!さあラッシュをかいくぐって……なんということでしょう!隙をついて花妖のスカートをめくったー!?」

 

「何をしているんですか彼は!?」

 

会場のあちこちからもブーイングが飛ぶ。

一部は、まああいつだから仕方ないね。という空気もあったが。ちなみに萃香は爆笑していた。

 

「怒りの花妖、かかと落としからのーっ!ソバット!これはかわしたーっ!そして、これは私も昔見たことあります破邪結界という奴ですね!詳しい解説は……神道系と言うことで神奈子さんどうぞ!」

 

「ん?四方払い、一種の結界だが破邪結界とはちがって脆いぞ?本来は聖域を作るためのもので柏手を打って完成する。聖域を作ってから上位の術に移行するんだが、あれでは持つまい」

 

「ですね!解説の間に崩れ去りました!しかしその間にマントラを発動!マントラはわかりませんが星さんはわかります!これは毘沙門天ですね白蓮さん?」

 

「はい、武神としての方向の加護を強く願っていますので、戦闘力強化だとおもいます……」

 

白蓮が命蓮寺の面子の方を見やると星が神々しく輝いていた。

 

「かなり強めの加護が与えられたようですね」

 

「これは番狂わせがあるかーっ!?さらに連続して術を発動!えっと華扇さん!」

 

「木行に有効な金行術と……ちょっ!?あなたそんなの使ったら死にますよ!?」

 

焦る華扇。

 

「い、いったい何を?」

 

「火尖鎗を作り出したんですよ!いえ、偽物というかまがい物ですけど!」

 

「えっと問題が?」

 

「まずまがい物とはいえ作れること自体が異常なんですが、まがいものとはいえ宝貝は宝貝!仙骨のない人間が使ったら干からびますよって投げたぁ!?」

 

「ぱおぺえ?っと、先に解説をば!炎の槍を作り出したとおもったら、火トカゲみたいなのがまとわりついて一緒にすっ飛んでいって……直撃だああっ!いや、花妖かろうじて致命傷は避けて……振り払ったーっ!雄たけびをあげて火トカゲごと槍を振り払ったーっ!ここまでの攻防の解説をお願いします!あとぱおぺえも」

 

「宝貝……宝具とか仙術武器の事ですね。基本的に仙骨というものがないと使えません。彼はもしかしたら少しぐらいは生えてるかもしれませんが、それでも持って動くとかは難しいと思います。で、彼が作ったのは哪吒がもつ火尖鎗のレプリカですね、わかりやすく言うと相手を燃やす槍です」

 

「続けて私が。使ったのは精霊魔法のサラマンダー。その火尖鎗とやらを炎に見立てて一緒に飛ばしたと思うわ、かなり強引な手法だけど、理にはかなってるわね」

 

「さらに間髪入れずに棒手裏剣を投げたのは良い判断だ。毘沙門の加護もあるだろうが、良く動けている。これならばもう少し訓練を増やしてもよいな」

 

「ええ、つまり無茶苦茶なことをやったという認識でいいですかね?っと花妖のラッシュ!ツタの乱舞だっ!これはよけきれるか?おっと逃げた!?しかも奇妙な逃げ方だ!?」

 

「ウンディーネを召喚して運んでもらったようね」

 

「なみのりですか!こうかはばつぐんですか?」

 

「文が何を言ってるのかわからないわ」

 

「そして石壁を作り出して……貫通したーっ!そしてついに一撃が外来人を捕らえた―っ!これは痛い!動けるのか!」

 

「悪手ですね、土行は木行に弱いので」

 

「なるほど、おや意外にぴんぴんしているぞー?これは毘沙門天の加護なのかーっ!?」

 

「いえ、金剛身ですね、現に使いなおしましたよ」

 

「ん?先ほど連続して使えないとお聞きしましたが、結構早いのですか?」

 

「いえ、結構長いですよ、少なくとも今日は使えないかと。ですが金剛力士は二体いますので……」

 

「なるほど、それぞれ別カウント扱いと言うことですね!」

 

「マントラもそれぞれで違いますしね」

 

「さあ離れて対峙だ!今日はこの中距離から遠距離での戦いが多いですね、新しい戦闘法に遠距離系が多いせいでしょうか、っとまた何やら――」

 

「単なる水を作る術ですね、微回復というか水を飲んで一息ついた程度にしか回復しません」

 

「なるほど、ですが水分補給は重要です!また弓を呼び出し炎と合わせて攻撃をしていきますが多数のツタに阻まれて有効打はありません」

 

「時々術を組み合わせて当ててはいるみたいですが……正直今一つと言ったところですね」

 

華扇の見立てではせいぜいが軽く殴られた程度のダメージだろうと予測する。

 

「さあここで動きがありました。花妖の最終形態、ごっこでいうスペルカード。向日葵砲台です!」

 

「正直今回もここまでのような気はします、やはり小細工なしの素での有効打がなければ彼女に勝つのは難しいかと思いますね」

 

「さあ、射撃が――始まったあっ!外来人必死によけるよけるよける!動きが気味悪いぞ!御器嚙のようだぁー!そして逃げ回りながら土壁を出していく!すこしでも隠れる場所を作ろうという算段かーっ!」

 

「――!読めた」

 

「パチュリーさん、何か?」

 

「彼は精霊を召喚した、でも召還はしていない、今出している土壁も土の精霊由来の物、大技が――来る!」

 

「えっと……?お、おおっ!?パチュリーさんの言った通り何やら精霊たちが光の球体になって、突撃だぁーっ!しかも防御をかいくぐって飛んでいく!そして!今!ちゃくだあああああああん!!!」

 

会場まで響く振動に一同どよめく、しかし。

 

「あー、やったかはいけませんねー」

 

「フラグを立ててはいけませんと注意したのですが……」

 

「残心を怠ったな、特訓せねばなるまい」

 

「これは勝負が決まったかー!?高々と吹っ飛ばされたーっ!いや!まだです!受け身を取って立ち上がったっ!しぶとい!まさに御器嚙のようだ!」

 

「あの高さなら完璧だな、次は6m位からおとすか」

 

「文さん何か御器嚙におもうところあるのでしょうか……?」

 

「さあいよいよ熱くなってまいりました。ここで外来人両手をかかげて、これは!?」

 

「まさか――呼べるの!?」

 

「わ、わかるように説明してほしいんですが」

 

「見たほうが早いわ、来るわよ」

 

「な、何ですかあれは!?」

 

「オベロン!妖精の王よ。なるほど、ロビングッドフェローはオベロンの取り換え子だったわね、そこつながりで術式を――」

 

とぶつぶつと自分の中にこもるパチュリー

 

「あやや、彼にはいつも驚かされますねえ、あれ大妖クラスじゃあないですか?」

 

「あくまでも妖精だから、そこまで強くないわよ。ただ自然に関する干渉力なら幽香にも負けてない、というか凌駕すると思うわ。ちなみに大妖精も究極進化したら――まあオベロンじゃなくてティタニアだけど、あんな感じになるわよ」

 

思考から戻ってきたパチュリーが解説をする。

 

「ただ本気で驚くべきところはスペルカード一枚分ぐらいの魔力でオベロンを呼び出したっていう、恐るべき省エネ具合なのだけど」

 

「そしてさらに外来人の動きは止まらないいっ!?ちょ、なんですかこれ、ここまで不快な……だれか!だれか結界を!」

 

幾名かが結界を張って人心地つく。(妖心地かもしれない)

 

「あー気持ち悪かった。華扇さんは平気そうですけどあれはいったい?」

 

「五行属性を無茶苦茶にした感じですね、ですので風属性……木気が強めな文さんは影響を受けたようです。ほかにも属性が偏っている人は影響を受けたのではないでしょうか?」

 

見回すとお燐や屠自古、河童などはぐったりしている感じだ。

 

「なるほどー、っと解説が途切れている間に接近戦が始まっていま――えっ!?」

 

「見事。もうすこし組打ちの訓練レベルを上げてもいいな」

 

あっけなく、実にあっけなく幽香が組み伏せられて地面に転がされている、倒れているのではなく、文字通り転がされているのだ。何度も何度も執拗に打ち付けるように――やがて幽香から抵抗が消えた。

 

「あの技は……?っと、それより写真写真!これはスクープですよ!!」

 

写真を撮り出す文。

 

「技の名前まではわかりませんが、自分を中心に、相手を外側において回転することによって、自分の少しの動きでも相手を大きく勢い良く動かせる、理にかなった技ですね」

 

「だな。それに幽香も私の弟子を舐めすぎだ、しぶとさがアイツの一番の持ち味だからな、もうすこしキツくしてもいいのかもしれんな」

 

「そうですね、さすが私の弟子です、私の教えた円運動がすべてに通じるということをよく理解していますよね」

 

「魔術は知識というのもよく理解しているわね、流石は私の――」

 

「いやあ我が手ほどきした道士としての修行が役に立ったようで何よりだな!あいつはこのまま道士――」

 

「マントラは仏をよく理解することも重要なのです、彼はこのまま仏門に――」

 

「いやいや私のところでは早苗が神道も――」

 

「こちらは仙人として――」

 

「道士はできることが豊富だし先生も三人――」

 

「そういうんなら妖精魔術だよ!お兄さんはみんなに好かれているからねっ!」

 

「まあ待て、地底を〆るというのも――」

 

「ちくわ大明神」

 

「いえいえ、そもそも彼をここまで育てたのは私と美鈴――」

 

「あのっ!いっそ料理人というのも私と一緒にメイドと執事など――」

 

「剣術なら私も少し手ほどきしたぞ、二刀扱うのはきっと私の――」

 

「そも彼が自ら教えてくれと言ったのは私のとこが最初だろう、ならば守――」

 

「あずかりじょ」

 

「屋台とか一緒に――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあ大人気ですねえ彼」

 

「むー、だーりんは私と面白おかしく遊んで暮らすんだから!」

 

「はたて、あなたもですか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次話は仙人が俗だった話ですが、しばらく更新速度が遅くなります。

書くために始めた神霊廟がクリアできないので(十年前のゲームを何してんだという話は捨ておいてください。リスペクトありきですのでとりあえずクリアを)

ねくすと(次は呪いとか祟りとかなんとかしてみた話)

  • 魔理沙とデートした話
  • 決戦!星海恐怖異変
  • 因幡の白兎した話
  • 屋台で駄弁るだけの話
  • 人里で遊んだ話
  • 新聞記者に振り回された話
  • 白蓮ちゃんと愉快な仲間たち
  • 神奈子ちゃんにシゴかれた話
  • かわいいクソガキに子分にされた話
  • 白玉楼で料理した話
  • 本編

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