霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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誤字脱字報告者の家無しじゃない無銘だ様、Die-arche様、ティアール様、Muro.y、ベジタブル様、孝也様、提督様、64b様。
いつもいつもたくさんの修正ありがとうございます。
ここに名前があるのに修正されていない場合、その文章はそれで正しいのでご了承ください。

霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!のチラ見せ
というネタバレ、小ネタ用の投稿もしております。
パンチラが見たいとご連絡ください(羞恥プレイ)
今回結構直した結果こいしのでばんが削れました……
新規にこいしのお話を作ってパンチラに入れるかもです




パルスィちゃんが地上に来た話

一仕事終えて人里で何か買って帰ろうかなーと、うろついていたところ、見覚えのある少女の姿が目に留まった。

 

「おーい、パルスィちゃーん!」

 

水橋パルスィ。

語尾が「妬ましい」というちょっと変わった喋り方をする女の子だ(違)

ちなみに性格はすごくいい。多分幻想郷でも五指に入るぐらいのいい子ではなかろうか。

 

きょろきょろと辺りを見回した後、俺に気付いたのか「てててっ」っと小走りでかけてくる。

 

うん、こういうところなんだよなパルスィちゃんが可愛いいい子なのって。

 

「誰かと思えばあなたなの?元気で妬ましいわね」

 

「おう、いつも元気だぞ。で、パルスィちゃんが地上に上がってくるって珍しいな?というか異変解決以外で初めて見るかも?」

 

パルスィちゃんは基本的に地底にいてたまに異変に巻き込まれたりしたとき出てきたり、解決後の宴会にいたりはするけど、普段は地上では見たことはなかったはずだ。

 

「あなた、私の事を逐一見てるの?暇なのね、妬ましいわ」

 

「パルスィちゃんの綺麗な金髪は目立つぞ?目に付くところにいたらすぐ気づくさ」

 

「また!あなたは!軽々しく!そういう!ことを!」

 

「はっはー事実だからなあ」

 

パルスィちゃんのぺちぺち頂きました!

正直パルスィちゃんと話すときはこれをもらわないとエンジンかかんねえよな(外道)

 

それに嘘はついてないしな、同じ金髪でも魔理沙とかよりワンランク上の輝きなんだよな。

魔理沙は手入れしてないからとしても、普通にアリスちゃんやルーミアよりも輝きが上だ。

なんだろう、エルフ耳だしエルフ補正なんだろうか?

ちなみに藍ちゃんも同じぐらい綺麗だが、こっちも九尾補正なのだろうか……?

 

「ところで何の用かしら?」

 

「え?そういわれると……とくにはないけど。パルスィちゃんと話したかっただけだけど?」

 

あとたたかれに来ました(変態)

 

「またあなたはそういうことを軽々しく……妬ましいわね」

 

「で、パルスィちゃんはどうしたんだ?珍しく地上に来てるみたいだけど」

 

「ん、そのちょっとね……そう、こいしをみなかった?」

 

ん?こいしちゃんを?珍しいな、パルスィちゃんは地霊殿の面子とかかわるの好きじゃないのにな。

……よし、ここは……

 

「こいしちゃん?みたよ」

 

「えっ!?どこで!?」

 

「はい」

 

と足元の小石を拾ってパルスィちゃんに手渡す。

 

「ちーがーうーでーしょーっ!!」

 

手渡された小石を地面に叩きつけて地団太を踏むパルスィちゃん。

いやあ、いい仕事したなあ、俺(外道)

 

「あなたねえ……!」

 

と怒りで頬を紅潮させ、にらみつけてくるパルスィちゃん。語尾が普通になる程度には怒りが高まっているようだ。

 

「パルスィちゃんが怒った顔可愛くてつい……」

 

「あ、あなたってばいつもそう!本当にもう!能天気で妬ましい!」

 

とりあえず弄りすぎても(パルスィちゃんは本格的に怒ると「つーん」とかいって相手してくれなくなる。いや、その「つーん」が無茶苦茶可愛いのでたまに見たくなるが)はなしがすすまないので地上に上がってきてまでこいしちゃんを探している理由を聞くことにする。

……正直厄介ごとの気がしてならないが、パルスィちゃんをほおっておくという選択肢は俺にはないな。

 

「で、なんでこいしちゃんを探してるんだ?」

 

「その……ちょっと……ね」

 

「パンツでも盗まれたか?」

 

「あなたじゃないからそんなことしないでしょ!」

 

「失礼な!俺は盗んだりはしないぞ?」

 

霊夢ちゃんの洗濯物?あれは……その……借りてるんだよ。魔理沙と違ってちゃんと返してるからノーカン!

 

「まったく、その図太さが妬ましいわね。まあ、でもたしかに盗まれたというか……持っていかれたのだけど」

 

「パンツを?」

 

「あなたって人は!いい加減!そこから!離れなさい!」

 

「はっはー、パルスィちゃんは可愛いなあ」

 

ぺちぺち最高だな!

 

「まあ、まじめな話、何かもってかれたからこいしちゃんを探してるんだな?」

 

「ええ、まあそうよ。まったく、妬ましいわね」

 

何について妬ましいんだろう……?

まあさておきそういうことなら……

 

「んじゃあ俺もこいしちゃん探すの手伝おうか?」

 

「……いいえ、結構よ、気持ちは、その……嬉しいのだけど、こいしの持って行ったものを見られたくないの」

 

「やっぱりパ――「そ・こ・か・ら・離・れ・な・さいっ!」いだだだだっ!?」

 

「あっ、ごめんなさい……」

 

両手で俺の腕持って雑巾でも絞るみたいに左右にねじってきたぞ!?

ここに来ての新技か!?めっちゃ痛いわ!でも謝れるパルスィちゃんやっぱりいい子!

 

「許すから代わりに俺に手伝わせてよ、パルスィちゃん。一人じゃ大変だろうし、おれもパルスィちゃんと一緒だと楽しいしな」

 

「またあなたは……きっと誰にでもそんな風に優しいのでしょうね、妬ましいわ」

 

「誰にでもじゃねえぞ?」

 

「えっ……?……なによ……妬ましいわね」

 

「何がだ!?まあ、パルスィちゃんがいい子だから力になりたいってのは本心だぞ?」

 

天子とかには塩対応だし魔理沙みたいな自業自得の事が多い場合は手伝わない。

俺だってそこまで暇ではないのだ。

 

「勘違いしそうになるわね……本当に妬ましいわ……そうね、手伝ってもらってもいいのだけれど……」

 

「だけれど?」

 

歯切れが悪いな?なにか他に問題でもあるのか?

 

「こいしを見つけたら私に任せてくれる?」

 

「めっちゃ可愛い」

 

「な、なんでそんなこと言うのよ!?本当に妬ましいわね!ああ、妬ましい妬ましい!」

 

素で出てしまった。

だって「任せてくれる?」と同時に首を「こてん」と傾げるとか反則以外の何物でもないだろ。

条約違反レベルの可愛さだったぞ?

 

「パルスィちゃんいったい何に妬ましがってるんだ……!?」

 

「あなたのその……!何でもないわ!」

 

「むう……?」

 

まあパルスィちゃんの妬ましいは語尾キャラの語尾みたいなもんだしな、深くは気にしないでおくか。

 

「で、結局はこいしちゃんをさがすんでいいんだな?」

 

「ええ、でもくれぐれもわすれないでね、こいしは私に任せて。お願いね?」

 

これだけ念入りにお願いしてくるって、本当に何があるんだ?

いや、本気で下着盗んだとかはないだろうけど、見られたくないものでも持っていかれたか?

こいしちゃんは無意識に悪戯することあるからな……

 

 

「おう、パルスィちゃんがそこまでいうならこいしちゃんは任せるわ。で、どうする?手分けして探すか?」

 

「……なんとなくだけど、あなたがこいしを先に見つけたら余計な事しそうね……余計な知恵が回って妬ましいわね」

 

「ソ、ソンナコトナイヨー」

 

おうふ、ちらっとかんがえたことが読まれている!

……いや、だって気になるじゃん?

 

「……それにせっかくだから……一緒に……こほん。どうもよこしまな雰囲気を感じるから一緒に行動しましょう」

 

「くっ信用ねえな俺!」

 

「胸に手を当てて――きゃあっ!?なっ!わっ!この、私の胸じゃ!ないでしょう!?」

 

「えっ?違うのか!?こいつは驚きだ!」

 

ふにゅとかふにょんって感じの程よい感触。控えめだが極上の柔らかさだな!(助平)

自分からくっつけたりするのは平気な癖にパルスィちゃんのはたく力が「ぺしぺし」から「ばしばし」になってるのはなぜなんだろう。解せぬ。

 

「本当にあなたって……」

 

「パルスィちゃんが可愛いのが悪い!」

 

「いいかげんにしなさい!」

 

 

 

「あ゛ーーーーっ!?」

 

 

 

 

怒りのパルスィちゃんが抓ってきた。

しかも皮一枚だけを爪を立てて抓るという、ある意味最高級の痛さの抓り方だ。

流石の俺も悲鳴を上げる。勇儀ちゃんにどつかれたときより痛い気がするぞ!?

 

「ふんだ!」

 

いつも俺が悲鳴を上げると謝ってくるパルスィちゃんがガチご立腹である。

……怒り方も可愛いなぁ!(馬鹿)

 

まあ、本気で怒らせたくはないので(もう怒っている気もするが)あやまりつつ機嫌を取ることにする。

 

「ごめんなさい!しばらくはまじめにやる」

 

「……しばらく?」

 

ピクリと眉を吊り上げてこちらを見てくるパルスィちゃん。

いつもは可愛らしい雰囲気の残る顔立ちだが、素は綺麗系なので冷徹な表情をすると普段の十倍ぐらい怖い。

 

「あ、ああ。できる限りというか、なんというか……俺って真面目がつづかないだろ?だから精一杯頑張るってことで何卒!」

 

と拝むように手を合わせてパルスィちゃんに懇願する。

 

「……はぁ、わかったわよ。そういう人ですものね、あなたは。まったく、妬ましい」

 

どうやら許してくれたようだ。

もっとも本気でしばらくはボケるわけにはいかんだろうが……頼む、持ってくれよ、俺の自制心!

……どうあがいても芸人魂の方が上回る気もするけどな!

 

「まあ、いいわ。こいしがいきそうなところって心当たりあるかしら?」

 

「パルスィちゃんノープランで探しに来たの!?」

 

正直幻想郷の中で一、二を争う捜索難易度がこいしちゃんだ。

その難易度は姉のさとりちゃんですら一度見失ってしまうと発見が難しいというありさまである。

 

「よく命蓮寺にいるって聞いて、いってみたのだけど……」

 

「いなかったわけだな?」

 

「ええ、それと氷精とかとも遊んでるって聞いたからそこも見に行ったんだけど……やっぱり見当たらなかったの」

 

うーん、確かにそれらは頻度が高いけど、こいしちゃんてじつはもっといろんなところに出没してるんだぜ?

紅魔館、あるいは霧の泉のほとりでフランと一緒に謎会話(会話というより各々のお姉ちゃん自慢でめっちゃ噛み合ってない。が、なぜか最後には話が通じている、霧の泉の場合はチルノたちも含めて遊んでたりする)してたりルーミアと無言で見つめあってたり(これも謎だが無言なのに意思疎通ができているみたいなんだよな、なんかうなずいたり、首振ったりしてるし)はたまた小傘ちゃんで(小傘ちゃんとではない)遊んでたりしてる。

アリスちゃんの人形劇見てることもあるしな。

 

まあ、思ったより結構いろんなとこにいるわけだ。

 

「こいしちゃんは結構いろんなところにいるぞ?簡単に見つけようと思ったら……そうだな上海人形でも連れてくればいいかな?」

 

「あのうるさい人形遣いの人形?」

 

「正確には上海ちゃんの連れている上海人形だな……ややこしいな。量産型上海人形というべきかな?」

 

「上海ちゃんねえ……あなたお人形遊びもするのかしら?アリスの連れているモノでしょうに……妬ましい」

 

「ん?それなりに自我があるなら、俺は一個の人格として扱うぞ?元が生きてないからだから駄目とかそんなこと言ったら付喪神連中全部ただのモノだろ?あと雲山みたいな使役系も」

 

あと可愛いしな!(雲山を除く)

雲山も応対になれれば普通のおじさんだったりする。

少しばかり寡黙なのと自分の意思での意思疎通が遅いので無言で見つめあう時間が長いだけで、ゆったりと構えていればちゃんと意思疎通を試みてくれたりもする。

……意思疎通に便利だと思ってこっくりさんボード使ったら、なんかやばいもん出てきて、藍ちゃん、椛ちゃん、マミゾウにめっちゃめちゃ怒られた記憶があるがな。

 

「あなたのそういうところ、嫌いじゃないけど妬ましいわ。で、その人形がどう役に立つの?」

 

「こいしちゃんの能力はめっちゃ平たく言うと「いるのに認識できない」だけなんだ。で、この前気づいたんだがスマホのカメラには普通に映ってるんだよ」

 

「すまほってあなたが持ってる板の事?珍しいものを持ってて妬ましいわ」

 

「もっとも映っててもその瞬間は認識できないんだけど、録画を見直せば認識できる。量産型上海人形も仕組みはわからないけども「いる」のは認識できなくても「いた」のは認識できるから、探しやすくはなるぞ?」

 

「よくわからないけどわかる方法があるのね、妬ましい」

 

「まあな、じゃあアリスちゃんと上海ちゃんのところにいって協力を――「妬ましいから止めておくわ」ええっ!?なんでっ!?」

 

「……あなたのそういうところ、本当に妬ましいわ。なんででもよ。ほかに方法はないのかしら?……誰かの力を借りる方向以外で」

 

「いきなり難易度あがったな!?」

 

ノーマルからルナティックにすっ飛んだ感じだぞ。

基本的に直接見ることはこいしちゃんが見せたいと思っていないとほぼ不可能なんでその条件では厳しすぎる。

他の方法もにとりの映像機や月の監視装置(そもそも月に行くのが面倒なので頼む気は元からないけど)とかぐらいしかない。

チルノやルーミアやフランと遊び倒しておびき寄せるのも誰かの力だしなあ……

 

しかしなんで誰かの力を借りるの嫌なんだろうか?……やっぱパンツでもってかれたか……いや、誰かに知られたくないもの……そうか!

 

「パルスィちゃんのパッド入りブラか……!あだだだだだだっ!?」

 

「今の言葉がどういう思考で出てきたかなんとなくだけどわかってしまうようになった自分が悲しいわ……妬ましいすら出てこない」

 

ギリギリと手首をつかんで圧をかけてくるパルスィちゃん。

なんだかんだいって強い妖怪なんですっげ―痛い!

 

「大丈夫レミリアさんも咲夜ちゃんも持ってるか――折れる折れる折れる折れる!?」

 

ミシミシ言ってる!やばいって!

 

「あなたのしばらくって、こんなに短いの?早すぎない?釣鐘に閉じ込めたら反省する?」

 

「ごめんなさい!なんでも言うこと聞くから許して!」

 

病んだ目で言われるとさすがにすっごい怖い。

そういえばパルスィちゃんに嘘つくのってある意味鬼並みにNGなんだったっけな。過去のトラウマが出るらしいから。

あとさすがにこれを言ったら手首砕かれそうだけど、だめだ、俺の魂が言えと、ガイアが俺に言えと囁いてくる!

大丈夫!骨折ぐらいなら直せるアイテムがある(貴重品、たぶんこんなことで使ったら間違いなく怒られる)

 

「可愛い子に短いとか早いとかいわれるの嫌です(真顔)」

 

そう言って激痛に備えて(備える位ならやるなと言われるかもしれないが、やるのだ)いたがなにもおきない、どころか掴まれていた手首から力が抜けて……なんかパルスィちゃんが自分の頬に手を当てて……なんだろう、吊り上がろうとする頬を抑えているような感じだ。

 

「そうね、あなたがそこまで言うなら……許してあげてもいいわ。で?」

 

「えっ?でって?」

 

いきなり怒りが雲散霧消したのなんでだ!?あとでって?

 

「他の方法、思いついたりはしたの?」

 

ああ、そっちか。

何でもするに対して何かさせられるかと思ったわ。

 

「そっちはあとでちゃんと権利を行使するわ」

 

「こころ読んでない!?」

 

時々……たまに……結構、よく女性陣は俺の心を読んでくるんだがなぜだ?

霊夢ちゃんが言うには「わかりやすすぎてコメントしようがない」って言ってたが……

 

「それよりも、どう?」

 

「うーん……さすがにおれとパルスィちゃんだけだと難しいかな?こいしちゃん探すのに一番簡単なのは機械系で、次は人海戦術だしな」

 

だいたいにおいて古明地姉妹の能力はどちらも強すぎる。

幸いというかなんというか、幻想郷の戦いはかなり優しいのであまり強さが目立たないだけで、俺がなりふり構わず戦えというなら間違いなく古明地姉妹の能力は借りたい。

 

相手の行動が読めてこちらが知覚されないって「真正面からステルスキル」とか訳の分からないことできるからな。強いに決まってる。

 

「そう、なら別に無理しなくていいわよ。私の本来の目的はこいしとあなたを接触させないことだから、あなたと一緒にいればそれができるからね。それにしても厄介な能力というのがよく分かったわ、妬ましいわ」

 

「ん?そんなんでいいのか?てっきり捕まえる必要があると思ってたが……」

 

「最終的にはね。でも見つける方法がないのだから、次善の策を取ったほうがいいと思ったの」

 

「いや見つける方法はあるけど人の手を借りるのはいやだってパルスィちゃんが言うから……」

 

「いちいち文句言わないの!妬ましいわね。ほらいきましょう!」

 

「おいおい、急に……」

 

「何?」

 

「い、いやなんでも」

 

怪訝な顔で俺を見るパルスィちゃん。

だって、ナチュラルに手をつないで引っ張られたんだぜ?

生まれてこのかた女の子と手をつなぐとかした覚えはない(記憶ねえけど)少なくともこう、なんだ。ちゃんと意識できる女の子と手をつなぐってある意味すげえ貴重だと思う。

腕を組まれることは(連行も含めて)結構あるんだけどな!とくに映姫ちゃんにはしょっちゅう連行されてるぜ!(自慢にならない)

あと幼女はノーカン。ルーミアとかフランとかしょっちゅうつないでる。これはどっちかというと「ほっこり」するんだよな。今みたいにどぎまぎはしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パルスィちゃんと歩くのは地底以来だなー」

 

「そうね、結構久しぶりの気がするわね。宴会の時はいつもあなたは料理ばっかり作っているし……いつのまにか女性に囲まれているしね」

 

「お、おう」

 

なんかつないだ手に力こもってませんか?

 

「まあ、いいわ。今日は妬ましいぐらいいい天気なのですもの。こうやって歩くのもいいものだわ」

 

「そうだな」

 

「地上ってあまり来ないのだけど、ある意味地底の方がにぎわってる気がするわね」

 

「たぶんあってる」

 

平然としゃべっているようだが、緊張のあまり俺の言葉は少なくなっている。

え?なんでかって?

 

 

 

 

 

恋人つなぎされたらそうなるわっ!!(魂の叫び)

 

 

 

 

 

 

パルスィちゃんはなんでこう……ガードが甘いのか距離感が近いのか……

ある意味腕組まれるより緊張するわ!?

手汗出てねえだろうな……?はなされて手を拭かれたりとかしたらたぶん俺精神的に死ぬ。

 

平然とこう言うことができるパルスィちゃんが妬ましい!

あ、うつった。

 

「楽しく……ないのかしら?上の空だけど……?」

 

「あ、いや、ちがう、そうじゃなくて、あの、あれだ、ほらあれなんだよ」

 

妖怪しどろもどろ爆誕。

どーすりゃいいんだ、下手にごまかしてパルスィちゃん悲しませるのは言語道断だけど、この何とも言えない気持ちを伝えるのも悶絶するぐらい精神的にキツイ!

 

「……迷惑ならはっきり言って、そういう態度妬ましいわ」

 

「いや、そうじゃなくて……手!手!」

 

「手……?あっ!?」

 

ビクッとして手を放すパルスィちゃん。

去っていくぬくもりに少し寂しさを感じた。

 

そのあと手を見てちょっと寂しそうにしている俺に気付いたパルスィちゃんがわたわたと説明する。

 

「あ、いえ、これはいやなのではなくて、無意識につないでいたから……」

 

「おう……やっぱりナチュラルにやってたのか……だめだぞ、パルスィちゃんは可愛いんだから気を付けないと。ほかの男にしてたら俺が妬ましい連呼するわ」

 

「だっ!だれにでもするわけないでしょう!馬鹿!妬ましい!」

 

妬ましいが罵倒の代わりになってんぞ!?

 

「お、おう、喜べばいいのか?」

 

「……忘れなさい」

 

ぷいとそっぽを向いてつぶやくパルスィちゃん、パルスィちゃん超かわいい。

 

「パルスィちゃん超かわいい」

 

もちろん心の中で収まるわけもなく口から垂れ流す。

そうすると……

 

「また!あなたは!そんなこと!」

 

ぺしぺしと叩いてくる。うんうん、やっぱりこれがないとね!

 

「いやあ、パルスィちゃんが無意識に手をつないでたのと同じで、俺も無意識に出るんだわ」

 

「私は無意識ってわけ――そうね、無意識ね。妬ましい」

 

「お互い無意識なんだからしょうがないしょうがない。あれだ、きっとこいしちゃんのせいだな」

 

「ふふ……なにそれ……でも、そう、そうねこいしのせいかもね」

 

そういって俺と手をつないでくるパルスィちゃん……うむ?なんかぷにぷにしてて小さい……?

 

「私のせいじゃないよー?お兄ちゃん」

 

「のわっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

俺とパルスィちゃんの間に手をつなぐような形でこいしちゃんが現れた。

相変わらず神出鬼没だな!?

 

「あーそうだな、ごめんごめん」

 

「ん、許してあげるー」

 

と、にこにこ顔で返事をくれる。

でも、俺は知っている。

こいしちゃんはこいしちゃんで笑顔以外がうまく作れなくて悩んでいることを。

怒っていても悲しくても笑顔になるから、あるいみ一番気を使う。

俺は女の子を泣かせるのは絶対にダメだと思っているからな。

 

「でもこいしちゃんは久しぶりに見たな。前は結構声をかけてくれたのに」

 

「お兄ちゃんといるとパンツ見せないとだめだって言われたしー」

 

「誰だそんなこと――いだだだだだっ!?パルスィちゃんマジ痛い!いや俺そんなこと言ってないから!」

 

こいしちゃんをはさんで反対側にいたパルスィちゃんにいつの間にか足踏まれてるんだけど!?

無意識を会得したの!?動き全く見えなかったよ!?

 

「チルノとフランー。あとリグルは苦笑いして頷いてたー」

 

「あのチビども……!」

 

いや確かに見せられるととりあえず確認はするけども、それは俺のパンツソムリエのさがであって自分でまくったりはしないぞ!(お子様相手には)

 

「えっちな視線むき出しはだめだよー。でもしょうがないか―。彼女いないからでしょー?せつなーい」

 

「うごっ!」

 

精神的ダメージを受けた。

こいしちゃんはフランと同じような感じで幼いように見えて時々幼くない。

フランが時々老成した雰囲気だすように、こいしちゃんは時々ギャルになる。しかも結構毒舌の。

 

「そ、そういえばさとりちゃんは元気にしてるかな?」

 

と話を逸らす。

 

「んー、お姉ちゃんはなんか地霊殿のお庭に水路作って水遊びしてるよー?何が面白いのかはわからないけど、せき止めてくねくねしたり、決壊させてびくんびくんしたりしてるー、あとぶつぶつ数字数えててなんかきもーい」

 

「……そうか」

 

うん、この話題は失敗だな!(虚空に向かって目をそらし)

解除するの忘れてたし完全に深く入ったままになってんなー……

話題……なにかこの空気を何とかする話題を……

 

「あっ!そうだ、こいし!あなた私のところから持って行った――」

 

ナイスパルスィちゃん!さすが!

 

「あ、うん。はいお兄ちゃんこれパルスーー「いやああああああっ!?」」

 

もこもこの毛糸のロープ……みたいなものを渡されると同時にパルスィちゃんがそれをひったくっていった。

 

「ち、違うの!これはその……とにかく違うの!」

 

「えーでもこれお兄ちゃんに――」

 

「やめてこいし!何でもするから!」

 

「え、今なんでもするって――」

 

「あなたには言っていないわよ馬鹿ぁぁっ!!」

 

パルスィちゃんご乱心でござる。

謎の毛糸を胸元に抱えて取られまいとしっかと保持している。

 

まあさすがの俺も鈍感系主人公じゃないからあたりはついている。

 

「なあ、パルスィちゃん、その毛糸って……」

 

「あああああああ!これは、その違うの!間違えたの!勢いなの!本当はもっと、こう、なの!わかるでしょ!」

 

「マフラー作るの失敗しちゃって恥ずかしかったんだな!大丈夫!ほどいて作り直せばいいんだよ!」

 

「……は?」

 

「あー」

 

あれ?俺、何かやっちゃいました?

パルスィちゃんの「は?」がすごく怖いんですけど。

あとこいしちゃんのその目は何でしょうか?すごく汚物を見るような目なんですが……!

 

「……えっと、その、ほら練習すればいいとおもうぞ?」

 

「……あなたのような人は」

 

「えっ?なに?」

 

「しばらく!そこで!はんせい!していなさい!!」

 

「えっ!?なんだこれ!?釣鐘!?」

 

どこからともなく現れた釣鐘に閉じ込められた!?

え、何これスペルカード!?それともパルスィちゃんの特殊能力!?

 

「うわー!?これガチの金属だ!?ちょっとパルスィちゃん!洒落になってないぞ!?」

 

「帰りましょう、こいし。あなたのお節介、無駄になったわね」

 

「あ、わかってたんだー、うん、まあ同じ地底の仲間だしねー」

 

パルスィちゃんの気配が遠ざかっていく(こいしちゃんはもともと気配がない)

え?なに、俺ここに放置されるの!?

俺なんかそこまでされるようなことしたっけ!?

 

流石に生身でこれ動かすの無理だぞ!?

 

なに?アレを言わなきゃダメかこれ!

 

「うわーん!くらいよー!せまいよー!こわいよー!」

 

俺の声はただただむなしく釣鐘の中で響き渡った。

 

 

 

 

 

 

なお、夜になって帰ってこなかった俺を霊夢ちゃんが探しに来てくれた。

霊夢ちゃん大好き!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……失敗、してないわよ」

 

手元にあるのは長い長いマフラー、きっと二人で巻いて丁度ぐらいのものだ。

 

「まったく、妬ましいわね」

 

二人の名前。私の名前と――

 

「本当に妬ましいわ」

 

 

 

 

 

 

 




ちょっと覇者の証探してました。
次話は風祝が味を占めた話です。
アンケート更新です。



お気に入り、ご意見、ご感想、評価などお待ちしています。
とくに感想を返したり、感想に合わせて、ちょろっとづつ作品の事を語るのは好きです。
あとここすき機能も見てると結構楽しいです。
感想が少ないと覇者の証探しに行きます。

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