霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!のチラ見せ
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いつから次が後編だと錯覚していた……?


紅魔館に初訪問した話・中編

「――は燃え尽きた、フランの目の前には攻撃してきた愚かな人間どもがいる、さあフランはどうする」

 

「えっと……「げせんなものどもよ、おもいしるがよい」といってやっつける!」

 

「今度の敵は強いぞ、2つで10以上を出したら成功だ」

 

「えっと……てやーっ…‥8だ!」

 

「人間の攻撃はフランを傷つけた!フランの体力は残り3だ、あと3回で倒さないとやられちゃうぞ」

 

「むー……えーい!‥‥5!だめー!なんでーっ!」

 

「さあ、後二回だぞー」

 

「えーい!……11!やった!」

 

「美しき女吸血鬼フランドールの放った攻撃は、愚かな人間を倒すことに成功した。おめでとう、フランドールは紅魔館を守り切ったのだ」

 

「やったー!」

 

さて、俺たちが何をしているかと言うとTRPGもどきである。

ルールも何もかも適当で俺の出したシチュエーションにフランの取った行動で目標数値を決めてあとは体力が尽きるまでにサイコロ(チンチロ用、魔理沙から没収した)を振って目標値以上を出せばよいという本当にルールもくそもない遊びである。

 

だが自分が主人公となって紅魔館を守るというシチュエーションにフランは大興奮。パチュリーちゃんが戦死したものの(パチュリーちゃんを使うという謎のコマンドを入力されたため敵の一人と相打ちになった)見事防衛に成功したわけだ。

 

ちなみに現在の体勢はフランが膝の上に乗っている完全に甘やかしスタイルだ。

先ほどまで興奮してぐいんぐいん動きまくってたためフランにエロスはほんのりとしか感じない(さすが吸血鬼と言うべきか怪しい魅力がある)んだが物理的な刺激に対応するためちょっと頑張って堪えてた。

おとなしくしてればそこまで反応することも無い(ひたすらかわいいので父性っぽいのは出る)し、これで一安心である。

 

「さてと、次は……」

 

と、なにか別の話題を考えていると、こんこんとノック音が客間に響いた。

 

「はーい」

 

フランが返事する。

やましいことはしてないけど、返事する前に降りてほしかったかも!

 

開くドアに誰が入ってくるか戦々恐々としていると……

 

「なんだパチュリーちゃんか」

 

「なんだとはご挨拶――挿入ってる?

 

「挿入ってないわ!」

 

入ってくるなり挿入ってるかとブッこまれた。

 

「何を入れるの?」

 

「ほらフランが興味持ったじゃねーか!」

 

フランは勢いで試しそうだからあんまり興味を引くのはまずいと思う。

……そもそも入らないと思うが(下品)

 

「そんなんだから界隈でパチュリーちゃんはムッツリスケベとかいわれるんだよ!」

 

「なっ!?誰がっ!?どこの界隈よっ!?」

 

俺界隈だ(邪悪)

嘘はいってないぞ?

 

「パチュリーはむっつりすけべ?」

 

「ぴぃ!?」

 

フランが無自覚にとどめを刺しに来る、ナイスだ(無慈悲)

勿論力強く肯定する。

 

「ああ、知識や言葉ばっかり詰め込むとムッツリスケベになるからフランは自然に学んでいこうなー?」

 

「よくわかんないけどわかったー」

 

「むっつり……すけべ……」

 

愕然としているパチュリーちゃんがちょっと可愛い(外道)

初めて出会った時もアリスちゃんが俺の腰ひもを結んでるのを見て「ヤった?(意訳)」と言ってきたからな。

今回も含めて初手でそういう考えに至るのは間違いなくむっつりとしか言いようがない。

 

そう言えば反応のない時につついたり摘まんだりすると過剰に反応するのはもしかしてエロスに汚染されて感度が――やめよう、大きくなりそうだ。

ふだんならまあいいけど、今はフラン乗せてるしな。危険が危ないんだ(混乱)

 

「パチュリーちゃんがムッツリなのはさておき」

 

「おかないでよ!訂正して!」

 

「いやあ、俺嘘つかねえし……」

 

と、訂正を拒む。

 

「結構ひどいこと言われてるわよね、私!?」

 

「じゃあ、そういうほんってよまないの?」

 

「それは……本は本だからたしなむ程度には……」

 

とパチュリーちゃん。これはがっつり読み込んでますな。

そもそもどんな分野であろうともパチュリーちゃんが本を読まないわけはないんだ、ましてや気になることなら……な。

 

「つまりそういうことだ」

 

と、ドヤってフランを撫でる。

フランもよくわからない様子だが撫でられて「えへへー」とご満悦である。

……フランを放置したら可哀そうだからな。

 

「くっ……あなたはどうなのよ」

 

ん?俺?俺は健全な男性だぞ?そんなもん……

 

「読むし、見るし、実践したい……パチュリーちゃん見てみるか?」

 

と、堂々と認めたうえでからかう。

 

「実物見せてくれるの!?」

 

「え?」

 

あかん、パチュリーちゃんの知識欲舐めてた!?

舐めてたが舐めて貰えるかもしれな――

 

「よいしょっと」

 

「ほえ?」

 

俺は危険が危なかったのでとりあえずフランを膝の上からおろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと仲良くなったらな!と先延ばしにして仕切りなおす。

 

「あなたは本当に人のペースを乱すの得意ね」

 

パチュリーちゃんが呆れたように言うがそれは違う。

 

「俺は人のペース乱すのが得意なんじゃなくて、ブレずにマイペース貫いてたら、周りが勝手に乱れるんだよ」

 

「それはそれでちょっとあなたおかしいと思うわよ?」

 

勿論魔理沙などをおちょくる時はじぶんからひっかきまわすが、大体において俺は素だ。

……ちょっと自分の行動を見直したほうがいいのかもしれない(反省)

でも特に問題はないと思うのでいいよな?(反省の念が見えない)

 

「そういえばパチュリーちゃん何か用事?俺は一応こう見えてもフラン愛でるのに忙しいんだけど?」

 

ナニかが落ち着いたので、再びフランを愛でるので忙しいんだぜ?

別にロリコンというわけではないが懐いてきてくれる女の子を甘やかし、構いたおすのは純粋に心が穏やかになれる。

フランにはそこはかとなく色気を感じることもあるが、性欲が出ない以上セーフのはずだし、なによりも父性愛的なものの方が大きいんだよな。

 

「忙しいんだけどー」

 

フランもそういってもっとなでろとばかりに頭を俺の手にすりすりとおしつける。

サラサラの髪が気持ち良いな!

 

「……あなたって、本当に人間?インキュバスだったりしない?」

 

フランがとろとろになってるのを見てパチュリーちゃんが半眼で物申してくる。

 

「しないわっ!?そもそも俺がそういう存在ならとっくに霊夢ちゃんにしばかれてるわ!」

 

……でもよく考えたら俺結構しばかれてる気もする。

霊夢ちゃんはパンツ見たりしてもそこまで怒ったりは(普通には怒る)しないんだけど、触ったりするとそれが偶然だろうと結構強めにしばかれる。なんだろう、なんか壁があるんだよなあ。

 

「でもフランがそれだけ懐いてるのって正直驚くわ。あと悔しいかしら」

 

「ん?悔しいって……まさかパチュリーちゃんは女の子の方が好きっ!?」

 

「違うわよ!あ、いえ違わないのかしら?たしかに男よりは好きかも?というか男に興味がわかなかったというか……」

 

ん?なんか変な言い方だな?黄増の塔案件じゃないのか?

 

「そもそも私出不精なのよ」

 

「デブ症?たしかにおなかの方に肉多めだけどデブって程じゃないぞ?」

 

「違う!引きこもってるってことよ!あと私は太ってない!」

 

いや、だからデブじゃないって言ってるだろうに……

でもなんというかこう、優しい感じの肉で俺は好きだけどな(謎の高評価)

 

「引きこもりって、普通に外出してるじゃないか?部屋にこもりっきりとかじゃないんだから…‥ああ、だから出不精か」

 

「そうよ、決して太ってるわけじゃないのよ?」

 

と力説するパチュリーちゃん。

 

「パチュリーはおデブなの?」

 

と、まともにブッこんでくるフラン。

もしかしてわかっててやってる?

 

いや、俺の可愛いフランがそんなわけないな!(妄信)

 

「フラン、あなたねえ……」

 

天を仰ぐパチュリーちゃん。なんというかパチュリーちゃんって結構苦労性の気配がするな。

俺の見た感じではマイペースっぽかったんだけど、なんというかフランとか魔理沙ちゃんとかに振り回されすぎの気がする。

 

「そーだなー、人それぞれで太い太くないって見方は変わるけど、俺は柔らかい感じの身体は好きだなー」

 

と、フランを撫でつつフォローする。ちなみにフランもぷにぷにだ。

 

「私は―?」

 

と、伸びあがって頬ずりしてくるフラン。うん、ぷにぷにかつすべすべで素晴らしいお肌だ。

 

「んー最高だぞー?」

 

と、抱きしめてこちらからも頬ずりする……なんかパチュリーちゃんが「うわ……」って感じでドンびいてる気もするけどこれは純粋に愛でてるだけなんで引かないでいただきたい。

俺は子猫にちゅーできる男だぜ?(なお感染症の恐れがある危険行為)

 

「えへへー」

 

「で、出不精がなんだって?」

 

とその体勢のまま話を促す。

 

「あなたよく平然と話を戻せるわね……まあいいわ、言っても無駄みたいだし。……単純な話よ、獲物以外で男なんかと接したことなかっただけの事よ、それにまあ、ここ女所帯だしね」

 

「なるほどなー」

 

女子高的なノリか?下着チェックしたりおっぱい触ったりの……

 

 

 

 

俺も混ぜてくれ(百合に挟まる男)

 

 

 

 

「あら?獲物に対して何もないのかしら?」

 

ん?ああ、そういうこと?

 

「ああ、それか……いや少しは驚いたさ……まさかパチュリーちゃんが……」

 

人を狩ってたとかそういうことか?でもまあここにはここのルールってものがあるだろうしな。

 

俺は深刻そうな表情で口を開いた。

 

 

 

 

 

「ヤリまくるために男を狩ってただなんてな」

 

 

「なんでよっ!?」

 

 

 

 

 

「むっつり拗らせて実力行使に出たんだろ?ああ、俺はそういうのに理解はあるけど……」

 

ちなみにフランをわしわしと撫でるふりをして耳をふさいでいる。

ヤリまくるってなにをー?とか聞かれても困るしな。

 

「そうじゃないでしょ!?紅魔館よ紅魔館!ここの主は吸血鬼でしょう!というかフランも!」

 

うん、知ってた(外道)

でもそう言われてもなあ……

 

「そのあたりは最初のころに紫さんにきいてたしなあ。実質死刑とかいってたやつだろ?悪人とっ捕まえて妖怪の食事にするってかんじの?だからまあ、驚くほどでもねえだろう」

 

ちなみに紫さんだが、紫ちゃんとよんでも紫とよんでもまったく動じず同じような応対だったので負けを認めて紫さんと呼んでいる。呼び捨ての橙、ちゃんづけの藍ちゃんとあわせてバランスもいいしな。

 

「……人間を食べることに忌避感はないの?」

 

これに関しては霊夢ちゃんにも言われたことがあるんだけども、うーんまあ、正直言うと――

 

「食わなきゃ死ぬってんなら食うことはしょうがねえだろ。別のもん食って生きれるならそうしてほしいし食いもせずに殺すとかってんならどうかとは思うがな」

 

俺はハンストで飢えを体感したからな。あんなんで死んだらそりゃ餓鬼にもなるわってぐらい苦しい。

ましてや食いたいのに食えないとか恨みつらみ爆盛だと思うぞ。

 

「あなた、すこし変なのね?」

 

ドストレートに言われた。

まあ否定はしない。自分でも少々妖怪よりかな?っては思うしな。

 

「まあな、そういえばここの主ってフランの姉ちゃんだろ?どんな人だ?」

 

「お姉さまはね、とっても強くてかっこいいの!」

 

フランが割り込んでくる。うん、自慢のお姉ちゃんみたいだな?

 

「なるほどなー、フランはいいお姉ちゃんを持ったな。パチュリーちゃんからは?」

 

「そうね……レミィは多少傲慢だけど、それが許される地位も実力もあるってとこかしら?納得すればちゃんと聞く耳ももつしね」

 

「レミィ?たしか霊夢ちゃんはレミリアって言ってたけど……?」

 

「ああ、私一応親友だから愛称で呼んでるのよ」

 

「へー」

 

いま親友っていうところでちょっと優しい笑みを浮かべたパチュリーちゃん。

うん、まあ悪い人ではなさそうだな。

 

「一応念のために聞いておくけど、俺がいきなり「やあレミィ」とか言ったらどうなる?」

 

基本ボケれるときはボケていくスタイルではあるが、こう、なんか首のあたりに嫌な感覚があるんだよな。

こういう時は大抵命にかかわりそうなことが起きるんだよな。

 

「何その無駄にいい声っ!?どこから出したのよ!?まったくあなたは……そうね、レミィは何もしないか、少し眉をひそめて終わりだと思うわよ。そもそも人間をどうこうとかはあまり気にしないもの」

 

どこからと言っても喉からだが?

コツは腹に空気をためて反響させるように声を出すことかな?

 

「意外に優しいんだな?」

 

「違うわよ、象が蟻を気にすると思う?そういう感じの話よ」

 

おおう、思った以上に大物のようだ。

そりゃ吸血鬼とか結構強い怪異の部類に入るだろうしな。

 

「でも咲夜は別。レミィが侮辱されたと思ったら、あなた死ぬわよ?」

 

「咲夜ちゃんってそんなにやばいの?」

 

クール系メイドだと思ったんだが、結構熱いのか?

 

「忠誠と歪んだ愛情が混ざってる感じかしらね?吸血鬼って特に能力でなくても人を引き付けるのよね、怪しい魅力というか……それが咲夜には綺麗に刺さった感じかしら?」

 

「あーなんとなくわかる。フランも時々可愛いよりも美しいとか妖しいとか感じることがあるからな」

 

「私綺麗ー?」

 

今も抱いているが、離れがたい魅力は天性のものかもしれないな。

見上げてくる瞳をのぞき込むとたしかに抗いがたい魅力の片鱗を見せている気もする。

 

「美人さんだぞー?でももう少し可愛いフランでいてほしいなー」

 

「よくわかんないけどがんばるー」

 

「あなたたち一応いい年よね……?なんで二人して幼児みたいになってるの?」

 

「知らん、でも幸せだし、ときには頭空っぽにして欲望の赴くままに動くのもいいぞー」

 

「いいぞー」

 

真似っこフラン超かわいい。

 

「話を戻すけど、レミィが認めるまではどちらかと言うと咲夜の方が危険なのは覚えておきなさい。本日は客人だから殺されることはおそらくないとは思うけど……」

 

「ああ、まあ気を付けるよ」

 

とはいっても俺自分の意思と無関係にボケることあるからなあ……

ガイアが俺にもっとボケろと囁いてくるんだよ……

 

とりあえずレミリアちゃんと咲夜ちゃんはいろいろと危険……と、言う感じか?

そういえば……

 

「美鈴ちゃんってどうなったの?」

 

本来ならパチュリーちゃんよりも美鈴ちゃんが結果報告とかにくると思うんだけど……?

 

「どうもしないわよ。私の読書の邪魔したからちょっと首だけ出して埋めてきたけど」

 

それはどうかしてると思うぞ!?

 

「容赦ないな!?いったい何されたんだ!?」

 

「馬鹿力で私から本を奪おうとしたから本が少し……ね?

 

その「ね?」が怖いわっ!?

破れたかなんかしたんだろうけど(暗黒微笑)が付きそうな話し方はやめてほしい。パチュリーちゃんはもっとこう……残念な人であってほしい(暴言)

 

「さすがにやりすぎじゃね?いや霊夢ちゃんもそれぐらい普通にするけどさ」

 

霊夢ちゃんも事件(異変と言うらしい)の時に片っ端から妖精を消滅させたり(後で復活するらしいので安心した、正直さすがに殲滅しすぎで酷かったので止めようと思った)元凶を綺麗な輝く珠(夢想封印とか言ってた)で爆散(夢想「封印」なのに封印してないよな?)させたりと割とやんちゃなことしてるのは知ってるから、まあ、幻想郷では結構あることなのかもしれないけども……

 

「美鈴は頑丈だから。なんなら自力で出てくるし、下手したらそのまま寝てるかもね」

 

こともなげに言う。

幻想郷の女の子やたら頑丈すぎませんかねえ?

あといちいちバイオレンス。

筆頭は幽香ちゃんなのは間違いないが、霊夢ちゃんも含め「しばいたらなんとかなる」という考えの子が多すぎる。

結構な頻度でやらかすチルノが可愛く見えるわ。

 

まあでも今回はそこじゃなくて――

 

「埋められたまま寝るの!?」

 

さっきも寝てたみたいだし、居眠りキャラなのか?

 

「大抵の状況で寝れるわよ、美鈴は」

 

「そんなんで門番出来てるの!?」

 

流石にどうかと思うんだが……

 

「ああ見えてもそれなりに優秀だから敵意があれば飛び起きて戦うわよ」

 

「なら俺に悪意がないのも見抜いてほしかった……!」

 

美鈴ちゃんも残念枠な子なんだろうか……けっこうお姉さんぽいんだが。

 

「美人さんなのにわりと変な子なんだな、美鈴ちゃんは」

 

美人だから変という説も幻想郷では捨てがたいがな。

藍ちゃんとかうっかり藍姉ちゃんってよんだらいきなりバグったしな。

寺子屋の先生も突っ込みが頭突きだったり、ラピスちゃんも言動がエキセントリックだったり、可愛い系より美人系の方が変な割合は多く感じる。

……まあどっちにも変なのいるけど。

 

「……幻想郷では比較的まともよ?」

 

パチュリーちゃんも(自分を含んでるかは知らないが)幻想郷の住人がちらと頭をよぎったのであろう、振り払うようにかぶりを振って最低限のフォローを入れてきた。

 

「私は―?」

 

「可愛くてまともだぞー」

 

「わーい」

 

いろんなところで「フランやばい」説が提唱されてるが俺はそうは思わない。むしろ魔理沙ちゃんの方がよっぽど厄介だと思ってる。言っても止まらねえんだもん、魔理沙ちゃん。

その点フランはちゃんと諭せばわかってくれるからな、個人的に大妖精、ルーミアの次ぐらいにいい子だと思う。

というかこの二人はもっとわがまま言うべきだと思う。

全力で甘やかす所存だぜ?

 

「パチュリーちゃんって本ならエロ本でも読むのはわかったけど、こういうのは読むの?」

 

と、防具代わりにさらしと共に腹に入れてある無縁塚で拾った辞書(ちなみに胸には謎の帳面だ)を引っ張り出して渡す。

 

「言い方ぁ!?って本持ってるの!?どんな!?」

 

「えっと……こんなの」

 

フラン越しになんとか引っ張り出してパチュリーちゃんに渡す。

 

「……詳しい!でも漢字ちがう!」

 

なんかウ=ス異本みたいなこと言った!?

たぶん江戸末期とかそのあたりの漢語の辞書だ、今とつかわれてる文字も違うしページ数も少ない。

おかげで腹に入れるのにはちょうどだから重宝してるんだがな。

 

「読まないことも無いけど、あえて読もうとはしないわね」

 

漢語は読めるのか……

 

「アルファベット……英語は?」

 

「私は一応読めるわよ、まあそこまで上手ってわけでもないし、しゃべったりは不得意だけど」

 

「幻想郷の言語が日本語で統一されてるの今まで謎だったんだけど、一応英語もあるのか」

 

ミルクとかシナモンとか一部の英語も普通に通じてたけど英語の文章を見ないからちょっと疑問に思ってたんだよな。

なんかこの知識はいずれ役に立ちそうな気がするな。

 

「そうね、言語についてはかなり曖昧なのよね。有史以前からいるような者たちだって普通に現代言葉話すのよ?もしかしたらここでは強制的に日本語で話すように刷り込まれているのかもね」

 

まあ不便はないからいいのだけど……とパチュリーちゃんが話を締めくくる。

ふうむ、英語認識できるのが外来人だけだとしたらそれはそれでなんかできそうだよな。後々来る外来人のためにローマ字で文章残すとか。え?ほかの国の人来たら?しらん。さすがの俺も他の国の言葉はわからんわ。

英語はなんかわかりそうな気がするけどな?

 

「で、話戻すけど」

 

「え?何に戻すの?」

 

パチュリーちゃん最初の質問忘れてるし!俺が混ぜっ返しすぎたせいもあると思うが、けっこうパチュリーちゃんも衝動で行動する気がしてる。

 

「いや、パチュリーちゃんがここに現れた理由だけど……」

 

「あ!ああ、そうだったわね。いえもうほとんど用事はすんだのだけれど。レミィと咲夜についての予備知識を少し言おうかと思ったのだけど……大体は言ったしね。あとは……あなたとお話したかった……とでもいえばあなたは喜ぶのかしらね?」

 

なるほど、忠告をしに来てくれたってことか。ありがたい。さすがの俺も死因:ボケ過ぎて殺害された。とかは避けたいしな。

 

「勿論喜ぶぞ、でも今の俺はフランを愛でてるからな、二人っきりの時にしてくれ」

 

「あなたって本当に馬鹿よね……まあ、話半分に聞いておくわ」

 

むう、俺はいつも本気なんだがなあ?

もう少し突っ込んだ話をしようとしたところノック音が聞こえた。

 

「はーい」

 

またもやフランが招き入れる。

 

入ってきたのは銀髪の瀟洒なメイド、咲夜ちゃんである。

 

「お客様、主がお茶のお誘いをしております。どうぞこちらへ」

 

「お?俺だけ?」

 

というかお誘いという割には強制で行くことが決まってる感じだな。

まあフランの保護者だし挨拶はせにゃならんから別にいいけど。

 

「はい、妹様とパチュリー様はまた後程」

 

「はいはい、どうせレミィの事だから……まあ、いいわ、あとで聞くから」

 

「お姉さまだけ?うーん、でも、まだ帰らないよね?」

 

「おう、ちょっと行ってくるわ」

 

「ではこちらへ、案内いたします」

 

二人にしばしの暇を告げて俺は咲夜ちゃんに誘われ、紅魔館の主――レミリア=スカーレットの元へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想が増えると多分早くなるかも(ネタ作りやすくなるため)
あとここ好きも結構参考になってます

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