霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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ホワイトデーなので
移植


バレンタイン変奏曲

 

東風谷早苗

 

 

「すーけさん」

 

「お、どうした早苗ちゃん?」

 

「はい、これ、チョコレートですよ」

 

「マジか!?いったいどうやって……」

 

早苗ちゃんに呼び止められて、チョコレートを手渡された。

バレンタインデーなんだが、もちろん幻想郷にそんな風習はないし、知っているメンバーも限られている。

 

まあ、もちろん早苗ちゃんは知っている側なんだが、次の問題としてチョコレートが手に入らねえんだ。

 

おれもいろいろやってみたんだが、原始的なココアが限界でチョコレートっぽいものは作るのは無理だったんだよなあ。

 

「霊夢さんが何やらこそこそしてたんで後を付けたらスキマ妖怪にチョコレート頼んで――えい」

 

「ぐはあっ!?なんで急に神力パンチ!?」

 

話の途中でいきなり早苗ちゃんに殴られた!?

 

「こうね、笑顔が不愉快になること、私だってあるんですよ。いちおう乙女なので」

 

「なんか理不尽!?」

 

笑顔になったら殴られるっていったいどんな地獄だよ……

 

「まあ、つまりはせっかくなので私も頼んだわけですよ、溶かして固めただけですが、一応手作りですよ」

 

「それは、本当に嬉しいな、ありがとな、早苗ちゃん」

 

溶かして固めただけどいうが実はけっこう難しい。

例えば雑に作業すると、油脂分が分離して変な形に固まることがある。

黒くてしわの入った物体……控えめに言って犬のうんこみたいな感じになったりするんだぜ……

 

「チョコレートは幻想郷では最高レアですので、三倍返し期待してますよ」

 

と、にひひ♪と笑う。

 

「そんな風習まで持ち込むなよ……」

 

げんなりと答えを返すが、早苗ちゃんのこの笑い方(ひそかに俺はやんちゃ顔と呼んでいる)、とても魅力的で好きだ。

生気にあふれているというか、とても「らしい」んだよなあ。

 

「最低でも海の見える夜景の素敵なホテルの最上階でディナーですね」

 

「難易度高すぎませんかねえ!?」

 

高層建築物も、夜景も、海も幻想郷には存在しねえよ!?

 

「えー、それぐらい何とかしてくださいよー」

 

「できることとできねえことは流石にあるだろ……」

 

「えー、でもやっぱり女の子のあこがれなんですよ、かなえてくださいよー」

 

と言いながら近づいてきて「そ・れ・に」と俺に耳打ちする。

 

「もちろんその後はスイートルームでお泊りですよ♪」

 

「一体いくらかかるんだよ、それ……」

 

まあ、今の俺の稼ぎならできないこともないんだけど、現実世界じゃ多分無理だったろうなあ……

 

「それが男の甲斐性じゃないですか、あ、もし、そうなったらですが――」

 

と、再度口を寄せて……

 

「初めてだから、優しくしてくださいね」

 

と、囁いてきた。

 

「え、早苗ちゃん」

 

「質問は受け付けていませーん」

 

そういって笑いながら駆け出して行ってしまった。

 

……相変わらず早苗ちゃんは何というか。

 

「風のように気ままだなあ」

 

俺はそうぼやいてまた歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧雨魔理沙

 

 

 

 

 

 

「よっ」

 

「お、魔理沙か、どうしたこんな農道で」

 

畑から帰っていると、魔理沙が声をかけてきた。

基本的に飛んで移動する魔理沙が農道にいるということ自体が珍し――

 

「さて、いったい何を盗んだ?」

 

 

 

 

 

とりあえず尋問することにした。

 

 

 

「盗んでないよっ!?お前はいったい私を何だと思っているんだぜ!?」

 

「泥棒魔女」

 

「酷っ!?」

 

いや、だって普段が普段だしなあ、それにこの先にあるのは――

 

「で、なんのキノコ盗んだんだ?シイタケか?マイタケか?……まさかホンシメジじゃねえだろうな?もしそうだったらちょっとお仕置きのランクを一つ上げる必要があるぞ?」

 

キノコの圃場なのだ。

 

「まだ、とって行ってないよ!」

 

「まだ?」

 

「あ、いや、その、違うんだぜ、もちろん、必要なときは声をかけてから分けてもらうつもりだったんだよ。それに、まだ食べごろじゃないだろ」

 

必死に言い訳をする魔理沙、どうやらこの間失禁するまでくすぐられたのが流石に堪えたようだな。

だが、生育状況をチェックしているということには注意しておかねえとな、たぶんやらかすぞ。

もっともやらかしたならやらかしたでお楽しみタイムなわけだがな。

 

「なら、いったい何の用だよ」

 

「えっとな、これ、食えよ」

 

そういって魔理沙が差し出してきたのはチョコレートだった。

……え?

 

「今日は世話になってる男にチョコレートとやらを渡す日なんだろ?貰ってくれよ、で、その、食べてくれると嬉しいんだぜ」

 

と、目をそらしながらうつむいて俺にチョコを押し付けてくる、男友達だと思っていた女子からもらうような、ちょっとくすぐったいシチュエーションだな。

だが――

 

「――いれた?」

 

「え?何か言ったか?うまくできてるか心配だから食べてみて――」

 

「俺を陥れるために何を入れた?」

 

「え?」

 

俺がそう告げた瞬間、魔理沙の目が泳いだのを見逃さなかった。

 

「確保ーっ!」

 

「えっ!?ちょっ!?こら、どこ触ってるーーんっ!?」

 

魔理沙の足に俺の足を絡めて動きを封じる。

至近距離で魔理沙と見つめあう形になるが……うん、美少女なのは確かだな。

魔理沙は性格を加味さえしなければ俺の好みの理想に大分近い顔立ちをしている、意思の強い目というか、熱を持った瞳というか、そういうかんじのかおだな。

 

「さて、魔理沙よ……お前が食え」

 

「えっ、ちょっ!?やだっ!それは流石におかしくなっちゃうから!嫌っ!」

 

「そんなやばいものを俺に食わせようとしていたのか(憤怒)」

 

チョコを取り出し魔理沙に食わせようとするも、魔理沙は必死に口を閉じて抵抗する。

だが、許さん。

 

「んっ!?んーっ!んーーーーん!ぷはっ――んぐっ!?」

 

鼻をつまんで、呼吸が苦しくなって口を開けた瞬間黒光りするものを魔理沙の口にねじ込む。

 

「どうだ、魔理沙?美味しいか?」

 

溶かさないよう必死に嚙まないように、舐めないようにしている魔理沙だが、物の性質上、口内の熱でとろけてくる。

そのせいで滑りのよくなった魔理沙の口内に俺は黒光りするものをストロークさせるように出し入れして、魔理沙の口内を蹂躙していく。

 

じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ。

 

粘っこい水音を立てて魔理沙を責め立てていたそれは、とうとう限界を迎えた。

 

「んっ!んっ!んっ!んっんう!んんん-ーーう!?」

 

表面が完全にとろけて、せき止められていたものが、魔理沙の口内にほとばしる。

白く濁ったその液体を、飲み込まないように魔理沙は必死に抵抗するが、俺は吐き出すのを許さず、さらにそれを押し付け口をふさぐ。

そして鼻もつままれて――

 

こくん、こくん、と、魔理沙の喉が白濁液を嚥下していく。

口の端からあふれた白い粘性のある液体が魔理沙の服を汚す。

 

 

 

 

効果はすぐに表れた――

 

「んん-っ!?」

 

ビクンと魔理沙がはねる。

 

「ひっ!ひいっ!?あは。あはははははははは!」

 

笑い薬の類か?

 

「何の薬だいったい……?」

 

そう独り言ちると、魔理沙の服から小瓶が転がってきた。

ん?こいつは……

 

瓶の表示を見ると「対対魔忍薬×3000」と書かれている。

 

「くすぐった、あは、ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!ちょ、息が!」

 

「どうやら皮膚の感覚を敏感にする薬らしいな」

 

どうも、この間くすぐり倒されたのを根に持ってこの凶行に及んだみたいだが……

皮膚の感覚敏感ってことは……

 

「あははははっ、あんっ、んっ、くうっ!えっ、これ!?あっ」

 

 

魔理沙の声の質が変わってきた。服でこすれたりしてるんだろうな……幸いここまでくるようなのは俺しかいないような道だし、せめてもの情けだ。見ないでおいてやろう。

 

「じゃあな、魔理沙。いろいろと大変だろうが頑張ってくれ」

 

そういって俺はその場を後にした。

情け?俺が食ってた時のことを考えたら微塵もかける気にならんわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗霊夢

 

「――ということがあってな」

 

「あきれた、私からせしめたチョコレートでそんなことしてたのね」

 

さすがの霊夢ちゃんも魔理沙の自業自得だとおもったのか、助けに行ったりはしないようだ。

ちょっと待ってくれ。

 

「せしめたって、あのチョコ魔理沙が頼んだ分じゃなくて――」

 

「魔理沙がそんなことするわけないでしょう、アンタにあげるために私が頼んだ――まってどこ行くのよ?」

 

「いや、ちょっと魔理沙にとどめ刺しに行こうかなって」

 

「流石に殺すのはやめなさい」

 

触手とかスライムを召喚してこようかと思っただけだぞ?

 

今ならマーラ様だって呼べそうな気がするぜ!

 

「落ち着きなさい、ちゃんとあるから」

 

「お、そうか」

 

霊夢ちゃんにいわれて座りなおす。

 

今日の霊夢ちゃんは白に赤の刺し色のワンピース、いつものリボンじゃなくて、小さいリボンで髪をまとめてある。

現代美少女っぽい感じで、グッドだ。

 

「なんでこんなお菓子に必死になるんだか……」

 

「まあ、チョコはしょせんチョコだけど、誰からもらったかが大きいんだよ」

 

「ふうん、じゃあ私からもらうのはうれしいの?」

 

「おう!」

 

言葉を尽くすよりも、全力で笑って肯定する。

 

 

「そ」

 

霊夢ちゃんの返事も心なしか軽い。

 

「とはいっても、そこまで大量には残らなかったし、私お菓子作りってそこまで得意じゃないっていうか――ああ、いいわ。取り繕ってもしょうがないものね。まあ、こんな感じよ」

 

といって霊夢ちゃんが見せてくれたのはどろどろの物体。

さすがにこれは……とおもうが霊夢ちゃんが一生懸命用意してくれたもの、残すなんてありえない。

 

「じゃあ、いただきま――」

 

「ちょっ!?なんで飲もうとするのよ!?莫迦じゃない!?」

 

「え、でも」

 

「アンタ自分でも作ったことあるでしょう、ほら!」

 

そういって、カリカリに焼いた棒状に切った食パンを差し込むと。

 

「あーん」

 

「ん、お、おお」

 

言われるままに口を開けるとチョコのついたパンを押し込まれた。

ああ、これはチョコフォンデュっぽいもの……どっちかというとディップか?

ヤンヤンつけボーみたいな感じか?

 

「うん、おいしいと思うぞ、ほら、霊夢ちゃんも」

 

と、俺も霊夢ちゃんに「あーん」を促す。

 

「ん、そうね、味見はしたけど……さっきよりもおいしくなってる気もするわ、ふしぎね」

 

「果物とかもうまそうだな」

 

「ちょっと早くて酸っぱい苺あるわよ」

 

「お、いいねえ」

 

そうやって、いろいろなものにつけて霊夢ちゃんと二人で食べたり食べさせあったりしていると、やがてソースもなくなってしまった。

 

「よし」

 

「なにがよしなのよ、って行儀悪いからやめなさい!」

 

わずかに残ったチョコソースを舐めとろうとして、器を抱えたら霊夢ちゃんに強めにしばかれた。

霊夢ちゃんは結構食いもんで下品なことをするのを嫌うんだよなあ(だがおじややねこまんまは許される)

 

「あたた……だってせっかく霊夢ちゃんが作ってくれたもんなんだから、余すことなく全部食いたいじゃないか!」

 

「んっとにアンタはもう……」

 

ぶつぶつ言いながら霊夢ちゃんは少し視線をさまよわせてから、目を閉じて、そしてまた開くと指でこそげるようにチョコソースを集めていく。

こんもりと指に乗ったそれを俺に突き出して――

 

 

 

 

「あーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




魔理沙の項目はとても健全です
市民、あなたは健全ですか

ちなみにホワイトデーは早苗だけです

ねくすと(次は呪いとか祟りとかなんとかしてみた話)

  • 魔理沙とデートした話
  • 決戦!星海恐怖異変
  • 因幡の白兎した話
  • 屋台で駄弁るだけの話
  • 人里で遊んだ話
  • 新聞記者に振り回された話
  • 白蓮ちゃんと愉快な仲間たち
  • 神奈子ちゃんにシゴかれた話
  • かわいいクソガキに子分にされた話
  • 白玉楼で料理した話
  • 本編

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