霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!   作:みけさんわーきゃっと

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ちょっといろいろ過激すぎたのでマイルドに修正&次話に回しました。

なさちら様、がつ様。トップルー様、kinoppi様
感想ありがとうございます。

クオーレっと様、asosan様、SERIO様、ひだりみぎ様、導師様。
誤字報告ありがとうございます。来てるの気づかずに今気づきました、ごめんなさい。

短い文ですが感想返しを書いておきました。これからもよろしくお願いいたします。

それではお楽しみください。


「霊夢ちゃん!今はいてるパンツ貸して!」第四話

寺子屋を出ると、だいぶ日が傾いてきていた。

 

ちょっと霧の湖回りに寄り道する余裕はないかなあ?

あまった餅どうするかな……固くなってもみそ汁とかに入れれば十分食えるんだけども。

 

チルノに押し付ける気満々だったんだがまいったな。

個人的にチルノは嫌いじゃない、なんか、こう……非常にいじめがいがある(極悪)

 

絶対に折檻されるのを分かっていて(わかっていないかもしれないが、馬鹿なので)毎回悪戯するのはなかなかにガッツがあってよろしい。

 

今のお気に入りは、ひたすら大妖精(ほぼほぼ一緒にいる)を優遇するというおしおきだ。

だんだん元気がなくなっていくチルノといたたまれなくなっていく大妖精の組み合わせがすごい可愛い(外道)

 

過去には俺の事を「アタイがさいきょーだから、アンタを子分にしてあげる!」と言ったので。チルノを親分呼びにする代わりに、他の妖精に配るお菓子を一切与えなかったことがある。

 

何故くれないか問われて「子分は親分に貰うものですぜ、チルノ親分」といったらすごい悩んだうえに俺の事を「子分にーちゃん」と呼ぶようになった。

 

他の妖精がお兄さんと呼ぶので、その呼び方ならお菓子をもらえると馬鹿なりに考えたのだろう。

流石に可哀そうだったのでお菓子をあげたらめっちゃ目を輝かせていた、可愛い。

 

近頃は俺のガチギレポイント(泥汚れを付ける、畑の作物を必要以上につまみ食いする(常識の範囲では可)、料理の味付けを行う(俺は完成後には醤油掛けようがケチャップ掛けようが怒らないが作成中はキレる)等だ)に関する悪戯はしなくなったので、まあ、アホなペットぐらいには可愛いと思う(酷)

調子に乗るのが悪いだけで、妖精内でなら実際の甘やかし度はチルノはかなり上位にくると思う、たぶん俺、ルーミアの次ぐらいに甘やかしてると思うぞ。

ルーミアは懐いてるので殿堂入りぐらい甘やかす上に、能力がとにかく(パンツ鑑賞に)役立つため、発作的にお菓子をあげたりしている。

チルノはお仕置きもかなり上位(もしかして一番)に入るぐらいしてるけど。

 

 

まあ、時間がないのでしょうがない、俺は紅魔館へ直行することにした。

 

 

 

 

紅魔館前で降りて(上空から行くと魔理沙対策のトラップに撃ち落される恐れがある、というかあれをかいくぐれる魔理沙は無駄にスペックが高いと思う)門番の美鈴ちゃんを探す。

 

「……なんでそんなかっこで寝れるの?」

 

門の横で石を枕にして安らかに眠っている(死んでない)。頭痛くないのかな?

本人曰く、気配で起きますよとのことだが、正直美鈴ちゃんが門番として役に立っているのは見たことがない。魔理沙は上空からぶち抜いていくし、霊夢ちゃんは押し通るし、あ、妖夢ちゃんはちゃんと起こして会話してたな。偉い。

 

さて、本当に気配で起きるのか試さなくてはなるまい(使命感)

 

美鈴ちゃんにそっと近づく……まだ起きない。

足先に近づく……まだ起きない。

 

 

ほう……と、息を吐いて昂った気を静める。ここからだ。

スカートの裾に手をかけて、そろりそろりとまくり上げる……

 

「なるほどなるほど……」

 

武術家であり蹴り技も使う以上野暮ったいパンツは動きを阻害するため履かない。

前身頃の部分には小さくレースの図柄が入っている、あまり飾り気はない。だがもっとも特筆すべきはTバックのようなのである……組手の時ではそこまでじっくり見る機会がないからな。

だが、仰向けで寝ているため尻が確認できないのはいただけない。

なんとかして後ろ側をじっくり確認したいな。

 

「ふうむ、どうすればよいか」

 

「まずは手を離すといいよ」

 

「いや、それでは隠れて……!?」

 

掛けられた声に返事をしたが、この声は美鈴ちゃんだ!しまった起きたか!?

 

「しまった!起こしてしまったか!」

 

「そういいながらも離さないのすごいね!?ふつう謝りながら離すよね!?」

 

「しかし俺には後ろがどうなってるか確認する義務が……!」

 

「義務なんてないよ!?ちゃんと見せてあげるから、一旦離す!」

 

え……、今なんと?

 

「今見せてくれるって言った!?」

 

「見せてあげるって言ってるから、離しなさい!覗き込まれるとさすがに嫌!」

 

「うお、マジか!」

 

裾を離すと美鈴ちゃんは立ち上がって、パンパンと砂埃を払った。

 

「うっそでーすって言ったらどうする?」

 

「泣く、大の男が号泣するぞ、いいのか?(謎脅迫)」

 

「君ってホント莫迦(ばっか)だねえ……」

 

苦笑しながら美鈴ちゃんはまくり上げてこちらに背を向ける。

紅魔館組はシルクのわりとゴージャスなタイプのパンツをはくんだが、流石に仕事中(寝てたけど)は飾り気のない実用性のある感じのパンツのようだ、しりっぺたから太ももにかけてのみっちりと筋肉の詰まった肉がまぶしい。

 

なお、美鈴ちゃんはプライベートだとフリルがいっぱい連なったアンダースコートみたいな大き目のシルクのパンツをはいてた。

 

「うわー、すげえ鍛えてて綺麗だ」

 

「ま、見せても大丈夫なぐらいには下半身には自信があるね」

 

紅魔館の人間は割とパンツ見られても平気な(咲夜ちゃんも恥ずかしがるがパニックにはならない)人たちなので嬉しいが物足りないとか言ったら贅沢だろうか。

 

「美鈴ちゃんは全身綺麗だと思うよ?」

 

「まーた、そんなこと言う……そーいうトコだぞ」

 

どういうとこですかね?

美鈴ちゃんとは、紅魔館に早く来すぎたときに組手をしたり、ここで無駄にだべったり、時にはお弁当広げたりと、紅魔館組では一番長いこと一緒の時間行動を共にしてるかもしれない。

そのせいか最初は客人に対するような応対だったのだが、やがて霊夢たちと同じため口になり、いまではなんか近所の幼馴染のお姉さんじみた口調になってしまった。

 

正直かなり気楽に話せるんで話すのが楽しい。

ただその分どうしてもエロスが薄くなるのがちょっと残念なところではある。

身体はエロいんだけどな!

 

「その顔はまーたやらしいこと考えてるね?ま、そうじゃなきゃ君らしくないけど」

 

「あれだ、俺はスケベだって胸張って言えるからな、そこはもう俺はそうなんだと思ってもらうしかないな」

 

女好きが世界を救うことだってあるんだ、妙な特技や特徴だって極めれば捨てたもんじゃねえ。世の中何がおきるかわからねえしな。

 

「かっこ悪いこと言ってるのにかっこよく聞こえるのはすごいね……」

 

それはさておき、もうだいぶ空が茜色に染まっている。

組手をするような時間はないし、もうすこし駄弁って……おっそうだ。

 

「美鈴ちゃん、餅食うか?」

 

「なんでいきなり餅!?まあ、食べるけど」

 

この際だ、残った餅は全部押し付ける。

 

「さっきジャリガキどもに配ったやつの余りだ」

 

「ジャリガキって……なんだかんだいって優しいのも、まあポイント高いね、君は優しすぎる気もするけどね」

 

「そうか?やらしすぎるってのはよく言われるんだけどな」

 

意外に霊夢ちゃんは言わないんだけどな、というか俺に説教する人はほぼほぼこのタイプの何らかの言い回しが含まれる。

映姫ちゃんなんかもう言う言葉がなくなった感じになっちゃったからな。

 

「また、そうやって茶化す……そういうことばっかりしているから君のことを思っている女の子に気付かないんだぞ?」

 

「やらしいことばっかりしてるせいか誰かから特に好かれている印象はないかな……?」

 

まあ、自分でも時々攻めすぎかなって思う感じで暴走してるの自覚あるからな、でも、まあみんな可愛いのが悪い。

 

「え、私君のこと好きだけど?」

 

なんか美鈴ちゃんにいきなりぶっこまれた。

 

「どっ?えっ!?いまなんて?」

 

「いや、だからふつーに好きだけど?」

 

「え、その好きってどういう……?」

 

かなりドギマギして尋ねると、美鈴ちゃんはにっこりと笑って、俺にこう告げた。

 

「你愿意当我男朋友吗? 我想跟你在一起」

 

中国語!?

わかんねえよ!!名前からして中華系だけどさ、ここは日本なんだよ!(日本ではない、幻想郷である)日本語で話そうよ!!

 

あ、でもたしかうぉーあいにーとかが愛してるって意味だったはずだし、なんかポンヨウって聞こえたきもする。

たしかポンヨウって親友みたいな感じでどこかの暗殺拳伝承者が使ってた記憶があるな。

つまり、ラブじゃなくてライク……なのかな?

 

「意味は‥‥?」

 

「教えてあげないよ」

 

美鈴ちゃーん!?

めっちゃ気になるからそういうのやめて!

またてへぺろが似合いそうな小憎らしい顔で……可愛いな!(混乱)

 

「ま、深く考えなくてもいいんじゃない?好きはいろいろあるんだしね。ほらほら、夕食前にパチュリー様とかにも挨拶してきたら?」

 

まあ、本人がいろいろある好きって言ってるんだから、そこまで直接的なものではないのかな?

しかし、美鈴ちゃんみたいな可愛い子にそんなこと言われると期待してしまうのは男の悲しい性だろうな。

小悪魔め!

図書館に本物いるけど!

 

「なんか消化不良だけど、そうするわ。もう、あんまり俺を悩ませるのはやめてくれよ、ハゲちゃうだろ」

 

ただでさえ何度か霊夢ちゃんに「ハゲろ」って呪われてるのに。

 

「ハゲたぐらいじゃ、君の魅力はそこまで下がらないと思うけどね……あ、でもいやらしさは増すかもね、なんかそういうイメージある」

 

「謝れ!全国のハゲた人に謝れ!!」

 

「ごめんなさーい」

 

素直だな!?

しかし、美鈴ちゃんとの話はとりとめがないから、このままだとずっとここにいることになってしまう。

俺はそれでもいいとは思うけど、やはりみんなに挨拶してこようと思って後ろ髪をひかれながらも門をくぐる。

 

「んじゃいくわ」

 

「また遊んでね」

 

軽く美鈴に手を振って館の中に入る。

まずは図書館に顔を出すかね。

 

しかし、本当に何言ったんだろうな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うー……なんであんなこと言っちゃったんだろ……しかも伝わらないように……莫迦みたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大図書館の中に……薄暗いがだいぶ空気の質は改善されたようだ。

喘息持ちの人間がいていい空間じゃなかったからな。

 

いまでは河童印の超大型空気清浄機(実は小型化しなければ逆に簡単だ、風の流れを作るのとフィルターだけでできるので)が稼働しているからフィルターの掃除さえさぼらなければそこまでひどくなることも無い。

 

むしろ風の流れができるので湿気も飛ぶし、だいぶ過ごしやすい場所になってるはずだ。

 

「おーい、小悪魔ちゃーん?パチュリーちゃーん?」

 

「はーい、ただいまうかがいますよー」

 

呼びかけると「ぴるるるるるるー」とどこぞの鬼型宇宙人のような音を立てて赤髪ショートヘアに受付嬢みたいな服装の小悪魔ちゃんがこちらに向かって飛んでくる。

 

……うん、俺だ。すまない。

 

無音で飛ぶ小悪魔ちゃんにぶつかったり驚かされたりしたことが多々あったため、何らかの飛行音を出してもらうことになり、結果このような事態になってしまった。

 

まあこれはこれで可愛い感じがしていいんだけど、小悪魔ちゃんは飛ぶときに頭を前にして本を抱えて飛ぶために(OTLが形的に近い)、なんかいまいち効果音と合ってない気がして違和感がすごい。が、いまさらやめろとも言えない(そもそも俺が大爆笑して大絶賛したせいで定着した経緯がある)し、無音で飛ばれるよりはよほどありがたい。

 

あと本を抱えて前傾姿勢で飛んでいるときは尻を突き出すような形になる、これはこれで尻の形がわかって大変すばらしいのだが、逆にスカートがしっかりかぶさってしまって絶対にパンツが見えなくなるという少し残念な状態になる。

なので本が散らかっていたら、俺は率先して片づけることにしている。手ぶらだと立った状態でやや前傾姿勢で飛ぶのでパンツが見放題である。なお、小悪魔ちゃんのパンツはめっちゃ種類が多い。

一度往復している往路と復路で変わっていたことがあった。履き替えてるのかそれとも妖精みたいに衣服ごと生み出せるのかまではわからないけど、サービス精神旺盛である。

 

ちなみに俺が一番いいなと思ったのはオーソドックスなシルクのショーツである。

基本的な衣服が受付のお姉さんみたいな感じなので、普通の下着がすごいエロく感じた。

 

「あれ?お客様じゃないですか。パチュリー様に御用でしょうか?」

 

「あと、小悪魔ちゃんにもな。ちょっと顔を見に来た」

 

「えへへ、それは嬉しいですね」

 

とはにかんで笑う小悪魔ちゃん、小悪魔ちゃんはこうやって相対していると比較的おとなしく見えるんだけど、パチュリーちゃんを陥れることも多々ある、まさに小悪魔である。

 

「パチュリー様なら、四つ先の本棚を右に曲がったところの奥にクッション並べて寝そべって本読んでますよ」

 

「お、そうか、ちょっとみてくるわ」

 

「熱中されてるようなので「そう簡単には」気づかないと思いますよー」

 

とさっそく陥れにかかる小悪魔ちゃん。

なるほど……、つまり……やらかせってことだな!

とはいっても熱中してるパチュリーちゃんはガチで反応がないのでなかなかに難しい。

 

一度尻を枕にしてみたことがあったが、全く反応がなく、そのぬくやわこい感触に俺は眠気を誘われ寝てしまった。

そして起きたとき、まだ同じ体勢だったことがあって驚愕した覚えがある。

あの時の睡眠の質はかなり良かった気がするが、やはりぬくやわこい感触がよかったのだろうか……?

 

 

 

 

言われたとおりに(たとえば三つ先の本棚を右に曲がった後元の位置に戻ってもう一つ進んでから右に曲がってもたどり着けない謎空間)移動すると、完全にくつろいだ状態で本を読んでいるパチュリーちゃんがいた、おあつらえ向きにこちらに足を向けている。

 

いつもの薄紫色の部屋着(というか寝間着だろこれ)でうつ伏せの体勢である。残念ながら服がダボついているのでパンツも潰れ乳も確認できない。

 

まくり上げはさっき美鈴ちゃんにやったしなあ……と少し悩む。二度ネタは禁止である(謎の芸人魂)

 

しかし裾が長いのでまくったりせずには小悪魔ちゃんの期待に応えることができない。

そう、俺は小悪魔ちゃんの期待に応えるために仕方なくやっているんだ。

しかしどうすれば……!閃いた!!

 

 

 

 

 

もぐりこめばいい(名案)

 

 

 

 

 

幸い足を揃えているのではなく肩幅ぐらいに開いた状態なのでもぐりこむと丁度いい感じになりそうだ。

 

「お邪魔しまーす」

 

頭を潜り込ませると、結構な時間この体勢だったのだろう、汗か何かが元の湿気と、甘い体臭が俺を包み込んだ。

 

紅魔館組は強めの甘い香りがするんだよな、多分香水か何かだと思うが……それと彼女たち自身の匂いがまざった甘い香りはなかなかに刺激が強い。

 

顔をあげて前方の闇を見通すと(ルーミアの能力は本当に使い勝手がいい。後でお菓子をあげよう)、全体に花のレースの入った大きめのシルクショーツのようだ、あまり運動しないパチュリーちゃんの柔らかめのおなか(太ってはいないが、まあちょっとはね(慈悲のごまかし)によるショーツのウエストに乗った駄肉が逆に生活感があってエロく感じる。

 

あの肉のってるとこをつつきたい衝動に駆られるが、おさわりは厳禁である。

それは痴漢行為であるからだ。

あくまでも愛でるだけ、それが正しいセクハラ道である。

 

なお、この理屈は映姫ちゃんに通じなかった、解せぬ。

 

まあ、映姫ちゃんがどう言おうと俺の中では触らなければオッケー、なので……

 

「ふーっ」

 

股間めがけて息を吹き付けてみた(邪悪)

 

「ぴぎゃあっ!?」

 

「ぬおっ!?ちょっ!?」

 

びくん!とはねたパチュリーちゃんが驚いて足を閉じたので太ももで顔を挟まれることになってしまった。

あいかわらずむっちりしてて、そして少し汗ばんでてこのまま身をゆだねたくなる。

 

そして眼前にはパンツ。

最高だな!

 

「い……いったい何がっ!?……なんだ貴方か」

 

身をよじって後方確認したパチュリーちゃんが(なお、さらに締まった)自分の下半身から生えている俺を見て興味をなくしたように読書に戻った。

 

まさかのスルー!?

 

「こんにちはパチュリーちゃん」

 

俺も負けじとその体勢のまま挨拶をする。

……第三者が見たらカオスすぎる光景だな。

 

「もうそろそろ、こんばんはかな?今日は何の用?」

 

「いや、今日はレミリアさんに呼ばれて血をね」

 

「そう……レミィに……近頃ペース早いわね……?そういえばこの間はありがとう」

 

「ん?何かしたっけ?」

 

「魔理沙のところからほぼすべての本を取り返してきてくれたでしょう」

 

あー、そんなこともあったな。

定期的に行ってるので忘れてたわ。

 

「おう、でも、なんか今研究中そうな一冊だけ残してきたぞ」

 

「それぐらいはかまわないわ、また、取り返してくれるんでしょう?」

 

「依頼があれば迅速にな」

 

「頼もしいわね」

 

「なに、仕事ってだけだ」

 

探偵もののような大人のやり取りをしているが、皆様覚えているだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

頭をスカートに突っ込んだままであるということを(台無し)

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館の人間は本当に動じないな……咲夜ちゃん除いてだけど。

 

「別に恥ずかしくないわけではないのよ?」

 

「あれ?このスカートさとりちゃんのだっけ?」

 

まるで心を読んだかのようなパチュリーちゃんの言葉に、動揺を隠すために思わずすっとぼけたことを言ってしまう。

 

「貴方って酷い人ね、こんな状況で他の女の名前を出すなんて」

 

そういいながら足での締め付けを強くするパチュリーちゃん、苦しいけどそれご褒美でもあるからね!?

 

「そうね……私達はみんな貴方に感謝している。個々人でその強さも深さも違うけれども皆ね、だから、まあ、下着ぐらいで貴方が喜ぶならみんな喜んで見せるわよ」

 

「まあ、いろいろと手伝った覚えはあるけど、そこまですげえことはしてない気がするんだけどなあ。それと我慢してじゃなくて喜んで……はまあいいすぎかもしれないけど、嫌がってないんなら俺は嬉しいから問題ないな」

 

「貴方のそういうところは本当にダメ。もうすこし自分に自信をもちなさい、貴方を好きな女性に失礼よ」

 

「結構言われるんだが、俺は俺が俺を一番信用してないからなあ……」

 

「記憶がないことぐらい貴方は笑い飛ばしそうなのに」

 

「それは目を背けてるだけだって気づいたからな、それじゃあ俺が前に進めない」

 

「停滞も悪くないと思うわよ」

 

「かもな」

 

それきりパチュリーちゃんは何も言わず時々ページをめくる音だけが聞こえる。

読書に戻ったようだ。

 

俺からももう話すことも無いなと思い……

 

 

 

 

 

 

スカートの中からはい出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカートからはい出すと、咲夜ちゃんが立っていた。

この光景見ても動じないのすげえな!

俺自分でもツッコミ入れると思うのに。

 

「お客様。お嬢様から食事を共にするようにと言われていますがいかがいたしましょう?」

 

「ちょうど腹も減ってきたところだったんだ、ありがたく受けるよ」

 

「ではこちらへ」

 

咲夜ちゃんに案内されて食堂につくと紅魔館の主たるレミリア=スカーレットはすでに着席していて、俺に声をかけてきた。

 

「いらっしゃい、こうしてお前の顔を見るのももう何度目になるかしら、不細工なその顔も見なれると悪くないわね……できれば悠久の時を経ても相対したいものだけど」

 

「熱烈な歓迎ありがとう。レミリアさんも相変わらず可愛いな」

 

「皆に言うような言葉は嬉しくないわね」

 

「でも事実だし」

 

「……そう。咲夜、給仕を」

 

レミリアさんがそう言った瞬間に俺の前にはどんぶりが、レミリアさんの前には茶碗が置かれる。

相変わらず便利な能力の使い方をするな。

ただ、俺も止まってる間に動いたことあるけど、普通に動いた分つかれるんだよな。動きっぱなしの咲夜ちゃんは、もしかしてわりかし人間やめてるのかもしれない。

 

給仕されたどんぶりには玄米ご飯にとろろ?と納豆と鰻のかば焼きかこれ?が入っていた。

納豆はなくてもいいかなあ……鰻ととろろだけなら絶対美味いと思うんだが。

レミリアさんの茶碗にはとろろと鰻は乗っておらず、納豆だけの……正直貧相な飯があった。

相変わらず好きなんだな……納豆。

 

もともと血でないかぎりほとんど栄養にならないようなので食事は完全に嗜好品……というか、この夕食の誘いだって俺に飯食わせるためなんだろうなって分かる。

なので自分の好きなものだけを食うのは正しい光景なんだろうけど……俺がすっごい罪悪感あるんだが!

美少女が納豆飯食ってる向かいで、自分だけ鰻とかすごい悪いことしてる気分になる。

いや幻想郷だと鰻は安いんだけど、なんかこう、引っかかってしまう。

 

「せっかくのディナーだし、乾杯ぐらいしましょう、咲夜あれを」

 

と小さいグラスを軽く持ち上げると咲夜ちゃんが赤い液体を注いでいく。

 

「お前ももすこしだけ付き合いなさい。大丈夫。汚い血ではないから」

 

「血という時点でもう遠慮したいんだけどな」

 

まあ、でも納豆飯の負い目がある、勝手に作った負い目だが、汚い血じゃないということは少なくともむさいおっさんの血とかでは無かろうし、我慢して付き合うか。

 

観念してグラスに注いでもらう。

お酒を混ぜてあるのかアルコール臭と……うん、たしかに生臭い血の匂いがする。

 

「数奇な運命の人間に」

 

「美しき吸血鬼に」

 

乾杯をしておそるおそる口をつける、アルコールのせいかそこまで飲みづらくはない気もする……

 

「どう?美味しいかしら?」

 

「うーん、血の味がわかるような食生活していないからな……でも飲めないほどじゃないな、で、これだれの血ですか?」

 

「咲夜の()()よ」

 

 

 

 

 

ブバッ!!

 

ガシャーン!!

 

 

最初が俺が飲んでいた血を吹いた音。

次がさくやちゃんがカトラリーを落とすというか吹っ飛ばした音だ。

 

「エレレレレリミアおぜうさま!?いいいいったいいいいのまに!?」

 

咲夜ちゃんが大混乱している、俺はもう一口飲むべきかどうか悩んでいた。

 

「嘘に決まっているじゃない、すっぽんとかいう生き物の生き血よ、この前魚に聞いたのよ」

 

魚って……わかさぎ姫か、今度釣ってやる(とばっちり)

 

「ところでお前いまもう一口飲もうとしてなかったかしら?」

 

「えっ!?なんで経血って聞いてまだ……」

 

「違う違う違う!さすがに俺もそこまで上級者じゃないぞ!?噴き出しただろ?あれは驚いたんであって咲夜ちゃんが汚いって思って噴き出したんじゃないよって言うのをね?」

 

「気の使いところがずれていますが‥‥ありがとうございます」

 

「さすがにそこまで変態ではなかったようね、安心したわ」

 

「じゃあそういう悪戯仕掛けるのやめてくれなさい」

 

「考慮しておくわ、さ、乾杯もしたし、頂きましょう」

 

「はあ、頂きます」

 

かっこよく乾杯しても納豆飯とどんぶりものというシュールな光景は変わらないんだけどな!

 

 

 

 

意外に納豆とろろ鰻丼は美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このあとお風呂&吸血&ベッドインでしたが想像以上に「あ、これ運営に怒られるわ」という出来だったのでいったんここで切ります。

たとえば挿入れてはいませんが対面座位で腰を使いながら吸血するようなシーンを直接的な表現はありませんがねっとりと書き上げてしまいました。

セーフかなと思って読み返したら完全にアウトでしたので……

アンケートは誰かが100票まで行ったら一回止めます。
よろしければご参加ください。
感想、評価、お気に入り登録なども大歓迎です。

次ぐらいで紅魔館編は終わります。
しばらくは過去話をしたいです。
あと本文からのリンクなどを使って話から話へ飛べるように遊んでいるのですが、完全に本文からしか飛べないような隠し話とかも作りたいですね。

機能は使えるだけ使いたい人ですので……(残念ながら東方では掲示板は使えませんが)

お気に入りの人のみ公開機能もネタバレとかはそこでしたほうがいいのかなという気もしてます。

それでは次の話でお会いしましょう。

ねくすと(次は呪いとか祟りとかなんとかしてみた話)

  • 魔理沙とデートした話
  • 決戦!星海恐怖異変
  • 因幡の白兎した話
  • 屋台で駄弁るだけの話
  • 人里で遊んだ話
  • 新聞記者に振り回された話
  • 白蓮ちゃんと愉快な仲間たち
  • 神奈子ちゃんにシゴかれた話
  • かわいいクソガキに子分にされた話
  • 白玉楼で料理した話
  • 本編

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