細々と頑張っていきたいと思います。
心操が雄英に入学できたのは本当に偶然、ラッキーであった。
彼の個性である『洗脳』はよくひとから
故に彼との相性が絶望的に悪い入学試験に受かったのはボタンの掛け違い、紙一重、例えば試験に受けた人間が一人少ないとかそんな感じで受かった正しく偶然だった。
雄英に入学してからの生活は非常にエキサイティングなものであった。
時には退学の、時には大怪我の危機に見舞われたりもしたがヒーローになる、その想いで周りに必死に喰らいついて行った。
USJに
「マジ……かよ……」
故に周りをよく観察した、それは入学してからずっとだ。
その中で爆豪の実力は頭1つ……いやプロだと言われても遜色ないと言わざる負えなかった。
だからだろうか、ヒーローである先生二人と彼がいるのだからとどこか安心していた部分があったのかもしれない。
そんな彼が
だが何もできない、ただ逃げるしかない、そう思ったとき一人の少年が彼を助けた。
バイクに乗って現れたのは精々同い年くらいの少年だ。
爆豪と二、三言交わし彼の前に立つ。
そして変身した、二年前世間を騒がせた未確認生命体、その四号に。
「お、おい心操どうしたんだよ!って、あれ四号!?」
相澤を運んでいた峰田は心操が立ち止まるのに気付くと振り返った。
だが四号の存在に気づくと今日一番なほどの驚きようで叫ぶ。
隣りにいる蛙吹も峰田と同じタイミングで気付いたらしく、顔には出ないが予想外の存在に驚いている様子であった。
どうやらあの少年が四号に返信したのを見たのは心操だけのようであった。
「……峰田、蛙吹、相澤先生頼む」
「お、おい心操!」
峰田の静止を無視に心操は爆豪の元へと駆け付ける。
既に四号と
「おい爆豪!何やってんだ!」
「!?て、てめぇなんで」
「それはこっちのセリフだ!なんでこんなところに四号なんている!それに……俺らとタメくらいだったよな、あれ」
「……見てたのか」
爆豪の問いに軽く頷く。
それを見て、爆豪は胸糞悪そうに舌打ちをした。
「クウガだ……あれの名前は」
いきなりそう言われ、心操は何を言われているのかわからなかった。
だがしかしすぐにそれは四号の事だと気が付いた。
「クウ……ガ」
四号、いやクウガと脳無の戦いは拮抗していた。
お互い徒手空拳での肉体戦では決め手に欠けるようなそんな印象だ。
脳無はクウガの攻撃を物ともせずに受け止めながら、逆にクウガは脳無の攻撃を回避し、受け流しパンチやキックを叩き込んでいく。
「そいつは対オールマイト用の超高性能サンドバッグ人間だ!例え四号だろうが誰だろうが!」
焦ったように男は叫ぶ。
自分の思い通りにいかない事態に苛立ちと焦りをぶつける。
次の瞬間、脳無の右腕が宙に舞った。
「紫の……クウガ……」
大振りの右のストレート、それに合わせるようにクウガは赤から紫と銀の鎧に身を包みその手には大剣を携える。
脳無の攻撃にカウンター気味に合わせ斬り上げ、その右腕を肩から斬り裂いた。
そして間髪入れずその腹部へと大剣を突き立てる。
「っ………!!」
力を入れ、更に奥へと剣先を押し込む。
数多の未確認生命体を葬ったその一撃は並の
だがしかし脳無はクウガの腕を掴んでみせた、それだけではなくないはずのその右腕で彼を殴り付ける。
「っ……がっ!」
吹き飛ばされ、ビートチェイサー2000とぶつかり地面へと倒れた。
近くにいた心操はクウガが吹き飛んでくる前に爆豪が庇い遠ざけられたおかげで怪我はないがしかし、思いもよらぬ光景に目を見開いた。
クウガの鎧の殴られた部分に凹みが出来ていたのだ。
「なっ!お、お」
明らかに深刻なダメージを負っていた。
心操はクウガに近寄ろうとするがそれを爆豪が手で制す。
顔はこちらには向けないが邪魔をするなと言っているように感じた。
クウガはその様子を見ると一度脳無の方に目をやる。
脳無はというと右腕が再生し、クウガが与えたダメージが消えていた。
「さっきも言っだだろ!再生人間なんだよ!腕を切られようが何されようが超再生と吸収でノーカンだ!」
クウガはその言葉を聞き、そして爆豪の方を見た。
そして右手を突き出しその親指を立てると爆豪の肩がビクリと上がる。
歯を噛み、身体を震わせ、拳を握り締める。
次の瞬間振り返ったかと思うとそのまま爆豪は心操を抱え、自身の爆破を利用してその場から遠ざかる。
「ば、爆豪何を!?」
「邪魔なんだよあいつにとって俺らは!だからあいつが……あいつが戦えるようにこの場から離れなきゃならねえんだよくそが!」
「っ……」
悔しさと怒りと悲しみと、ありとあらゆる感情がごちゃまぜになったその顔に心操は何も言えない。
ただただ、遠くなるクウガと脳無の戦いを見詰めるしかなかった。
脳無はまるで先程までのダメージがないかのようにクウガに襲い掛かる。
しかしクウガはその身体の色を変え、時には青に、時には緑に、紫と銀に、赤に変えていく。
更には爆豪と心操を追おうとしている黒い霧の
決め手に欠けてはいるがしかしその実力は他の追随を許さない。
いや違う、欠けているのではない。
心操はそれを知らない、だが爆豪はそれを知っている。
そしてクウガが、変身している出久がその力を使うのを望まないことも知っている。
そしてこの後に起こることさえも……
クウガは爆豪達が離れるのを確認すると赤になり、脳無と距離を取る。
そして構え、腕を左右に広げる。
アークルの色が赤から黄色に変わり、稲妻が走る。
変化に気付き、
その変化は先程まで彼らを翻弄してきた七変化とは明らかに違っていることは明白だからだ。
身体の縁が金色となり、そして右足にも金色の装飾が出現する。
今現在の出久の全力、金のクウガとなった。
「まずい!脳無、やれ!」
嫌な予感がした男が脳無に対して叫んだのとクウガが走り出したのは一緒であった。
一歩一歩の地面を踏みしめるたびにその右足にはない力が宿る。
「うおりゃぁ!」
跳ぶ、回転、右脚を突き出したその飛び蹴りは脳無の胸部を蹴りその巨体を吹き飛ばす。
「!!!!!?????」
声を出せず、感情も見せることのできない脳無はこの瞬間だけは苦悶と驚きの表情を伺えた。
胸部に現れる、紋章……されはクウガの紋章だ。
クウガのエネルギーが脳無に注ぎ込まれ、その肉体を破壊する。
「っっっ!?」
吸収のキャパシティを超え、脳無に限界が訪れる。
胸部は爆ぜ、その上半身を撒き散らした。
「……ゲームオーバーか」
男は苦々しくそう言う。
切り札の脳無は倒され、残りは自分と黒い霧の
このまま戦えば負けるのは必定である。
「今度は殺す……平和の象徴だけじゃない……四号、お前も……」
男はそう言い残し、そのまま黒い霧に飲み込まれその身を消した。
クウガはその身を元の赤い姿に戻し、脳無であった肉片に目をやる。
黒い肉体はその中身を撒き散らし絶命をしていた。
もう動くことのないであろうそれを見ながら、クウガはその拳を強く握った。
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