ワンパン聖女〜追放されたのでとりあえず世界旅行します〜 作:ちゃんエビ
寧ろ追放されて良かったんじゃないかと
「アリシア!今日限りでお主の聖女としての任を解きこの聖都リーンベルグから追放する‼︎」
そう枢機卿から言われたのはつい先程でした
正直意味が分かりません‼︎
「枢機卿仰ってる意味が分かりません!」
私は枢機卿に理由を尋ねたかったのですが
「これはもう決定事項なのだ!いかに聖女といえどこの決定を覆す訳にはいかん‼︎」
えぇ〜⁈私は理由を知りたかったんですが
「私は神の御使いとして信託を受ける身、その任を解くという事はそれなりの理由がおありなのでしょうか?」
まあ任を解くと言われても神の御使いである私の称号は聖女のままなんですけどその辺分かってます?
「理由か?理由ならばお主が一番分かってるのではないか?」
いえ!分からないから聞いてるんですが?
「申し訳ありません!私には思い当たる節がございません」
だって毎日神にお祈りも捧げてますし、教会で民の治療もやってますし
孤児院のお手伝いもしてますし、聖都の結界も張ってますし聖騎士団の魔物討伐に同行してますし、自主的にですが枢機卿のマッサージもしてますし・・・私頑張ってますよね?
「そうか・・思い当たる節はないか・・・ならば良い!聖女アリシア
今日限りでお主の聖女としての任を解きこの聖都リーンベルグから追放する」
・・・・え⁈・・枢機卿・・・同じ台詞を2回言いましたよ?大事な事だから2回言いましたってやつですか?
「分かりました・・枢機卿の御意志のままに」
恐らく何を言っても枢機卿の意思は変わらないと思うしこれ以上の問答は時間の無駄でしょうから大人しく追放を受け入れた方が賢いのかもしれませんね
それに聖都は治安も良く結界で魔物の侵入もありませんから平和ですし
聖都外の魔物も簡単に討伐出来ちゃいますからね
しかも屈強な聖騎士団の皆様がいるから絶対安心です
唯一気掛かりなのは孤児院でしょうか?
戦災孤児や虐待等の悲惨な境遇の子はいませんがやはり親を病気で失った子供達を見ると胸が張り裂けそうです
私も妹も孤児院出身ですし育った場所を離れるのは寂しいものです
「そうか・・分かってくれたか」
ん?枢機卿、理由は分かりませんが私を追放したかったのしょう?
何で悲しそうな顔をしてるんですか?そんな顔してたらハグしたくなるじゃないですか
「枢機卿ハグしましょうか?」
枢機卿って私の母性本能を刺激する顔してるんですよね〜
「ひぃっ⁈・・は、は、は、話はこれでお終いじゃ!さらばじゃ」
枢機卿慌てて走り出しましたね顔も青ざめてましたし・・・なるほど!
そうゆう事でしたか!公務で忙しくトイレに行く暇もなかったと!
「とりあえず家に帰り妹にこの事を話さないといけませんね」
枢機卿がトイレを我慢していた事も含めて
◆◆◆
「お姉ちゃんおかえり〜♪」
笑顔で出迎えてくれた妹が可愛すぎます
あっ!追放されたら妹とも逢えなくなるのでは?
「・・・・・エリシア・・お姉ちゃん追放されちゃった」
唯一の肉親である妹に逢えなくなると思うと一気にテンションが下がってしまいます
「・・・計画通り♪」
妹が後ろを向いて小声で何か言ってますね、よく聴こえませんが拳を握っているから私の追放に憤りを感じてくれてるのかもしれません
「エリシア・・・ゴメンね?駄目なお姉ちゃんでゴメンね?」
私のせいで寂しい思いをさせてしまう妹に罪悪感を感じ自然と涙が溢れ出してきました
「お姉ちゃん泣かないで!お姉ちゃんは何も悪くないよ?」
なんて優しい妹なんでしょう!私を責めもしないで慰めてくれるなんて
身内贔屓と言われても構いません‼︎妹こそが真の聖女です‼︎
称号は勇者とかいう物騒な称号ですが
「エリシアは凄く優しい娘ね」
「えへへ〜♪」
妹の頭を撫でながら褒めると屈託のない笑顔で笑いかけてくれます
控えめに言って最高です‼︎
でもその笑顔も見納めとなるとやはり悲しくなります
「お姉ちゃん元気出して?私なら大丈夫だから心配しないで♪
それにお姉ちゃんは聖女として今まで頑張ってたんだからゆっくり休めると思って気持ち切り替えてこ?」
あ〜!妹の優しさが身に染みます‼︎
「そうだ‼︎お姉ちゃんこれを機に世界を見て回ろうよ!それがいいよ‼︎
真の聖女たるもの世界を知り世を救えっていうでしょ?」
え?お姉ちゃんそんな言葉聞いた事ないけど・・でも一理ありますね
聖都以外の街や他国の皆様の役に立てるのなら聖女としては無視できまんし見聞を広げる意味で世界を回るのも悪くありません
「うん!エリシアの言う通りね、お姉ちゃんちょっと世界を回ってこようかな?」
「フフッ♪
ん?エリシアが笑ったように聴こえたけど私の気のせいかしら?
「あっ!そうだ!枢機卿ったら激務を理由におトイレを我慢してたみたいで顔が真っ青になってたのよ」
我慢はよくありませんからね、健康管理も大事なお仕事です
「あ〜そうなんだ〜」
おや?あまり反応がありませんね、まぁ可愛い妹が枢機卿のお腹の事情に食い付いたらそれはそれで嫌ですが
「じゃあお姉ちゃん、教会や孤児院に旅のご挨拶と寄付金を届けたら旅の支度をしてくるわね」
これが聖都での最後のお仕事になるだろうから聖水の精製と寄付金はうんと奮発しちゃいましょうか
後は旅に必要な物資の購入ですね
衣類や食材は勿論ですが一番大事なのはポーションです‼︎
聖女といえど魔力は無限ではありません、場合によっては回復魔法が使えない時があるかもしれません‼︎でもポーションがあれば一安心!
聖都近辺の魔物はドラゴンとかワーウルフとか簡単に討伐出来る魔物しかいませんが他の地域だと強力な魔物とかいそうですからね!
前に知り合いの冒険者さんが言ってましたがドラゴンはSSランクの魔物なんだそうです
因みに初心者にオススメなのがSSランクで最も難しいのがFランクです
だってデコピン1発でドラゴンの頭弾け飛びましたから‼︎
まさか弾け飛ぶとは思いませんでしたよ?私もビックリです‼︎
だって私普通の聖女ですよ?Fランクの魔物に遭遇したら瞬殺ですよ‼︎
まぁそんな魔物滅多に現れないかと思いますが・・というか思いたいです‼︎
◆◆◆
「枢機卿♪計画通りいったよ♪」
『おぉ!エリシア!良くやってくれたのぉ』
「フフッ♪お姉ちゃんを聖都から追放したら私が聖女になれるんだね♪」
『勿論じゃ!だがホントに良かったのか?』
「フフッ♪枢機卿もお姉ちゃんを追い出したかったんでしょ?」
『それはそうじゃが・・もう少し穏便な方法もあったろうに』
「それじゃ駄目なの!お姉ちゃんを聖都から追放しないと意味ないの‼︎
これは枢機卿の為でもあるんだよ?」
『・・・それはそうなんじゃが・・・バレたら儂死ぬよ?』
「フフッ♪お姉ちゃん聖女だよ?私みたいな偽り聖女じゃなく本物の聖女だよ?そんな事しないって」
『いやいやいやいや!肩揉みと称して儂の肩を粉砕したりハグと称して儂の背中を粉砕したりするんじゃが?』
「え?私そんな事にならないよ?」
『お主は勇者だからじゃ‼︎勇者の固有スキル【ブレイブアーマー】が
あるから平気なんじゃ‼︎』
「ふーん・・私勇者の称号なんていらないんだけど」
『勇者といえば魔王の魔の手から世界を救う唯一無二の称号なんじゃがのう』
「だからこそ私の計画を実行してるの♪枢機卿はお姉ちゃんの魔の手からから逃れたい!私は魔王をやっつけて勇者の使命から解放されたい!お姉ちゃんと同じ聖女になりたい!お姉ちゃんと一緒に旅したい!どう?一石二鳥ならぬ一石四鳥の計画でしょ♪」
『それはそうなんじゃがのう・・アリシアもエリシアも儂にとって可愛い孫みたいなもんじゃし聖都から追放するのはやはり心が痛むのう』
「枢機卿!いい?お姉ちゃんの力は聖都だけで収まらないの!正直なところ勇者とか魔王とかお姉ちゃんの前じゃ塵みたいなもんだよ?
何だっけ?枢機卿が隠蔽したお姉ちゃんの本当の称号」
『【規格外の最強聖女】じゃった!固有スキルは
【
「うっわ!ヤバすぎでしょ〜‼︎」
『うむ・・お主の計画に巻き込まれるアリシアも可哀想じゃが魔王が一番可哀想じゃな』
「枢機卿の中では魔王よりお姉ちゃんの方が怖いけどね」
『当たり前じゃ!アリシアと魔王どちらかと戦えと言われれば迷いなく魔王に挑むわい』
「おぉ〜♪さすがかつて魔王封印を成し遂げた伝説の勇者パーティー
【チェリーボーイズ】の大賢者♪」
『やめろ〜‼︎その名は儂にとって黒歴史じゃあぁぁぁぁ‼︎』
「フフッ♪じゃあ私で卒業する?」
『老体を揶揄うでないわい!お主らはかつての勇者と聖女の孫であり儂にとっても孫みたいなもんじゃ!それに儂にもちゃんと孫がおるんじゃ
よ!』
「ちょっと悪ふざけが過ぎたかな?ゴメンね?枢機卿」
『まぁ良い!それよりもだ!魔王討伐の旅に向かうなら教皇のいるラグレシア皇国に向かうがよい!勇者のみが扱える聖剣エクスカリバーを授かり仲間を得て魔王を討つのじゃ‼︎』
「・・ねぇ枢機卿?」
『なんじゃ?』
「なんか旅立つ勇者を見送る王様ムーブ出してるけどお姉ちゃんだけで
良くない?」
『・・・それを言うんじゃない‼︎いやぶっちゃけアリシア1人いれば仲間も聖剣もいらないけど儂も言いたかったんじゃ!かつての勇者パーティーを見送った王様と同じ台詞を言いたかったんじゃ!』
「フフッ♪あっ!そろそろお姉ちゃん帰って来るかもだし私も帰るね」
『うむ!気をつけて帰るんじゃぞ!』
「は〜い♪」
『・・・・・・・ふぅ〜!魔王討伐の旅か・・・何事もなく無事に終わればいいがのぉ〜!逆の意味で』
◆◆◆
「良し!旅の支度完了です」
枢機卿から追放宣言されて一週間、ようやく旅に出る支度が整いました
何故一週間も掛かったのか・・・それはポーションが足りなかったからです‼︎
ポーションは一番必要なアイテムですからね‼︎一番必要なんです‼︎
大事な事だから2回言いました‼︎
さてと・・旅立つ前にちょっとした出来事があったんです
エリシアが私の代わりに新しい聖女になったんです‼︎
正直なところ勇者なんて物騒な称号のせいで可愛い妹が魔王討伐の旅に出ないか心配してましたから聖女になれたのは嬉しい事です
魔王ですよ?魔王‼︎どんな魔物よりも強く恐ろしい破壊の権化それが魔王なんです‼︎
ドラゴン程度しか倒せない私なんか塵も同然ですからね!
ホントに恐ろしいですね!まぁ私には関係ないですが‼︎
そんなエリシアですが真の聖女として認められる為の試練
聖地巡礼の旅をするそうなんです‼︎
そんな事しなくてもエリシアはお姉ちゃんの中では真の聖女ですよ
私は普通の聖女ですので聖地巡礼の旅はしてませんがエリシアが旅に着いて欲しいと頼んできたので私も聖地巡礼の旅に同行します
私は世界旅行のつもりですから旅の道中を楽しむつもりだし可愛い妹が一緒なら寂しくもありません‼︎
何より可愛い妹に危険がないか心配なので一緒にいた方が安心なのです
身内贔屓無しで見ても妹はホントに可愛い女の子ですからね
肩より少し長い銀髪のサラサラヘアーに金色の可愛らしいクリクリとした目、この世が生んだ奇跡!美の女神といえばエリシアと言っても過言ではありません‼︎聖都で一番モテるみたいですし!
私はまったくモテませんが‼︎いえ!聖女として神に仕える身ですので構わないのですが同じ双子なのにどこが違うんでしょうか?
でも聖女として聖都の皆様には慕われてますから‼︎
モテなくても聖女として聖都の皆様には慕われてますから‼︎
慕われてますから‼︎超大事な事なので3回言いました‼︎
「お姉ちゃーん‼︎」
おや?可愛い妹エリシアが来たようですね
では早速出発しましょうか?
「お姉ちゃん♪まずはラグレシア皇国を目指そうよ♪」
「そうね、じゃあラグレシア皇国に行きましょう‼︎」
ラグレシア皇国、確か教皇が治める国でしたね
一度お会いした事がありました、素晴らしい方だったのは覚えています
顔色は悪かったけどきっと教皇もおトイレを我慢していたのでしょう
『気を付けて行って来いよーー‼︎』
『エリシアちゃーん‼︎愛してるーー‼︎』
「アリシアーー‼︎絶対手加減しろよーー‼︎』
『アリシアーー‼︎SSランクは最高難易度だからなーー‼︎』
フフフ♪街の皆様が見送りに来てくれたみたいですね
SSランクの冒険者さんまで、冒険者さんも頑張ってFランクまで昇格して下さいね♪応援してます
『あっ‼︎おい‼︎やべーぞ‼︎街の外にSSランクのブラックドラゴンが‼︎
何であんな魔物が聖都の近くに‼︎』
『あーー普通に考えたらめっちゃヤバいな‼︎普通に考えればな』
『は?どうゆう事だよ?』
ドゴォォォォォォォン‼︎
『は?』
「ふぅ〜‼︎ドラゴン程度なら普通の聖女でも一撃で倒せるんですよ♪」
「流石お姉ちゃん♪」
『『『ドラゴンを一撃で倒す普通の聖女がいてたまるかぁぁぁぁぁぁ‼︎』』』
続編は・・あるのかな