魚は泳ぐ、鳥は飛ぶ、たから僕は描いている   作:至ッ亭浮道

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第4章
第14話


 生徒会(せいとかい)物置(ものおき)となっている()教室(きょうしつ)では、大園(おおぞの)先輩(せんぱい)(すで)準備(じゅんび)(すす)めてくれていた。

 

「なんで川上(かわかみ)ちゃんが⁉ ……っは! 今日(きょう)もおっきいねー!」

「まりあ先輩(せんぱい)もかわいいですよ。……峯村(みねむら)()くのを()ようと(おも)って」

「そうなんだね!」

 

 と、大園(おおぞの)先輩(せんぱい)納得(なっとく)しかけた。

 しかし、(おも)(かえ)したように、窓側(まどがわ)(すわ)っている女子(じょし)生徒(せいと)()た。

 

「でも、()()ちゃんは大丈夫(だいじょうぶ)かな?」

「……大丈夫(だいじょうぶ)です。もう、緊張(きんちょう)してるので」

 

 木戸口(きどぐち)さんは、(まえ)学校(がっこう)のブレザーを()いで、シャツだけになった状態で、椅子(いす)(すわ)っていた。

 木戸口(きどぐち)さんは、水色(みずいろ)のシャツを()ていた。

 首元(くびもと)にはいつもの(とお)り、リボンを(むす)んでいる。

 (かみ)の揺れとシャツの(あわ)水色(みずいろ)のグラデーションが(うみ)色彩(しきさい)()ている()がした。

 

峯村(みねむら)クン、準備(じゅんび)()わったよ。あとはお(みず)だけ!」

 

 大園(おおぞの)先輩(せんぱい)はそう()って、(こし)両手(りょうて)()ててエッヘン。

 

「ありがとうございます。それじゃ(みず)()ってきます」

 

 そう()って(ぼく)は、カバンを(ゆか)()くと、先輩(せんぱい)用意(ようい)してくれた(ふで)(あら)いを()って、部屋(へや)()た。

 

 

「ねえ、木戸口(きどぐち)さん」

「はい?」

木戸口(きどぐち)さんは、どうして()いて(もら)いたいと(おも)ったの」

「わかりません。ただ――」

「ただ?」

「――峯村(みねむら)さんの気持(きも)ちが(うれ)しくて。いきなり()()かせて、って()われたときはびっくりしましたけど」

「あちゃー、タロちゃんのいつものパターンだにゃ」

「ね! 峯村(みねむら)クンってやっぱり(やさ)しい!」

「いつもの……?」

(わたし)もね、(おな)じようなことがあったの」

「あたしもー」

「わたしもだよ!」

「……なんとなく()きました。やっぱり、峯村(みねむら)さんは(やさ)しいんですね」

(だれ)にでも(やさ)しい(ひと)だから、(とき)(きず)つけちゃうのにゃー」

「え?」

春奈(はるな)余計(よけい)なこと()わない」

「ごめんにゃー」

「木戸口さん。最後(さいご)(ひと)()っておくね」

「……はい」

峯村(みねむら)()()(とき)覚悟(かくご)してね」

「え――?」

 

 

「すいません! (おく)れました」

 

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