ナザリック地下大墳墓、そこからそう遠くない所で問題は起きていた
「は?」
支配者の間、ナザリック地下大墳墓の絶対的支配者にて至高の41人のまとめやくアインズは周囲に誰もいないことを確認し一人物思いに耽っていた
「千里の鏡」
ある男から貰った宝具と呼ばれる特殊なアイテム
今はその試運転をしていた所だった
この宝具はマルパスの地図と呼ばれる宝具と呼ばれるものがなければ使えないのだが
マルパスの地図に記されている場所と実際の場所の経度と緯度が完璧にあった場所に特殊な釘をさすことでその半径5kmの自由に見渡せるというアイテムだ
面倒なことこの上ないが、アインズにとっては手間こそかかるものの実に有用なアイテムだった
確認のため起動してみたのだが、そこは本来何もない荒野のはずだった
だがそこには城が建っていた、そう転移する前に、よく歴史の教科書に出てくるであろう、和風な戦国時代に建設されたもの
「いや、え?どうゆうこと?」
考えが追い付かない、
(俺以外のプレイヤーが転移したとかか?)
確かにユグドラシルにもあのような拠点を作ることは出来たがあくまでロマンに過ぎず、防衛力など皆無だったからだ
「しかもあれ、安土城じゃないか・・・」
ユグドラシルの拠点の中でも、なんの恨みがあったのかは知らないが、最弱な設定をされていた
しかもそのくせに、ガチャでしか手に入らない最高レアとして登場し、内装のリアルさだけはプレイヤー達の興味を引いていた
だがあまりにも弱すぎるため、またそれが拠点とされたクランは他クランからの襲撃、もとよりATM扱いされ始めたため誰も使うものがいなくなっていた
果たしてプレイヤーがそんなことをするのか?
ただ目立つ城、それ以外にはなにもない
(それとも、他に何かあるのか?)
考えられる可能性をあげてはみるが
どれもあり得ないという結論に終わる
「仕方ないデミウルゴスに助けてもらうかぁ・・・」
アインズはこれから痛むであろうないはずの胃を押さえる
相談あいてとはナザリックでも随一の知恵者
だが、アインズの思考を深読みし、また自身にあまりにも誇大された評価をしているためだ
「だけど、俺が考えてもなぁ・・・」
支配者とは思えない腑抜けた声が響く
ついでてしまった独り言に、口を抑え
周囲を見渡す
誰もいないことに安堵し胸を撫で下ろす
「千里の鏡」を停止しアインズはこの場を後にする
(あぁもうなんか胃がムカムカする)
これから起こるというより既に痛んでいる
胃を抑えながら
意気消沈するその背中は非常に小さかったらしい