「衝撃拳(インパクトナックル)」
「バースト」
「竜雷(ドラゴンライトニング)」
「強酸刃(アシッドエッジ)」
竜の雷、強酸の刃、鉄の弾幕、衝撃波
迫りくる珍獣に降り注ぎ、まるで霧のようにノッブは霧散する、
だがそれと同時に打ち合わせたかのように新しいノッブが現れる
第一階層を根城とする魔物もいるが、雪崩に巻き込まれる木の葉のように次々と数を減らしていった
「ノブ?!」
「ノ、、、ブ、」
「ノノノノノノ、、、」
「ノッブ」
「ノッブ」
「ノッブ」
「ノッブ」
「ノッブ」
前衛が倒れ、後ろに控えていた新たなノッブが前へでる
火縄銃の鉛の雨の雨は止むことなく戦闘メイドプレアデスを襲う
本来であればあのような低ランクの飛び道具などスキルで無効化出来るのだが鉛か銃になんらかの魔法が付与されているのか
ダメージがはいる
本来、レベル差や魔法が付与されていない武器、低ランクの攻撃手段しかもたないエネミーなど、100や1000いようが彼女達の敵ではない
だがダメージが入るなら別である、一撃一撃は弱くてもあれほどの物量で攻められればHPなどすぐに底をついてしまう
「数多すぎッス!!?」
「下等生物(カトンボ)もこれだけいると厄介ね、」
「・・・一つ欲しい・・・」
「シズゥ?流石に無理じゃない?」
状況が一向によくならないことに苛立ちを感じているのか、本来明るい彼女の言葉には若干の影があった
ナーベラルやソリュシャンは明らかにイラついている、
厄介なことにも統制がかなりとれており、前衛を崩しても即部隊を展開され攻撃の手が休まらず、迎撃はしているものの少しずつこちらが押し出されている
「チッ!!めんどうね・・・」
~
「ノッブ!!」
ノッブの群れの中、本陣の中に、大将ノッブの護衛する御輿の中から声が響く
「攻めよ!攻めよ!今が好機!」
陣形を展開せよ!別動隊は左翼より回り込め!」
声色から年齢は40~50ほど、その姿は御輿により遮られ影しか見えないが影の形から人間であると視認できた、怒声とともにノッブ達への指示を行っている
「獣風情に遅れをとるな!!」
「鉄砲隊前へ、撃てぇぇぇぇぇ!!」
鉛の弾丸が荒野をかける、ナザリックの防衛、幻流種やスケルトン、ゴブリンに鉛の雨が降り注ぐ
御輿から指令が下り、いそいそとノッブ達が動く、火縄銃に弾を込める者、斥候の様子を報告するもの、ノッブを生成する者
多種多様なノッブ達が寸胴な肉体をバタバタさせながら右往左往している
ノッブが持つスキル「ノッブ鉛バスターEX」
鉛そのものに固有結界が展開されており、被弾した対象に内部に存在する世界を強引に相手に付与するものだ
付与する世界は「黒く深い現実(ブラックアウト)」もしくは「ブラック企業は撲滅すべきじゃね?」だ
その生物が考える労働環境がブラックであるか否かで効果を発揮する
週休二日、有給あり、休憩時間有が彼らの心情である
故にその判定から外れるものに対してその度合いによりダメージを与えるというものだ
なお対象の思想が彼らの要求を満たす場合は回復効果をもたらす
不当に働かされる彼らに許された思想の自由、あまりにも強すぎる執念(おもい)が現出されたもの
上司に言おうにも度胸がなく解雇(クビ)や減給が怖いため、ならばとせめて弾にそれを込めることにした
それを敵にあてることでそれを仮想上司としてストレス発散をしている
とどのつまり八つ当たりである
物理的な攻撃ではなく、概念的な干渉攻撃のため、盾や防具では防ぐことができない
アンデッドや意思のないものにも有効であり、大事なのはそのものが休みを欲しているか、、、なのである
ただ盲目に動き続ける機械や磨耗しても手入れをされない武器といったもの
ちなみに彼らにとっての大将はこれら全てに背反しておりノッブ達は反乱の機会を伺っている
なお反乱しない理由は次の就職先がないためである、意外にも彼らは将来のことを考えており、ノッブ達の夢はマイホームと昇任である
趣味はゴルフとボーリング
「撃ち落とす、連射」
「甲蟲弾」
降り注ぐ銃弾、こちらに着弾する鉛のみを狙い撃つ、鉄同士の衝突の火花が散る
プレアデスは完全に攻めあぐねていた、増殖し続けるノッブ達への対処が追い付かず、防戦一方
知恵のないスケルトンや魔獣などは真っ先にやられこちらの勢力はプレアデスと少しの魔獣のみ
相対して増殖を続けたノッブは気づけば100程しかいなかった敵は膨れ上がり、今では1000を越えていた
「ブブブブー」
「ノノノノノノ」
相手の動きが早すぎる、いやそもそもこちらとしてもかなりのノッブを倒しているはずなのにも関わらず数が増加していくことにいい加減違和感を感じた
「ねぇーユリ姉、あれ分裂してない?」
「え?」
「は?」
「うぇぇぇぇぇ!!?マジッすか!!?」
「いやいやおかしいだろ!!?」
妹のエントマに指摘され戦闘に参加していない、戦火が及ばない隅っこでヨガのポーズをしている集団がみえる
手足が短いためか、まったく出来てはいないが、体操を1セット終えると同時にノッブの体から新しいノッブが出てきているではないか
異形の存在や数々のチート(プレイヤー)をみてきた彼女達でもあそこまでふざけた存在はみたことがない
ユリなど素がでてしまっているほどに動揺していた
「チェインドラゴンライトニ・・・」
「ノーーーーブーーーー(野太い声)」
魔法名を唱えようとする前に彼女達の足元に大きな影が指す
今日だけで聞きあきた言語とそれよりも野太い声
空より3mほどの巨体で体が機械化されたメカノッブが飛来していた
「パワーナックル!!」
飛来したそれをユリは真っ向から穿つ、
「ノブゥゥゥ?!」
メカノッブの悲鳴が響く、見た目に反して柔いのかユリの拳は易々とノッブの腹部にめり込んだ
その瞬間ノッブの体が発光する、
「は?」
間の抜けた声とともに閃光と火薬がプレアデス達を包みこんだ