戦況は信長ことノッブにとって非常に悪いものだった
「おい!何故足軽しかいないんじゃ?!」
アンデッドの軍勢が城下町に流れこんでいる、それを迎撃しているのどこもかしくも足軽だった
「大将は・・・わしがやるとして・・・」
「軍師や侍大将はいないのか!?ええい鬱陶しいおい弾ぁ!弾ぁこめろ!」
雪崩のように攻めこんでくるアンデッドに独り言をいいながら火縄銃を打ち続ける
弾がなくなっては近くの足軽に弾込めを指示していた
アンデッドは銃弾の直撃とともにスケルトンであれば砕け落ち、アンデッドであれば直撃したところから泥のように崩れ落ちた
だが数が多い、一発一発弾を込めなければいけない火縄銃では限界があった
圧倒的に不利な戦況だがノッブはこんな状況など幾度も乗り越えてきたのだ
(ふん、面白いではないか!)
足軽から受けとった火縄銃を受け取り、引き金を引く
ガッチャーン!という金属の音が鳴り響く
「・・・・・・」
「弾、入っとらんじゃないか!?」
「足軽!どういうことじゃ!」
待機する、先程まで弾込めをしていた足軽に問う
やれやれと言わんばかりに足軽は答え
「弾切れです」
「早くね!?」
いくら何でも早すぎる、まだ20発程
というかよく見たら自分以外、火縄銃をもっているものがいない、
「火縄銃は?」
「茶々様の贅沢に、軍費がないため生産出来ませんでた」
「茶々ァァァァァァァァぁ!!!」
忘れとったわぁぁぁぁぁぁ
そう、いえばなんか天守閣が豪華だなぁとか思ってはいたが
あの問題児がぁぁぁぁ!!!
真の敵とは無能な味方というが身内だとはあんまりなことである
突如戦線が崩れる、固まって撃退していた足軽がボーリングのピンのように、体当たりを受け吹き飛ばされていた
それと同時に大通りに2体のアンデッドが現れた
大盾と湾曲に曲がった剣を持った巨体なアンデッドが、突っ込んで犯人だろう
その後ろには同じタイプのアンデッドが盾ではなく2対の剣をもっていた
「あいつが大将か、わしは大将を討つ、それまで戦線を維持せよ」
大将を討ったところで敵の士気に影響はないだろうが
こちらの士気は上がるだろう
ノッブは好き勝手に暴れるアンデッドの元に向かう、
近場の足軽に指示をするが
「頑張れよノッブ!!!」
足軽は指示を受け、グッチョブと、まるで親友かのように
「殺すぞ!!!?」
あまりにも敬意がない足軽に思わず足を止めて怒鳴るノッブだった
~(やはりあの)~
かの時代にはアンデッドなどは存在しない
そのため一体を殺すだけでもかなり手間取っていた
あの程度の軍なら既に放った死の騎士と死の戦士でこと足りるだろう
デミウルゴスの実験とはなんなのか、大方、人体実験、
だろうが、そんなことを考えるなか
自分が使役する2体のアンデッドの信号が、操り人形の糸が、切れたようにブツリ!と切れた
「どうやら、当たりを引いたようだな」
召喚された2体のアンデッドがやられたのだ
千里の鏡をで偵察を行った限りそのような存在は確認出来なかった
「やはりプレイヤー、もしくはそれに連なる者か、どう思うデミウルゴス?」
アインズはニヤリとほくそ笑みながら忠臣にして随一の知恵者デミウルゴスに問う
その声から胃の痛みは治まったようだ
こころなしか声が弾んでいるようだ
「仰るとおりかと、アインズ様、念のためにコキュートスを向かわせております」
「流石アインズ様です、想定通りということですね」
二人の知恵者が流石とでも言うような目を向ける
ここで油断してはいけない、まずは情報の収集、分析など出来ることなら捕縛して色々と話を聞きたいところだが
そう思いながら今後について思案しているなか
「「は?」」
この場には似つかわしくない、腑抜けた声が響く
驚いて顔を見上げると
千里の鏡をみて呆然と、目を点にする二人の姿があった
何事かとアインズは千里の鏡をみる
「え?」
なにあれ?
鏡には巨大な軍服を着たファンシーな見た目で2頭身の謎の生物が映っていた