戦姫絶唱シンフォギア 〜アギトになった少女〜   作:AKIRA@お豆腐メンタル

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アギトCSM発売の衝動に駆られ、書いてみることに。
今のところ、シンフォギアの一期だけを想定してます。

それでは、どうぞ。



第1話「目覚めの時」

人の可能性はアギトへと成れるそうだ。極限の状態へ陥った時、人は限界を超える可能性を持つ。

 

ただ、その限界を超えた先は人によるけれど。

 

善意の為か、悪意の為か、はたまた、己の為か。

 

 

_______________

 

第1話「目覚めの時」

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そこは、ライブ会場だった。人々が荒々しく逃げ惑う最中、色とりどりな異形が人を灰にしようと近寄る。

 

それを許さんとし、この場に現れた二人の装者が居た。その者達はその異形を次々と倒し、灰へとかえていった。

 

「早く逃げろ!」

 

そんな声が聞こえた気がする。自分は友人と家族、三人で来るはずだったライブに、一人の家族とだけ行く事になり、その家族もこの騒動の中ではぐれてしまった。

 

探さなきゃ·····。そう思うと足は動いた。人の波に揉まれて今、自分がどこにいるのか分からない。逃げ惑う人々と逆走をし、会場へ戻ろうとする。

 

 

一際大きな音が響いた。

それは、何かが砕け散る音だった。

ようやくの想いで会場へと戻った時、一人の家族は胸の辺りから血を流していた。

 

「響!!·····あっ·····」

 

オレンジの人が響のもとに駆け寄る。

 

声が聞こえた。

 

「生きるのを諦めるな!」

 

そうだ、諦めちゃダメだ。諦めてしまうのは嫌だ。

 

そう思った時、自然と体が動いた。

両手をクロスし、左腰辺りへと持っていく。右手は一度前へ突き出してから、素早く肩の方へ動かし、その後、ゆっくりと右手を前に突き出す。

 

 

『変身!!』

 

 

そこからの記憶は、覚えてない。

 

 

________________

 

 

時限式ではここまでか、ここまでなのか。もうダメだと思った。いつの日か平和な世にと願い。せめてこの子だけでもと思い。最後の唄を歌おうとした。

 

生きるのを諦めるなと言いつつ自分が諦めてるような気がしなくもない。

 

心に決めて、立ち上がった時、会場の出入口付近から声が聞こえた。

 

『変身!!』

 

強い光でソイツが誰なのか、男なのか、女なのかすら分からなかった。

 

光が納まった時、そこにいた人物は普通とは異なる姿をしていた。

 

金色の角、金色の胸部。尖った肩、特徴的なベルト。手足首の金。

 

そして、真っ赤な双眸。

 

 

「お前は·····」

 

そう口にした時、既にアイツは駆け出していた。

 

 

「フッ!·····ハッ!!」

 

短く息を吐くようにして繰り出される拳。

時にノイズの攻撃を衝撃を逃す様に受け止め、蹴りを放つ。

そして幾つものノイズを屠る。

 

 

一瞬、加勢しようと前へ出ようと思った。だけど、此処で前に出ても足手まとい。そして、誰がこの子を守るのか。

 

近付くノイズを倒しながら、翼はこちらへ寄ってくる。

 

「アイツは·····一体·····。」

 

そう思った時、一際大きなノイズが小さなノイズを生み出していた。

 

 

「そこのお前!あのデケェのを何とかしねぇと終わらねぇぞ!」

 

 

気が付いたら声が出ていた。すがる想いで、何とかして欲しいと思い。いつの間にか声が出ていた。

 

アイツは一度こちらへ顔だけを向け、頷いた。意思の疎通は可能なようだ。

 

すると奴は巨大ノイズの方へ向き、何かの構えを取り始めた。

 

頭の角が開いて、本数が2本から6本になる。何をする気なのだろう。

 

両手を前で広げ左掌は下へ向き、右掌は上を向く。それと同時に左足を前へ滑らして構えをとった。

 

足元には黄金の何かのマーク。まるで龍の顔のようなような。

 

その後、左手は腰の方、右手は体の前へ捻るようにして左足を右足より後ろへ移動させ、姿勢を落とす。

 

龍のマークのようなものはその足へ収束していく。

 

一段と深く腰を下ろした瞬間、奴は飛び上がった。

 

巨大ノイズへ向け右脚を伸ばし、左脚は閉じた形をとる。

 

そのまま奴は巨大ノイズに吸い込まれるようにして蹴りを放った。

 

奴が着地をした後。巨大ノイズは爆発四散した。複数ノイズが残っていた様だが今の爆発に巻き込まれほとんどが灰となって消えた。まだ数える程度に残っていたように思うが自然消滅していった。

 

事態が収まり、一課の部隊が現場に入ってきた時、奴はいつの間にか居なくなっていた。だが、アイツが居たであろう付近には一人の少女が倒れていた。

 

________________

 

 

いつからだっただろうか、自分に記憶と呼べる物が欠損していると気がついた時は。

 

ある日、普通に日常生活を送っていると、ふと、思い出せない事があった。

昔の自分は、何をしていたのだろうか。

 

時々、そんなふうに考える事はあったけれど、今が忙しいからと思い、度々忘れる事にしていた。だが、今回はいつもの様に忘れようとすることが出来なかった。

 

「何をしてたんだろう·····」

 

そう独り言を言っていると、後ろから声が聞こえてきた。

 

「またそれ?もう何度目?」

 

後ろから響が話しかけて来た。もう何度目か分からない独り言に飽きて来たのだろう。普段ならすぐに気持ちを切り替えられたが、今日はそうはいかないみたいだ。

 

こんな日は、何かがある。

 

そういえば今日はツヴァイウィングのCDの発売日だったか。

 

「響、帰りは·····気をつけた方がいい。なんだか今日は、嫌な予感がする。」

 

「も〜、心配性だなぁ、輝は」

 

そういう心配性なところ、未来にそっくりだね、なんて言われつつ学校へ向かった。

 

_____________

 

帰りのホームルームが終わり、放課後になった。

 

「今日この後どうする?」

 

友人達が近寄ってきて話しかけて来た。

 

「ふらわー行ったりする?」

 

せっかくのお誘いだが今日は全員用事がある。

確かにあそこのお好み焼きは美味しい。だが、今日は響はCDを買いに出かける、私は未来と部屋へ帰って料理して待つ、という用事なのだ。

 

「うーん、ごめんねー。CD買いに行くんだ。だからまた今度!」

 

「私達は帰ってご飯作る準備しなきゃだしね」

 

そう断りを入れてCDの話になった。

 

「そういえばまだCD買いに行ったりするんだ。今ではダウンロード版とかあるのに」

 

「初回特典が違うのだよ〜」

 

なんて会話をしてたら、

 

「じゃあ発売日なら急がなきゃいけないんじゃない?予約した?」

 

と聞かれ、響は顔を青くしていた。

 

「あぁ、予約してなかったんだ·····」

 

「いってきまーす!!」

 

響は鞄を持って教室を飛び出して行った。

 

友人達は忙しい子だね、なんて言ってたのでそれに同意しつつ私達も教室を後にした。

 

______________

 

今日の晩御飯は何にしようかな。

 

「未来?今日の晩御飯、何にする?」

 

「うーん、今日はハンバーグにする?」

 

「お?いいねぇ、あ、なら食材足りなかったよね?私買ってくるよ」

 

「じゃあ、お願い」

 

「任されました!」

 

ビシッと敬礼の様なポーズをとって冗談ぽく応えてた。

 

「先に帰って待ってて?今日はちょっと、嫌な感じがする」

 

少しだけ真面目な顔をして言うと、未来は縁起でもないことを言わないでと言わんばかりの表情だった。

 

「もう、輝のその予感はかなりの確率で当たるんだから!」

 

もしかしたらCD買えなかったとかかもね、なんて言いながら私は買い物へ早々に向かった。

 

____________

 

 

さてと、何が足りなかったかな。

挽肉が3人分は無かった気がする。

今更であるが私たち3人は寮生活で、同じ部屋で生活をしている。

珍しい話だけど同じ部屋に3人というのを許可を得ている。

 

響は殆ど食べる専門で、私と未来がだいたい交互に作っている。3人で一緒に料理する事も勿論ある。

 

スーパーの挽肉コーナーでお肉を探してると突然頭が割れるほど痛くなった。

手に取っていた挽肉のパックを丁寧に戻して、暫く頭を抑えてると、『カ-ン!!』というような音が鳴った感覚があった。

 

気がついた時、私は走り出していた。

 

程なくしてけたたましい音が鳴り響いた。ノイズ発生を報せる警報だった。

自分はそれに構うこと無く走り続けた。

 

 

必死だった。

嫌な予感の塊をぶつけられた感覚がして走った。道中、灰の山を目にし、間に合わなかったと感じた。だけど、その嫌な予感がした場所は灰の山があった場所ではなかった。

 

目的地に着いた時、辺りはどこかの工場だった。

 

 

怪異は目の前にあった。ノイズだ。

体は勝手に動いていた。

 

『変身!!』

 

突如現れたベルトのサイドのボタンを両手で押し、オルタリングが強い発光をし始める。その発光に当てられたノイズ達は色合いが変わっていった。存在している次元がこちら側になった証であろう。

 

待機状態のまま、ゆっくりと歩く。

 

近寄ってくるノイズを殴る。

自分の拳はノイズを屠った。

体は灰になることはなく。

数体ノイズを倒した後、姿が変わった。

 

 

ノイズが初めて言葉と呼べる物を発したと思う。

 

 

「AGITΩ」

 

それが偶然なのか必然なのかこの場にわかるものはいなかった。




最後まで読んでいただきありがとうございました。
続けばいいなぁ。
感想くれると嬉しいです。
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