【急募】ヤンデレな彼女と別れる方法【助けて】 作:しろとらだんちょー
唐突だが、俺は陰に住む者だ。名前は
陰に住んでるから唯一自分に関わってくれる後輩にも直接話せないし、それ以外だったら存在すら認識されていない。家族はいないから俺の人生はまさにその後輩に託されてる訳だ。……ん? 託されてるが大袈裟だって?
ところがどっこい、そうじゃないんだな。思春期と言う名の発情を受け止めてくれてるし、女子慣れしてない俺が失礼な事を言っても怒らないでくれる。いや、『それ、私以外に言わないでくださいね』という言葉が怒りから来ていたなら怒られてたのかもしれないな。
まぁ、それは追い追い考えよう。どうせすぐ考えなきゃいけない事だしな。……で、つい先日。MY・LOVE・後輩の事をスレの奴らに自慢しようと思ったのだが……
「……これ、案外図星だな」
【無理矢理してるって事もあり得るやろ?ってことや。本当に照れ屋ならいちゃいちゃがどうだの知ったこっちゃないけど、『断らない』や『自己表現が乏しい』を拡大解釈してるんならかなりマズい。性別の違う先輩って立場だから尚更や】
正論(らしきもの)パンチをカウンターで喰らってしまった訳だ。しかも『違うし!!!』と声を大にして言い切れない。思い当たる節があるからだ。
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『はぁ……胸を触りたい、ですか。勝手にしたらどうですか?』
『…記念日? たった一か月じゃないですか。しかもセクハラの記念って……趣味悪いですよ、先輩』
『バレる事に怯えるくらいならやめればいいじゃないですか。それに、私が誰かに相談するっていう事を心配していないのも馬鹿ですね。……はぁ、するならとっくにしてますよ。そんなに怖がらないでください』
『楽しめ、って……こんな事要求されて何を楽しめっていうんですか? 恋人同士の時間でも何でもないんですよ。分かってますか? ……本当に、先輩って馬鹿ですよね』
『何で私が嫉妬なんてしなきゃいけないんですか。むしろ喜ばしい事でしょう。〝あの〟先輩が女子に話しかけられるという進化を成し得たんですから。……嘘、ですか。まぁそんなところだろうと思ってましたけどね』
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「そんな好かれてなかった気がする…!!!」
思い返せば、別に楽しそうにもしてなかったし、俺の事を好きだと一言も言ってない。『内心思ってるかも』なんて考えてみたが、それは悪い方向でも受け取る事が出来る。まぁ、つまるところ…
「やめるか!セクハラ!」
セクハラと称するには少しイキスギだったような気もするが、誠心誠意謝ればきっと許してくれるだろう。いや、まずは行動からか。極度のコミュ障の俺にとって謝るなんてのはハードルが高すぎるからな。
早速、明日から変わっていこう。何から止めていけば自然だろうか。
断言しよう。女子は気がない奴に体なんか触らせない、と。