【急募】ヤンデレな彼女と別れる方法【助けて】 作:しろとらだんちょー
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百合またはガールズラブは、女性の同性愛のこと。また、それを題材とした各種作品。作品の場合、女性同士の恋愛だけでなく恋愛に近い友愛や広く友情を含んだ作品も百合と言うことが多い。(Wikipediaより引用)
そんな尊くも神々しい存在、百合。その間に挟まる男はどんな解釈をされ、どんな仕打ちをうけるのか。分かりやすく言おう。【邪推】かつ【邪悪】、【抹殺】かつ【惨殺】だ。俺自身もその清く正しい思想を持つ一人であり、常日頃から百合の発展と安寧を心から願っている。
「貴方は時計が読めるかしら?」
「……読めます」
「では聞くわ。今、何時何分?」
「16時……52分です」
「あら、当たってるわ。出来ないのは計算の方だったのね。いや、それとも……記憶能力の方がお粗末……?」
だから、少しくらい見逃して欲しい。確かに『15時までに帰る』という約束を破ったのは間違いなく俺の過失だし、それに伴った叱責と罵倒も全て正しい。けど俺の帰りの時間とか別に気にしなくていいし、頭の片隅にすら存在しなくていいと思うんだ。その分のキャパシティを、ぜひパートナーの方に使って欲しいから。
「お姉さま、そんなに言っては可哀そうですよ? 兄さまもきっと悪気があった訳じゃないと思うんです。外出に乗じて他の用事を頼んだのは私達ですし、勝手に門限を設けたのも私達。それらを踏まえて、今一度兄さまを責めてあげてください!」
百合姉のパートナー。百合妹が、ありがたい事に助け船を出してくる。でも責められるのは確定事項なんだね。
「ふぅん……まぁ、そうね。でもこいつはその門限に了承した訳だし……全ての看過は出来ないわ。何かしらの誠意を見せない限り、私の機嫌は変わらない」
「……一度了承したにも関わらず、約束を果たせなかった事……大変不甲斐なく思います。以降は頼まれた際も完遂できるか否かを考え、再発防止に尽力致します。……本当に、申し訳ありませんでした」
「ちーがーう! そうじゃないでしょ? 前にも言った筈よ、謝 罪 の し か た」
「しかし……」
「『しかし』? 何よ、何か言いたい事でもあるの? 貴方が、私に?」
もうこれで良いじゃないかよ。これ以上ないくらいの誠意を俺は見せたぞ。そもそも前言われた謝罪の仕方は、これと比べると全然礼儀作法とかなってないのに。でも、あれをしないとどんどん機嫌が悪くなるだけなんだろうな。やるしかないか。
「…………ごめんな、リリィ」
「ふん、それでいいのよ」
あぁ、これ嫌だ。こんな親密にしなくてもいいじゃんかよ。
「あ、ずるい! ねぇねぇ兄さま、私も謝って欲しいです!」
「……ユリィもごめんな」
「はい! 許します!」
今はもう諦めてるから大人しく二人共に言ったけど、普段なら超で極な渋りを見せるところだ。いや、〝普段〟ではないな。〝昔〟だ。ここ二・三年から急に、渋ると不機嫌になる傾向が強くなったんだ。昔は絶対敬語じゃないと駄目だった癖に……これがもし気まぐれな態度だったら、さっさと元に戻って二人でいちゃこらしていて欲しい。
「どこに行くのよ。菓子も揃って、せっかく紅茶も入れたのに……まさか飲まずに立ち去るなんて事はないでしょうね?」
「いえ、二人だけでお楽しみいただければと思いまして」
「私は兄さまもいた方が楽しいですよ!」
ユリィ……この場では唯一の味方だと思ってたのに、助け舟を出してはくれないのか。いや、それならむしろ敵になりきってくれ。それで俺の事を考えないでくれ。
「貴方程度の存在、いてもいなくても私は興味ないわ。庶民じゃお目にかかる事も出来ない物なんだから、大人しく食べていきなさい」
いてもいなくてもいいんなら帰らせて欲しい。興味がないんなら帰らせて欲しい。でもこんな事、身分が違い過ぎて口に出す事も叶わない。
「はい……」
俺は大袈裟に絶望の表情を浮かべて、テーブルの上に菓子を食べる準備を始めた。
短い……だが次の話は長い