インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐ 作:フジパンホンジコミ
よりによってこいつがこの学園に来るとはな。
今は織斑との会話で気づかれていないが、いつか気づかれるだろうな。
俺は織斑と鈴のやり取りに目を向けるとぷっと笑ったあとに織斑が口を開いた。
「何格好付けているんだい、全然似合っていないよ鈴。」
「んなっ・・・・!?千秋っアンタなんてこと言うのよっ!?」
「事実を言ったまでだよ。それに――」
「おい。」
「なによ!?」
バシンッ!
出席簿による強烈な打撃が鈴の頭に直撃した。
相変わらずの威力だなあの一撃でどれだけの脳細胞が死んだのだろう。
「SHRの時間だ、さっさと教室に帰れ。」
「ち、千冬さん・・・」
「織斑先生と呼べ。それと入口を塞ぐな。邪魔だ」
「は、はい・・・・またあとで来るからね!逃げないでよ千秋!」
「さっさと戻れっ!?」
「は、はいっ!?」
鈴は慌てて教室から出ていった。
なんとかバレずに済んでよかった。
そのあとも昼食を注文している時に鈴とはち合わせるが気づくことはなかった。
もしかしてこの容姿だから気づかれることはないのかもしれない。
なら安心していいのかな。
そう思いながら俺は昼食を食べた。
授業も終わり放課後、俺は刀奈さんと簪と一緒に生徒会室で書類を片付けていた。
「虚さんこっち終わりました。」
「それじゃあ次はこれをお願いいます。」
「了解です。」
「虚さんここなんですけど。」
「簪お嬢様そこはですね。」
「お姉ちゃんこれは~?」
「本音それは―――」
この人は3年の布仏 虚さん、苗字から分かるようにのほほんさん――布仏 本音のお姉さんだ。
生徒会で会計の仕事をしていてちょっとお堅い部分もあるがとても優しい人だ。
「お嬢様、そちらの書類が終わったなら次はこちらをお願いします。」
「ううっお願い虚ちゃん、休ませて・・・」
「休みたいなら早く終わらせてください。」
そう言いながら次々と未処理の書類を持ってくる虚さん。
「言っておきますけどこれだけの書類を溜めていたのはお嬢様なのですから。」
「うわーん虚ちゃんがいじめるよー、一夏くん、簪ちゃん助けてー!!!」
刀奈さんが泣き言を言ってきたが俺と簪は―――
「黙って手を動かしてください刀奈さん。」「黙って手を動かしてお姉ちゃん。」
「二人にも見捨てられたー!!!」
―――――――――
――――――
―――
ようやくすべての書類を処理し終え休憩していたが、俺は朝のことを思い出し二人に話しかけた。
「簪の専用機の製作どこまで出来てるんだ?」
「えっとデータとかはそろっているんだけどほとんど手づかずの状態なの。」
「一応基本武装1つの内、近接武器である対複合装甲用超振動薙刀『夢現』は完成してるけど残り2つがまだなのよ。」
「名前は春雷と山嵐って言うの。」
「でその2つはどういったものなんだ?」
「春雷は速射性に特化した荷電粒子砲で山嵐はマルチロックオン・システムによって8門のミサイルポッドから独立稼動型誘導ミサイルを発射する武装。」
結構いい武装を発案したもんだ俺の彼女は。
まあ春雷の方はどうにかなるとして問題は山嵐の方だ。
マルチロックオン・システムか・・・確か第三世代の技術だったか?
確かに学生だけでこれを作るのはまず不可能に近いな。
それに専門的な部分があるからちゃんとした技術者に頼むのが一番。
としたらあの人たちに頼むしかない。
そう思い至った俺は急いで残りの書類を片付け、ポケットから携帯を取り出し電話をかける。
プルプルプル プルプルプル
ガチャ
『はい亀山ですけど。』
「あ、母さん俺だけど。」
『あら一夏どうしたの急に電話してきて?』
「実は父さんに頼みたいことがあるんだ。」
『頼みたいことですか?――わかりましたちょっと待っていなさい。』
そう言うと電話から保留中のメロディーが流れてきた。
どうやら父さんを呼びに行ったらしい。
もしかして仕事中だったのか?
「一夏くん今電話に出たのってさとりさん?」
「ああそうだけど。」
「もしかしておじ様に頼むの?」
俺は簪の問いに答えるように首を縦に振る。
すると保留中のメロディーが聞こえなくなり、父さんの声が聞こえてきた。
『どうした一夏?俺に頼みたいことがあるらしいな。』
「俺じゃなくて別の人なんだけど。」
『それは誰なんだ?』
「今変わるよ。」
俺は携帯を簪に渡した。
簪:SIDE
私は一夏から携帯を受け取り、おじ様に話しかける。
「もしもし。」
『おっその声は簪ちゃんか?』
「はい、おじ様お久しぶりです。」
『俺に頼みたいことがあるそうじゃないか、言ってみなさい。』
「実は―――」
私は専用機の状態を丁寧に説明していく。
事情を話し終えるとおじ様は――
『確かにマルチロックオン・システムは今の簪ちゃんたちで完成させるのは難しい代物、だから俺に連絡をしたわけか。』
「はい。なんとかできませんか?」
私はダメ元で頼んでみた。
すると―――
『できなくもない。』
おじ様の口からそんな言葉が出てきた。
私は少々声を荒げておじ様に聞く。
「ホントですか!?」
『だがスタッフを集めて完成に至るまで少し時間を食うかもしれないけどそれで構わないか?』
「はいそれでも構いません。」
『わかった、システムが完成次第そちらに贈ろう。それと機体なんだが参考になるカタログを一夏が持っていたから見せてもらうといい。』
「何から何までありがとうございます。」
『そりゃ未来の義娘の頼みごととあればお安い御用だ。』
「ふぇ/////」
おじ様のその言葉を聞いて私は顔を真っ赤にする。
それじゃあまたと言っておじ様は電話を切る。
私は先ほどの言葉が頭から離れず携帯を耳に当てた状態で立っていた。
「簪?」「簪ちゃん?」「おーいかんちゃん。」「簪お嬢様?」
「っな、なんでもないよ!?(おじ様が言ったことは聞こえてなかったみたい)。」
私は慌てて携帯をすぐに一夏に返す。
「父さんはなんて?」
「一応時間はかかるけどシステムを作ってくれるって。」
「そうか良かったな。」
「あと機体の参考として一夏が持ってるカタログを見せてもらえって言ってたよ。」
「あーあれか。ちょっと待ってろ。」
一夏はカバンの中からノートパソコンほどの大きさのタブレットを取り出して私に見せる。
「これがカタログだ。」
「ありがとう一夏。」
一夏は私にタブレットを渡したあと取りに行くものがあると言って生徒会室から出て行った。
私はタブレットを操作し専用機の参考になる機体を探し始めた。
へぇーいっぱいあるのね。
学園やほかの企業よりもかなり高性能なものばかりだ
私はタブレットに記載されている機体を一つ一つ見ていく。
あ、これなんて良さそうだ。
パッケージを使用しないでタイプごとによって違う武装を使うことのできるハードポイントシステムを使用した機体。
タイプは標準型、格闘戦特化型、砲撃戦特化型の3つか。
これなら戦闘ごとにいろいろな対応が出来そうでいいな。
それに『拡張領域(パススロット)』もほとんど使用していないから後付けで武器を追加できる。
これだったらなんとかなるかも。
私は機体の選択が終わったあと追加の武装もある程度決めた。
追加の武装はM950マシンガン、M13ショットガン、ツイン・マグナライフルの3つ。
ある程度決めた時にお姉ちゃんが話しかけてきた。
「どう簪ちゃん何かいい機体があった?」
「うん、この機体を参考にさせてもらおうって思うの?」
私はお姉ちゃんにタブレットに載っている機体を見せる。
「なるほど換装システムを使用した機体か。使い勝手も良さそうだしいいんじゃないかしら。」
「でしょ。」
すると生徒会室に帰ってきた一夏が私たちのそばに来ていた。
「どうやら決まったようだな。」
「うん。」
「参考にする機体も決まったことだし早速こいつのデータを送ってもらって明日から作業を始めよう。」
こうして私の専用機作りが始まった。
簪の専用機である『打鉄弐式』は量産型ゲシュペンストMK―Ⅱの要素を詰め込んだ機体に改造いたします。