インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐ 作:フジパンホンジコミ
休日の土曜日にアリーナの整備室に生徒会のメンバーが集まって作業をしていた。
集まっていた理由は簪の専用機である打鉄弐式を造っているからである。
しかも整備室には俺、簪、のほほんさん、刀奈さん、虚さん以外の人間もいた。
「そこの部品取ってー。」
「違う違う、そこの回路じゃなくてこっちの回路につないで!」
「この武装の取り付けは、背部から腰部に変更して!!!」
「ここの装甲はこうでよかったんだっけ?」
「誰よこんなところにスパナおいたの!?」
「あー処理が追いつかない!もう一台ノーパソ持ってきて!!!」
リボンの色を見ても、1年生はたったの3人に対して2年生、3年生が多かった。
それは刀奈さんと虚さんが2、3年の整備部の人に声をかけてくれたからである。
普通だったら3週間ほどかかる予定だったのだが、ISの整備経験のある先輩たちが応援に駆けつけてくれたことで、作業が捗っている。
その為、予定していた時間よりも早く完成しそうなのだ。
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―――
あれから数時間が経ち装甲や武装を装着し終わり今は休憩を行っている最中だ。
お茶を飲んでいると休憩中の薫子先輩を見つけ俺は近寄った。
「すいません先輩、手伝ってもらって。」
「いいって楯ちゃんや虚先輩の頼みだし、それにこんなコンセプトの専用機をいじれるって聞かされちゃいてもたってもいられなかったから。」
薫子先輩がニカッと笑いながらいう。
「じゃあ部活があるから私はもう行くね。」
そう言って薫子先輩は、整備室から出て行った。
俺は未だ椅子に座って休憩をしていた簪と刀奈さんを見つけ空いていた隣の椅子に座る。
「これならクラス対抗戦に間に合うな。」
「うん、お姉ちゃんや虚先輩たちに感謝だね。」
「あとはマルチロックオン・システムだけね。」
「うん、そういえばおじ様からなにか連絡あった?」
「いや、おそらく作業に没頭しているんだろう。」
「そっか・・・あれから一週間か。」
簪が父さんにシステムの作成を頼んでから既に一週間が経っていた。
しかし、肝心のマルチロックオン・システムが届いていなかった。
やはり父さんでも難しかったのかな。
俺がそう考えていると――
「亀山君、いますか?」
と声が聞こえてきたので俺は声のした方に顔を向ける。
山田先生じゃないか。俺に何の用だろう。
俺はここに居ることを知らせるために手を挙げる。
それに気づいた山田先生は、俺のところにパタパタと走ってくる。
「見つかってよかったですよ。」
「山田先生、俺に用があるんですか?」
「はい、実はお客様が来ているんです。」
「「客?」」
俺に用がある人って誰だ?
「俺たちだよ一夏。」
俺は聞き覚えのある声を聞いて山田先生の背後へと目を向ける。
そこには、ひと組の男女が立っていた。
俺たちはそのひと組の男女を見るやいなや声をかけた。
「父さん、母さん!!!」
「「おじ様、さとりさん!!!」」
そう俺の両親が学園に来ていた。
「よう二人元気してたか一夏。それに久しぶりだな、刀奈ちゃんに簪ちゃん。」
「お久しぶりですおじ様、それと学園では私のことは楯無でお願いします。」
「わかった。」
「どうしたんだよ、父さんと母さんが学園に来るなんて。」
「野暮用があってきたんだよ。」
「「「野暮用?」」」
「これです。」
そう言いながら手に持っている銀のアタッシュケースを見せる。
俺と簪は、アタッシュケースに入っているものがなんなのかすぐにわかった。
「父さん、もしかして・・・」
「ああ、完成したから直接俺達が届けに来たんだ。」
「あなたと簪ちゃんと楯無ちゃんをびっくりさせようと思って。」
びっくりさせるだけでトップ二人が来るって会社の方は平気なのか?
「心配いりません。代役を置いてきたので。」
代役に選ばれた人すいません。
「それで一夏、簪ちゃんの専用機の製作を行っている場所はどこだ?」
「ここからまっすぐいったところだけど。」
「そうか。」
父さんはアタッシュケースを持って俺の教えた方に向かって歩き出す。
そのあとを俺たちも追いかけた。
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――――――
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カタカタカタカタ・・・・・・
空中に投影されたパネルを高速で打ち込んでいく音が整備室に響いていた。
現在父さんは打鉄弐式に作製したマルチロックオン・システムをアップロードしていた。
それと併用してもう片方の手でブースターの出力調整や各駆動部の細かい設定などを行っていく。
母さんも武装関連のエネルギーの出力の調整や、火気管制システムの間違いがあるところを修正したりしていた。
父さんはともかく母さんもけっこう機械に詳しかったんだな。
「これで良しと。」
「こっちの方も終わりましたよ。」
「それじゃあ、初期化(フィッティング)と最適化(パーソナライズ)を済ませてしまおうか。簪ちゃん。」
「はい。」
簪は、ハンガーに鎮座している打鉄弐式のところまで歩いてゆきISを身にまとう。
そのあと父さんと母さんが空中投影のキーボードにデータを入力していく。
データを入れ終わってから30分が過ぎようとした瞬間、最適化が起こりようやく簪の専用機が完成した。
「完成したな簪。」
「うん。」
「それじゃあ飛行テストと武装テストをしに行こうか。」
俺たちは場所を整備室からアリーナへと移動した。
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簪:SIDE
「どうだい簪ちゃん、操作に不備はないか。」
「大丈夫です。」
私は手と腕のマニピュレーターを動かしながらおじ様に返答する。
ここまでスムーズに動かせるなんてお姉ちゃんや先輩たちに感謝しなきゃ。
私は飛行を行うためにアリーナへと向かう。
『それでは飛行テストを行います。オペレーターはさとりが行います。』
「よろしくお願いしますさとりさん。」
『まずは普通に飛んでください。イメージとしては幻想郷で飛んでいた時の感覚でするといいですよ。』
「わかりました。」
私はゆっくりと地面から離れ空を飛び始める。
『どうですか調子は。』
「大丈夫です。」
『それではまずアリーナを一周廻ってきてください。そのあとに基本動作の確認などを行ってください。』
「了解です。」
私は、アリーナを一周廻りながら姿勢制御スラスターや脚部ブースターの出力の確認を行い、一周廻り終わったあとは指示どうり飛行の動作確認を行った。
飛行テストもなんとか無事に終わらせ、次に武装の確認を行うようにさとりさんから指示がきた。
それから2時間にも及ぶ武装の確認が終わり私はピットへと戻る。
「ようやく終わった。」
標準タイプは比較的早く終わったけど、近接格闘特化タイプと砲撃特化タイプは武装のエネルギー効率を修正するのにだいぶ時間を浪費してしまったが私の満足するものに仕上がった。
私は打鉄弐式を待機状態に戻し一息つく。
そこへ一夏とお姉ちゃんが近づいてきた。
「お疲れ簪。」
「お疲れ様簪ちゃん。」
「あれ?おじ様とさとりさんは?」
二人の姿が見えなくて私は一夏とお姉ちゃんに聞いてみると、武装の確認が終わると同時に帰っていったらしい。
理由は、会社から電話があったらしいとのことで私はそれはしょうがないと思った。でも――
「お礼、言いたかったなあ。」
「また機会があると思うからその時言いましょ簪ちゃん。」
「うん。」
「それより着替えてきたらどうだ。」
「そうだね、ちょっとここで待っててもらえる?」
私は一夏とお姉ちゃんにそう伝えてから制服に着替えるために更衣室へと向かった。
その日は一夏と私とお姉ちゃんの3人で作った夕飯を本音や虚さんと一緒に生徒会室で食べながら打鉄弐式の完成を祝った。
ナハト・リコリスさんクロスしていただきありがとうございます。
簪の専用機である打鉄弐式の基本武装の春雷なのですが、これは背中から腰部の方へと移動しております。(作中でもそのような描写が書かれています)
追記:初期化(フィッティング)が初期化(フィティング)になっていた為、修正いたしました。あとさとりが刀奈と呼んでいたので楯無に変更いたしました。