インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐ 作:フジパンホンジコミ
ギャオス討伐のあと、アリーナにいた俺たちはモニター室にいた織斑先生と山田先生に呼び出されていた。
ちなみに織斑は、気絶していたので保健室に運ばれていった。
「亀山、更識姉、更識妹、オルコット、鳳、よくやったと言いたいところだが、あまり危ないことはしてくれるな。見ていてこっちはヒヤヒヤしていたのだぞ。」
「そうですよ~もし皆さんに何かあれば私・・・」
そう言って、山田先生が泣き出してしまった。
俺たちは、泣いている山田先生に申し訳ないと感じていた。
「頑張ってくれたことには感謝するが、先生方を心配させた罰として、反省文二十枚を書いてもらう。」
俺たちは、妥当な処分だと思いこれを受け入れた。
織斑千冬の話はまだ終わっておらず続けて話し始める。
「それから篠ノ之の処分なのだが。」
織斑先生がそう言いだした途端、篠ノ之が目を見開いて驚いていた。
「なぜ私が、処分を受けねばならないんですか千冬さん!?」
篠ノ之が騒ぎ出す。
「織斑先生だ・・・・理由は中継室にいた先生と生徒を危険に晒した行為だ。」
「「!?」」
「オルコットと鳳が防いでくれなかったら、お前を含めた中継室にいたものは死んでいたかもしれないんだぞ。それを分かっているのか篠ノ之?」
「うぐっ・・・・そ、それはそうですが・・・」
「よってお前には5日間の自室謹慎と反省文四十枚だ。」
ヘェー身内贔屓するのかと思っていたが、ちゃんと教師をしているじゃないか。
少しは見直せたかな。
「なっ!?(なぜ私だけこんな扱いを受けねばならないんだ!?)」
箒はプルプルと震えながら、掌をギュッと握り唇をかみしめていた。
「あとの自己処理は我々が行う、お前たちはもう部屋に戻って休め。行こうか山田先生。」
「ぐすっ・・・は、はい。」
ようやく泣き止んだ山田先生を連れて、織斑先生はモニタールームを退出していった。
「俺らも戻るか。」
俺の言ったことを皮切りに、篠ノ之以外が部屋から退出していく。
この時、篠ノ之は憎しみの篭った目でモニタールームの床をじっと眺めていたらしい。
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「あーっ、やっとゆっくりできるわ。」
刀奈がベットに腰掛けながら背伸びをする。
ちなみに刀奈の目の前のベットには一夏が座っていた。
「一夏、お姉ちゃんお茶が入ったよ。」
簪が入れたてのお茶をお盆に載せて運んできた。
「お、サンキュー。」
「ありがと、簪ちゃん。」
「熱いから気をつけてね。」
一夏と刀奈は、あちちと言いながら湯呑をお盆から取り、一口飲む。
「うん、うまい。」
「あー美味しいわ。」
「ふふ、ありがと。」
簪も刀奈の隣に座り、手に持っていたお茶を飲む。
ふぅと一息ついたあと、簪は手に持っている湯呑をギュッと握りしゃべりだした。
「なんとかギャオスを倒すことができたけど、あれってまだ幼体なんだよね。」
「ああ、あれ以上の大きさと強さを誇るギャオスはまだまだたくさんいるし、変異種もいるからな。」
「まだまだ序の口ってとこね。」
はぁとため息をはきながら刀奈が呟く。
「最低でも、一人で20mクラスのギャオスを倒せるくらい強くならないとな。」
「ハードルが高いわね。」
「それでもやるしかないんだ。こっちは成体のギャオスとまともに戦えるのは限られた人数だけなんだから。」
そう、現時点で成体のギャオスと正面切って戦えるのは、玄武などの守護神やさとり、紫などの幻想郷最強クラスの妖怪、映姫や加奈子といった神だけなのだ。
その為、ギャオスの数を減らそうにも相手は異常な繁殖力で減らされた数の分だけまた増やすといったいたちごっこが続いている。
「早く実力をつけて、少しでも父さんたちの負担を減らしてあげないとな。」
「そうね。」
三人は手に持っていたお茶を一口飲む。
「そういえば、新しいコンセプトのISってどうなっているの?」
「統夜に頼まれたあれか・・・図面が出来上がったって言っていたから多分月末あたりから製造が開始されると思う。」
「やっぱおじ様はすごいわね。」
このあと、明日の訓練メニューなどを確認して、お風呂に入りに一夏たちは就寝についた。(当然刀奈と簪は一夏のベットに潜り込んでだが)
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生徒が寝静まっている時間、千冬と真耶は学園の地下に極秘に設置された部屋に来ていた。
この部屋に来たのは、クラス対抗戦後に運び込まれたギャオスの死骸を解析するためである。
解析を開始してから2時間が経過。
千冬は解析を担当してくれた、真耶に近づく。
「どうだ山田くん、この生物について何かわかったか?」
「正直言ってお手上げです・・・」
「どういうことだ?」
真耶は目の前のモニターに目を移す。
目の前のモニターには、ギャオスを解析して出た結果が映し出されていた。
「運び込まれた生物は、一言で言えば生き物として不自然なんです。」
「不自然とはどういうことだ?説明してくれ。」
「はい、これを見てください。」
一枚の写真が、映し出される。
「山田くん、これは?」
「染色体です・・・あの鳥のような生物の。」
「なっ!?たったの一対だけだというのか!?」
「はい、大学の遺伝子研究チームに来てもらい調査した頂いたので、間違いないかと。」
「信じられん。」
千冬は、写されたギャオスの染色体をまじまじと見つめる。
「しかも、この染色体には無駄な塩基配列がなく完全な構造なんだそうです。」
「完全な構造だと?」
「はい、本来なら進化の過程で見られる遺伝子の欠損があるはずですが、この生物は様々な遺伝子情報があるためそれがないそうです。」
「そんな生物がありえるのか・・・」
「研究チームの方も言っていました。”この生物は進化の既決ではなく、最初からこの形で完成していたとしか思えない。”とのことです。」
それを聞いた千冬は絶句した。
「つまりあの生物は誰かによって創られたとでも言うのか!?」
「私に聞かれてもわかりませんよ。」
「っ済まない。」
「どうされますか、この生物の死骸は?」
「そうだな、委員会からの指示があるまでとりあえず冷凍保存しここに安置しておこう。」
「わかりました。」
「私は委員会に提出する資料を作ってくる。」
千冬は、真耶にそう伝えこの部屋から退出する。
「私ももう少し頑張りましょう。」
真耶もコンソールに手を置き、得られたデータをまとめていく。
二人の作業が終わり就寝についたのは、夜中の2時を回った時刻だった。