インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐   作:フジパンホンジコミ

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外伝2話目


狙われた理由と地底世界

 

 

 

刀奈と簪は目が離せないでいた。

 

異形な鳥の化物から自分たちを助けたくれた男の子から。

 

化け物と戦う姿に、二人はかっこいいなと思い頬を赤く染める。

 

化け物を倒した男の子が、二人の方に振り返り、”大丈夫か”と声をかけてきた。

 

 

「え、ええ////」「・・・うん////」

 

 

頬を赤く染めながら、刀奈と簪は返事をする。

 

 

「そうか、よかった」

 

 

安心したのか男の子は笑みを浮かべた。

 

その男の子の顔を見て、さらに顔を赤くする二人。

 

二人はいつまでも地面に座っているわけにもいかなかったので、立ち上がろうと足に力を入れるが――

 

 

「あ、あれ?」

 

「・・・足に力が入らない」

 

 

そう、二人は立ち上がることができなかった。

 

男の子はもしやと思い二人に話しかける。

 

 

「もしかして腰が抜けた?」

 

「みたい・・・ね」

 

「・・・私も」

 

「・・・・まあ、普通あんなのに襲われれば誰だって腰を抜かすのは当たり前だよな」

 

 

苦笑しながら男の子は答える。

 

それから数分した後、なんとか立てるまでに回復した刀奈と簪は、ふらつきながらではあるが立ち上がった。

 

 

「まだちょっとふらつく」

 

「けど立てないよりかは幾分かはマシね」

 

「そうだねお姉ちゃん」

 

 

簪は、自分が姉と普通に会話していることに気づき、照れ隠しをするために顔を背けた。

 

 

 

「さて、立てるようにもなったことだしさっさとここから移動しないとな。あいつら群れで行動する場合があるから増援でもこられたらたまったもんじゃない」

 

「それはそうね」

 

「でもどこに移動するの?」

 

「この世で一番安全な場所にさ」

 

 

男の子がそう言ったあと、刀奈と簪に近づき始めた。

 

 

「ちょっと失礼しますよっと」

 

 

そう言いながら男の子は刀奈と簪の腰に手を回す。

 

 

「えっえ、ちょっ、ちょっとどこ触っているのよ//////」

 

「/////」

 

 

男の子の突然の行動に二人は慌てふためく。

 

 

「暴れないで、しっかり掴まっとけよ!」

 

 

男の子がそう言った瞬間、足元に魔法陣が形成された。

 

二人は足元に出来上がった魔法陣を見てびっくりする。

 

 

「な、ななななにこれっ!?」

 

「これっても魔法陣!?」

 

 

アニメ等を見ている簪にはそれが何なのかすぐに分かったが、そういったことに疎かった刀奈は初めて魔法陣を目にして慌てふためく。

 

すると魔法陣が強い光を放ち始める、3人は光に包まれながらどこかへ消え去った。

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

刀奈SIDE

 

 

 

「到着っと」

 

「えっ!?さっきまで森の中にいたのよ!?どうなってるのよこれぇーーー!?」

 

 

 

私は現実に起こったこの現象に最早ついていけてなかった。なんせ森の中にいたはずなのにいきなり薄暗い洞穴のようなところにいたのだから。

 

あとになってわかったことだが、その時の簪ちゃんは内心は興奮しまくっていたらしい。

 

 

「それじゃ俺の後に付いてきてくれ」

 

 

男の子はそう言って歩き出した為、私と簪ちゃんも男の子の後をついていく。

 

 

 

数分くらい歩いていると大きな街が見えてきた。

 

その街は見るからに学校の歴史の教科書に載っているような昔ながらの町並みをしていた。

 

目の前の建物たちを見て目を見開く刀奈と簪。

 

だが街に入ってみるとに驚く光景が目の前に広がっていた。

 

角を生やしたたくさん人間?が歩いていたのだから。

 

 

「な、なんなのここの人たち・・・みんな頭に角が生えてる・・・」

 

「・・・」

 

 

刀奈と簪は街道を歩く者たちを立ち止まって見ていた。

 

 

「おーい道のど真ん中で突っ立っているとほかの人の迷惑になるぞ」

 

「そ、そうね」

 

 

彼の後に続いて私と簪ちゃんは歩きだそうとしたが、突如横からくぅーという音が聞こえてきた。

 

私が顔を横に向けると、顔を真っ赤にしてお腹を抑えている簪ちゃんの姿が映る。

 

そんな簪ちゃんを見て私は可愛いと思っていると、今度は私のお腹がぐぅーとなった。

 

 

「そーいえば、お昼も食べずに走りっぱなしだったのすっかり忘れていたわね」

 

「そうなのか?だったら丁度そこに飲食店があるからとりあえずそこの店で少し休憩がてら飯でも食べよう。もちろん今回は俺のおごりだから心配することはない」

 

「い、いいの?」

 

「俺が二人をこの場所に連れてきたからな。それくらいのことはさせてくれ」

 

「それじゃあお言葉に甘えてそうさせてもらおうかしら、簪ちゃんもそれでいい?」

 

「う、うん」

 

「そうと決まれば早速行こう」

 

 

そう言って彼はお店へと入っていった。

 

私と簪ちゃんも彼に続いて店の中へとはいる。

 

そして席に座り、料理を注文し終わり、待っている時間で私は改めて彼が何者なのか聞くことにした。

 

 

「改めてさっきは助けてくれてありがとう。あなたの名前を聞いてもよろしいかしら」

 

「そういえば自己紹介がまだだったな、俺は亀山 一夏だ」

 

 

亀山 一夏くん――なぜかしら苗字はともかく名前の方は最近聞いた覚えがあるわね。いつだったかしら?

 

っと今はそのことを考えるのは後回しにして、私たちも自己紹介しておかないと。

 

 

「17代目更識家の当主、更識 楯無よ。でこっちが妹の――」

 

「更識 簪・・・・・・です」

 

「楯無さんに簪さん・・・か、こちらこそよろしく」

 

「それで率直にあなたに質問があるのだけれどいいかしら?」

 

「質問?俺に答えられる範囲以内だったらいいぞ」

 

「ありがとう。まずは私と簪ちゃんが今いる場所のことを教えて欲しいの。それとあの生物のことを―――」

 

「なるほどね、わかった。まずここは――――」

 

 

まず最初に話してくれたことは、私と簪ちゃんが今いる場所のことだった。

 

幻想郷――そう呼ばれている世界に私と簪ちゃんは迷い込んでしまっていたらしい。

 

この世界は、現実世界から結界によって隔離された土地で、住んでいるのは人間だけでなく、空想上にしか存在しないとされている妖怪が住んでいるとのこと。

 

彼の話では妖怪だけでなく妖精、はたまた神様までいるとのこと。

 

なんかファンタジーな世界だなって私と簪ちゃんは思ったのだが、彼の話を聞いていく内に結構シビアな世界であることもわかった。

 

 

「ちなみにここは地底世界と呼ばれているところで、今俺らがいるところは鬼の棲家である旧都だ」

 

「じゃあさっき外を歩いていた人達は全員・・・」

 

「ああ、ここに住んでいる鬼達だよ。顔は怖いけどいい人たちだから安心していい。それでもう一つの質問だったかな、君たちを襲った怪鳥はギャオスと呼ばれていて昔から存在している生物だ」

 

「昔ってどれくらい?」

 

「父さんの話によれば、ざっと二億年前から存在していたそうだ」

 

「に、二億年!?」

 

「そんな昔から存在していたの!?」

 

 

何でそんな生物が今まで話題に上がってこないの!?普通、そんなに昔から存在していたら化石の一つや二つ見つかっているはずよ!?

 

 

「なぜ奴らの存在が世間に知られていないことに疑問を感じているだろ?答えは簡単だ奴らに関する痕跡などはすべて消してきたからだ」

 

「いくらなんでもすべてを消すなんて無理に決まっているわ!?」

 

「普通だったらな―――でもここは幻想郷、そんな常識外れのことができる人たちがいる世界なんだよ」

 

「「・・・・・・」」

 

 

私の中の常識というものが、徐々に崩れていくような錯覚に見舞われた。

 

 

「それに奴らは人間を餌にして成長し、単位生殖で増え続けることもできるから厄介なんだ」

 

 

単位生殖で増える!?しかも餌が人間って、凄く危険極まりない生物じゃないのよ。もしあの化物どもが世界中で暴れ回れば一ヶ月も経たぬうちに人類なんて滅びちゃうに決まっているわ。

 

 

「しかも奴らは大きさによって力や頑丈さなんかも変わってくる」

 

「どれだけ違うの?」

 

「まず5メートルクラスだったらでロケットランチャーなどの現代兵器で倒すことができる。ちなみにISも有効だな。次に10メートルから20メートルクラスはIS、戦車、航空戦闘機なんかでも一応は対応可能だが1対1では確実に負けるだろう、次に30メートルを越えたあたりからは現代兵器は一切効かなくなる。唯一通用するとなればISの特殊な装備くらいだろうな、まあそれでも相手になるのはせいぜい30メートルから35メートルの間までだ。もしそれ以上に成長されてしまえば、人類に勝ち目などない」

 

 

ISでさえも歯が立たない危険極まりない生物ということが分かったが、彼からもう一つ重大なことを告げられた。

 

彼曰くギャオスは、ある特定の人間を狙い襲うとのことらしい。

 

その特定の人間というのが、霊力や魔力などを宿す人間だということ。

 

つまり、私たちが襲われたのは霊力を持っていたために襲われたのだと。

 

 

「――以上が俺がわかっていることだ。ほかに質問は」

 

「ううん。それだけ聞ければいいわありがとう」

 

 

私と簪ちゃんは、自分たちの境遇に悲観していた。

 

もし私たちがこのまま家に帰っても、私たちの力を狙ってあいつらが襲い掛かってくるかもしれないということ。そうなってしまえば家族を危険にさらしてしまう。

 

”――――どうしたらいいの”とそう思っていたら――――

 

 

「心配はいらないよ」

 

「「え」」

 

「君たちを外の世界に返すまでにここで力の扱い方を覚えれば、ギャオスに襲われる心配もなくなるし、さらに言ってしまえばあいつらを撃退できるようにもなる」

 

「ほんとに?」

 

「ホントだ」

 

「嘘を言ってるわけじゃあないのよね」

 

「嘘を言う必要があると思うか?」

 

「そう、良かったわ(これで家族を傷つけずに済むわ。)」

 

 

彼の話が終わってからすぐに料理が届き、私たちは食事を始めた。

 

 

 

食事を済ませた私たちは、一夏くんに案内され一夏くんの家へと移動を開始。

 

旧都と呼ばれる街の街道を歩くこと数分、一夏くんが大きな屋敷の前で止まった。

 

 

「ここが家だよ」

 

 

目の前の大きな屋敷を指差す一夏くん。

 

えっ、ちょっと大きいんですけどこの屋敷。家の倍はあるわよね!?

 

私と簪ちゃんが彼の家を見て驚いていると一夏くんは屋敷に近づき玄関の扉を開けた。

 

 

「ただいまー」

 

 

私と簪ちゃんも一夏くんに続きお邪魔しますと言いながら家に入っていった。

 

 

 

 

刀奈SIDE OUT

 

 

 

簪SIDE

 

 

 

 

 

部屋に案内された私たちは少し休んでいた。

 

 

「お姉ちゃん」

 

「何、簪ちゃん」

 

「一夏くんのお父さんとお母さん、優しかったね」

 

「そうね。私たちの両親くらい・・・ううんそれ以上だったかもしれないわね」

 

 

数十分前ほど前に一夏のお父さんとお母さんである玄武さんとさとりさんにお会いし、私たちに起きたことを一夏と私たちは説明した。

 

説明が終わったあと玄武さんに、”怪我がなくてなによりだ”と言われまさか、赤の他人である私たちを心配せてくれるとは思っても見なかった。

 

そして、家に帰れるまでこの屋敷で面倒を見てくれるとのこと。

 

この世界で行くあてのない私たちにとって嬉しい出来事だった。

 

さらに言えば、一夏くんが先ほど言った通りに私たちの霊力の扱い方についても修行をつけてくれることを約束してくれた。

 

 

「でもねえ、帰るまでが――――ねえ」

 

「うん、まさかそんなにかかるなんて思わなかった」

 

「家に帰れるのに二ヶ月もこっちにいないといけないなんて――――」

 

 

そう、私たちが現実世界に帰れるようなるまで二ヶ月かかると玄武さんが仰っていた。

 

理由はどうやら私たちと私たちを追いかけてきたギャオスが原因らしい。

 

なんでも結界が不安定だった時に、私たちとギャオスが幻想郷に来てしまったのが要因らしい。

 

くわしく調査しなくてはならないために、それだけの期間が必要だと玄武さんおっしゃっていた。

 

家に連絡が取れないか伺ってみたが、外の世界の電波はここには届かないため連絡を取ることはできないと言われた。

 

確認の為に私とお姉ちゃんはポケットから携帯を取り出し、画面を見ると圏外の文字が目に入る。

 

お父さんとお母さん、それにお祖母ちゃん、虚さんに本音も心配しているんだろうな。

 

 

「許してもらえるかはわからないけど、帰ったときに精一杯謝るしかないよね」

 

「そうね」

 

 

夕飯の時間まで私とお姉ちゃんは久しぶりに、、会話を楽しんだ。

 

 

 

 

「今日は君たちの歓迎会だ。さあ、遠慮せずに食べてくれ」

 

 

テーブルに並ぶ美味しそうな料理の数々。

 

 

「す、すごい。」

 

「うちでも出せないような料理まであるわ」

 

「ホントにいいんですか?」

 

 

私は遠慮がちに、玄武さんに質問をする。

 

 

「心配いらないって、お父さんたちも人数が増えたから余計に張り切っちゃったのよ」

 

 

玄武さんの代わりに私の右隣に座っていた女性が答えた。

 

この人は、亀山 さつきさん、外の世界で今現在人気上昇中のモデルさんだ。

 

最初にこの人が現れたときは私もお姉ちゃんもびっくりして声を張り上げてしまった。

 

まさかこの人もこの世界の住人で、一夏くんのお姉さんだとは思わなかったけど。

 

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて」

 

 

そう言ってお姉ちゃんは食べ始めた。

 

するとお姉ちゃんは、スプーンを口に入れたまま動かなくなる。

 

私は不思議に思いお姉ちゃんに声をかけようとしたら、急に料理を掻き込み始めた。

 

その様子を見た私も一口料理を食べてみる。

 

っ!?――おいしい。

 

こんなおいしい料理、家でも食べたことがない。

 

お姉ちゃんが料理を掻き込みたくのもわかる。

 

私とお姉ちゃんは一心不乱に料理を食べ続けた。

 

 

 

食事が終わりお風呂もとい温泉に入ったあと、私とお姉ちゃんはさつきさんの部屋でガールズトークをしていた。

 

途中さつきさんの口から、一夏くんのことをどう思うと聞かれたとき、私とお姉ちゃんは顔を赤くして”優しくてかっこいい男の子”と”ヒーローみたいな男の子”というふうに答えた。

 

それを聞いたさつきさんはニヤニヤと笑う。

 

私たち姉妹は急に恥ずかしくなり、話題を変えようと必死だったが、話が終わるまでさつきさんにからかわれしまうのがオチだった。

 

 

 




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2017/12/18一部修正いたしました
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