インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐ 作:フジパンホンジコミ
訓練の為にアリーナのグラウンドに来たラウラ。
そうこの場にいるのはラウラだけ。
「まさか一人だけとは寂しいものだ。」
一夏、簪、刀奈は生徒会の仕事、セシリアと鈴は国の政府に報告、レオナとシャルルは整備室でISの調整があるため来ていない。
「・・・仕方ない、私だけで訓練を開始するしよう。」
訓練を開始しようとISを纏うラウラ。
しかし、ISを纏った瞬間にラウラの足元にコロンと何かが投げ込まれた。
ラウラは投げ込まれたものを見て驚愕。
投げ込まれた物がグレネードであることを判明すると、ラウラは即座にその場から退避行動をとる。
しかし、行動に移すのが遅かった為に間に合わずグレネードの爆発に巻き込まれる。
「くっ!」
爆発の衝撃で機体を揺さぶられながらも、なんとか爆煙から飛び出すラウラ。
しかし飛び出したところを狙って二人の人影がラウラに襲い掛かる。
ラウラは咄嗟に後退移動プラズマ手刀を使用するが、右腕のプラズマ手刀だけ起動しなかった。
どうやら先ほどのグレネードで使用できなくなったらしい。
「ちっ右腕のプラズマ手刀は使えないとは。」
ラウラは片腕だけではマズいと感じ、後退瞬時加速でその場から離れる。
ある程度離れることができたラウラは斬りかかってきた人物たちを睨む。
ラウラside
「・・・やはり貴様たちだったか、織斑 千秋それに、篠ノ之 箒。」
「大人しく僕に斬られろボーデヴィッヒ、そしたら許してあげなくもないよ。」
「断る!誰が貴様なんぞに斬られねばならぬのだ。」
「なら交渉決裂だっ!」
織斑が馬鹿の一つ覚えのように突っ込んできた。
その攻撃方法は私に通用しないと実感させたはずなのにそれを忘れるとはな。
ならば、もう一度その体に叩き込んでやるとしよう。
右手を前に突きだし、AICを発動させ織斑 千秋の動きを止めよとしたが―――
「それは対策済みだっ!」
織斑の声に反応し、真横から篠ノ之 箒が近接ブレードで斬りかかってくるのが見えた。
私はAICの発動を止め、回避行動に移る。
「箒、連携で行くぞ!」
「わかった!」
織斑と篠ノ之が同時に斬りつけてくる。
「二人係でくるか、ならまとめて相手をしてやる。」
私は左腕のプラズマ手刀を展開し、二人の攻撃を捌くと同時に二人の観察を始める。
14~15回ほど攻撃を受けたその結果、織斑の攻撃はまあまあと言っていいが、篠ノ之は全然ダメだな。
PICは使えているようだが、機体の操作がまるでなっていない。
ISの操縦をしてこなかったのがよくわかる。
それに、近接ブレードも感情任せにただ闇雲に振り回しているだけ。
こんなのが剣道全国大会の優勝者だというのか?
このようなものに敗れた者はさぞかし悔しい思いをさせられたと思うと、なんとも嘆かわしいものだ。
「な、なぜ私たちの攻撃が当たらんのだ!」
「それは貴様らが未熟者だからだっ!」
プラズマ手刀が使えないレーゲンの右腕で篠ノ之の鳩尾を思いっきり殴りつける。
「かはぁ!」
「箒!?」
「私を相手によそ見をするとは随分と余裕があるのだな。」
「っ!?」
「はっ!」
「ぐあっ!」
下からアッパーを織斑の顎目掛けてかまし、3mほど吹き飛ばす。
よし別々の場所に吹き飛んでくれたな、まずは厄介な織斑から片付けるか。
雪片弐型を杖替わりにしながら立ち上がる織斑に視線を合わせる。
私は織斑に向けてワイヤーブレードを射出。
「いけっ!」
織斑にワイヤーブレードが迫る。
「そんなものっ!」
織斑はワイヤーブレードを切り落とそうと雪片弐型を振りかぶる。
甘いな。貴様のブレードの長さは把握済みだ。
私はワイヤーブレードを操作し、織斑の攻撃が届かないところでワイヤーブレードの動きを止める。
「なっ!」
今だ!
織斑が驚愕で隙を見せた瞬間、私は織斑の雪片弐型を持つ右腕の手首にワイヤーブレードを突き刺した。
その結果、右手は操作不能となり右手から雪片弐型がこぼれ落ちる。
「く、こんなもの!」
右手首に刺さるワイヤーブレードを織斑が引き抜こうとする。
残念だがそうはいかん。
私は新たに4本のワイヤーブレードを射出し、先程と同様に左手首、両足首にワイヤーブレードを突き刺した。
これでコイツは無力化したも同然。
私は織斑に接近し、ハイキックを顔側面に叩き込む。
吹き飛んだ織斑に私は再度ワイヤーブレードを射出し織斑を捕える。
そして、私の方へと引き寄せレールカノンの砲撃をゼロ距離で当てる。
私は追撃を行うために、瞬時加速を使用し、吹き飛んでいく織斑の側へと移動。
そして織斑の鳩尾に向けて腕を振り下ろす。
「父様直伝『金剛掌』!!!」
ズドンという音と共に織斑を地面に叩きつける、その威力は絶大で織斑を中心にクレーターが出来上がる。
クレーターの中心で織斑がISを解除した状態でぐったりしていた。
これで織斑は無力化したも当然、あとは―――
「貴様ァァァ!!!」
大上段にブレードを構えて突っ込んでくる篠ノ之。
私はそれを体を横にそらすだけで躱す。
そのあとも、袈裟斬り、突き、横薙ぎとブレードを振り回してくるが私に触れることはなかった。
私は隙を付きながら、父様のご友人である竜也さんに教えてもらったジャブ、ストレート、フック等といったボクシング技を叩き込み、着実に篠ノ之にダメージを与えていった。
「いい加減に諦めたらどうなんだ、篠ノ之。」
「だ、黙れ・・・卑怯者の仲間に屈する私ではない。」
「そんな状態でよく言えるな。」
私の目の前にいる篠ノ之は既にボロボロの状態。
ほんとしつこいな、正しくゴキブリといってもいいくらいだ。
「これ以上は何をするにしても無駄だから早く帰ったらどうだ?」
「うるさい!卑怯者の仲間のくせに!」
「それだけしか言えないのか貴様は。私達がいつ卑怯なことしたというのだ。寧ろ貴様たちの方が卑怯なことしてるだろう。」
「私たちはそのようなことなどしていない!私と千秋の行いこそが全て正しいのだ!」
ダメだ。こいつはまわりがホントに見えてない。
寧ろここまでひどい人間見たのは初めてだ。いったいどんな生活送ったらこんなふうになるのやら。
とにかくこれ以上の戦闘を行えば、先生たちましてや教官に気づかれるな。
私はこれ以上戦闘するのも無意味だと感じ、篠ノ之を無視して機体の整備をするためにピッドの方へと向かう。
「舐めるのもいい加減にしろっ!!!!」
私の背後から篠ノ之が斬りかかってくる。
体を横に反らしてわたしはこの斬撃を躱し、篠ノ之がいる方に体を向ける。
「・・・感情的で直線的おまけに短期で全て暴力で解決しようとする、正しく絵に描いたような暴君だな。」
「な、なんだとっ!!!」
私にそんなことを言われ激怒する篠ノ之。
だが、私は挑発することをやめない。
「そうであろう。自分の思いどうりにならなかったりしたらすぐに力でねじ伏せようとする。これのどこが正しい行いなのだ。」
「くっ!」
「もうひとつ言わせてもらうが、この世で自分だけが正しいなんてことはない。いい加減子供のままでいるのはやめておけ。」
「子供だと!?」
私の言ったことに怒りの形相を浮かべる篠ノ之。
「事実を言ったまでだ。」
「言わせておけばぁぁ!!!!」
近接ブレードを構えて突っ込んでくる篠ノ之。
こいつには学習という言葉はないみたいだな。
こいつの相手をしているのも、もううんざりだ、まるで昔の私を見ているようだ。
終わらせるとするか。
私は右手に霊力を込め、自身の持ち技を放つ。
「『オルガ・レイス』!!!」
黒一色の極太レーザーが放たれ、一瞬のうちに篠ノ之は黒色のレーザーに飲み込まれる。
極太のレーザーが消え土煙が晴れると打鉄が解除された篠ノ之が倒れていた。
「う・・・くっ・・・・」
私は倒れている篠ノ之のそばへ歩き出し、目の前で立ち止まり篠ノ之の頭をつかみ、顔を上げさせた。
「これに懲りたらもう我々に戦いを挑もうとは思うな。貴様たちの相手をするのはかえって疲れるからな。」
「・・・き、きさ・・・ま・・・・」
「もし、私の忠告を無視してまた私たちにちょっかいを出してみろ。―――――今度は完全に潰すぞ。」
殺気を放ちながら私は、篠ノ之にそう伝える。
篠ノ之は私の殺気に耐え切れずに気絶する。
やっぱたいしたことない。
私は気絶した篠ノ之をそのまま放置して、ピットへ行こうとしたその時―――
「これは一体何事だ。」
私の前に腕を組んだ教官が立っておられた。
ラウラside out
「さて、この状況についてボーデヴィッヒ説明しろ。」
元教え子であるラウラに、現状のいきさつを聞く千冬。
ちなみに篠ノ之 箒は担架に乗せられ既にアリーナから保健室へと運ばれていった。
「はっ!私が訓練を行おうとしたところ、織斑、篠ノ之の両名が攻撃してきたので、私がこれを迎撃するために起こった争いであります。」
「それはホントなのか?」
「はい。」
「・・・はぁ、またお前たちか・・・織斑は篠ノ之が目を覚まし次第寮長室に来るように。」
呆れながら千冬は、気絶から回復した千秋にそう告げる。
千秋はラウラに恨みのこもった視線で睨んだあと’はい’と答えた。
千冬は辺りを見回したあと、ため息を吐きながら口を開く。
「模擬戦をするのは構わん。―――がアリーナのグラウンドをこうも無茶苦茶にされては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントで付けてもらおう。」
周りはラウラ達の戦闘であちこちにクレーターが出来ていた。
「教官がそう仰るなら。」
「織斑もそれでいいな?」
「・・・・・・うん。」
「では、学年別トーナメントがあるまでは死闘の一切を禁止する。それでは解散!!行くぞ織斑。」
千秋はラウラを睨みつけてから千冬のあとに続き歩き出した。
ラウラは機体の整備のために、整備室へと足を運ぶ。
――――――――――
―――――
―――
「ラウラ、アリーナでまた織斑たちと試合したって聞いたぞ。」
「もう兄様たちの耳にも入っていましたか。」
既にアリーナで起こった出来事は学園中に広まっていた。
「大丈夫だった?」
「心配はいらんぞ簪、二人係とは言えそこまで強くはなかったからな。」
「でもさっき整備室に来てたよね。」
レオナがくすっと笑いながら言いふらす。
「レ、レオナっ!」
言いふらされて焦るラウラ。
「ふむ、もう少し修行時間を増やしたほうがいいか。」
「に、兄様!?」
「冗談だ。」
ふっっと笑みを浮かべる一夏。
「ほーら、立ち話している場合じゃないわよ。早く食堂に行かないと座れなくなっちゃうわ。」
「っとそうだった。」
一夏たちは食堂へと向かうが、ラウラは一人足りないことに気づいた。
「待ってください兄様、シャルルがまだ来ていないのですが・・・」
「シャルルが?そういえば見当たらないな。」
「整備室にいたときに食事には誘ってみたのですが、まだ整備室にいるのかもしれません。」
「それは大丈夫だよ、私と一緒に整備室から出たからもう部屋に戻ってるはずだと思うよ。」
「そうか。ならラウラたのむがシャルルを呼びに行ってきてくれないか?」
「わかりました、ではいってきます。」
ラウラはシャルルを呼びに部屋へと向かった。
部屋の前に到着したラウラはドアをノックする。
「シャルル、いるか?」
しかし、なんの返答も帰ってこない。
「いないのか?いやレオナが一緒に整備室を出たと言っていたから部屋に戻ってきているのは間違いない。」
ラウラはドアノブに手をかけてひねり手前に引くとドアが開いた。
「開くということはやはり部屋に帰ってきているのだな。だが何故ノックに反応しない、もしや寝ているのか?」
そう思ったラウラは部屋に入り、ヘットのあるところまで進むが誰もベットの上にはいなかった。
「寝ているわけではないかならばどこに?」
ラウラが考え事をしていたその時、ガチャという音が聞こえてきた。
まさかと思いながら音のした方にゆっくりと顔を向けると廊下側からバスタオルを巻いた状態のシャルルが現れた。
「まいったなぁーまさかシャンプーが切れてたな・・・・んて・・・・」
シャルルもラウラの存在に気づき固まるが、自分の姿を思い出し慌て始める。
「(ら、ラウラに見られちゃったぁーー!!!ど、ど、ど、どうしよう!!!)」
あたふたするシャルルを見てラウラが声をかける。
「落ち着けシャルル。」
「こ、これが落ち着いて・・・・」
「お前が女子だということは初めから知っている。」
「へ・・・・・・ラ、ラウラ、今なんて・・・・」
「お前が男装をしている女子であると知っているといったのだ。」
「ええええぇぇぇーーーーー!!!!」
「大声を上げるな、他の者に気づかれるぞ。」
口を覆うようにラウラの手がシャルルの口を塞ぐ。
ビクッとシャルルが震えるが直ぐに治まる。
「落ち着いたか。」
コクっと首を縦に動かすシャルル。
ラウラはシャルルの口から手をどかし、正面に立つ。
「詳しく事情を聞きたいところではあるが、その格好ではな・・・・」
「っ!?」
ラウラの言葉を聞きシャルルはバスタオル一枚だけという姿を思い出し、恥ずかしくて顔を赤く染めながら浴室へと消えていった。
ラウラはシャルルがいなくなった瞬間に、携帯を取り出し一夏に連絡をし始めた。
『ラウラか、どうしたんだ?もう食券販売機にみんな並んでいるぞ?』
「えっと・・・そうもいかない事態になりまして。」
『どうゆうことだ?』
「はい、実は――――」
事の経緯を一通り話すラウラ。
『なるほどな・・・とりあえずは俺たちの部屋に移動しておいてくれ。そこにいれば織斑がいつ帰ってくるか分からない。俺たちもすぐに向かうから。』
「すみませんよろしくお願いします。」
ラウラが通話を終わらせると、後ろから足音が聞こえたため後ろを振り返るとジャージを着たシャルルが立っていた。
「着替えてきたところ悪いが、移動するぞ。」
「え、どこに?」
「兄様たちの部屋だ。」
そう言ってラウラはシャルルの手を掴んで急いで部屋から出て行った。
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