インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐ 作:フジパンホンジコミ
一夏side
織斑と篠ノ之がアリーナで起こした騒動から幾日か過ぎた。
そして、六月の最終週に入り、IS学園は今日から学年別トーナメントが開催日される。
だが今年の学年別トーナメントはIS学園始まって以来の慌しさになっていた。
「これはすごいな・・・・」
俺は更衣室のモニターから余すことなく人で埋め尽くされた観客席の様子を見て驚く。
各国政府の重鎮に、研究員、企業の社長やエージェントが来てるな。あ、父さん達発見。
おっ横にいるのは統夜たちじゃないか!来てくれたのか!ははっこれは負けた姿を晒すわけにはいかなくなったな。
俺は腕の骨をポキポキ鳴らしながら笑みを浮かべる。
そんな俺に頬を引きつらせながらシャルルが話しかけてきた。
「い、一夏嬉しそう・・・・だね。」
「お、シャルルか。実は親しい友人が見に来てくれてるのがわかったからな。」
「そ、そうなんだ(い、一夏のテンションがハイになってる・・・・アリーナのグラウンドが保つ・・・というよりかはアリーナが保つか心配だよ。)」
あのシャルルの表情は心配事をしている時だな。
何かあったのか?
「どうしたシャルル?何か心配事でもあるのか?」
「う、ううん別になんでもないよ。」
「そうか。」
うーんなんか気になるがシャルルもなんでもないって言ってるし、考えるだけ無駄だな。
とりあえずトーナメントに集中しよう。
なんせ、俺でも一筋縄では行かなさそうなのが3組もいるからな。
注意して戦わねば。
「そろそろ対戦表が決まる頃だな。」
「そうだね。」
俺とシャルルはモニターに顔を向ける。
するとモニターがトーナメント表に切り替わった。
ふむふむ俺はAブロックの第一試合か、セシリア・鈴ペアは第四試合、ラウラ・レオナペアは最後か、簪・シャルルペアはBブロックの第三試合ということは勝負は決勝戦ってことになるな。あ、織斑と篠ノ之のペアも逆ブロックの最後なのか。
まあ織斑と篠ノ之のペアはそれほど気にする必要なしだな。それよりも俺が気をつけなきゃいけないのが二回戦の対戦相手だ。
間違いなくセシリアと鈴が勝ち進んでくる。
一筋縄じゃ行かないかもしれんな。
そう思っているとシャルルが俺に話しかけてきた。
「気をつけてね一夏、セシリアたちも相当腕を上げてるから。」
「わかってるさ。それにお前と簪も頑張れよ、なんせそっちのブロックにはあの問題児二人がいるんだからな。」
「十分承知してるよ。でもあまり脅威はないと思うけどね。」
「違いない。それじゃあ俺はそろそろ行くな。」
俺はそう言って立ち上がり、準備のためにピットへと向かう。
ピットに到着すると俺は龍王機達を起動させる。
『いよいよですな主』
「ああ。」
『して今回は誰をお使いになるのですか?』
「初お披露目として雀武でいく。」
『ついに公式試合で我らを試合でお使いになられるのですね。』
「ああ、統夜との模擬戦以降使ってあげられなかったからな、今回は思う存分暴れさせてやる。」
『そりゃ嬉しいわい。』
俺が龍王機たちと話していると後方から刀奈さんと簪が近づいてきた。
「ヤッホー一夏くん。調子はどう?」
「ええすこぶるいいですよ。」
「みたいだね。それに何か嬉しいことあった?」
「実は統夜達が来てるんだよ。」
「えっ統夜くん来てるの!?」
刀奈さんは驚きの表情をする。
「だから一夏があんなに嬉しそうだったんだ。」
「そういうことだ。」
――― 一回戦 第一試合を開始いたします。選手の方は準備をお願いします。
「時間のようだな。」
「「頑張ってね一夏(くん)。」」
「おう!さあ、出番だ。行くぞ!」
『『御意!』』
俺たちは心を一つにして言葉を解き放つ。
『『「必神火帝、天魔降伏、雀武合体!!!」』』
雀王機と武王機は龍王機たちの時同様に黄色の符となり俺を包む。
『『「焔天大聖、雀武王・・・・・顕現!」』』
雀武王となった俺は飛翔しアリーナのグラウンド飛び出す。
わああああーーーーー!!!
おお、すごい歓声だな。
グラウンドに出るとものすごい熱気が伝わって来るぜ。
ははっこりゃすごい画面越しとは大違いだ。
《さぁ、お待たせしました今年もこの日がやってきました!学年別トーナメント!なにより今年は例外中の例外、なんと一部生徒を除き個人戦ではなくタッグ戦といった仕様になっております。一体どのような連携戦が見られるのかもうワクワクが止まりません。実況はこの私2年新聞部の部長!黛 薫子がお贈りします!》
相変わらずテンションの高い人だな薫子先輩は。
《第一試合を飾ってくれる選手をご紹介します!まずはAピット!世界で二番目の男性操縦者にして、アトランディア社企業代表兼生徒会副会長!1年1組所属 亀山 一夏ーーーーーー!》
これは期待に応えなくてはな。
俺は薫先輩のマイクパフォーマンスに合わせるように右腕を空へとつき出す。
より一層に盛り上がる観客。
今度はBピットの選手のマイクパフォーマンスに入る薫子先輩。
《それでは試合開始ーーーー!!!!》
「初っ端から飛ばしていくぜ!」
試合開始の合図とともに瞬時加速でも追いつけないくらいの速度で上空へと飛び上がる。
相手ペアはいきなり俺が正面から消えたことに唖然とする。
「「えっ?」」
俺は唖然としている対戦相手へと攻撃を開始する。
「朱羅剣(しゅらけん)発射っ!」
両腕の盾――武鱗甲から火炎弾を相手に向かって放つ。
雨あられの如く降り注ぐ火炎弾を相手ペアは、慌てふためきながら逃げていた。
まだだ、まだあの場所まで追い込んでいない。もう少し・・・・今だ!
俺は射程圏内に入ったペアに向けて黒蛇刀を伸ばす。
「万魔伏滅!黒蛇刀!『三千斬』!」
伸びた黒蛇刀は二人を四方八方から斬りつけ覆い尽くしていく。
「緊縛咒!」
その言葉とともに二人を絡め取り持ち上げる。
そして『破斬!!』の言葉とともに斬り裂く。
「「きゃあああ!!!」」
「まだまだ!」
俺は黒蛇刀を構え、二人に向かって突っ込む。
飛鳥さん、技お借りします。
「秘技!『烈火崩天刃』!」
炎を纏った黒蛇刀を高速で幾度も振るい斬りつける。
「「きゃあああああーーーーーっ!!!」」
シールドエネルギーがエンプティし、彼女たちの敗北が決まった。
《試合終了! 勝者 亀山 一夏ーーーーーッ!!!》
うしっ!まずは一勝!
さーて二回戦まで時間があるからみんなの試合でも覗いてみるか。
確か簪とシャルルの試合が反対側ブロックの第三試合だったな。
そうと決まれば、早速行かねば。
現在は逆ブロックの簪とシャルルの試合を見に来ていた。
「・・・予想はしていたがやはりこのチームがこちらのブロックで一番飛び抜けてるな。」
相手の動きを完封しながらヒット&ウェイで戦闘する姿はさすが代表候補生としか言い様がなかった。
でも俺がすごいと思えるのはもう一つ―――それは簪の動きに合わせられるシャルルだ。
俺でも簪との連携が完璧にできるようになるまで一月半はかかったというのに、ほんの一月も経っていないにも関わらずあそこまで動きを合わせられるのは驚異としか言い様がない。
決勝で合うのが楽しみだ。
《試合終了! 勝者 簪・シャルルペア!》
勝利宣言のアナウンスが流される。
まあ当然の結果と言えるな。
っとそろそろセシリアたちの試合が始まる頃だから、急いで向かわないと。
俺は第四アリーナを後にし、第三アリーナへと向かった。
一夏side out
―――――――――
―――――
―――
現在第四試合が行われているが、試合状況は既に終盤を迎えようとしていた。
相手選手の一人は倒され、もう一人の相手が専用機持ちであるセシリアと鈴を相手にしている状況だ。
「うりゃーーー!」
「きゃああーーーっ!」
双天牙月で下段から打ち上げられ、上空へと飛ばされる相手選手。
「セシリア!」
「わかっていますわ、ティアーズ!」
ブルーティアーズからビットが射出され、レーザーによる攻撃が繰り出される。
「これはオマケよ。」
そこへ甲龍の衝撃砲も加わり、より激しさを増す。
ビットによる360度からの攻撃と鈴から衝撃砲の射撃コンビネーションにより相手選手はシールドエネルギーが0になり試合が終了。
《試合終了! 勝者 セシリア・鈴ペア》
勝利したセシリアと鈴はハイタッチをし、エネルギーの回復のためにピットへと戻る。
ピットでエネルギーを補給を受けている最中の間、セシリアと鈴は次の試合のことを考えていた。
「さてセシリア、次の対戦相手が誰かわかっているわよね。」
「もちろんですわ。」
「一筋なじゃ行かない相手だけど、頑張るわよ。」
「ええ、私たちの訓練の成果を見せてあげましょう。」
二回戦でぶつかる一夏との試合に意気込むセシリアと鈴であった。
あれから時間が進み、第一回戦の最終試合が行われようとしていた。
既にラウラ・レオナペアのと相手のペアも試合開始の合図を待っている状態。
《それでは試合開始!》
相手である二人は打鉄の射撃兵装であるアサルトライフル『焔備』を構え放とうとする。
しかし、ラウラが相手にワイヤーブレードで拘束し、自分たちの方へと引き寄せる。
二人は引き寄せられたことにより、体勢を崩してしまう。
その隙をついてレオナが相手ペアへと接近し、攻撃を仕掛けた。
「まだまだ甘いね。」
「「っ!?」」
「ほいっ『スタントリガー』!!」
相手に触れた瞬間高圧電流が流れる。(既にワイヤーブレードによる拘束は解かれている。)
「「~~~~~っ!!!」」
「ラウラ!」
「おう!」
レオナが上空へと移動すると、ラウラは瞬時加速(イグニッションブースト)を使用し相手の懐へと飛び込む。
そしてプラズマ手刀を展開し、相手ペアを同時に連続で斬りつける。
幾度と斬撃をおこなったあとラウラは後退、そしてトドメと言わんばかりにレオナは特大の砲撃を放つ。
「これでおしまいっと『スパークリング・パイルロード』!!!」
緑色のレーザーが放たれ相手を飲み込む。
緑色の本流が消えるとシールドエネルギーが0となった相手ペアが気絶した状態で地面に横たわっていた。
《試合終了! 勝者 ラウラ・レオナペア》