インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐   作:フジパンホンジコミ

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学年別トーナメント二回戦 一夏vsセシリア・鈴

 

 

 

 

ラウラ・レオナペアの試合終了から10分後に、Bブロックの最終試合である織斑と篠ノ之の試合が終わった。

 

つまり一回戦全部が終了したのだ。

 

そしてこれから二回戦の第一試合――つまり一夏とセシリア・鈴ペアの試合が始まろうとしていた。

 

既に一夏たちはISを展開しアリーナの中央で試合開始の合図を待っている状態だ。

 

 

「こんなに早く勝負をする事になったのは、ちょっと残念ですわね。」

 

「確かにな。」

 

「ホントにそう思ってる?」

 

「実は楽しみで仕方ない。」

 

「だと思ったわ。」

 

 

予想が当たったのか苦笑の表情を浮かべる鈴。

 

 

 

《二回戦、試合開始!》

 

 

 

「全力でいかせていただきますわ!」

 

 

初っ端から四基のビットを展開し攻撃を仕掛けてきたセシリア。

 

一夏は地面すれすれを飛行を行いビットの攻撃を躱しながら攻撃の機会を伺うが後方から鈴が接近していることに気づく。

 

 

「でりゃあああーーー!!!」

 

 

双天牙月を振り下ろしてくるが一夏は右にステップして躱した。

 

一夏は隙が出来た鈴に攻撃しようと考えたがビットによる攻撃が続いていた為、攻撃することを断念しその場から退避した。

 

なかなかのコンビネーションじゃないか、相当特訓をしたと見れる。

 

これは楽しい試合ができそうだ。

 

 

「そろそろ攻勢に出るとするか。」

 

 

一夏は自身の切り札の一つを使うことにした。

 

 

「龍王機、顕現!」

 

 

光とともに龍王機が現れる。

 

突然、龍王機が現れたことにアリーナの観客(アトランディア社のメンツを除く)が目を見開く。

 

セシリアと鈴は、驚くことはなかったが厄介なのが出てきたと思わせる表情を浮かべていた。

 

そんなことなどお構いなしに出現した龍王機は一夏に話しかけた。

 

 

『我を呼び出すなど何用か主。』

 

「少しの間だけでいいんだ、鈴を抑えておいてくれ。」

 

『あの小柄な少女をか?』

 

「そうだ。」

 

『承知した!』

 

 

雄叫びをあげた後、鈴に向かって突進する龍王機。

 

龍王機の突進を受け、少々吹っ飛ばされる鈴。

 

 

「くっ!?」

 

『スマヌが我が相手をいたす!』

 

「上等じゃない!」

 

 

鈴は姿勢制御を行い、双天牙月を構える。

 

 

 

 

 

「さあ、俺が相手になってやるよセシリア。」

 

 

俺はセシリアに振り向き答えた。

 

 

「光栄ですわね!」

 

 

ライフルを発射してくるセシリアに対して一夏は高速で移動しながらセシリアに接近する。

 

セシリアは一夏を接近させまいとレーザーライフルを放つ。

 

しかし、レーザーは紙一重で躱されてしまう。

 

連射ができないレーザーライフルでは部が悪いと判断したセシリアは再度ビットを射出し全方位から攻撃を開始する。

 

一夏の死角から攻撃を仕掛けるものの、ことごとく回避されてしまう。

 

ビットの全方位攻撃から抜け出した一夏は、セシリアに向けて黒蛇刀を伸ばす。

 

セシリアはこれを回避しようと動き出しすが、回避行動に移るのが遅すぎて黒蛇刀の突きをくらってしまう。

 

しかも黒蛇刀による攻撃はまだ続いており、そのまま黒蛇刀に押され背後にあった壁へと叩きつけられた。

 

壁に叩きつけられたセシリアは一瞬だけ意識が失いかけたがなんとかもち直すものの、すぐには行動を起こせなかった。

 

その隙をつき、一夏は更に功勢に打って出た。

 

 

「朱羽箭(しうせん)、朱羅剣、同時斉射!」

 

 

背部からミサイル、両腕の武鱗甲から火炎弾をセシリアに向けてはなった。

 

火炎弾とミサイルによって徐々にシールドエネルギーを減らされていくセシリアはマズいと思い急いで機体を急上昇させ難を逃れる。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・・やはり一筋縄では行かないですわね。」

 

「どうした、トーナメントに向けて特訓してたんだろ、それともあれか?個人の特訓はせずに連携の特訓しかしてこなかったのか?」

 

「言ってくださいますわね、なら見せてあげますわ特訓で得たわたくしの力を!」

 

 

そう言ってセシリアはレーザーライフルを発射。

 

一夏はこれを避けてセシリアに攻撃をしようとした瞬間、背部に何かが直撃した。

 

何が起こったのかと思い背後に目を向けると、一枚の鏡が目に映った。

 

 

「鏡?」

 

「ええ、わたくしの能力で作り出した鏡ですわ。」

 

「まさか能力が発現してたのか。」

 

「そういうことです!」

 

 

一夏の周囲にさらに三枚鏡が出現。

 

 

「さあ、新たに奏でる円舞曲(ワルツ)をお聴かせしますわ!」

 

 

ビットからレーザが発射され躱すものの、鏡に反射したレーザーが襲いかかってくる。

 

 

「(これはきついな、気を抜けばそこから一気に集中砲火をあびることになる。ならこの状況を覆すにはまずは鏡を破壊しなければ。)」

 

 

そう考えた一夏はビットと鏡の動きを避けながらも観察し、攻撃を行えるタイミングを図る。

 

そしてレーザーの連射が途絶えた瞬間、一夏は攻勢に出た。

 

 

「そこっ!」

 

 

朱羅剣を発射し鏡を1枚破壊する。

 

この時一夏は心の中で”よし、1枚破壊”と思った。

 

しかし、破壊した鏡のあった空間に新しい鏡が出現。

 

これを見た一夏は驚愕する。

 

 

「無駄ですわ。この鏡は破壊されようとも何度でも復活いたしますの。」

 

 

傍らに浮かべた鏡を触りながら説明するセシリア。

 

それを聞いた一夏は”厄介な能力だ”と心の中で思わずにはいられなかった。

 

だがこの能力にもなにか弱点があるはずだと思い、一夏は包囲網から脱出しようと機体を加速させる。だがそれを許すセシリアではない。

 

 

「逃しませんわ!」

 

 

執拗に追いかけてくるビットと鏡を振り切ろうとアリーナを縦横無尽に飛び回りながら鏡を破壊するために朱羅剣で攻撃をする。

 

 

「(ちっこのままじゃジリ貧だ。龍王機、鈴の相手を一時中断してこっちの援護を頼む。)」

 

『(ならばこの少女に火炎弾を放ってください。)』

 

「(お安い御用だ!)」

 

 

一夏はセシリアに悟られないように鏡に当てるふりをして鈴に向けて修羅剣を発射した。

 

 

「なんどやっても同じことですわ。」

 

 

セシリアは鏡を操り火炎弾を回避。しかし、火炎弾が向かう方向に鈴がいることに気づいた。

 

 

「(まさかこれが狙い!)鈴さん避けてください!」

 

「へ?」

 

 

鈴は龍王機と対峙していたにも関わらず、朱羅剣が飛んでくる方に顔を向ける。

 

これを見た鈴は飛んでくる修羅剣を回避するために行動に移るが、この時鈴は龍王機から気をそらしてしまったのだ。

 

龍王機は一瞬の隙をついて上空へと飛び上がる。

 

 

「あっ!?」

 

 

鈴はしまったと思い龍王機を追いかけるが既に遅く、龍王機から青い光が空に向けて放たれる。

 

そしたら急に雲行きが悪くなり始めた。

 

セシリアと鈴はなんだか嫌な予感に襲われる。

 

そして次の瞬間、アリーナめがけて大量の雷が降り注いできた。

 

 

「ちょ!?これは反則すぎよーーーーー!!!!」

 

「き、気象すら操るなんてなんてISなのですか!!!!」

 

 

鈴とセシリアは、一夏の保有するISたちが規格外なのを改めて認識した。

 

 

「っ!?そういえば一夏さんは!?」

 

 

セシリアは一夏の姿が見えないことに気づきあたりを見渡す。

 

すると”上空に高エネルギ反応”と表示が現れセシリアと鈴が空に目を向けると龍王機よりもさらに上空に一夏が浮かんでいた。

 

 

「五行器、輪転!」

 

 

雀武王の手から光の玉が地面にむけて放たれた。

 

 

「南夏極断! 黒蛇刀!」

 

 

黒蛇刀の柄を握ったあと”昇天!”と言いながら黒蛇刀を上空へと向けて伸ばす。

 

すると黒蛇刀が口を開き、龍王機が発生させた雷雲を取り込み始めた。

 

あれはやばいと感じたセシリアと鈴は、阻止しようと動き出そうとする。

 

しかし、セシリアの近くに落ちた光の玉によってそうもいかなくなった。

 

 

「対極陣、生結!」

 

 

その言葉のあとに光の玉が大きく広がりセシリアをすっぽりと覆った。

 

 

「なっ!?これは一体何ですの!?」

 

「セシリア!?」

 

 

鈴はセシリアを助けようと対極陣に龍砲を放つが龍王機の火炎によって防がれてしまう。

 

 

『そうはさせぬぞ!』

 

「あーもう鬱陶しいわね!」

 

 

龍王機を退けるために龍砲を放とうとしたら、何かに吸い込まれる感覚に襲われた。

 

二人は上空へと顔を向けると、口の奥を赤く発光させながらあたりのものを取り込んでいる黒蛇刀の姿が見えた。

 

セシリアは今から放たれる技をくらったらいけないと直感で感じ取りビットとレーザーライフルで太極陣を壊そうと攻撃するがびくともしなかった。

 

 

「喰らえ、『黒蛇刀!五行獄!」」

 

 

黒蛇刀をセシリアに向けて伸ばした瞬間、黒蛇刀から火炎が吐き出された。

 

太極陣に穴が開き、そこから火炎が入り込み太極陣の中を埋め尽くす。

 

セシリアは炎から身を守ろう周囲を鏡で覆うが付け焼刃に過ぎず高温の炎を浴びせられて続け、ブルーティアーズのシールドエネルギーは徐々に減り始める。

 

そして小規模の爆発が突如発生。

 

 

「きゃああああ!!!!」

 

 

これが止めとなりブルーティアーズはシールドエネルギーが0となりセシリアの負けが確定した。

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

―――

 

 

 

 

 

 

「セシリア!」

 

『さすが主、派手に決めてくれる。』

 

「こんのぉぉぉ!!!」

 

 

斬りかかってくる鈴を龍王機はヒラリと躱し、一夏の元へ飛翔する。

 

 

『主、お疲れ様です。』

 

「ありがとうな龍王機、ゆっくり休んでくれ。』

 

『ハイ、それでは御武運を祷っております。』

 

 

そう言って龍王機は待機状態へと戻った。

 

 

「さあ、ここからは武王機お前の出番だ。」

 

『待ちくたびれて、退屈じゃったわい。』

 

「そう言わないでくれ。」

 

 

一夏は武王機に申し訳なさそうに答える。

 

 

『無駄話はそこまでにしていただけますか主、それに武王機。』

 

「っとそうだったな。じゃあ気を取り直していくぞ!」

 

『『応。』』

 

「『『順逆転身!!!」』』

 

 

雀武王は黄色い符となり二つに分かれ、そして再度一つに集まった。

 

 

「『『玄天大聖、武雀王!!!」』』

 

 

四神を守る盾――武雀王が降臨した。

 

武雀王はそのまま地面へと一直線に落ちてゆき、そのまま着地をする。

 

だが着地した瞬間地響きが発生、武雀王の周りも陥没したような地形へと変貌。

 

これを見た生徒、教師、観客たちはいったいどれほどの重さがあるのか恐怖した。

 

 

「今度はこの武雀王で相手になるぞ鈴。」

 

「上等、セシリアの仇とらせてもらうわ!(形状を見る限り砲撃戦特化の機体みたいね。動きも遅そうだしこれならスピードでかく乱しつつ背後から攻撃をいれりゃいいわね。)」

 

 

作戦を立てた鈴はすぐに実行に移った。

 

一夏に狙いを定め、周囲をぐるぐると回りながら龍砲を当てていく。

 

 

「(ビンゴ、あの形態だと機体の重さも合わさってスピードが極端に遅なってる。行ける!」)

 

 

鈴は双天牙月を構えて斬り掛かるが、攻撃を予知していたのか一夏は両腕で防いで見せた。

 

その瞬間ピキッと双天牙月から音が聞こえてきた。

 

鈴は双天牙月に目を向かると目を見開く。

 

 

「(どんな装甲してんのよ!?こっちの武器に罅はいってんじゃない!?)」

 

 

まさか武器に罅が入るとは思ってもみなかった。

 

これ以上攻撃を加えてもこっちの武器が壊れるだけと判断した鈴は、一夏から遠ざかり龍砲を連射。

 

しかしゆっくりとだが龍砲を喰らいながらこちらに向かって歩いてくる一夏の姿が映る。

 

 

「(ったくこれじゃあ歩く要塞を相手にしているもんじゃない!無理にも程があるわよ!)」

 

「そろそろこっちも攻撃させてもらおう。」

 

「っ!?」

 

「玄甲弾、武王多連火槍発射!」

 

 

黒蛇砲の側面付近に付いている勾玉状の部品から甲羅の形をした弾丸と肩からミサイルが鈴に向けて発射される。

 

鈴は龍砲で応戦するもいくつか取りこぼしてしまいくらってしまう。

 

 

「くうっ!」

 

この攻撃で甲龍のシールドエネルギーが半分以下にまで減ってしまう。

 

 

「まだまだ行くぞ!玄武突進(タートルチャージ)!」

 

 

瞬時加速を使用して突進する一夏。

 

 

「いっ!?」

 

 

あんなのを受けてしまえばひとたまりもないと感じた鈴は瞬時加速を使用して武雀王の射線上から退避。

 

急に止まることのできない一夏はそのまま反対側にあった壁へと激突。

 

その威力は凄まじく壁の一部が崩壊しかけるほどであった。

 

その光景を見た鈴は背筋がぞっとした。

 

しかし今なら一夏から妨害を受けずに済むと判断した鈴は再度龍砲を起動した。

 

すると龍砲から紫電が発生し、黄色の光球が龍砲の前に出来上がる。

 

それは徐々に大きくなっていく。

 

すると目の前の壁に変化があり、一夏が壁の中から這い出してきた。

 

 

「あたた、失敗した。こいつはもうちっと技の改良が必要だな。ん?」

 

 

目の前の光景を見て一夏はにやっと笑う。

 

 

「そう来るか、ならば受けて立つ!北宮玄武、天門忽開!」

 

 

黒蛇砲を鈴に向けると砲身にエネルギーが蓄積されていく。

 

しかし鈴の方が先に準備が早かったため既に打てる状態にまでなっていた。

 

 

「喰らいなさい一夏!これが私の切り札『轟龍砲』よ!」

 

 

二条の黄色の閃光が一夏に放たれる。

 

 

「ならこっちも!『黒蛇臼砲』発射!」

 

 

一条の閃光が放たれ両者の砲撃が空中で激突、その衝撃は凄まじくアリーナ全体を揺さぶるほどであった。

 

しかし、アリーナが揺さぶられているにも関わらず、観客たちは声を上げることなく目の前の試合から目が離さない。

 

 

「鈴、これほどの攻撃を繰り出せるほどに力をつけるなんて大したもんだよ。だからこっちも少し本気で行くぞ!」

 

 

一夏は黒蛇臼砲の威力をさらに上げ轟龍砲を押し始める。

 

鈴は対抗するように威力を上げようとするが、龍砲から煙が上がり始めた。

 

 

「(やばっ龍砲が限界!?)」

 

 

自身の能力を龍砲に使用していたがために機器系統の一部に負荷が掛かってしまいショートしてしまったのだ

 

その為に『轟龍砲』の威力が次第に衰えてゆき、ついには黒蛇臼砲に完全に押し返され鈴は閃光に飲み込まれてしまう。

 

青白い閃光が消えると鈴はセシリアと同様にシールドエネルギーが0になる。

 

そして勝利宣言のアナウンスが流れた。

 

 

 

《試合終了! 勝者 亀山 一夏!》

 

 

 

 




セシリアの能力は『鏡を創り出し操る程度』の能力といい、この能力は自身が設定した効果を持つ鏡を作り出すことができる。しかし今のところは能力が発現したてであるため一つの効果を持たせることしかできない。
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