インフィニットストラトス‐四神の力を受け継ぐ者‐ 作:フジパンホンジコミ
お楽しみください。
一年生の部が終わった翌日、二年・三年と順調に学年別トーナメントが行われた。
二年生、三年生の試合はぎこちない操作をしていた一年生(俺や代表候補生を除いて)と比べてかなり高度な操作技術を使った試合内容であった。
さすが、二年以上にわたってISを操作してきたことはあると俺は感心する。
特に刀奈さんの操作技術は群を抜いていたのは言うまでもない。
トーナメントの結果から言うと二年の部の優勝はもちろん刀奈さんとそのパートナーで、三年の部の優勝は確かダリル・ケイシーって言う代表候補生とそのパートナーだったかな。
実を言うと一年、二年、三年生の優勝者によるエキシビジョンマッチが行われるはずだったが、俺との試合で起こりおる被害のことを考えた教師たちによって中止となったんだ。
俺としてはせっかく刀奈さんとの公式な試合ができると思ってたのに残念な気持ちでいっぱいではあった。
三日間行われた学年別トーナメントも終わった日の夜、俺はいつものように部屋で刀奈さんと簪と会話をして過ごしていたのだが、突然スキマが出現し紫さんが上半身だけ現れた。
「こんばんわ。」
「紫さんどうしたんですかこんな夜中に?」
「ええちょっと三人にお願いしたいことがあってね。」
「「「お願いしたいこと?」」」
紫さんが真剣な顔つきをしているということは相当やばいことが起こる前かすでに起こってしまったあとだろうと俺たちは推測し紫さんの話を聞くことにした。
「実は学園から離れた小島に空間の裂け目が発生していて、それをあなたたちに塞いで欲しいのよ。」
「私たちがですか?」
「ええ。」
「紫さんならすぐに終われそうなことなのになぜ私たちなんですか?」
「今幻想郷の結界を強化している最中で私が抜けるわけには行かないのよ。今も藍と霊夢に無理を言ってここに来ているし、玄武たちは刀奈たちの改修武装を製作中で動けない。(それに統夜の持ってきたあの剣のこともあるし)」
「だから俺らに白羽の矢がたったわけですか。」
「そういうことよ。」
俺は二人にアイコンタクトを送ると二人は頷いた。
それを確認した俺は紫さんに告げる。
「わかりました。その件引き受けます。」
「そう言ってくれて助かるわ、明日の朝にあなたたちのISに座標を送っておくわね。」
そう言って紫さんはスキマを開いて幻想郷へと帰っていった。
紫さんが帰ったのを見届けたあと俺は二人に話しかける。
「このあとどうする?」
「とりあえず明日の準備ね。」
刀奈さんにそう言われすぐに準備を始める。
翌日、俺たちは誰にも気づかれないように紫さんから送られた座標へと移動(もちろんISを使わずに自分たちで飛行)を開始。
四、五分ほど飛んでいると刀奈さんが声をかけてきた。
「ねぇラウラちゃんたちに何も言わずに来ちゃったけど大丈夫かしら?」
「心配ないと思いますよ。」
「念の為に机の上に書き置きを残してきいたから大丈夫。」
「だといいんだけど・・・・なんか嫌な予感がするのよね。」
この時、刀奈さんの言った嫌な予感が的中するとは思いもよらなかった。
一夏SIDE OUT
飛びつけること三〇分、ようやく指定されたポイントについた一夏たちは空間の裂け目を見つけそこに降り立つ。
地面に降りた一夏たちは目の前にぽっかりと空いた空間の裂け目を見つめる。
「これが紫さんの言っていた空間の裂け目か。ん?」
一夏は空間の内部から見知った力を感じ取る。
すぐに一夏は簪に調べてもらうことにした。
「簪コイツがいつごろ発生したのか調べてくれないか?」
「わかった。」
簪はISを起動させ、タッチパネルを展開し空間の裂け目を調べ始める。
わずか3分で解析を終えた簪は一夏と刀奈に調べ上げた結果を報告。
「どうやらこの空間の裂け目ここ一週間以内に発生したみたい。」
それを聞いて一夏は何が原因でこれが発生したのか理解した。
「簪、この空間の裂け目ができたのは学年別トーナメント――それも俺との試合が原因だろ?」
「うん、解析結果から一夏や私それからラウラの霊力反応が検出されたから間違いないよ。」
「だから紫さんは俺らのところに来たわけか。」
この時一夏は言ってくれればよかったのにと心の中で思う。
「それじゃあ私ってここに居る必要はないんじゃ・・・・」
「えっと・・・・ドンマイしか言い様がないです。」
「はぁ・・・まあ頼まれたから仕方ないわ。でも一夏くんと簪ちゃんは貸一つだからね。」
「わかりました。」
話を終えた一夏たちはすぐに裂け目の修復へと取り掛かかろうと裂け目に霊力を流す。
しかし、ここで思いもよらない事がおき始めた。
三人の力に反応でもしたのか突然空間の裂け目が活性しあたりのものを吸い込み始めたのだ。
「くっいきなりなんなんだよっ!?」
「わ、私たちの力に反応して活性化したとしか考えられないっ!?」
吸い込まれないようにと三人は抗うものの吸引力の方が強く三人は空間の裂け目へと吸い込まれてしまう。
「おわああああああーーーーー!!!!」
「「きゃああああああーーーーーーー!!!!」」
三人を吸い込んだ空間の裂け目は次第に小さくなってゆき完全に閉じてしまった。
――――――――――
――――――
―――
空間の歪みに吸い込まれた一夏、刀奈、簪の三人は時間にして五分くらい歪みの中を漂ったあと空間の歪から吐き出された。
「あいたたた。」
「二人とも大丈夫?」
「何とか。」
三人は体についた砂埃を払い落とすと自分たちが吐き出された場所に顔を向ける。
「やっぱ消えちまってるな。」
自分たちを吸い込んだ歪みは既に閉じてしまっていた。
「こりゃ紫さんが見つけてくれるまで待つしかないか。」
「そうね・・・・はぁ~嫌な予感が当たっちゃったわ。」
まさか嫌な予感があたってしまったことに溜め息をはく刀奈。
「とりあえずはここがどこか調べないとな。」
「それなら心配ないよ。」
「どうしてそう言い切れるの簪ちゃん?」
簪はすぅーっと人差し指をある方向に向けた。
「だってここ第三アリーナだから。」
一夏と刀奈が簪の指出した方に視線を向けるとIS学園のシンボルマークと第三アリーナと書かれた壁が目に映る。
「ってことはここは統夜くんのいる世界?」
「俺も最初はそう思ったんだが、あいつの気配が感じられないからここは統夜のいる世界じゃない。」
「となれば私たちの全く知らない歴史を歩んだ世界ってことね。」
「だとしたらここから移動したほうがいいんじゃないかな?見つかったらきっと大騒ぎになると思うから。」
「それもそうだな。」
一夏たちは急いでこのアリーナから離れようと移動を開始。
しかし移動しようと歩き出した矢先、アリーナのフィールドに女性が一人入ってきたのを一夏たちは視界に捉えた。
フィールドに入ってきた二人が一夏たちと接点のない人たちであればよかったのだが、運が悪いことにその人たちはこの世界の織斑 千冬だった。
千冬SIDE
「そこを動くな侵入者。」
私はIS学園に侵入した輩に警告を告げる。
すると背を向けていた侵入者の三人が私たちの方へと体を向けてきた。
私はその三人の顔を見て驚く。
「なっ!?」
そう髪の色と瞳の色を除けば私の弟である一夏にそっくりな男とこれまた更識姉妹にそっくりな女たちが目の前に佇んでいるのだから。
いったい全体何がどうなっているのだ?まるで三人のクローン人間を見ているようだ。
っといかんいかん教師である私が取り乱すわけには行かない。
私は驚いていることを悟られないように睨みつけながら話しかけた。
「私は織斑 千冬。ここIS学園で教師をしている者だ。単刀直入に言うお前たちは何者でここに来た目的が何なのか。」
すると一夏に似た人物が答えた。
「とりあえずここに居る全員が座れるところで話をしませんか?こんな炎天下の中で立って話をするのも疲れると思いますし、何よりあなたに説明したあとに後ろにいる人たちにも説明するのも面倒ですし。」
「それは言えるな。」
私でもこの炎天下の中たって話すのは辛い。
ここはこの男の提案にのるとしよう。
「確か会議室が空いていたはずだからそこへ移動しよ。」
「お手数をおかけします。」
礼儀正しいな、一夏にも見習わせてやりたいくらいだ。
そう思いながら私は彼らを連れて会議室へと移動した。
千冬SIDE OUT
――――――――――
――――――
―――
会議室に移動した一夏たちは空いている席に座っていく。
そして三人が席に座ったのを確認した一夏が真っ先に口を開いた。
「自己紹介が遅れた。俺は亀山 一夏だ。」
「私は更識 楯無よ。」
「更識 簪です。」
三人の自己紹介を聞き千冬はまたしても驚く。
「ほんとに一夏なのか?」
「そうだ。といっても平行世界の人間だけどな。」
「平行世界だとっ!?」
千冬は驚く。なんせ目の前にいるのが平行世界の人間だというのだから、普通であれば信じられないことだ。
その為千冬は三人に質問をした。
「お前たちが平行世界の人間である証拠はあるのか?」
「そうですね―――」
すると一夏は自分たちの世界のことを語り始めた。
幻想郷と呼ばれる未知の世界での生活、そして巨大生物との戦い・・・普通であればとても信じられない。
「―――とまあこんな感じですかね。」
「・・・・・・」
「信じられませんか?」
「ああ、言葉だけでなら誰でも嘘は付ける。だが証拠となるようなものがあれば話は別ではあるが。」
千冬のその言葉を聞き一夏はポケットからiponのような機械を取り出し証拠となる映像を千冬に見せる。
映像に写されたギャオスを見て千冬目を見開いては驚く。
「・・・・この映像は合成ではないのだな。」
「ええ一切合成はされていない映像です。」
「そうかお前たちが平行世界の人間であることはわかった。だがなぜその住人であるお前たちがここにいる。」
「実を言うとですね―――――」
今度は刀奈がこの世界に来てしまった理由を千冬に説明していく。
説明を始めて5分が経過し話は終わった。
「――――というわけなんです。」
「なるほどそういった理由だったのか。」
理由を聞きなんとか彼らを元の世界に帰してあげられないか千冬は考える。
一夏は千冬が考えていることを察して大丈夫であることを伝える。
「あっ別に帰る方法はあるので無理にその方法を模索しなくても大丈夫ですよ。」
「何そうなのかそれを聞いて安心した。」
帰る方法があると聞いて千冬は安心する。
「さてこっちのことも教えたんですから今度はこの世界のこと話してもらえますか?」
「そうだな。」
千冬はこちらの世界で起きたことについて話し始めた。
代表決定戦、クラス対抗戦の最中に起きた無人機による襲来、学年別トーナメントでのラウラの暴走、臨海学校の最中に起きた軍用ISとの戦闘、学園祭で起きた襲撃、キャノンボール・ファストのレースの最中に起きたアクシデント、専用機限定タッグマッチ中に起きた二度目の無人機襲来。
代表決定戦を除けばほとんどがアクシデント、まさかこれほどまでに事件が立て続けに起きていることに一夏たちは表情をきつくする。
「―――以上がこの世界のIS学園で起きた事件などだ。」
「「「・・・・・・」」」
一夏たちは一年も経たない内にここまで事件が起きていることに驚愕。さらに言えばこれだけ事件が起きているにも関わらず死人が一人も出ないことに安心した。
このことに対して一夏は「よく無事でしたね」っと千冬に言うと千冬は「全くだ」と答えた。
「それで俺たちはどうなりますか?」
「とりあえずお前たちの言う人物が助けに来るまでこの学園にいてもらう。」
「やっぱそうなるか。」
そのことを予想していた一夏たちはため息をはく。
「まあなんにせよ紫さんが見つけてくれるまでよろしくお願いします。」
こうして一夏、刀奈、簪の三人は紫が迎えに来るまでこの世界のIS学園で世話になることが決まった。
「済まないがこちらの一夏たちを呼んでもいいか?このことをあいつらにも知らせておかなければ。」
「そうですね、混乱しないで済むと思いますしいいですよ。」
「感謝する。」
今回は平行世界に飛ばされてから千冬似合うまでのお話皆様いかがでしたでしょうか。
少し常識的な千冬を見て皆様がどう思ったのか楽しみですね。
それとお知らせでは原作世界となっていましたが原作に最も近い世界に変更いたしました。
感想お待ちしております。
一部修正いたしました(5/4)