私には、変わった友達がいます。
「はい、そうですね……」
今日も、その友達と一緒に歩いてとある部屋を目指す。
友達は、いつも私の少し後ろを黙って歩くけど、話しかけると横に並んでくれる。
『ほら、また……』
『ほんとだ。隣、誰もいないよね。それに……』
いつものように聞こえてくる他の方からの奇怪なものを見るような目線。
でも、それは仕方ないのです。
だって、私の友達は、他の方には見えないのですから。変に見られても仕方ないのです。
たった1人を除いて。
「あ、ライネルさん」
「あ、カフェにそのお友達さん」
そう、彼女も、“見える”のだ。
「いい天気ですね……」
「だねぇ……」
一緒に廊下を歩き、いつもの部屋に入って、それぞれ静かに過ごす。
何も起こらない時間。
一番落ち着く時間。
「そういえば、ライネルさん……」
「ん?なんだい?」
「次のレースは……本当にホープフルですか?」
「あぁ。確認したさ」
「そうですか……気をつけてくださいね……嫌な予感がします」
「そう……わかった。気をつける」
周りの幽霊が、ふよふよと彼女へと寄っていく。
それが好意からなのか悪意からなのかは、わからない。
でも、彼女の周りにはよく集まる。
「……」
「……コーヒー、いる?」
「……欲しい、です」
にしても、気にしないんですかね?あれだけ目の前を飛んでいたら、ぶつかりそうです。
「…………」
「…………はい」
「……ありがとうございます」
渡されたマグカップ。中身はやはり、私がよく飲むブラックコーヒー。品種は……彼女のことですから、気にしていないんでしょう。
「…………」
「…………」
マグカップから立つ湯気を何気なく見つめていると、窓が視界に入った。
曇りがちだった空は、今は影を降らせて、音を奏でる。
「……雨ですね」
「……そうだねぇ……」
雨と聞いてか、彼女が立ち上がる。
それを黙って目で追う。
「カフェ、賭けをしてみないか?」
「どんな内容でですか?」
「アイツが濡れて帰ってくるかどうか」
「そうですか……では、何をかけますか?」
「私の賭けが外れた場合は、ブラックコーヒーを飲もう」
「……そうですか。私もそれに合わせないといけませんね」
「大丈夫だ。カフェには、カフェオレを飲んでもらう」
「あ、そちらですか……」
「ん?他に何かあったかい?」
「砂糖たっぷりのコーヒーかと」
「いや、コーヒーに砂糖だけ入れるのは美味しくないだろう」
「確かにそうですね」
「美味しいものとか、嗜好品は、それによって救われなきゃいけないんだ。だから、嗜好品を食べにくい、飲みにくいようにするのはよくないと私は思う」
スイッチが入ったかのように長々と語る。
その姿はまるで、トレーナーに薬を飲ませる時のあの人のよう。
本当に、あなたは似ていますし、似ていないですね。
「ん?どうしたんだい、カフェ」
「いえ。似ているなぁ、と」
「あぁ……確かにな。今のは似ていた」
「とにかく、その賭け、乗ります」
しょんぼりとしょげてしまう……彼女が絶対に見せない表情や感情。
それをあなたが補完してしまうのは、何故なんでしょうかね……。
まるで、完璧な1をてきとうに2つに割ったような感じですよね、あなたと彼女は。
だから、だから。
「……飽きないですね……」
「…………そうかい」
「……はい」
ウマ娘の耳はとても良い。だから、あなたに聞かれてしまったけど、でも、何も聞いてこないあなたの優しさは、嬉しいですよ。
ある意味、そこは彼女らしいですし、あなたらしさでもある謎ですね。
まぁ、一緒にいて、落ち着けるので……これで、いいかな。
あ、とても大きいのが、あなたの顔の前に……。
「わぷっ」
「………」
感想等、お待ちしております(土下座)
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