アグネスじゃないタキオン   作:天津神

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文字数少ないのは、長く描くのがめんどいし、サクッと読み終わることのできる小説にしたいから。
感想、ガチで感謝します!!
原動力になって、こんなにも早く書けた!!
読者にも感謝!!
毎時UAの数見てるんだぞ〜。寝てる時以外。


No.4

 

 京都競馬場、1600m、新馬戦。

 私のデビュー戦だ。

 

「なぁ、ライネル。そろそろ機嫌なおせって」

 

 パドック直前になっても、私の気分は駄々下がり。

 なぜなら、約束したから。

 一緒に走ろうと、藤峰と約束したんだ。

 一緒に勝とうと、約束したんだ。

 だから、君を乗せるのは嫌だ。

 わかるだろう?ブレインボールブとの併せ馬の時にブレインボールブに乗ってた人、加藤くん。

 

「なぁ……走るんだろ?後でなんかやるからさ……走ってくれよ」

 

 はぁ……パドックまでは行ってやる。

 

「よし、加藤、頼んだぞ。コイツはかなり賢い。だから気をつけろよ」

「は、はい」

 

 

『新たな希望が生まれる新馬戦。今年は、京都競馬場にて行われます。出走する馬をご紹介しましょう。1番ハッピープログレス』

『少し落ち着かない様子』

 

 アナウンスでどんどん紹介されていく。

 

『9番ライネルタキオン。先程まで暴れていたようです。鞍上は、藤峰騎手から加藤騎手に急遽変更。原因は、藤峰騎手の交通事故だそうです』

『かなり荒れていますね』

 

 知るか。私は走らんぞ。

 

「……なぁ、ライネル」

 

 んだよ?

 

「……いや、なんでもない」

 

 

 

 

 ゲート前まで来た。だが、私は入らない。

 

『9番、少し手こずってますね』

『暴れに暴れてますね』

 

「……」

 

 さっきから加藤くんがずっと黙ってる。

 

「だー!!ライネル落ち着け!!」

 

 厩務員さんが来ても、誰が来ても、背中に藤峰がいないのなら、私は走らない!!

 

「あーもう!!手がつけられねぇ!!加藤!!手伝ってくれ!!」

「…………」

「加藤、加藤!!」

「あの……少し、ライネルと話させてください」

 

 ……なんだろうか。

 

「なぁ、ライネル。お前は、藤峰と走りたかったんだよな」

 

 あぁ、そうだ。

 

「こんなことになって、納得が行ってないんだろ?」

 

 勿論そうだ。

 

「俺も納得いってないよ。本当は、藤峰さんの努力を無駄にしたくない。だから、乗りたくなかったんだ」

 

 お前もか。私もだよ。同じだな。

 

「でも、ここでライネル、君が走らなかったら、目が覚めた藤峰さんにどやされちまう。ライネルのデビューをなんでさせてやれなかったって。それに、なんで勝てなかったって」

 

 言ってたな。勝てるって。

 

「だからさ……」

 

 加藤くんが俯いて、黙ってしまう。

 右手に持っている鞭が震えているのが見える。

 

「すぅ……はぁ……」

 

 そんな深呼吸して、どうしたんだい?

 

「ライネル、よく聞け」

 

 あぁ。今なら聞いてやる。

 

 バチン

 

 大きな音がする。鞭で叩く音だ。

 私は痛くない。だって、叩かれていないから。

 では、誰が叩かれたのか。答えは1つ。

 

「「か、加藤騎手!?」」

 

 そう、加藤くんが、自分で自分の腿を鞭で叩いたのだ。

 

「俺はダメな奴だ!!でも、お前はダメなんかじゃない!!こんなダメな男が乗っても、お前は勝てるんだ!!誰が乗っても勝てるんだ!!それを証明してくれ!!」

 

 叫ぶ。心の中を全て出して、空っぽにして、思いのままに、叫んでいた。

 あのさぁ……君。加藤くんがいつダメだと言ったか?私はそんな心意気は許さない。

 でも、覚悟はわかった。全力で走ってやるよ。落ちるなよ。

 その覚悟と同等のことをしてやるよ。

 気合なんて、いらない。根性もいらない。

 今、この瞬間に全力を注げれるだけでいいんだ。

 勝ってやる。誰も追いつけないように。

 前両足を高く上げて、鳴き叫ぶ。

 

「ライネル、お前……」

 

 さぁ、ゲート入りするぞ。藤峰に失望されないような、レースをして、藤峰の帰りを待つぞ!!

 

『9番ライネルタキオン、ゲートイン。偶数組のゲートインに入ります』

 

 

 

『全てのゲート入り、完了しました』

 

「ライネル」

 

 ゲートの中で話しかけられる。

 なんだい?

 

「このレース、お前に任せるからな」

 

 どうぞどうぞ。期待しろ。

 私も、アンタを信頼して、全力出すんだから。




銀の匙のネタ、ぶっ込んでみました。あのシーン、なんか、かっこいいんですよね。
さて、ライネルタキオン、デビュー戦、どうなるのでしょうか。
パドックで問題を起こすライネルでしたが……あれ?どこかでみたことあるような……ま、気のせいでしょうね。
次回、アグネスじゃないタキオン
No.5 栗毛で無名の新馬
お楽しみに!!








なお、次回予告するということは、内容が決まっていて、比較的に早く書き終わります。

ウマ娘シーン、流石にチョロチョロと投稿しても

  • いい!!
  • ダメ、時間系列を守って読みたい!!

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