アグネスじゃないタキオン   作:天津神

34 / 50
ライネルの午後の日常


No.2

 

 

「ラティ、手伝いに来い」

『はぁ?まぁ、構わないが』

 

 妹に一報を入れて、生徒会室へと向かう。

 生徒会室に用があるのか?と言われればある。

 生徒会に用がある。

 

『だーかーらーさー』

 

 中から声が聞こえてくるが関係ない。

 勢いよく扉を開け放つ。

 

[バンッ!!]

「ピェッ!?」

 

 生徒会室の中には、シンボリルドルフ、トウカイテイオー、エアグルーヴ、ナリタブライアンしかいない。あとは書類の山。

 

「やぁ、ライネル」

「やぁ、じゃない。またか」

「すまない、まただ」

 

 いつもと同じ会話を繰り返す。

 いったいさったい、何回目なんだろうな?

 

「え、な、何があったの……?」

「テイオー、まずは私の方に来い。じゃないと巻き込まれる」

「え、巻き込まれるって何さ、エアグルーヴ」

「ライネルの説教に」

「え、なにそれ」

「いいから来い」

 

 トウカイテイオーがルドルフの前から退けられると、丁度、私とルドルフの間には誰もいない。

 さて、やるか。

 

「さて、ここでルドルフに問題だ」

「ふむ。なんだろうか」

「なぜ、私はここに来たのかわかっているか?」

 

 時計の方を見ながら、クイズを出す。

 

「……シービーに言われたからか?」

「ほぅ。まぁ、前回はそうだったな」

「ということは違うか……すまない、教えてくれないだろうか」

「そうか。ならエアグルーヴ、答えてみろ」

「え、私もか?」

「あぁ、そうだ」

 

 君も関係してるのだよ。

 

「すまない。わからない」

「そうかそうか。ならブライアン。言ってみろ」

「トレーニング」

「「あ」」

 

 そう。トレーニング。このことがわかるよな?

 

「?どゆこと?カイチョー」

 

 テイオーはわかってないみたいだが、まぁ、それは仕方ない。

 

「貴様ら、一体何時までここにいるつもりだ」

「本当に申し訳ない。今から準備する……」

「遅い!!一体、いつまで生徒会の仕事をするつもりだ!!君たちのトレーナーが困っていたぞ!!そして、なんで私に泣きついてくるのだ!!」

 

 時刻にして午後5時。

 そう、普通はトレーニング終了の時間。

 

「特にブライアン!!」

「いや、私は一報入れてるはずなんだが」

「遅れるとは聞いたが来ないのは聞いてない、と言ってたぞ」

「すまん」

 

 よし!!ブライアンは素直に謝ったな!!

 

「え、毎回こんな感じなの」

「あぁ……特に会長はな……」

「そうだったんだ……」

「さっさとトレーニングに行って来い。もしくはトレーナーのところだな。後は私がなんとかしとく」

 

 さっさと話をつけて来い。

 

 

 

「……………」

「そこでこっそりと眺めてないで入ってきたらどうだ、ラティ」

「すまない、姉ちゃん。入るタイミングが宇宙の果てまで飛んでいってしまった」

「そうか」

「あぁ」

「そっち半分のは私がやる。残りは任せた」

「了解」

 

 妹のライネルナラティブが生徒会室にやってきて、早速生徒会の仕事を肩代わりする。

 

「ところで、君は一体何をしているんだ?」

「ピッ!?」

 

 ラティがテイオーに気が付き、疑問を呈する。

 

「いや、ここで待ってるんだよ。ルドルフをね」

「なるほどな」

「えっと……ボク、ここにいてもいい?」

「あぁ。邪魔しないなら」

「テイオーを邪険に扱うと、後でルドルフにどやされるからな」

「はいはい」

「?ライネルタキオンさんは、カイチョーと同室なの?」

「ライネルでいいぞ。まぁ、そうだな……同室だが」

「へぇ!!じゃ、じゃあ、カイチョーか普段からしている事とか、知ってるの!?」

「いや、知らない」

 

 朝練で朝いないし。

 

 

「はぁ〜……やっと終わった……」

 

 時刻にして午後9時。いや〜、長い長い。

 

「お疲れ様、ラティ。飲み物奢るよ」

「うん……」

 

 あらあら……ラティは眠いのか。

 

「全く……ほら、部屋まで運んであげる」

「ん……」

 

 確かナラティブの同室は〜。

 

 

 

「やぁ、どうしたんだい?またバイクの件かい?」

「いや、違う。ラティの方だ」

 

 ミスターシービー。

 うん。うそん……三冠バじゃん、三冠ウマ娘じゃん。

 

「あぁ……寝落ちか……また生徒会かい?」

「あぁ。一体、私たちに何回世話をさせるつもりなのか気になるな」

「まぁ、やることが増えたんだ。仕方ないさ」

「そうかい。私はこれで……多分、早く寝ないと惚気話を聞かされる」

 

 んじゃ、と挨拶してさっさと出る。

 怖いし面倒なんじゃ。

 

 

 

「行ったね……起きてるんだろう?」

「勿論だ」

 

 ライネルナラティブ。鹿毛のウマ娘。額のVの字の流星が特徴的だ。

 そして……。

 

「やはり、姉という存在は特別なのかい?」

「あぁ。姉、という存在よりかは、ライネルタキオン、という存在の方が特別だ」

「そうかい」

 

 重度のシスコン。まぁ、他人に害を与えないからマシ、なのかな?

 

「もし姉に手を出したら……」

「わかってるさ。安心しな」

 

 今度、どうやって扱うのが適切か聞くか。

 

 

 

「…………」

「ただいま」

「おかえり、ルドルフ」

 

 部屋で遊んでたらルドルフが戻ってきた。

 

「またレースゲームかい?」

「ん」

「本当にレースが好きなんだな……」

「まー、ウマ娘だからねぇ」

「そうか……」

「…………」

「…………」

 

 ルドルフがじーって見つめてくる……。

 

「興味ある?」

「す、少し」

「なら、やってみる?」

 

 まだ電源の入っていないコントローラーを差し出す。

 

「なら、やってみようかな」

 

 隣に座れるスペースを開けて座布団を置き、ゲームを2Pプレイに変更する。

 

「ライネルは普段、こういった車とかに憧れてるのか?」

「既に持ってるからなぁ……」

 

 日本車のスポーツカーをな。地元で使ってたのをそのまま持ってきた。

 

「マルゼンスキーもそういえば持っていたな」

「イタリア車だな。ランボルギーニカウンタックの……アニバーサリーだったかな?」

「アレは高いのか?」

「高いな。今買おうと思ったら普通に1000万は超えると思うぞ、多分」

「そんなのに乗ってるのか……今度から丁寧に触れよ……」

 

 ある意味、近づきたくない車の1つだな。壊したらどれだけ払えばいいのかわからなから。

 

「それで……どれが速いとかあるか?」

「基本的に㏋が高いのを選んだらいい。あとはトルクもな」

「なるほど……」

 

 この後、1時間程一緒に遊んでから寝た。

 何か忘れてるような……。ま、忘れるほどのことだろう。いいか。




前書きがたったの10文字だと…………!!
感想等、お願いします。ほちいです

アグネスじゃないタキオンの裏話(設定とかそうゆう系の考え等)を別の場所で

  • 読みたい(リンクは貼ります)
  • 読みたくない
  • ハーメルンの活動報告でしてほしい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。