アグネスじゃないタキオン   作:天津神

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脳が破壊されそうなほど、他の小説の影響受けそうだった。軌道修正軌道修正っと。


No.8

 

 

 闇が見える。

 何もない、闇。

 広がっては、小さくなる緑色のようで青色で、赤色で、黄色で黒色で白色の輪郭。

 右に行ったかと思えば左から戻ってきて、上に広がって、上から広がってくる。

 不意に、地面の感触。両足で強く踏み締めているような感覚。

 屈んで、地面に手を伸ばす。真っ暗ながらも、芝の感触。

 そして、聞こえてくる動物の足音。その足音が近づいて来て……。

 

 

 

 

「カフェー。カフェー。助けてくれー」

「もう、またタキオンさん何か……ライネルさんでしたか」

 

 研究室前で大声で叫んでカフェに助けを求めたら、アグネスと間違われそうになった。懐かしい。

 今似てるのは声だけだからね!!

 

「それ、どうしたんですか……?」

「わからない。離れないし、重いしで……」

 

 私のトレーナーさんが、私の腰に抱きついてる。

 朝に出会ったら、すぐこれだった。

 一体何が……。

 

「とりあえず、部屋の中に運びますね」

「先に引き剥がしてくれ」

「面倒なので足持ちますね」

 

 カフェが足を持って、不思議な格好で部屋に入ることに。

 

「おや、マンハッタンカフェさん。どうし……ブハッ」

 

 研究室の中にいたアグネスデジタルが、なぜか鼻血だしてぶっ倒れた。マジか。

 

「とりあえず、ここに足、置いときますね」

「助かった、ありがとう、カフェ」

 

 さてと、倒れたデジタルは放置するとしてだ。トレーナーさんをどうにかしないと、おちおち座ることもできない。

 

「トレーナーさん、離れて欲しいなー。ソファに座りたいから」

「やだ……」

 

 先ほどからこの調子である。なぜに。

 

「じゃあ向きぐらい変えさせて」

「ん……」

 

 抱きつく力が弱くなったので、後ろからしがみついてたトレーナーさんの腕の間に手を入れる。尻尾を掴んだら、上にサッと避けておく。ずーっと、引っかかってたんだよね。

 

「……でもとりあえず離れて欲しいんだけど」

「…………わかった……」

 

 ようやくトレーナーさんが離れてくれた。

 トレーナーさんの目は赤く充血していた。

 

「それで、どうしたんだい?」

「………笑わないなら」

「わかったよ。笑わない」

「……夢を見た……」

「夢?どんな夢だったんだい?」

 

 トレーナーさんが、顔を顰めつつも、はっきりと口にしてくれる。

 

「ライネルの、慰霊碑の前まで謎の動物に乗せられて移動する夢……」

 

 慰霊碑……。

 

「そうか……あの後、慰霊碑が建てられたのか……」

「ライネル……?」

「いや、なんでもないさ。それで、その謎の動物というのは?」

「四足歩行で……頭が縦に長くて、耳がウマ娘みたいな耳で……牛の足を長くして、身体を細くしたみたいな感じで……尻尾もウマ娘の尻尾と似たもので……」

 

 なるほどな。やっぱり。ウマじゃん。

 

「それで、何がトレーナーさんを悲しくさせたんだい?」

「慰霊碑……」

「そうか……」

「ライネルが、いつかいなくなっちゃうなんて、考えられない……」

「そうかそうか。でも、私だって、単なる生物でしかない。いつかはいなくなってしまう。そこはわかっててくれないか?」

「わかりたくない……」

「そうかい……」

 

 まぁ、誰にでもあることなのだろうね。

 

「つらい……」

「つらいな。ま、私はここにいるから、安心して」

「ん……」

 

 はぁ……まさか夢であの世界に繋がるとはな。

 

「そういえば、その夢は何度も見ているのかい?」

「3回連続……」

「よし、病院に行こう」

「え……」

 

 

 

「これはトレーナーをやっている方によく見られる症状ですので、精神に問題等はありませんよ」

 

 という結果だった。

 

「まぁ、その夢の中でやってはいけないことは……担当ウマ娘と同じ名前を持つ謎の存在。それに跨ってはいけません。過去にそれで緊急搬送されている方がいますので。本当に気をつけてください」

 

 こわ。ウマ怖っ!

 つか、その夢怖っ!!

 

「治療方法は確立されていません。ただ、精神を強く持つ必要もありません。普通に過ごしていくと、いつのまにか見なくなるものです」

 

 

 

 

「ライネル……」

「なんだい?」

「ライネルは、変な夢、見ないの?」

 

 変な夢ねぇ……。

 

「見る、さ。色々とね……」

 

 死。死の恐怖。周りが死んで、わたしが1人。残された私も、孤独に寂しく泣きながら死ぬ。周る人形が不気味で、楽しくて、泣く。そんな不思議かつ、不可解、不愉快な夢。

 それを忘れることなんて、到底無理だろうな。

 

「でも、夢は夢だ。現実とは違う。例え正夢だろうと、正確に合致することはない。だから気にする必要もない」

 

 そして、何よりも忘れることのない夢がある。

 

「でも、それだと正夢じゃないような……」

「デジャヴったら正夢。そういうものだろう?」

 

 トレーナーさんの顔を覗き込んで、虹彩の奥を見つめる。

 その向こう側に、青色の炎が一瞬見えた。

 ふむ。後でカフェに頼むか。

 トレーナーさんは、どうやら引き寄せやすいタイプみたいだな。

 何もないといいが……。




トレーナーにひっそり憑いてたアレは一体何なのか……。自分でも訳の分からない伏線を貼ってると、自由に使えることを学んだ!!

感想待ってまーす。欲しいでーす。


あ、外伝作品を別タイトルて投稿してます。詳しくは、「ライネルタキオン」で小説を検索検索ぅ!!

アグネスじゃないタキオンの裏話(設定とかそうゆう系の考え等)を別の場所で

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