アグネスじゃないタキオン   作:天津神

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NN.5

 

 

「いよいよ明日がレースか」

 

 春が終わりを告げ出す6月。京都の芝に、狂いなし。また、新潟の芝も狂いなし。

 

「期待の新人が、新潟で走るんだろ!!中継で見るつもりだ、俺は」

 

 駅前は、そのような声であふれていた。

 周囲の誰もが、新潟のレースに注目する。

 

「周囲は完全に、あの娘の話ばかりなのー」

「ほんと、すごい期待がかかってるからね。確か、三冠ウマ娘になることができる素質を持ってるとか」

「はーなの。まだ走ってないのにやれ三冠だのいうのはおかしいと思うの」

 

 メジロライアンとアイネスフウジンの2人が、駅前を通り過ぎて、とある場所へと向かっていった。

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

 生徒会室の扉がノックされ、1人のウマ娘が中に入る。

 

「ご用件とは、なんでしょうか。シンボリルドルフ生徒会長」

「そこまで固くならないでくれ。ラフに行こう」

 

 そのウマ娘をソファに座らせ、シンボリルドルフもその対面へと移動する。

 

「デビュー前にもかかわらず、かなり話題になっているな」

「はい。三冠ウマ娘有力候補として、なぜか知られています」

 

 苦笑しながら、ルドルフは問いかける。

 

「私の頃は、そんなことはなかったのだがな……」

「………」

「まぁ、それはいいとしよう。不調とかは、無いか?」

「いえ。ありません。この期待を背に、走り出したいと思います」

「そうか。なら、私からは何も言うことはない。すまなかったな、タケミカヅチ」

「いえ、トレーニング開始時刻ではないので」

 

 タケミカヅチと呼ばれたウマ娘が生徒会室から出ると、窓から見える景色へと目を向ける。

 そこには、これからデビュー戦があるであろう、幾多のウマ娘達がトレーニングをしている風景が見える。

 

「デビュー直前だからと言って、あまり無茶はして欲しくないのだけれどな……」

 

 湿度が高い時期といえど夏のゲートが開かれたばかり。

 節電と書かれた紙が、扇風機の風で揺れる中、ルドルフの額から流れる汗が、1つの書類にシミを作る。

 

「ちょいと失礼するでー」

 

 特徴的な口調と共にタマモクロスが入ってきた。いや、タマモクロスと書類の山がやってきた。

 

「かなりの量だな……」

「ほんまやで。これ、どこに置いとくんや?」

「そこの机に置いといてくれ……はぁ……また1人でやらなければいけないのか……」

 

 机の上に置かれた書類の山。一応、生徒会にはメンバーはいるのだが……今はほとんどが出払っている。

 

「なんや、ライネルタキオンに任せたらええんとちゃうん?」

「そうはしたいのだが……彼女はまだシニア級。私のように自由は効かないさ」

「まぁ、そやな。シニア級っつったら、今からやったら宝塚記念、天皇賞秋にジャパンカップ。有馬記念もあるやろな」

「あぁ。だから、邪魔をできる限りしたくない」

「いや、それでアンタが体調崩したら元も子もないやろがい。見かけたら言っとくわ」

 

 またなー、と部屋から出て行き、また1人となったルドルフ。

 

「さてと……あ、もしもし、トレーナー君?」

 

 トレーナーの手を借りることにした。

 

 

 

 

 

「え?寮?」

「あぁ。ここ最近私の方に苦情がきている」

 

 久方ぶりに、姉と共に食堂に向かう途中、寮のことについて話す。

 

「苦情……?」

「やれ、『いつになったら帰ってくるんだ』『掃除ぐらいはして欲しい』『相談したいことがあっても話せない』……まぁ、これがマシな部類だな」

「出した奴の顔が思い浮かぶ……」

 

 全てシンボリだな。たまにエアグルーヴからのもあるが。

 

「あと、これだな」

「これは……あー……生徒会か?」

「そうだ」

 

 会議の記録に記録。記録に記録、記録、記録。記録ばかりだな。

 

「一体、いつ私が書記長になったと言うんだ……」

「知らん。私も被害者だ」

 

 誰だ、勝手に副書記長欄に名前を書いた奴は。

 

「まぁ……やることはこれ以外変わらないだろうが……」

「それと……ファンレターだな。以前の宣伝放送に出演した分のレター。中身はほぼ、ネタだ」

「…………ウソでしょ……」

 

 目が遠くを見ているが関係ない。はよやれ。

 




新ウマ娘、登場!!
タケミカヅチ……はて、どこかで聞いたことがあるような……気のせいですね!!えぇ!!気のせいですね!!






もしかしたら、懐かしい名前を出す可能性が……知ってる人少ないか。

感想等お待ちしてます。

アグネスじゃないタキオンの裏話(設定とかそうゆう系の考え等)を別の場所で

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