アグネスじゃないタキオン   作:天津神

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襲撃!!妹!!


No.8

 

 

『ライネルタキオン、後方とは15バ身差でゴール!!』

「わー」

「ほら、早く食べて、用意しなさい」

「はーい」

 

 テレビからテーブルを見る。ママが作ってくれた朝ごはんが、並んでいてとても美味しそう!!

 

「ねぇ、ママ」

「なぁに?」

「私も、速く走れるよね?」

「もちろん。だって……」

 

 テレビに大きく映されたウマ娘を見て、ママは言った。

 

「あのライネルタキオンの、妹なんだから」

 

 

 

「はぁ!?」

 

 突然の知らせに変に声を荒げてしまう。

 周囲からの視線が痛い。

 

『だから、しばらく預かって欲しいのよ』

「はぁ……折り返し電話する」

 

 電話を切り、携帯をポケットにしまう。

 

「あ、あの〜……ライネル?」

「あぁ、トレーナーさん。少し、頼みたいことがあってね……」

 

 近くでビビっていたトレーナーに提案するしかない。

 

「しばらく、妹を預かってくれないか?」

「はい?」

 

 いや、疑問で答えられても……。

 

 

 ということがあったのが昨日。

 なんとか、理事長等からの許可を得て(理事長の所まで行くのに苦労した)、トレセン学園正門前で、仁王立ち。

 周りの視線?今日は休日!!誰もいない!!

 

「はぁ……まだか……」

「ふふっ、そこまで焦る必要は無いような気がする内容だと思うが?ライネル」

「ルドルフ会長、茶化さないで欲しい」

 

 ストレスシューマッハ。なんで生徒会長が隣にいるの?

 らいねる、よくわかんない……(思考放棄、知能定数急激に低下)

 

「ところで、なぜ生徒会長がここに?」

「いや、特別に預かる子がどんな子なのか、気になってね」

「はぁ……」

[コンディション獲得:偏頭痛]

[ライネルタキオンのやる気が下がった]

 

 なんだろう……頭に響く声がある。誰がやる気が下がっただって?あ?

 

「そろそろ来るはずだけど……」

「そうだな」

 

 なんだろう……気まずいというか、話すことないですね。

 

「む。来たようだ」

「…………来たって、来てるのはリムジンですけど……はっ……まさか」

「そのまさかだよ。メジロ家に少し手伝ってもらおうかと思って頼んでみたら、想像以上だったんだ。少し、胃が痛いよ」

「だ、大丈夫ですか?」

 

 お腹をさすりながら話してくれる生徒会長。若干、汗も垂れてきてるような……。

 

「まぁ、将来ここに来るであろう生徒へのおもてなしだ。思ってないような楽しいトレセン学園を経験していって欲しいと思ってる」

 

 ………いやぁ、私の妹1人のために!そこまでしてくれるとは、胃が痛いですね。ストレスシューマッハどころか、ストレストップガン。

 

「お嬢様、どうぞ」

「えぇ、ありがとう、じいや。ほら、行きましょう」

 

 リムジンが止まって、中からメジロマックイーンが降りてくる。ついでに妹も。

 うっそだろおい。

 

「あ、お姉ちゃん」

「久しぶりだね、ルナ」

 

 妹と目線を合わせるためにしゃがんで、名前を呼んだら、背後からものすごい圧がかかる。

 

「ライネル。今、なんて?」

「え、いや、妹の名前が[ライネルナラティブ]だから、ルナって呼んでるだけですよ、シンボリルドルフ会長」

 

 あなたの幼名は知ってますよ。

 

「まぁ、とりあえず、私はこれで。ありがとうございます、会長」

「え、あ、あぁ」

「さ、部屋に案内するからね」

 

 さてと……この問題児をどうにかしないと。

 

 

「ルナ、一緒に暮らしてくれる、トレーナーさんだよ。トレーナーさん、妹をお願いします」

「よろしくねー、ルナちゃん」

 

 危ない発言をするトレーナーに耳打ちしようと近づく。

 

「トレーナーさん。会長の前ではあんまりルナ呼びしない方がいいです。すごい睨まれます」

「わかった」

「んで、ナラティブ、挨拶を」

「はい。ライネルナラティブです。よろしくおねがいします」

「よろしくねー」

 

 さてと……小学校に電話しとくか。

 

 

「………それで、そんな有様なのかい?」

「あぁ。本当に疲れた」

 

 小学校に電話した時、すでに手が回っていた為に色々と手間が省けたものの、やらなきゃいけないことはならないといけない(本来自分が受けるはずの授業のこと)ので、必死にカフェから借りたノートを写している。

 

「ふぅん」

「邪魔したらハロウィンの時に後悔させてやる」

「なぜハロウィンに……あぁ、そういうことか」

 

 周囲の目線からダメージを……よく考えたら私も食らうじゃん。

 

「しかし、なぜこんな時期に預かったのだね?」

「入院&転勤」

「なるほど」

「ついでにオープンスクール感覚で体験しにって感じかな」

「そんなこと許されるのかい?」

「だから理事長に聞きに行った」

「なるほど」

「ついでに、お小言ももらってきたよ」

 

 あんたのな!!

 

「へぇ……どんなものだったか教えてくれるかい?」

「危ない実験はするな。爆発はさせるな。ボヤ騒ぎも起こすな」

 

 こらー、みみをふさぐんじゃなーい。

 

「その他諸々」

「いや、そこは中身を言ってくれよ〜」

「多すぎて忘れた。以上!!」

 

 はー、忙しい忙しい。

 

「おねーちゃーん!!」

「おや、噂をすればなんとやら、だねぇ」

「こら、扉は乱暴に開けない!!」

 

 ナラティブが乱暴に扉を開けたせいで、驚いてページ1枚無駄になったじゃないか!!

 可愛いから許す!!

 

「おねーちゃんが2人!?」

「おーい。ルナー。姉はこっちだぞー」

「あ、ほんとだ」

 

 アグネスと私を交互に見て驚くのは、わかる。髪飾り以外違いないもんなー。

 事実だから許す!!

 

「ねーねー。後でかけっこしよー」

「うーん……トレーナーに聞いてからだね」

 

 最後の1ページ(さっき破けたやーつ)を書き終える。

 

「ねー、ひまー」

「なら、この変わった色の飲み物を飲んでみるかい?」

「わー、きれー」

 

 ストォォォォォォォォォォォォォォォップ!!




会長の前で『ルナ』呼びは危険!!

感想等お待ちしてます。リクエストとしての感想でもいいですよ。その内書くので。

ちなみに、電話では、『入院するからしばらくあずかれ』だそうです。圧倒的に日本語不足w

ライネルタキオンの同室は

  • シンボリルドルフ
  • サクラバクシンオー
  • ツインターボ
  • ナカヤマフェスタ
  • メジロアルダン
  • サクラチヨノオー
  • シリウスシンボリ
  • ミスターシービー

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