セイバーがいて、凛がいて、桜がいて、ライダーもいればどんなに無理無茶無謀をしても大丈夫。でもやっぱり遠坂凛のうっかりは超ド級で・・・
守護者には至らなかったものの遠坂凛のうっかりで英霊の座を経由して川神にくるお話。
ドーンと。無感情に地面に大の字に叩きつけられる。
「―――やっぱり、ダメじゃないか」
パラパラと土埃の立つ中遠い目をして夜空を見上げる。
今しがた、たたきつけられた青年の名は衛宮士郎。秘匿され、研究されるはずの神秘、魔術というオカルトを手に世界をめぐる正義の味方・・・だったのだが。
「あっつ・・・・」
ザリザリと脳裏を知らない光景が走る。そうだ。こんなものは知らない。こんな地獄など自分は知らない。
「どうにも記憶に混乱があるな・・・」
むくりと起き上がってあたりを見回す。あるのは小休止によさげなベンチと綺麗に整備された花壇。そして自分の位置を中心としてぐるりと周囲を覆う緑色のフェンス。
「ここは、学校・・・か?」
昔、通っていたものと同じような景色にそう推測をたて、どうやらどこかの学校、それも屋上に落下したのだと見立てをつける。
「―――
ゆっくりと己の内に魔力を流す。魔力回路は正常。肉体に傷や欠損も見られないが―――
「なんでさ」
思わず彼の口癖が出る。異常事態なのはわかるがそれになぜ己の肉体が若返るなど起こるのか。
それに―――
ザリザリ―――
この知らない記憶を見せられている感じ、自分は英霊にでもなったというのか・・・召喚の際、必要な知識を植え付けられると確かセイバーか遠坂が言っていた気がする。それに近い。
と、
「―――!」
ぐりんと彼の体が背後を見る。その目は遠くを見据え、
「まずい」
その人離れした視界に映ったものを見て思考を置いてすぐに行動に移る。
迫りくる
ちらりと背後を見ながら走る彼は、
(なんで人が空を
恐らく召喚の気配を掴まれたのだろうことはわかる。だが、それで人が空を飛んでくるなどなんの冗談か。
「・・・恨むぞ、遠坂」
苦虫をかみ砕いたように呟き、常人離れした速度で走りながら的確に自分を追ってくる謎の空飛ぶ人物に、速力だけでは撒けないことを悟り隠蔽の魔術を行使。
学校から数キロ離れた空き地で空飛ぶ人が学校で着地し、その後はきょろきょろとあたりを見回しているのを確認し、追跡を撒けたことにとりあえず安堵した士郎だった。
今だ状況理解ができていない・・・いや、半分はできているのだがこの地がどこであるのか、空飛ぶ人・・・それも若い高校生くらいの女の子がなぜ自分に気づいたのか。考えるべきことが山積みなことに頭を抱えながらも、
「なんとかなる・・・か?」
日ごろからあちらこちらへと旅した経験を経た彼は安直に考えてしまった。
―――さて、この地で起きるのは喜劇か悲劇か・・・イレギュラーを迎え入れたこの世界で正義の味方の新たな生活が始まろうとしていた。
とりあえずこの辺でしょうか。思い付きで書いているので今後変更されると思いますが悪しからず。処女作であり、ここを使わせていただくのも初めてなのでなんとかかけました。