真剣で衛宮士郎を愛しなさい!   作:Marthe

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みなさんこんばんにちわ。新年も頑張っていきたい作者でございます。

いよいよ記念すべき100話目の投稿です。内容はいつものタイトル通りです。

100話を飾るのはこれしか思いつきませんでした。というわけで100話目、どうぞ!


結婚式

士郎はその日、いつになくそわそわしていた。

 

「大和、大丈夫かな?」

 

「大丈夫だって。何度目の確認だよ」

 

対する大和は苦笑を浮かべて断言した。

 

士郎がそわそわするのも仕方がない。今日は彼と彼女等の結婚式なのだから。

 

真っ白なタキシードに身を包み士郎はその時を待っていた。

 

「それにしても急だな。もう結婚なんて」

 

「揚羽は西の焔と晴が帰る前にって考えてたみたいなんだ」

 

真相はこれ以上嫁が増えないようにと揚羽が嫁入りを締め切ったのが原因だが、当然士郎はそんなことを聞かされてはいない。

 

「学生婚は将来的に不利・・・なんて野暮なことを言おうとしたけど、お前さん、もう一人で食っていけるからな」

 

「親父の言う事は基本野暮なことだろ。ま、それが役目みたいなもんだけどよ」

 

「おじさんくらいの年になると、そういう役割の人も必要なわけよ・・・ともかく、おめでとさん」

 

「宇佐美先生ありがとうございます」

 

『では主賓に来ていただきましょう』

 

「お、出番だな」

 

「ああ。行ってくる」

 

豪華に飾られた式場への入り口をくぐると。

 

「シロウ」

 

「セイバー・・・」

 

真っ白なドレスを着たセイバーが居た。

 

「ウェディングドレス、似合ってるよ」

 

「ありがとうございます。・・・まさか、私が嫁入りする日が来るとは夢にも思いませんでした。・・・夢じゃ、ありませんよね?」

 

心配そうに士郎の手を取るセイバー。士郎はコクリと頷き、

 

「夢なんかじゃない。さぁ行こう。みんなが待ってる」

 

『順不同で失礼いたします。セイバー様、九鬼揚羽様、川神百代様、川神一子様、不死川心様、黛由紀江様、黛沙也佳様、マルギッテ・エーベルバッハ様、葉桜清楚様、源義経様、最上旭様、忍足あずみ様、林冲様、史文恭様、松永燕様、大友焔様、尼子晴様、遠坂凛様、間桐桜様です』

 

パチパチと拍手で迎えられる。士郎を含め、総勢20人の結婚式。本当はリザやコジマ、ジークなども参加させたかったのだが、まだドイツは多重婚化されていないので今回は来賓として猟犬部隊が来ていた。

 

「くう・・・私らより先に結婚なんて・・・羨ましいぞマルー!」

 

「ちょっとリザ!恥ずかしいことしないで!」

 

「コジマ達の時はどうするんだろうなぁ」

 

「一度に結婚する人が減るから、通常とそんなに変わらない結婚式になりそうだよね」

 

「・・・多重婚というだけで大ごとだぞ。二人とも」

 

「うーんやっぱりそうだよなぁ」

 

「はわわ・・・」

 

フィーネに釘を刺されて慌てるジーク。

 

「ま、衛宮ならその辺も上手くやるだろう。幸いドイツも日本をテストケースとして行う方向に動いているから、その時を待つんだな」

 

フィーネは苦笑していった。

 

「・・・む?小十郎。一人抜けておるぞ」

 

「え?」

 

「まだいるのか!?」

 

どよっとする中、何でもないように揚羽は言った。

 

「天衣が抜けているではないか」

 

「・・・え?」

 

「橘さんは来賓じゃ・・・」

 

「そ、そうだぞ!私は士郎の事をその・・・」

 

赤くなってモジモジし始める天衣。

 

「お前、あれだけ士郎と共にあり、夫婦のように生活しておったのに今更何を言っておるのか。いいから早くウェディングドレスに着替えてこい」

 

「・・・。」

 

「ほら士郎。お前からも何かないのか?」

 

百代にも促され、

 

「えっと・・・今の今まで分からなかったんだが・・・橘さん。俺と一緒に歩んでくれますか?」

 

「・・・!もちろんだ!!」

 

天衣はその俊足を発揮して控室に飛び込んだ。

 

「結婚式当日かよ」

 

「それでもいいんじゃね?本人が幸せならな」

 

「20人も嫁がいるなんて果報者よね」

 

「でもそれくらいないと衛宮君には相応しくない系」

 

「尼子も大友も幸せそうだな・・・」

 

「御大将も感傷か?」

 

「ぬかせ、鉢屋。まさか留学中に十勇士の結婚を見ることになるとは思いもしなかっただけよ」

 

「こう言いながらも二人の事を心配していたのです」

 

「・・・余計だぞ、島」

 

「椎名の時もこうなるんかな?」

 

「それはまだ気が早いぞ宇喜多。自分が結婚式をあげるときまではな」

 

「お前達、静粛にしろ」

 

「おっとやっべ・・・」

 

「親友の結婚式で鞭うたれるとか考えたくねぇな」

 

梅子の言葉の後に、ウエディングドレスを着た天衣が来場した。

 

滅多に見ない彼女の美しいドレス姿に、おお~と歓声が上がる。

 

「結婚式なのに口説くとか、やめてほしいねん」

 

「それが出来るのが士郎だ。真っすぐに気持ちを伝えられる・・・いや、真っ直ぐにしか伝えられない男だからな」

 

燕の愚痴にクックと笑う史文恭。皆が笑顔だった。

 

「・・・ですが」

 

「構わん続けろ」

 

ヒュームが主賓を読み上げていた小十郎の所に行ってサポートしていたようだが、ともかくこのまま式を続ける形となった。

 

『大変失礼いたしました。橘天衣様、新郎、衛宮士郎様含め計21人です』

 

「小十郎の奴、多少マシになったと思ったのによ」

 

ギロリと司会進行の台に立つ小十郎を睨むが、

 

「・・・。」

 

彼は直立不動で動かなかった。

 

「女王蜂。そういきり立つものではありませんよ」

 

「誰だって自分の結婚式にケチ付けられたくないだろうよ。猟犬」

 

「二人ともいがみ合わないでくれ。きっと、小十郎さんも緊張してるんだよ」

 

「士郎。いがみ合ってなどいませんよ」

 

「あたいと猟犬はいつも通りだ。気にすんな」

 

『それではみなさんご静粛に。誓いの鐘を鳴らします』

 

このために準備された鐘に直結する紐に彼女達と士郎が近寄る。

 

「きっついねぇ」

 

「はっは。これでも妥協したのだがな?」

 

「今からでも誓いのキスするか?士郎」

 

「きっ、キス!?」

 

「ワン子は乙女だなぁ・・・」

 

「ちょっと。私達が乙女じゃないみたいじゃない」

 

「凛はなぁ・・・堂々としてるから」

 

「どういう意味よ。林冲」

 

「こらこら。来賓が静粛にしてるのに俺達が騒いじゃダメだろ?」

 

「シロウの言う通りです。さあ鐘の音を」

 

円形上に鐘の紐を囲んでみんなで手をかける。

 

「それ!」

 

カラン、カランと鐘の音が鳴り響いた。

 

「おめでとう!」

 

「おめでとう」

 

「おめでとさん」

 

「おめでとー!」

 

「おめでとうございます」

 

その後の披露宴では様々な人に挨拶された。マルギッテの両親や義経と清楚の両親からも暖かい言葉を頂いた。

 

「揚羽。夫を支える良き伴侶となるのだぞ」

 

「もちろんです母上」

 

「なんだな。いざ嫁に行っちまうと考えると言葉が出てこねぇもんだな」

 

「父上・・・」

 

「俺だけくよくよしてられねぇな。幸せになれよ?揚羽」

 

「はい!」

 

「衛宮士郎・・・さん、だろうか・・・どうか揚羽を」

 

「はい。必ず幸せにしてみせます」

 

「お前ならできるよ。胸張ってけ!」

 

バン!と帝に背を叩かれて、はい!と士郎は返事をした。

 

「じゃ、次は俺だな」

 

「おう!祝ってやってくれ」

 

そう言って帝と局は席に戻り、現れたのは何と総理だった。

 

「総理!?」

 

「確かに出席表にあったけど本当に来ているなんて」

 

「おうよ。俺の親友の兄ちゃんの結婚式ともなりゃあ来るさ。改めておめでとう、って言わせてもらうぜ」

 

「ありがとうございます」

 

「百代ちゃんに一子ちゃんも立派になりやがってよぅ。俺は嬉しいぜ。九鬼のお嬢さん筆頭にみんな仲良くやるんだぜ?」

 

「もちろんだ」

 

「我らは既に長い時を共にしていた。なにも問題はない」

 

「私も問題ないですよ。士郎を繋ぎとめる一人になれて嬉しいです」

 

「大友もぞ!士郎はみんなの物、であるからな!」

 

「おうおう。西の娘っ子たちも逞しいじゃねぇか。鍋島んとこもいい人材を見つけたもんだな」

 

末永く幸せにな、と言いおいて彼も去って行った。

 

「ほ、本当に総理大臣が来ていて義経はなんとも言えない気持ちだ」

 

「士郎君は総理とは浅からぬ縁があるもんね」

 

「ああ。こんなにたくさんの人に祝ってもらえて俺たちは幸せ者だな」

 

「父さんも満足気だったからね」

 

「大友の爺も涙を流しておったわ」

 

ウエディングドレス姿だというのに堂々と腕を組んで笑う焔。

 

「シロウ」

 

「なんだ?セイバー」

 

柔らかい笑みで答える士郎にセイバーはドキリとした。

 

(これがこの地で見つけた答えなのですね。シロウ)

 

その笑みが今までの彼の姿のどれとも違う物にセイバーは感慨深く思った。

 

「改めて誓いをここに。私は貴方の剣であり、貴方と共に歩む伴侶です」

 

「それなら俺も。俺は君の鞘であり、君と共に歩む伴侶だ」

 

「なんじゃ。士郎もセイバーも。改めて誓いなどしおって」

 

「あの二人には必要なことなのよ心。いいからそっとしておきなさい」

 

「そういうものかのう」

 

「そういうものなのよ」

 

旭はその光景をうっとりと見ていた。

 

それからも披露宴は続き、夜。九鬼で身内だけのパーティが行われていた。

 

「よし、みんな楽な格好になったな。じゃあ乾杯」

 

乾杯、と士郎達も川神水を飲む。

 

「兄上!遂に正真正銘の兄上になったな!」

 

「兄上~!」

 

「英雄、紋白。これからもよろしくな」

 

跳びこんできた紋白を抱き上げて二人によろしく、と微笑みを浮かべた。

 

「わ、私が結婚なんて・・・」

 

「だからお前はいつまで言っているのだ。そもそも士郎と二人三脚だったであろうが」

 

「ち、違うんだ。嬉しくて・・・その。信じられないんだ」

 

「・・・えいっ」

 

「痛い!?」

 

「夢じゃないねん」

 

「あ、ああ・・・ありがとう。燕」

 

燕が天衣の背中をつねり、夢じゃないと教える。

 

「おい小十郎。式ではやってくれたなぁ」

 

「あ、あずみさん!それは・・・」

 

「言い訳なんか聞くか。きっちりと・・・」

 

「まて、忍足あずみ。それはそこの赤子のせいではない」

 

「あん?」

 

「ここだけの話ですが・・・本当に司会進行のプログラムには載っていなかったんですよ・・・」

 

「・・・まじか」

 

「まじだ」

 

あれを作成したのは揚羽自身である。従者達で準備しようとしていたのだが、

 

『隅々までコーディネートしたいのだ!許せ!』

 

という事で揚羽渾身の作であったのだ。

 

「これも橘天衣から漏れ出る不運かもな」

 

「それを士郎の宝具が相殺したか・・・笑えねぇ冗談だぜ」

 

ただのミスと言えばそうかもしれないが、揚羽は書類作成も抜け目ないのだ。その彼女をして記入ミスがあったとは考えたくない事実だった。

 

「ともかく、あずみさん!あ、いや、あずみ様!ご結婚おめでとうございます!」

 

「ん?あずみ“様”?」

 

ステイシーが首を傾げた。

 

「ステイシー。今回のご結婚で、あずみは九鬼家の一員になったも同然ですよ」

 

「げぇ!?そんじゃ何か!これからはあずみのこと様付けて呼ばないといけないのかよ!」

 

「ようやっと気づいたかステイシー君。ほら、あたいの呼び名は?」

 

「ぐぬぬぬ・・・」

 

「その辺にしてはどうですか、あずみ」

 

悔しがるステイシーをポンと叩いて李はあずみに言った。

 

「しゃーねぇなぁ・・・一回くらい呼ばせてみたかったのによ。李の顔に免じて許してやらぁ」

 

「なんで李は呼び捨てでいいんだよ!」

 

「あずみは九鬼家従者部隊のままだからですよ」

 

「は?」

 

「あたいが抜けると抑えの効かねぇ奴らが多いだろ。その辺まとめるまでは従者部隊にいてやるんだよ」

 

次期序列一位を巡って大波乱となりそうだが、あずみはその辺までよく見ていた。

 

「流石に全部放り出して寿退社なんてしねぇよ」

 

「ぐぬぬ・・・!乗せられたぁ!!」

 

「整理が終わったら従者部隊を抜けるんですからあながち違うとも言えませんよ。ステイシー」

 

「むむむ・・・」

 

とそんな会話があったり、

 

「モモと同じ夫妻という事はわしの孫になるのう」

 

「え!?揚羽さんがジジイの孫!?」

 

「そりゃそうよぅお姉さま。あたし達、衛宮夫妻なのよ?」

 

「百代達は別姓制度を使うだろうが我は衛宮姓になるのでな。姓は違っても親戚関係は築かれる」

 

親類関係が大変なことになりそうだが、その辺は揚羽が整理整頓してくれるだろう。

 

「・・・橘さんの事、忘れないでやってくださいよ」

 

「そればかりは悪いことをしたと思っている。まさか我のプログラムから外れておるとは・・・」

 

ニコニコと笑顔で色んな人と話す彼女を見て揚羽は肩を竦めた。

 

「衛宮揚羽か・・・なんか九鬼じゃないと違和感バリバリだな」

 

「そうでも無かろう?我は気に入っているぞ」

 

苗字に関しては近辺整理が終わったら名乗ってもいいことになっている。焔の花火工場のことなどもあるのですぐには出来ないが、いずれは変えたいという者もいるのだ。

 

「衛宮・・・衛宮かぁ・・・私も名乗りたいなぁ・・・」

 

「お姉さま引退するの?」

 

「ばっバリバリの現役だぞ!はぁ、当分先だな」

 

((百代(お姉さま)の現役引退っていつなんだろう・・・?))

 

何て言う話も出た。

 

とにもかくにも色々な所に親戚関係が構築され、混沌としている。

 

だが士郎は、

 

「士郎。うちの父さん達が挨拶したがってる」

 

「大友の所もだ。時間をくれ」

 

「ああ。今行くよ」

 

士郎はたとえ罵倒されても自然体で受け取り、返すので皆毒気を抜かれてしまう。それこそが彼の人徳の成す所なのかもしれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

深夜。九鬼のパーティも終りを告げ、士郎達は自宅へと帰っていた。

 

「こ、これからは本当の我が家になるんだな・・・」

 

「ああ。大事な家だ」

 

「だが士郎。いくら何でも全員は部屋の用意が出来まい。ここは改築すべきではないか?」

 

「史文恭の言う通りだな・・・その辺も含めて揚羽達と相談しよう。敷地は・・・んー買い足さなきゃ駄目かな」

 

「まだまだ士郎の家付近は物価が安いから早めに動いた方が良いんじゃないか?」

 

そうなのだ。やはり長年いわくつきの土地だったこともあり、まだまだ土地の値段は安い。だが、着実に人は住み始めているので、土地の値段がガンと上がる前に確保したいところだ。

 

ただいまーと誰もいなかった家に帰る。

 

ほんわかと淡い光が灯り、

 

「じゃあみんな。おやす・・・」

 

「「「士郎!!!」」」

 

「うわあ!?」

 

居間に着くなり士郎は全員に押し倒されてしまうのだった。

 

 

 

――――沢山の事が起きたこの家で。士郎はこれからも生きていくのだ。




大変長らくお待たせしました。100話目です。今回も短めですが終わりが良かったのと、作者の同時出演者数を大きく超えたためこれが誠一杯でした。

夢オチではなく本当に結婚です。まだドイツの人らとかも残ってますがまずは第一陣ということで。

コメント、評価、感想、誤字報告、いつもありがとうございます!100話、100回もの投稿が出来たのは読んでくれる皆さんのおかげです。これで何の反応も無かったら、作者は挫折していたと思います。これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!
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