真剣で衛宮士郎を愛しなさい!   作:Marthe

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みなさんおはこんばんにちわ。毎度いい所で夢から覚めてしまう作者です。

今回はみんなで遊ぼう企画のプール編です。

初心な風間ファミリーが色気に耐えられるか不安ですが、頑張ります。

では!


みんなでプール!

「うっ・・・」

 

低いうめき声が響く。声の主はモードだ。

 

「まだ骨が繋がっていませんね。まだもうしばらく痛みがあるでしょう」

 

そう言って士郎はゆっくりと万能薬を塗って行く。

 

「凛、診てみてどうだ?」

 

「あと二日ってとこね。本来なら熱も出ているでしょうけど、薬湯が効いてるわ」

 

「確かに・・・凛殿の言う通りあの薬湯を飲めば熱も痛みもでない。・・・苦いのだけが難点だが」

 

「良薬は口に苦し、って言うことわざがあるんだけど。苦くないと薬飲んでる感じしないじゃない」

 

「凛のは特別だからなぁ・・・でも安心してください。素材は全て天然由来のものですから」

 

「ありがとう。私は何も疑っていない。二、三日で骨が繋がるという確信がある」

 

「繋がっても油断は禁物ですよ。繋がったばかりではまだ骨が脆いでしょうから。しっかりと治るまで激しい動きは控えてください」

 

「ううむ・・・早く鍛錬がしたいものだ」

 

そう言って万能薬の塗り終わった腕を見るモード。

 

「不思議なものだ。ギプスを外してみたら酷い有様だったというのに。軟膏を塗って薬湯を飲むだけでこんなにも改善するとは」

 

「骨折は結局のところ自然治癒任せですから。特効薬があるなら早く治りもしますよ」

 

士郎は笑って、

 

「モードさんの言う通り二、三日で痛みも無くなるでしょうから、まずはそこまで頑張りましょう」

 

「うむ。痛みいる」

 

治療が終わったので小手の上部分をカチリと締める。

 

この小手、何とスプリングが付いており、折れた先がズレないように固定してくれる優れものだ。

 

風魔で治療に使う物なのだろう。実にしっかりした作りであった。

 

「隊長がご復帰される日が待ち遠しいです!」

 

「すまないアンセルム。心配をかける」

 

「そこの若造なら問題ない」

 

史文恭が開かれた襖に腕を組んで寄りかかっていた。

 

「お前の事を心配する余裕もないくらい搾り上げるからな」

 

「はい。よろしくお願いします・・・!」

 

彼も気合十分と言った所だろう。

 

「さ、薬湯を飲んで寝ましょう。口直しも準備しますが何がいいですか?」

 

「そ、それではお言葉に甘えて・・・酒の類はダメ・・・だろうか」

 

「ははは。モードもいい年だな。そんな状態でも酒を所望するとは!」

 

ケラケラと笑う史文恭。

 

「・・・史文恭がこれ見よがしに飲むからだと思うんだが」

 

林冲が笑う史文恭を嗜める。

 

「あはは・・・少しなら大丈夫ですよ。日本酒でいいですか?」

 

「う、うむ。実は日本に来て日本酒にはまってしまって・・・」

 

恥ずかしそうに高い鼻の先を掻くモード。

 

「わかりました。準備しておきますので薬湯、頑張ってください」

 

そうして士郎は席を立ち、苦い薬湯を頑張って飲む彼の為に日本酒を一杯準備するのだった。

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

毎朝行っている士郎の鍛錬にアンセルムが混ざることになり、彼は必死に鍛錬に追いつこうとしていた。

 

「そこまで!アンセルム。お前は型にはまりすぎだ。型を極めたらそれを崩す努力もしなければならんぞ」

 

「は、はい!」

 

「天衣は随分と速くなったな。全盛期くらいか?」

 

「ああ。やっと戻ってこれた。ただ、アンセルムさんと同じで攻撃が単調になっていると感じる」

 

対峙していたアンセルムには閃光か何かにしかみえていなかった。アンセルムはスピード型だが、自分のそれを優に越える相手として天衣と組まされていた。

 

そんな二人の外側で、

 

ギン!ドッ!

 

「む・・・ッ!」

 

「はあああ!!!」

 

士郎とレオニダスが激しくぶつかり合っていた。

 

ガン、ギィンと物騒な音を立ててぶつかり合う。

 

「グッ・・・!人の身でサーヴァントと同等に渡り合うとは・・・驚きを隠せませんな・・・!」

 

「これも気という力のおかげだ。今ならクーフーリンとさえ勝機はあるように思う」

 

莫耶を持つ右手を握り締め、

 

「では交代ですねレオニダス王」

 

遂に、剣の英霊たる彼女が出て来た。

 

「随分と腕を上げたようですが、剣で私に勝つのはまだまだ先ですよ、シロウ」

 

「わかっているとも。だが君の背中くらいは守れるようにならないとな」

 

「嬉しいことを言ってくれますね。では――――」

 

「ああ――――」

 

ドッと二人の姿が消えた。

 

「またか・・・あの二人の相性の良さはピカ一だな」

 

「史文恭殿・・・私には衛宮殿とセイバー殿がどう動いてるのかすらわからないんですが・・・」

 

「安心しろ。私の龍眼でも追えん」

 

フンと面白く無さげに言う史文恭だった。

 

鍛錬が終われば次は朝食だ。今日もグランドワンの施設を遊び倒すのでうかうかはしていられない。

 

「いただきます」

 

「「「いただきます」」」

 

「うむ。今日も美味いな。今日は天衣が一人で作ったのか?」

 

「ああ。士郎とセイバーさんがぶつかると、時間ギリギリまでやっているからな」

 

「う・・・天衣、すまない・・・」

 

「天衣、申し訳ありません」

 

「いいさ。私のご飯で元気づけられたら嬉しい」

 

ほんわかと笑って天衣は言った。

 

「ええっと・・・今日はプールだから水着にタオルと・・・」

 

「まだ準備してるの?士郎」

 

「凛。セイバーと桜も・・・」

 

三人とも準備は万端と言いたげだ。

 

「・・・。」

 

「なによ?」

 

感慨深そうな目をしていた士郎は頭を振って、

 

「いや、三人で遊べる時が来るなんて、って思ってな」

 

「そうですね・・・」

 

「前の世界では一緒に遊んだことも無いですよね」

 

そう言われてセイバーと桜も感慨深く思った。

 

「辛気臭い顔してるわねー。その機会が来たんだから楽しみましょうよ」

 

「それもそうだな」

 

「そうですね」

 

「今日もよろしくお願いしますね!先輩!」

 

という事で気分も新たに出発。

 

昨日、グランドワンで一緒に遊ぶ約束をした義経達とも合流し、

 

グランドワンでファミリーと清楚達とも合流。受付を済ませそれぞれ更衣室に分かれる。

 

「士郎、筋肉凄いなぁ」

 

「そう言うモロだって健康的に付いてるじゃないか」

 

「筋肉といやぁ俺様だぜ!」

 

「うーん・・・確かに筋肉は凄いけど・・・」

 

大和が上着を脱ぎながら言った。

 

「胸筋とか無駄にピクピクしてて気持ち悪い」

 

「なんだとー!!?」

 

ガクトの筋肉は欲が表現されてしまって評判が悪いのだった。

 

「それより、浮気するなよガクト」

 

「てか欲望に満ちた目でうちの嫁を見るな」

 

「おいおい、浮気はともかくそりゃ無理な話だぜ・・・」

 

よくよく考えると女性陣は全て大和と士郎の嫁なので青少年には難しい問題のようだ。

 

「士郎、姉さんたちの水着どう褒める気なんだ?」

 

ドキ、と士郎が固まり、

 

「や、大和はどうする気なんだよ」

 

「そりゃあ普通にここが似合ってるーとか言うけどさ。士郎は多分それだけじゃ済まないぞ。」

 

「う・・・」

 

士郎もわかっているのである。何故女性陣が昨日、買い物に出かけたのか。

 

「・・・やれるだけやるしかない」

 

「煤けてるぜ。背中がよ」

 

難問を抱えながらも着替えを済ませて屋内プールに出る。

 

「うわぁ・・・」

 

「広いな」

 

この屋内プール、グランドワンの二階に設置されており、広い施設上部をそのままプールに仕立てた作りになっている。

 

「ビーチバレーとかも出来そうだな」

 

「滑り台とかも楽しそうだよ」

 

「広くていいじゃねぇか!わくわくするぜ!」

 

貸し出し所には無料で浮き輪等も貸し出しているので、あれで流れるプールをのんびりと回るのもいいかもしれない。

 

「士郎くーん!」

 

「来たぞ」

 

「・・・。(ゴクリ)」

 

義経は紫色のビキニだった。白い肌に落ち着いた色が実に彼女らしかった。

 

「ど、どう・・・かな」

 

「ああ。とても義経らしいよ。似合ってる」

 

「(ぱぁー!)」

 

心配げだった顔が輝かんばかりに笑顔になる。

 

「い、行こう!」

 

「え?まだみんなが――――」

 

「今のうちに「ちょっと。抜け駆け禁止」・・・!」

 

新たに出てきたのは凛だった。

 

「どう?士郎」

 

「相変わらず赤がトレードマークだな。似合ってる」

 

真っ赤なビキニがトレードマークの凛、

 

「先輩・・・」

 

薄い桃色のビキニの桜、

 

「シロウ」

 

真っ白なビキニのセイバー

 

「二人とも似合ってる。綺麗だ」

 

桜もセイバーも輝かしい笑顔だ。・・・ここまでは、だが。

 

「しーろーうー」

 

「ももっ・・・!?」

 

圧倒的だった。それなりにあるほうの桜をも寄せ付けない圧倒的スタイル。

 

「どうだ?」

 

ふふんと自信ありげに言う百代に士郎は言葉を失った。

 

「・・・。」

 

「な、なんだよう、似合ってるだろ?」

 

固まる士郎にしな垂れかかる百代。確かに、黒に赤のグラデーションのビキニは彼女にとても似合っていた。

 

しかし破壊力がありすぎて士郎は機能不全になっていた。

 

「あーあ。やっぱりモモちゃんが最初に行くとそうなるじゃなーい」

 

と幾分拗ねた様子の燕が黒に近いグレーのビキニでやって来た。

 

「モモ先輩ずるいです・・・」

 

「おう!まゆっちもいったれー!」

 

「松風!」

 

「やっぱりお姉さまには勝てないわねー」

 

由紀江はグリーンのビキニ。一子はオレンジ色のスポーツビキニ。

 

「これじゃ勝てるわけがないですね・・・今後の成長に期待です・・・」

 

沙也佳もフリルのついたグリーンのビキニ。

 

「もう、士郎君たら。私達には一言も無いの?」

 

落ち着いた花柄が特徴のビキニを身に付けた清楚が追い打ちをかけた。

 

「おい士郎ー」

 

「士郎ー?」

 

「士郎君?」

 

ぐるぐる、ぐるぐると彼女達の声が反響する。そして、

 

「・・・無理っす」

 

白旗を上げる士郎なのであった。その横で、

 

「大和!どうだ自分は!」

 

「大和ー」

 

「ぐぬぬ・・・大和ー・・・」

 

「クリスは白が映えるな。弁慶は黒がいい感じだぞ。京は桃色がいいな。所で俺もギブアップしていい?」

 

問題なさげに言っていた大和少年も純情な青少年であり、供給過多だった。

 

皆思い思いの場所へと散っていく。機能不全に陥っていた士郎が再起動すると、

 

「・・・はっ!」

 

「あ、直った」

 

「士郎、大丈夫?」

 

沙也佳と一子が心配げにのぞき込んでくる。

 

「あ、ああ・・・なんだかすごいものを見た気がするけど大丈夫だ」

 

「「・・・。」」

 

どうやら記憶から抜け落ちているようだが件の人は今もプールで遊んでいるわけで。

 

無駄な抵抗だなぁと思う二人であった。

 

「大丈夫なら遊びに行きませんか?」

 

「もうすっかり出遅れちゃってるわよ」

 

「悪いな。付き合わせちまって・・・よし!行こうか」

 

「はい!」

 

「ワン!」

 

あまりにも広すぎるので順番に回ることにした。

 

まずは水深の浅い練習用プール。

 

「って、流石に誰も・・・」

 

居ない、と思ったが意外な人物がいた。

 

「シロウ・・・!」

 

「先輩」

 

「セイバー?それに桜も・・・なんでこんな所に・・・?」

 

ちゃぷちゃぷと泳ぎの練習をしているようだった。

 

「セイバーは泳げなかったのか」

 

「フフ、意外ですよね。水上を走ったりはできるそうです」

 

「さっき物凄い水しぶきを上げてたのはセイバーさんね」

 

「?水の上を走る・・・?」

 

一子は呆れた顔をして、沙也佳は首を傾げる。

 

セイバーには泉の精霊の加護があるので水上を移動できるのだが、それ故に水泳の必要が無かったので泳ぎの経験自体が無かったのだ。

 

「セイバーさん。セイバーさんはどうやって水の上を走ってるの?」

 

一子の率直な質問にセイバーは、

 

「私には泉の精霊の加護がありますので、歩きたいと思えば歩けますし、走りたいと思えば走れます」

 

「泉の精霊の・・・加護?」

 

沙也佳はますます首を傾げるが、一子は安心したように、

 

「よかったぁ・・・お姉さまみたいに超パワーで浮いてるわけじゃないのね」

 

「・・・ちなみに百代はどうやって浮くんだ?」

 

士郎は半ば予想が付きながらも聞く。

 

「右足が沈む前に左足を踏み出して左足が・・・」

 

「「・・・。」」

 

何ともごり押しだった。

 

「ま、まぁ順調そうで何よりだ、セイバー溺れないようにな?」

 

「む、シロウ。私はそろそろ実戦投入可能ですよ」

 

「そうなのか?」

 

士郎が先生役の桜を見ると、

 

「はい。セイバーさん、ほとんど一人で泳げるようになりましたよ」

 

「それなら一緒に泳ごうか。俺達もまだ何にも手を付けてなくてな」

 

「・・・シロウが百代の魅力に機能停止していたからではありませんか」

 

うんうんと頷く沙也佳と一子に苦笑いを浮かべる士郎。

 

「そ、それよりほら!浮き輪とか借りてさ!のんびり流れるプールでも行こう」

 

「話題転換ですね」

 

「エッチなのはNO!」

 

「先輩・・・私だって・・・!」

 

「桜も沙也佳達もいいではありませんか。私は成長が止まってしまっているので・・・」

 

「・・・。」

 

勘違いだろうが、なぜか士郎には豊満な胸部装甲を湛えたランサーなる彼女が脳裏を過った。

 

「シロウ?」

 

「あ、ああ、何でもない」

 

そんな幻想を頭を振って追い出すと、士郎は浮き輪コーナーへと足を踏み入れた。

 

「すみませーん」

 

「おう、兄ちゃん。好きなの持っていきな」

 

外部からの持ち込みは禁止なので、持ち去られてもすぐに分かるからだろう。店主はイイ笑顔で好きなのを選べと言ってくれた。

 

「あ!ドッシ―!」

 

「ドッシ―?」

 

沙也佳の声に振り返ると何やらコミカルな恐竜の頭がくっついたボードのような浮き輪があった。

 

「彼女はあれが気に入ったみたいだぜ」

 

「あはは・・・あれ、お借りします」

 

「いいぜ。この名簿に名前を書いてくんな」

 

簡易名簿に、衛宮と書いていざプールへ。

 

「それー!」

 

早速借りて来たドッシ―ボードを浮かべてその上に乗る沙也佳。

 

「よっと・・・割と深めだな」

 

「シロウの背丈なら底に足が着きますが私達では届きませんね」

 

浮き輪が無料なのでプール自体は深く設計されているようだ。

 

「先輩!」

 

ぎゅっと士郎に抱き着く桜。

 

「「ああああ!?」」

 

「あはは、くすぐったいぞ桜」

 

「もう・・・先輩ったら・・・」

 

桜もくすぐったそうに士郎に撫でられている。

 

「えい!」

 

「なんの!」

 

「一子!?セイバーも!」

 

「んー士郎は暖かいわー」

 

「一子の言う通りですね」

 

ひゅるひゅると桜たちを帯のようにくっつけながら士郎は静かに歩く。

 

「士郎先輩なんか満足気ですね」

 

「ん?そうか?この状態だと歩いてるだけで楽しいぞ」

 

そういう士郎に沙也佳も抱き着きたくなったが、ドッシ―ボードがあるため、あえなく断念。

 

ボードの上で寝転がり深く息を吸う。

 

「なんだろう・・・すごく澄んでるような・・・」

 

「このプール、マイナスイオンとか発してるらしいぞ」

 

「そうなの?」

 

「ああ。案内板に書いてあった」

 

同時にプールは深く設定されているので、無理せず浮き輪を利用するようにとも書いてあったのを思い出す。

 

「お、亜熱帯コーナーかな」

 

「すごーい!ジャグジーみたいになってる!」

 

「これがジャグジーというものですか。これは気持ちいいですね」

 

ジャグジー初体験のセイバーも気持ちよさそうに泳いでいる。

 

「私もドッシ―にばっかり乗ってないで泳ごうかな」

 

「それなら代わりにアタシ乗るー」

 

「じゃあ一子さん、はい」

 

乗り手を交代する一子と沙也佳。

 

「おおー・・・これは楽ちんね!」

 

「あ、温水プールなんだ。暖かい」

 

「風邪引かないようにな」

 

温水プールは一見暖かいように思えるが実のところは体を冷やすのである。

 

そんな感じに流れるプールを堪能していると。

 

「士郎!」

 

「リ、林冲・・・それに・・・」

 

「・・・。」

 

顔を赤くしたマルギッテが居た。

 

「むむ。また大人の魅力に士郎先輩がやられそうな予感」

 

沙也佳はそんな予測を立てるが、

 

「二人とも似合ってる。綺麗だ」

 

「「!!」」

 

二人は赤面してブクブクと水を鳴らした。

 

「さて、マルと林冲にも会えたし他の奴等はどこにいるのかな?」

 

「木々の上から「はい。危ないからやめような」ひゃあ!?」

 

燕が流れるプールの真ん中にある木のオブジェから飛び込んできたのを士郎は空中でキャッチした。

 

「士郎先輩、急にジャンプするからびっくりした・・・」

 

「ていうか、水の中からなのにすごい跳躍力ね」

 

「レオニダス王の訓練様々ですね」

 

「冷静に分析してないで、離してよねん・・・」

 

「ん?罰ゲームには丁度いいかなと」

 

「バカ・・・」

 

「むーなんか燕さんにやけてる」

 

「そ、そそそそんなことないよん!」

 

「無事、松永燕も確保したのですから次を探しなさい」

 

「わかってるって。えーっと・・・いたいた。おーい凛!」

 

「!」

 

「あそこだ!」

 

「狙え狙え!」

 

ジャングルジムのようになっている所で凛とキャップ、ガクトとモロは水鉄砲を手に遊んでいたようだ。

 

「むむ!シロウ、あの水が飛び出る玩具はなんですか?」

 

「水鉄砲だな。中に水をためてトリガーを引くと水が飛ぶ・・・」

 

何故か、今度は水鉄砲を手にし、王冠にハイレグ水着を着たセイバーが・・・

 

「いいいやいやクラスアーチャーってどういうことなの・・・」

 

またもや降って湧いた記録にツッコミを入れて頭の中から追い払う。

 

一方でセイバーは水鉄砲に気を引かれているようで、視線はじーっと凛の持つ水鉄砲に向けられていた。

 

「ちょっと!なんで呼ぶのよ!」

 

「え?なんでって・・・」

 

「翔一達と飲み物賭けて・・・キャッ!?」

 

結構な勢いでキャップの水鉄砲が炸裂した。

 

「よっしゃあ!飲みもんゲットだぜ!」

 

「ああんもう・・・師岡君ごめんなさいね」

 

「う、ううん。気にしないで」

 

どうやらキャップ、ガクトペアと凛とモロペアで飲み物を賭けてバトルしていたようだ。

 

「飲み物ですか。プールも丁度一周しましたし休憩しませんか?」

 

「桜の言う通りです。これ以上は体を冷やします」

 

「お、おう・・・」

 

士郎はびっくり眼で桜とマルギッテを見た。

 

「なんです?」

 

「いや、いつから仲良くなったんだろうと思ってな・・・」

 

「?マルギッテさんとは一緒に住んでるじゃないですか」

 

「そうです。桜の言う通り同じ家に住む家内の一人でしょう?」

 

何を急に?と首を傾げられるがマルギッテは中々赤の他人と仲良くならない桜も人見知りするので、何気に珍しい光景だったりする。

 

(桜も凛も上手く馴染めてるみたいだな)

 

セイバーなんかは学園で剣術指南をする人物であるので圧倒的に馴染んでいる。

 

・・・まさかその正体がアーサー王とは露とも知らずに。

 

「さて飲み物は何がいいかな・・・」

 

ここはやっぱり柑橘系だろうか?メロンソーダやトロピカルジュースもある。

 

「士郎先輩!」

 

「沙也佳、何がいい?」

 

問われた沙也佳はおごりですか!?と驚き、ワクワクしながらメロンソーダを選んだ。

 

「セイバー達のも買って・・・そう言えば百代達は何処に行ったんだ?」

 

入り口では悩殺されてしまったが、今度はちゃんと褒めようと考えていたところだった。

 

「はいお待ちどうさん」

 

「わーい!」

 

「ありがとうございます、シロウ」

 

「ちぇ・・・士郎が呼ばなきゃ勝ってたのに」

 

「ルールだからな!」

 

「遊びも全力だぜ!」

 

「僕も楽しかったよ」

 

勝ったキャップ達はもちろん、負けてしまったモロもとても楽し気だった。

 

そんなファミリーと凛を見つつ士郎は自分用に買った柑橘のジュースを飲む。

 

「うん。別に暑いわけじゃないけど美味しいな」

 

「そうですね。そう言えば義経ちゃん達は何処へ行ったのでしょうか?」

 

桜がキョロキョロと周りを見渡す。

 

すると、

 

「ヒャッホウー!」

 

「あははは!」

 

仲良く流れる滑り台で遊んでいるのを見かけた。

 

「まだ滑り台は行ってませんね」

 

「あれねー楽しいんだけどボッチじゃ・・・」

 

「ボッチ?二人用なのか?」

 

燕が神妙そうに言う。

 

「うん。二人用の浮き輪に乗ってトンネルの中を滑る感じだよん」

 

「なるほど・・・確かに一人じゃ物足りない「「「士郎!」」」なっ・・・」

 

会話の途中で真っ先に士郎を呼ぶ声がして林冲は仰け反ってしまった。

 

「士郎先輩!私と・・・」

 

「おーっと、旦那様は取らせないわ!私と行きましょう!」

 

「・・・。」

 

マルギッテだけは黙っていたが一緒に行きたそうな顔をしている。

 

「それじゃ、一心地つけたら行ってみようか」

 

そんなみんなの顔を見て士郎は滑り台へと行くことを決めた。

 

 

 

 

滑り台は人気遊具であるからか、人が並んでいた。

 

「これはあれね。ばらけた方がいいかも」

 

燕がそんなことを言いだした。

 

「なんでだ?」

 

「私達、みんな士郎と滑りたいわけだけど、士郎は一人しかいない」

 

「それでバラバラに並んで、その都度合流するのね!」

 

「・・・。」

 

士郎は思った。滑り台を滑り落ちたらすぐさまここに来ないといけないのか、と。

 

「ま、まぁ結構並んでるし大丈夫・・・か?」

 

「大丈夫でしょ。いざとなったらワープしてくればいいわけだし」

 

「いや、騒ぎになるだろう・・・」

 

士郎は百代と違ってきちんと気が利くのでこんな人が沢山の所でワープなどしない。

 

なのだが・・・

 

「それなら安心ね!」

 

「士郎先輩、期待してます」

 

「日々の鍛錬が生きますね、シロウ」

 

等など。士郎の気遣いをよそに、もういざとなったらワープすることが確定している空気であった。

 

とにかく並ぶことにしてまずは一子と並んだ。

 

「結構高いわねー。楽しそう!」

 

キャー!と悲鳴を上げながら筒状の滑り台へと飲み込まれて行く人を見て、中々なアトラクションだぞ、と士郎は思う。

 

「次の方どうぞ」

 

「アタシ達よ!ほら士郎ー」

 

「おう」

 

「まずはどちらが前か決めてください」

 

「はいはいはい!アタシ前ー!」

 

「じゃあ俺が後ろだな」

 

ドーナッツが二つくっついたような浮き輪にそれぞれ乗る二人。

 

「それでは、行ってらっしゃーい!」

 

ゴオっとプラスチックの筒独特の反響音に包まれて二人は滑り出した。

 

「ひゃー!!」

 

「うお!あんまり暴れるな一子!」

 

一子は楽しそうに声を上げて浮き輪が暴れる。

 

そして、

 

バシャーン!と流れるプールの外側に併設された通常のプールに着水する。

 

「あははは!たーのしー!!」

 

「まったくお転婆だなぁ」

 

途中の暴れ具合を考えてそう言う士郎。

 

「お疲れ様でした。浮き輪はこちらでお預かりします」

 

「はい。ありがとうございます」

 

浮き輪回収班なのだろう、係員の人に浮き輪を渡す。

 

「こういうのって意外と短く感じるよな」

 

「結構な高さからグルグル滑って来たのにねー。もう一回並ぶわ!」

 

「俺は沙也佳の所に行くか」

 

次は沙也佳の番で間もなく呼ばれそうだ。

 

「ほっ」

 

ブウンと士郎が空間の中に入り込み、消えた。

 

「・・・。」

 

それを見た一子は結局ワープしちゃうのねぇと苦笑い。でも、そうして一生懸命に自分達を満たしてくれるのを、一子は嬉しく思った。

 

「さぁ次次!」

 

一子はもう一度滑るべく並び直すのだった。

 

滑り落ちてはワープ。滑り落ちてはワープを繰り返し、みんなと滑り落ちた頃、義経達を流れるプールで発見した。

 

「おーい!旭ー!義経ー!弁慶ー!」

 

「およ?大将」

 

「士郎だわ」

 

「士郎くーん!」

 

泳いでいた義経達が上がってくる。

 

「ん?義経、邪魔しちゃったか?」

 

「ううん!士郎君と回りたかったから!義仲さん、弁慶、いいかな」

 

「いいわよ。私も士郎と遊びたかったし、一緒に回りましょう」

 

「私もいいよ。いずれ大和の所に合流するだろうし」

 

凛達と義経達も含め結構な人数で練り歩く。後は大和達と清楚だが・・・

 

「あ、いた」

 

「うわあああ!?」

 

ドシュン!という凄まじい音と共に大和が吹っ飛ばされたところを発見した。

 

「お疲れー。って何やってるんだ?」

 

「・・・ビーチバレーだよ」

 

「・・・。」

 

いつかの体育祭で滅茶苦茶やった自分が言うのもなんだが、受けたら吹っ飛ばされるビーチバレーとはいかがなものか。

 

「はっはっはっは!球技で私に勝とうなんて1万年早いぞ弟」

 

「くっそ~・・・」

 

悔し気に唸る大和。だが、

 

「・・・!もう一回!」

 

何かに気付いたのかもう一度勝負を挑んだ。

 

「良い心がけだそれじゃ・・・」

 

ヒュン、とボールが空高く投げられ、

 

「くら「あ!士郎だ!」え!?」

 

ぽへ、と間抜けな音がしてひゅるひゅるとゆっくりボールが飛んでくる。

 

「今しかない!清楚先輩!」

 

「んは!任せておけ!」

 

「おま!ずる・・・!」

 

ドシュン!と百代のコートにボールが入った。

 

「「いえーい!」」

 

パン!とハイタッチする清楚と大和。

 

一方百代とクリスは、

 

「モモ先輩ー・・・」

 

「しょ、しょうがないだろう!?士郎が来てるなんて嘘・・・」

 

「ここにいるぞ」

 

「え?」

 

ドキーンと百代が固まった。

 

「やっぱりムカつく体してるわね」

 

「先輩・・・」

 

凛が青筋を立て、桜は自分の胸を見つめる。

 

「し、士郎・・・」

 

「遅くなって悪い。綺麗だぞ。百代」

 

「う・・・」

 

今度は百代がカチーンと固まってしまった。

 

「ねぇねぇ京。いつからやってるの?」

 

一子の問いに僅かに目線を本から上げて、

 

「最初から」

 

と言った。

 

「・・・。」

 

「随分と長い時間やっていたな」

 

「私達は休憩を挟んだというのに」

 

「百代が一方的だから体力をそこまで消耗しないのね」

 

「旭・・・そう言う問題じゃ・・・」

 

清楚はまだしも、よくクリスと大和が付いてこれたなという所である。

 

「でも流石に疲れたー・・・士郎、チェンジで」

 

「なんで俺なんだ・・・」

 

チェンジする人はたくさんいると思うのだが。

 

「他はチェンジしなくていいのか?」

 

「自分もチェンジしてもらっていいだろうか?」

 

「はいはーい!クリスの所にアタシ入るわ」

 

「じゃあ私達はカフェにでも行こうか」

 

「義経は飲み物買ったらここに来るから!」

 

「あら、いい考えね義経。私も見学に来ようかしら」

 

アピール熱心な義経に、それに便乗する旭。他のメンバーも、くつろぐ陣営と見物する陣営に分かれたようだ。

 

「相手は士郎だ。ついて来いよ一子」

 

「まかせて!お姉さま!」

 

「本気で来るぞ。大丈夫か、清楚」

 

「んっは!この覇王はまだまだいけるぞ!」

 

士郎が参戦という事でテンションアゲアゲで答える清楚。

 

「じゃあ・・・」

 

「恨みっこなしの・・・」

 

「「真剣勝負だ!!」」

 

ヒュン!と百代のボールが天高く投げられた。

 

 

――――interlude――――

 

カフェに陣取った凛たちは楽し気に話していた。

 

「それでねー・・・」

 

「あはは、ありそうですね」

 

「うむ。このカツカレーとやら、美味しいではありませんか。これはシロウに作ってもらわねば」

 

「セイバーさんのカレーの匂いが空きっ腹に響くぜ」

 

「キャップも何か頼めば?」

 

「いやー丁度給料日前でなー。買いたい新作ゲームもあるしここは我慢だなぁ」

 

「俺様は~焼きそばだぜ!」

 

「少し分けてくれんかねーガクト君」

 

「いいぜ。キャップにはいつもお土産もらってるからなー。ただし!一口で大量に行ったら金もらうからな」

 

「く、先手を打たれたか」

 

「キャップも懲りないねぇ。僕はたこ焼き。ここのは美味しいって雑誌で見たんだ」

 

「モロお前、小食過ぎねぇ?もっと食べないと大きくなれんぜ!」

 

「士郎のご飯が美味しすぎて食べ過ぎるから調整してるんだよ。今日も本当なら士郎とまゆっちのお弁当だったんだから・・・」

 

「持ち込み禁止だったからね。それに師岡君の言う通り、士郎ってばメキメキ腕上げちゃって。得意な中華も危ういわ」

 

「私はもっと先輩に教えてもらいますっ」

 

「・・・ふう。リンの中華もまた食べたいですね」

 

「凛ちゃん中華得意なの?」

 

「ええ。燕さんは・・・」

 

「断然!納豆!!」

 

「・・・聞いた私がバカだったわ」

 

あははは、と笑って和む。

 

「ってセイバー。もうおかわり?」

 

「あれ三杯目じゃなかったっけ・・・?」

 

驚きを隠せないというガクト達に、呆れた様子の凛。

 

「む。このカツカレーというのが美味しいのがいけないのです」

 

「まぁセイバーのお小遣いだから何も言わないけど」

 

セイバーもレオニダス同様九鬼の斡旋と、従者部隊の稽古に出てお小遣いを貯めている。

 

「それにしても家でもうまいもん食えるのに三杯も行くかね」

 

「そうそう。夕飯食べれなくなっちゃうんじゃ・・・」

 

「いえ、まだお腹には余裕があります。はぐはぐ・・・ゴクリ。夕飯の分は十分に空いていますよ」

 

「すげぇ・・・」

 

「セイバーは相変わらずの腹ペコねぇ」

 

「むむ、リン。訂正を求めます私は断じて腹ペコキャラではありません」

 

「だって。みんなどう思う?」

 

「カレー三杯はなぁ・・・」

 

「大盛だしねぇ・・・」

 

「な、なんですか!ガクト、卓也!」

 

「この子達も否定できないってことよ」

 

「むう・・・!」

 

とむくれながらもぺろりと三杯目の大盛を平らげるセイバーだった。

 

 

――――interlude out――――

 

 

「はあッ!!」

 

「そこだぁ!」

 

「まだまだ!」

 

「キャウーン!!」

 

ドッカンドッカンと砂を舞い上げる三人に、頑張って抗っていた一子も悲鳴を上げていた。

 

「はぁ、はぁ・・・強情なやつめ」

 

「強情どころの話ではない全く、隙を突いているというのに」

 

「一子はこの程度で悲鳴を「「上げてる」」くっ!」

 

「一子さん!頑張って!」

 

「あれは・・・頑張って何とかなるのかしら?」

 

「「そういうこと言わない!」」

 

ベンチのクリスと大和から抗議が上がった。

 

「それより大和。よくあのメンバーで耐えられてたね」

 

弁慶がぼーっと砂浜を穿つビーチバレーを見る。

 

「一応清楚先輩がいたからな・・・サポートに徹した」

 

「大和は自分とランニングしたりしてるからな!」

 

「おおー体育以外にも鍛えてるのかー。ちょっと見せてみ?」

 

「な、なんだよ・・・うわあ!?くすぐったいって!」

 

「ほほう!いい体つきしてるじゃないか♪」

 

「やめろ!やめろって!」

 

このままでは青少年の正直なプライドが膨張してしまう!

 

だが、その心配はなかった。

 

「当店でぇ・・・」

 

「いかがわしい行為はぁ・・・」

 

「お断りだワン!」

 

スパアン!

 

「おっと」

 

「うわあ!?」

 

鋭いスパイクに、思わずのけぞって回避してしまった弁慶とクリス。ボールの行方は、

 

ドキュ!

 

「ごっは!」

 

ベンチに横にされていた大和の腹部にクリーンヒット。大和は撃沈した。

 

「や、大和!」

 

「・・・。(チーン)」

 

「ああ!私達が避けたばっかりに!」

 

「弁慶は真っ先に避けただろう!?大和ー!?」

 

「夫の危機にはすぐ参じるよ?さぁ、人工呼吸だ!じゅるり」

 

「人工呼吸は必要ない!」

 

「お、起きた」

 

「なんだ・・・もう少し気を失ってても良かったんだよ?ぺろり」

 

「み、京!人工呼吸なら自分が・・・」

 

「溺れてないからね・・・」

 

等と、大和の貞操がピンチであったが何とか守られるのだった。

 

 

 

 

 

 

「はぁー!楽しかった!」

 

「そうですね。あ、先輩。夕飯のお買い物していきませんか?」

 

「そうだな。みんなはどうする?」

 

「私は士郎と買い物に行くぞ」

 

「私も行きます。荷物持ちくらいは出来るでしょう」

 

うーんと悩んで、結局士郎達以外は解散となったようだ。

 

「じゃあ私は大和達の護衛だな」

 

「私は義経達の護衛ね」

 

百代と旭が互いににっこり笑いながら言った。

 

「じゃあねー!」

 

「士郎君!バイバイ!」

 

「また学校でなー」

 

という事で一同は最後の日も楽しく過ごして今日を終えるのだった。

 




はい。遅くなり本当にすみません。その代りと行っては何ですが久々に一万字越えました。

やっぱり、出演人数が多いと、アレも書かなきゃ、これも書かなきゃとずるずる引っ張ってしまうのがいけないですね。途中でどうしたらいいか分からなくなりました。申し訳ない。

次回はイチャイチャ編かなー。出番のない人のイチャイチャ書きたいと思います。
それでは次回!
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