真剣で衛宮士郎を愛しなさい!   作:Marthe

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皆さんこんばんにちわ。ヘロヘロしながらも小説を書いている作者です。

今回は遅ればせながらあの子がやってきます!もちろん妊婦の為です。

まだお腹は目立っていない設定ですがそれでも、と言ったところで登場してもらおうと思います。


新しいクッキーとゲーム機

春のオニュクス王国襲来後、しばらく平穏になった今日この頃。

 

士郎は毎週の日課らしく金曜日に秘密基地へと赴いていた。

 

「それにしてもオニュクス王国の一件以来平和だなぁ・・・」

 

そんなことを言うのはガクト。彼も戦いでは大いに活躍し、英霊(マッスルな)と縁を結んだ一人だ。

 

「そうだねぇ・・・川神学園は屈強だ、って知らしめた感じだからね」

 

「それでも変態の橋の狙撃は怠らないんだろう?士郎」

 

モロに続いてクリスが問う。

 

「ああ。どうにも懲りない連中だらけだからな・・・俺が居なかったらどうするつもりなんだ・・・」

 

毎日毎日狙撃してもやってくる変態共もなんとかしたい所なのだが。

 

「私達も気を付けないとね(キュッキュッ)」

 

「ありがとう京!みんなも気を付けなきゃだめだよ?」

 

京に拭いてもらいながらピコピコと話すクッキー。

 

と、そんな時だった。

 

「そう言えば、クッキーの108形態の内発露してるのって1、2、だけか?」

 

士郎は不思議そうに言った。

 

「いや、正式にはくっきー3も出たことがある。そのくらいかな」

 

「108も形態があるのに少ないわよねー」

 

「なんだよ!僕の体に文句でもあるって言うのかよー!」

 

変形しようとしたクッキーに、ステイステイと言う京。

 

「文句なんかないさ。でも108も形態があるって聞くと気になるだろう?」

 

百代がいつもの場所で頬杖を突きながら言う。

 

「僕の形態はそれぞれロックがかかってて、相応しい状況や、好感度が上がらないと解除されないよ?」

 

「そうなのか。てっきりクッキーが変形しないだけかと思った」

 

ふむふむと士郎は頷く。この超ご奉仕ロボにも理由があるらしい。

 

「それよかよ、史文恭さん、大丈夫なのか?」

 

ガクトが不意にそんなことを聞いて来た。

 

「ああ。まだつわりとかも来てないしな。心配するにはまだまだ早いって史文恭に言われたよ」

 

ガクトは士郎に子供が出来たと聞いてからかうつもりだったのだが、ほんわかと温かい空気になった。

 

「同時期に揚羽さんも出来たんでしょー?」

 

「ああ。年上なのだから待っておれぬ!!って言われてな」

 

「学校が終わってからはいいが昼間は大丈夫なのか?」

 

「それなんだがなぁ・・・天衣も留守にすることが多いし何か対策を考えなきゃと思ってるんだが・・・」

 

妊婦の世話係(・・・・・・)か。いっそクッキーを派遣できればと思うんだがなー」

 

「クッキーのロボットアームじゃ介護は・・・って、クッキー?」

 

やけに静かだったクッキーがピコピコ光りながら何やら状況解析をしている。

 

「好感度一定数を確認。人型ボディの必要性、急務」

 

プシュ―

 

「く、クッキー!?」

 

急に変形したクッキーは小柄な女の子にバイザーをつけた、美少女のような形態に進化した。

 

「クッキー4への変形完了。皆さん。ありがとうございます」

 

「く、クッキーが・・・!」

 

「可愛いおんにゃのこに!!」

 

がばっと無駄に神速の踏み込みでクッキー4に抱き着いて頬にすりすりする百代。

 

「なんと・・・このもちもち肌は作りものなのか・・・」

 

「超特殊シリコンです。それよりも士郎」

 

「お、おう」

 

意外と凛とした声にびっくりする士郎。

 

「この形態ならば妊婦の介護も出来るでしょう。昼間はマスターも居ませんし、どうでしょうか?」

 

「史文恭の事を任せる、ってことか?」

 

クッキー4へと変形した彼女(?)は頷いた。

 

「申し出は嬉しいんだけど・・・じっとしてろって言ってじっとしてる奴でもないしなぁ・・・」

 

史文恭はお腹こそ庇っているものの、毎日鍛錬してその後は本の虫だ。お腹も大きくなってくれば我慢してくれると思うのだが。

 

「大丈夫です。介護を強要する気はありません。私には介護・育児プログラムが登録されています。もしもの時はお任せください」

 

「むう・・・クッキーがそう言うならありがたいけど、みんなのクッキーを、独占するようになっちゃうのもな・・・」

 

その点は皆心配するなと声を上げてくれた。

 

「大丈夫よークッキーがずっといなくなるわけじゃないし」

 

「お産経験ありなら信頼できる・・・ねぇ大和」

 

「なんでそこで俺に振るんだよ・・・まぁともかく、みんな士郎の子供を心配してるんだから遠慮しないで受け取っておけって」

 

「そうだぞ。いずれは私も・・・」

 

「モモ先輩の子供とか、マジで最強の子じゃねぇの?」

 

「ううん・・・僕にはまだ友達が子供を作るなんて想像もつかないけど・・・士郎の子供には興味あるかな」

 

と、思い思いの感想で好意的に取られているので、士郎もまんざらでもなく、

 

「じゃあよろしくお願いするよ」

 

「はい。改めましてよろしくお願いします。マイマスター」

 

「「「え!?」」」

 

マスターはキャップであるはずなのだが・・・

 

「ん?いんじゃね?俺のものじゃなくてファミリーのものだしな。士郎ならひどい扱いもしねぇだろ」

 

「キャップがそういうなら・・・」

 

「むしろ手入れが隅々まで行き届きそうで期待大、です」

 

「・・・流石にバラせないからな」

 

ふう、とため息を吐く士郎。突発的ではあるが、心強い味方ができた。

 

 

 

 

その日の夜、士郎はクッキーを連れて衛宮邸に帰っていた。

 

「そういえば・・・」

 

「なんでしょう」

 

ふと気になったのだが、彼女(?)は変形してからずっとこの形態だがもう変形できなくなってしまったのだろうか?

 

「そんなことはありません」

 

ガションガション。

 

「僕はロックさえ解除されれば自由に変形できるよ。もちろん不届き者が居たら・・・」

 

再びガションガション。

 

「このクッキー2が相手になってやろう!」

 

「・・・あーますますしっちゃかめっちゃかだな」

 

なんとも言えない表情で士郎は困った顔をした。

 

「マスターは他の形態に変形しない方がよろしいですか?」

 

クッキー4に戻ったクッキーが問うてくる。

 

「いや、そう言うわけじゃない。俺は君も人間であると考えて来た。そこに性別の有無が出て来てしまったから困ってるんだ」

 

「性別・・・?マスター。まさか私を他の女性のように――――」

 

「いい!?違う違う!接し方という物があるだろう!?女性なのに男扱いするとなんだか変だろう?」

 

「私はロボットです」

 

きっぱりと言うクッキーだが内心はとても嬉しかった。

 

「・・・それもそうだな。変に意識しすぎたかもしれない。謝るよ」

 

恥ずかしそうに後ろ頭を掻く士郎に、クッキーは薄っすらと微笑みを浮かべて、

 

「ありがとう、士郎」

 

このどうしようもない不器用な男に言ったのだった。

 

 

 

連れ帰ったクッキーを紹介(修羅場になりかけた)した次の日、士郎はいつも通り登校していた。

 

「士郎。最近疲れが溜まるような毎日を送っているぞ。少しは休んでも・・・」

 

同じく登校し士郎と共に屋上に陣取った林冲が言う。

 

林冲の言う通り、この男ときたらすぐこれである。

 

昨日もクッキーを紹介してから夜遅くまで炉に火が入っていた。

 

「このくらいは・・・って言いたいけど最近は色々突発的なイベントが多かったからなぁ・・・踏ん張らなきゃいけないと言うかなんと言うか・・・」

 

「やはり・・・私達も働いた方が良いだろうか?」

 

「いや、お金の問題じゃない。信用の問題さ。あんまり納期が延びると顧客が付かなくなる」

 

「それなら朝の狙撃は無くてもいいじゃないか」

 

ぷくりと頬を膨らませて言う林冲に士郎は、

 

「心配してくれてありがとう。もう少ししたら余裕のあるスケジュールになるからそれまでは、な?」

 

「むう・・・」

 

納得がいかないという顔の林冲の頭を撫でて、士郎は今日も変態の撃退に注視した。

 

梅子の英語の授業が終わり、次は体育という事でさっさと着替えて入念なアップをする士郎に、忠勝が話しかけてきた。

 

「衛宮。週末空いてるか?」

 

「どうしたんだ忠勝?予定なら空いてるけど・・・」

 

なにも改まって聞いてくることないのにと思ったが、彼が律儀なのはいつもの事かと納得して、

 

「代行業、やる気ねぇか?ああ、毎日ってわけじゃねぇ、週末人が足らなくてな。その埋め合わせをお願いしたいんだが・・・」

 

「代行業ってどんなことをするんだ?」

 

聞いてみると本当に様々らしく、お年寄りの話し相手から引越しの手伝いなど多くあるらしい。

 

「構わ「それはそれは!このレオニダス、実に興味があります!!」ない・・・」

 

「レオニダス・・・」

 

「・・・先生は忙しいんじゃ?」

 

急な来訪にビクッとする忠勝。しかし割り込んだ本人は至って本気で、

 

「きちんとした収入を得られるアルバイトがしたかったところなのです。これから子も生まれることですしな!爺として孫に小遣いくらい送りたいのです」

 

「おい。いつからお前は爺ちゃんになったんだ」

 

ビシっとツッコミを入れるが筋肉の鎧に弾かれた。

 

「なぁに。孫の事も本当ですが、マスターはこの頃忙しくされているのでこのレオニダス、代打を撃とうかと」

 

「お前忙しかったんじゃねぇか」

 

ギロリと見る忠勝に、あはは・・・と笑って、

 

「そんで、先生的に副業とか大丈夫なんすか?」

 

「私はこちらもアルバイトとして働かせて頂いている、正規の教師ではないのです。それに、宇佐美先生の経営している職業ならば、私も安心というわけですな」

 

「・・・そういうことなら。正直猫の手も借りたいんで、よろしくお願いします」

 

「お任せください!詳しくは後程時間を取れればと。そろそろ時間ですからな!」

 

みれば授業開始1分前レオニダスは整列を呼びかけるべく、いつもの場所へと歩いていった。

 

「俺達も行こう」

 

「ああ」

 

今日の体育は生徒からの希望多数により、戦闘訓練である。やはり、先の戦いから得るものが多かったようで多数の生徒から嘆願が上がっていた。

 

なので各々自分の得意武器を持って校庭に集っている。

 

「俺はどうするかな・・・」

 

あえて無手で士郎はどうしようか迷っている。現代の武神、川神百代すら超えた人物に摸擬戦を挑む勇気あるものなどおらず。

 

なにより、基礎を学び直したいという者が多いようだ。レベルアップよりも下味の段階。レオニダスも、各々の武器ごとに、どこを鍛えなければいけないのかを指導している。

 

そんな折、

 

「士郎君!」

 

「義経?」

 

ヒラヒラとポニーテールを揺らしてきたのは義経だった。

 

「義経と鍛錬しよう?」

 

「いいぞ。じゃあどういう形式で行くか――――」

 

士郎は無難に夫婦剣を手にしようとしたが、

 

「あの!薙刀でお願いします」

 

「薙刀?・・・そうか、一子か」

 

コクリと頷く義経。彼女も一子の立ち位置には一方ならぬ思いがあるのだろう。自分もその領域を体験したいという事だろう。

 

「でもいいのか?一子に頼んだ方が・・・」

 

「あはは・・・あそこ」

 

言われてそちらの方を見ると一子は沢山の生徒に埋もれていた。

 

「なるほどな。それで穴場の俺に志願したという事か」

 

「うう・・・失礼でごめんなさい」

 

思わず小さくなる義経だが、

 

「構わないさ。俺も相手が居なくて困ってたところだからな。気にするなって」

 

黒髪を乱さないように撫でて士郎は一定距離を取る。

 

――――投影、開始(トレース・オン)

 

「あ!」

 

士郎の投影した薙刀を見て義経は予想外の声を上げた。

 

「し、士郎君、それ」

 

「ああ。義経は牛若丸一行に会えたんだろ?なら一子じゃなくてこっちだ」

 

それは武蔵坊弁慶が愛用した薙刀。士郎の能力を知る義経は、伝説への挑戦という正しい受け取り方をして気を引き締めた。

 

「お、意図は把握したみたいだな。やるぞ」

 

「はい!」

 

ガキン!と激しい激突が始まる。川神学園は切磋琢磨せんと今日も激しく鍛錬をしていた。

 

 

 

 

学校が終わり、帰路に着こうとしていた士郎。その彼を呼び止める声があった。

 

「衛宮クンお客さんダヨ」

 

ルーだった。

 

「お客?」

 

「そう。ほら、オニュクス王国ノ・・・」

 

「ああ、なるほど」

 

そう言えば自分への褒賞がまだだったなと士郎は思いついた。

 

「揚羽ちゃんも来てるから応接室に来てくれると嬉しいネ」

 

「わかりました。林冲は、「私も行くからな」あはは・・・」

 

ビシっと言われて士郎も苦笑。そうして二人で応接間を訪れてみると、

 

「ふっはっはっは!来たな!士郎!」

 

「衛宮君や。お疲れ様じゃのう」

 

何とも元気な二人が待っていた。

 

「いえ、揚羽、お帰り。学園長もお疲れ様です」

 

「うむ。毎日の狙撃助かっとるよ。それで早速なんじゃが・・・」

 

「君がソードマスターエミヤだね。私は『コンノ』という。オニュクス王国から来た医療従事者だ」

 

「ソードマスターは見当違いなのですが・・・確かに私が衛宮です。コンノさんと言いましたか。失礼ですが日本の・・・?」

 

士郎は不思議そうに問うと、

 

中肉中背の男性は幸せそうに笑った。

 

「恥ずかしながら・・・日本人の妻と結婚いたしました。スウェーという苗字なんですが、あまり語呂が良くないので妻の苗字を名乗らせてもらっています」

 

「それはおめでとうございます!何かお祝いできるようなものを持参出来たら良かったのですが・・・」

 

「いえいえ、学校が終わった所でお呼びだてしたのはこちらですし、気になさらないでください」

 

「とりあえずお主らも席に着くとよかろ。おうい、茶のお代わりを頼む」

 

「心得てますよ」

 

先生の一人が人数分のお茶をもって出してくれた。

 

「あれからどうですか?オニュクス王国は」

 

「それはもう!悪性であった絶対王政が無くなったことで飛躍的に成長を遂げています。地下資源をミーレスに全て使われなくて本当に良かった」

 

「我も何度か赴いているが、日本のように技術革新の目覚ましい国よ」

 

「なるほど・・・」

 

王族が無能だったというのは間違いではないらしく、民主主義に替わってから順調な滑り出しのようだ。

 

「それでだね、前国王の暴挙に大きく貢献した君への褒賞なのだが・・・」

 

「はい」

 

この時士郎は、様々な考えが頭に浮かんでいた。その中でも一番に引っかかったのは、

 

(この人、医療従事者って言わなかったか?)

 

まさか新薬やらの実験台にされるんだろうか?と思った矢先、

 

「実は今、本国でテストを重ねている、とある『ゲーム』に参加してもらいたい」

 

「ゲーム?」

 

意味が分からないと士郎は首を傾げた。

 

「失礼ながら、貴方は医療従事者と言っていたようですが・・・」

 

「はい。医療の観点からゲームを開発しようという事になりまして・・・理由はもちろん、日々辛い治療に耐える患者様の為です」

 

彼は姿勢を正して言った。

 

「衛宮様もご存じかと思いますが世界には専用の医療器具をつけなければ命の危機に陥る人が何千、何万と居ます」

 

「そうですね。しかしそれとゲームが繋がるとは思えませんが・・・」

 

「もっともな感想です。そこで私達が目を付けたのが、完全オンライン認識型電脳シミュレーションゲーム『Fate/imagination life』の開発です。

 

「!」

 

Fate、と聞いて士郎がピクリと反応するが特に何も言わず先を促した。

 

「このゲームは意識を一時的に電脳空間へと接続し、たとえ元の体が不自由でも大手を振って様々なことに挑戦、体験できるものを目指しています」

 

「電脳空間か・・・確かに考え方そのものは聞いたことがありますが・・・」

 

それには膨大な処理能力を求めるスパコンの開発。そして『電脳空間』という新たな領域の確立、そして安全性という多大な壁が存在する。

 

「衛宮様は私達にとっても英雄です。前体制を破壊し、新しい現体制を作った功労者。そんなあなたがゲームに参じてくれれば大きな反響となるでしょう!」

 

「・・・揚羽。開発はどの程度進んでいるんだ?」

 

士郎はあえて揚羽に確認を取った。それは安全性があるのかという意味であった。

 

対し揚羽は、

 

「安全性は確立されておるな。オニュクス王国にはクッキーの稼働データが流出していた。確か六機士、であったか?人工知能データを使用して作ったようだが・・・こちらもその技術が使われている。オニュクス王国では普通に家庭機としても存在し、売り上げは上々のようだ」

 

ふむ・・・と士郎は考えた。

 

「その・・・Fate?というゲームに危険性は無いのだろうか?」

 

林冲が隠さずに聞いた。それに対し、コンノと名乗った彼は、

 

「絶対に安全・・・とは言えません。電脳空間は天才とスーパーコンピューターが複数人、複数台準備すれば作成可能だからです。ですが、僕は声を大にして唱えます。絶対に不届き者の介入は許しません!!これは辛い日々を希望に変える機能。先天的、後天的を問わず不自由となってしまった方々の希望でもあるのですから!!」

 

「今のところ事故や事件はない。一般人には普通のゲーム機として、医療分野ではベッドから動けない重傷患者まで手軽に利用できる。コンノ。あれがあったであろう?」

 

「そうでした。こちらをご覧ください」

 

彼がタブレットのようなものを操作すると元気に街を駆ける犬耳の少年がこちらを向いた。

 

「先生!どうしたの?」

 

「やあマイク。今日は仕事で日本に来てるんだ。自己紹介してくれるかい?」

 

そう言って画面をこちらに見せてくれた。

 

『ぴゃ!?えっと・・・ガレー・マイク5歳です・・・現実の僕は治療で動けないけど、Fateで元気に過ごしてます!』

 

「・・・驚いた。自動翻訳機能とは」

 

「そうでないとワールドワイドに対応できないからね。よければ彼とお話ししてみてくれないだろうか?マイク、次の診察まであとどれくらいだい?」

 

『ええっと・・・夕方にワイト先生が来るって言ってたから、一時間は大丈夫だよ』

 

「だそうだ。彼はキャラクターメイキングで犬人種を選んだ子だ。こういう対応も慣れている。ドンドン質問してほしい」

 

「・・・それでは」

 

それから士郎はしばらくマイクという子供と話をした今の状況に満足しているか、危険を感じたことは無いか、などなど少年には酷かもしれない質問をした。だがマイク少年は、

 

『全然不自由はないよ!、あう、本当はずっとこのゲームの中に居たいけど、体を余計に壊しちゃうからって呼び出されるのが不満かなぁ』

 

「そんなに居心地がいいのかい?」

 

『うん!だってここなら、歩けるし、走れる!こうして言葉を話すことも出来るし15歳になったら冒険も出来るんだよ!僕はそれが待ち遠しくて毎日頑張ってるんだ!お兄ちゃんは冒険、好き?』

 

「・・・そうだな。楽しそうではあるよ」

 

『そっか!そしたらいつか僕を冒険に連れて行ってよ!まだあと10年あるけど、僕、頑張るから!』

 

「ああ。その時はよろしくな」

 

『うん!・・・あ。ワイト先生が来たみたい。コンノ先生、この辺で・・・』

 

「わかっているよ。ありがとう。マイク。ワイト先生にもよろしくね」

 

「はーい!」

 

そうして会話は終わった。

 

「士郎。どうであった?」

 

「人工知能技術の怖い面といい面が見れた気分だな」

 

士郎は素直に感想を述べた。

 

「・・・先ほどのマイクだけどね。彼は集中治療室に入っている子なんだ」

 

「なんだって・・・!?」

 

林冲が驚きで仰け反るが士郎は至って冷静に、

 

「揚羽、見て来たのか?」

 

「ああ。この目で見て来たよ。後10年・・・過酷な道かもしれんな」

 

「・・・。」

 

「そんな・・・あんなに元気に話していたのに・・・」

 

「わかってもらえたかな。これがこのゲームの本質だ。ゲーム、とは呼称しているが厳密には医療器具かな。眠って使用するタイプだから緊急アウト機能や、各種医療データの蓄積機能なんかも備えてある。どうだろう?この器具を5つ・・・いや10個、君にプレゼントしよう。これを機に友達とも遊んでもらいたい」

 

「それが褒賞というわけですか」

 

「うむ。・・・実はな、これだけの機能であるからして家庭用ゲーム機としては些か値が張るのだ。それを十個というのは、言い変えれば専用の病院が一つ立つくらいだぞ」

 

「なるほどね・・・」

 

ふむと士郎は頷いた。最初は試作タイプの危険なものかとも思ったがリリースされ長く愛用されているものらしい。揚羽のチェックも入っているし大丈夫だろう。

 

「高価なものをありがとうございます」

 

「いやいや!既存のゲーム機が報酬で申し訳ない。だがこれは、これから世界へと羽ばたく一大事業だから!どうか大事に使ってほしい」

 

という事で話が纏まり、間に九鬼も入るという事でなかなか盛大な話となるのだが無事、彼への報酬も決まるのだった。

 

 

 

――――後日、ヘルメットのようなゲーム機器が10個も届き、これどうしようかなぁと考える士郎であった。

 

 




というわけで新章導入とクッキー4開放でした。クッキー4ISも登場させる予定でしたが急がなくてもいいかなという事になりました。

・・・後半S〇Oじゃんって?やりたかったんですよ!このシチュエーション!ああ!現実に早く来ないかなぁ!というわけで内容はアクションゲームタイプのFateって感じで書きたいので一つよろしくお願いします!
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