真剣で衛宮士郎を愛しなさい!   作:Marthe

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皆さんこんばんにちわ。夏バテヘロヘロの作者です。

今回はゲーム編行きます!ゲームという仮想空間でのことなので色々出来たらなと思います。

では!


ゲームを遊ぶ

ぶぅん、とFateが起動する。あれから何度かプレイしているが、未だにこの浮遊感には慣れない。

 

「っと・・・」

 

トン、とワープポイントに降り立つ。今日も皆揃っているのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。

 

「ふむ・・・出遅れ気味だしこの際だ、装備くらいは整えよう」

 

皆この世界が楽しいのか続々とイベント攻略や装備更新をしている。自分も安物の服のままというわけではないが・・・

 

「・・・流石に雑、だな」

 

安価で多少防御力のある皮鎧だけだった。機動力のある士郎は今のところ一度も被弾していないので意識が低いのもあるのだが。

 

「何かいい場所が無いものか・・・」

 

街の外に出て洞窟に行き、所謂レアドロップを狙うか、何かクエストをこなして褒賞をもらい受けたりもしくはオーダー品の為のG(ゴールド)を稼ぐか。

 

「やり方は色々あるな。まずは洞窟にでも行ってみるか」

 

とりあえず体を動かしたいので洞窟に行くことにする。一人で向かおうとした所、

 

『モンスター狩りに行く方へ』

 

そんな注意書きが出て来た。

 

「なになに・・・モンスターの素材はギルド組合で・・・それは知ってるな。その他にも・・・」

 

大体の事は既に知っていることだったため、ウィンドウを閉じようとした所、

 

「ん?臨時パーティ?」

 

そんな項目が出て来た。

 

『ギルド組合にはクエストだけでなくパーティを募集している掲示板もあります。パーティを組むとパーティボーナスがもらえるので積極的にご利用ください。※マナー違反をすると通報されますのでご注意ください』

 

「臨時パーティか・・・」

 

街の外に向いていた足が止まる。

 

「どうせならパーティ組むか」

 

これほど現実に近いゲームならば、ドロップ率もきちんと設定されていることだろう。

 

少しでもドロップ率を上げるべくギルドに向かうのだった。

 

「さて、これか・・・」

 

様々な募集が張り付けてある掲示板を見る。

 

『マーマン狩り募集!』

 

『西の森のボス攻略募集』

 

『ワイルドパイソン数頭の討伐』

 

なるほど。これは凄い、と士郎は頷く。高ランクのものから日銭目当てのものまで。実に沢山の募集がかけられている。

 

パーティボーナスは5人組で最大なのでそれに合わせているようだ。

 

「東の洞窟はと・・・」

 

掲示板を眺めていると二件探し当てることが出来た。

 

依頼その一:『我が軍勢には星屑の貝殻が不足している!複数のパーティを組んで集めようぞ!』

 

「なんだか熱血漢漂う募集だな・・・こっちは・・・」

 

依頼その二:『東の洞窟の素材集め。星屑の貝殻、毒ヤモリの微毒など出現するもの全て。集まらなければ三人で出発』

 

こちらの依頼には既に二人集まっていることが書かれていた。

 

「・・・。」

 

熱血漢な依頼に行く/素朴な採取に行く

 

「・・・こっちで」

 

素朴な方を選んだ。

 

『こちらのパーティに加入申請しますか?YES/NO』

 

「YESと・・・これで連絡が来るのか?」

 

掲示板から離れると、ピピ、と通信が来た。

 

『貴方が依頼を受けてくれたの?』

 

『ええ。私が受けました。どちらに向かえばいいですか?』

 

『大丈夫。今着いたわ』

 

通信の後、にわかに騒がしくなる

 

「お、おい!あれ攻略組の二人じゃないか!?」

 

「星屑のアルトに鉄拳のマルタだ!」

 

「誰が鉄拳よ!」

 

大きな声で自分の評価に文句を言っているのが依頼主だろう。そちらに向かうことにした。

 

「攻略組だ!」

 

「すっげー初めて見た!」

 

とにかくワイワイと盛り上がっている。攻略組とはどういうことなのだろうか?

 

「貴方が依頼を受けてくれたシロウね」

 

「はい。貴女方はマルタとアルト・・・でよろしいですか?」

 

「そうよ。・・・それより貴方、これから一緒に狩りに行くのだし、敬語はなしにしない?貴方のそれあんまり上手じゃないわ」

 

「マルタ。彼も気を使ってくれているのですから・・・」

 

「敬語が治せないアルトは黙ってて。ほら、こっちがアルト。これでも『攻略組』のトップに君臨してるのよ」

 

「初めまして。シロウ――――」

 

話しながら顔を見て真っ白になった。

 

(アルトリア・・・?)

 

そこにいたのはセイバーことアルトリア自身だった。少年期の初心さが抜け、キリっとした佇まい。手には剣ではなく槍を装備し、何処か大人びた印象。など、現実の彼女とは似ても似つかない印象だったが、間違いなく、彼女はアルトリア・ペンドラゴンだった。

 

「ご丁寧に。私はアルト。攻略組などと呼ばれていますが・・・シロウ、さん?」

 

「はっ」

 

問われてはっとした士郎は失礼を詫び、改めて握手した。

 

「その、申し訳ない。知り合いに随分と似ていたものだから・・・」

 

「あーそれね。この世にはそっくりさんが三人は居るって言うけれど、このゲームやってると本当にそういうことあるのよね」

 

(そういうマルタさんは凛みたいだけど・・・鉄拳ってのもあながち間違いじゃないかもな)

 

持っているのは大きな十字架の杖だ。あれだけのものを軽々と持っているあたり、STRも中々高いと見えた。

 

「それじゃあ行きましょうか。あんまり騒がれるのもあれだし」

 

「私達には馬がありますが・・・シロウはまだ持っていませんよね?」

 

「ああ。・・・二人とも攻略組だって言うけど、この先には自分が保有できる馬なんかもあるのか?」

 

士郎は素朴な質問をした。

 

「ネタバレOKなら教えてあげるわ」

 

「あ、なるほど。そういう事にもつながるのか。ありがとう。俺はネタバレされてもOKだ」

 

マルタの気遣いに礼を言って士郎は改めて問うた。

 

「私達は攻略の最先端を行ってるけど、特に珍しくは無いわね」

 

「ある程度階層を攻略して、馬宿のクエストを受ければ手に入りますよ」

 

「そうなのか。今最前線はどのくらいなんだ?」

 

「59階層ね」

 

「59!?」

 

士郎が居る階層が1階層としてそんなに先まであるとは。

 

士郎も呆然と空を見上げた。だが、はたと気づく。

 

「そんな二人が何で1階層に?59階層で狩りをしていた方が得だろう?」

 

「それがね・・・そうもいかなくて。例えばここの東の洞窟で出る星屑の貝殻は、大中小の三種しかないHPポーションの『小』になる。これは他の階層では絶対に出ないの」

 

「レベルが上がりステータス値は高くとも、HPポーションはこの三種しかなく、それぞれリキャスト時間が発生します」

 

「なるほど・・・MPポーションも三種類しかないのか?」

 

「ええ。MPポーション小の元になる素材は第二階層からしか取れないわ。魔法使いを志す人も、まずは第二階層に行かないと高くつくってわけ」

 

(京が収支マイナスだって言ってたな)

 

魔法使いを目指す京はポーション代に悲鳴を上げていた。これは良い情報を貰えた気がする。

 

「ところで・・・君、腕に自信はある?」

 

「どういうことだ?」

 

「高レベルの対象がいるとレベル調整されて、敵が強くなるのよ」

 

「なんだって?」

 

確かに高レベルの者が低階層に来て乱獲してしまう問題があるが、まさかそんな対策を取っていたとは。

 

「まぁ装備はこんなんだが、戦闘に関しては自信あるぞ」

 

「そう。まぁ君が戦力にならなくとも、こっちで何とかするからいいわ」

 

「マルタ、失礼ですよ。シロウ。気にしないでください。マルタはあけすけなく言ってしまうのです」

 

「知り合いにそういう奴が居るから大丈夫だ。それで?馬の話だろう?」

 

「こういう時に備えて荷馬車を持ってきてるわ。インベントリだけじゃ収まらないしね」

 

そう言ってマルタが光の塊を取り出すと、馬が荷車を付けられている状態で出て来た。

 

「おお・・・そう出てくるのか・・・」

 

「マルタの馬は荷馬車付きだからですよ。通常は条件さえクリアしてしまえば念じるだけで出てきます」

 

そう言うとアルトの隣に光の柱が立ち、鎧を身に付けた白馬が召喚された。

 

「頼みます、『ドゥンスタリオン』」

 

「・・・。」

 

「どうかしましたか?」

 

「その名前は自分で付けたのか?」

 

「いえ、このドゥンスタリオンはエピック騎馬なので、名前が付いていたのです。」

 

「レアな馬という事か・・・レア度っていくつあるんだ?」

 

その問いに答えたのはマルタだった。

 

「貴方、最近始めたの?レア度は、コモン、アンコモン、レジェンダリ、エピックの四種よ」

 

「なるほど。教えてくれてありがとう。最近このゲーム筐体を手に入れてな。まだ初心者なんだ」

 

「そういう事ならシロウは私の後ろに。強化個体は意外と危険ですよ」

 

「寝袋があるから荷台で登録して。リスポーンする度に街中に戻ったんじゃ面倒だからね」

 

「了解。・・・来たな」

 

「ええ。行きます!」

 

ドッドドッとアルトがドゥンスタリオンに跨って駆け出し、巨大な馬上槍を突き出す。

 

「東の洞窟まで一気に行くわよ!」

 

マルタは呪文を唱え、時にはその重厚な杖を直接叩き込むことで敵を倒していく。

 

「やるな。俺もいくか」

 

新調したダガーを二本手に持ち、士郎も駆けだした。

 

――――interlude――――

 

攻略組と言われる私、マルタは魔法と近接をこなす特殊職業だ。

 

前に、うっかりギルドメンバーに鉄拳制裁を与えた所を見られてしまい、『鉄拳のマルタ』なんて名前で呼ばれてる。

 

非常に不本意だけど、いざとなると魔法より先に手が出るのであまり否定できない(否定するけど)。

 

そんな私は今回、所属するクラン、『聖槍』の恒例行事である、初級ポーション素材の補給に来ていた。

 

聖槍は中規模クラスのクランである。『クラン』はいわゆる団体として登録された一部の人間をさす呼称だ。

 

聖槍のリーダーは私の隣を歩く、光がちりばめられたかのような印象を受ける女性、アルトだ。

 

なぜクランのトップである彼女まで来ているのかというと、この恒例行事には別な側面がある。

 

それは、腕のありそうな冒険者のスカウト。

 

現在中規模クランだが、挑戦できる難易度が『レイド』と呼ばれるものに依存しており、現在のクランでは行ける難易度が頭打ちになっているのだ。

 

(今日こそ粒のある冒険者を見つけましょう)

 

アルトはもっと先に行きたがっている。初期のパーティからのメンバーである自分の友達の望みだ。何としても叶えたい。

 

そんな時だった。なんとも緊張感のない男性からパーティ加入の申請が届いたのは。

 

見た目は身長180cmくらいの男性だった。いつもの私は敬語で話している。

 

が・・・

 

『はい。貴女方はマルタとアルト・・・でよろしいですか?』

 

ちょっと童顔の物腰の丁寧な彼。別に馬鹿にはしていないのだが、

 

『そうよ。・・・それより貴方、これから一緒に狩りに行くのだし、敬語はなしにしない?貴方のそれあんまり上手じゃないわ』

 

何故かはわからないけれど、無理に気を使っている気がしたのだ。普段から『姉御』などと言われている身としては、なんだかそれがむず痒かった。

 

アルトが抵抗したが、私が敬語を使わないのを見て渋々了承した様子の彼女を加えて今回は三人パーティで素材集めに行く。

 

しかし、どうにも初心者丸出しの彼に忠告を一つ。今回は第一層の採取だが、私とアルトが居るので通常の第一階層ではなくなる。

 

今の私達のレベルは65。なので体感的には30前後の強さとなるはずだ。

 

それを知ってか知らずか――――

 

『まぁ装備はこんなんだが、戦闘に関しては自信あるぞ』

 

リアル(現実)で格闘技でもしているのか何も気負わず言った。

 

(さて、その自信が何処まで持つか・・・)

 

この後、私の下に見た評価は覆ることとなる。

 

――――interlude out――――

 

「はっ!」

 

「ふっ!」

 

レベル補正により狂暴化したモンスターたちが襲い掛かる。

 

「なるほど。確かに脅威だな。パワー、スピード・・・何もかもが段違いだ」

 

そんな感想を言いながらも、彼は堂々と立っていた。

 

「シロウ!あまり無茶を・・・」

 

「無茶?この程度の雑魚相手に無茶も何も無いだろう?」

 

そう。彼の動きは滅茶苦茶だった。STRもDEXもSPDも。あらゆるステータスが私達より下のはずなのに――――

 

彼の剣は鋭く急所を抉り、無駄の削がれた紙一重の回避は常軌を逸脱している。

 

東の洞窟に着いて約一時間。彼は20以上のレベル差を覆し、前線に出ていた。

 

というのも、初めからこうだったのではない。最初はマルタとアルトが前に出ていたのだが・・・

 

――――「右から来るぞ。気を付けた方が良い」

 

――――「問題なく処理できる。構わないか?」

 

――――「こちらで敵を釣る。二人で一掃してくれ」

 

等など。とても格上と戦っている感じがしないのだ。

 

「なんなのあいつ!まだレベル5か6って所でしょう!?」

 

「マルタ。このゲームはレベルだけに縛られたゲームではありません。彼はリアルでは聡明な武術家なのでしょう」

 

アルトは額に汗を浮かべて言った。攻略組トップの座についている彼女をして、とんでもない戦闘力である。

 

一方の士郎は、

 

(右!左!宙返って左!)

 

持ち前の戦術眼と戦闘理論に基づき次々と狂暴化モンスターを刈り続ける。

 

(いい具合だ。どいつもこいつも格上。一度攻撃を許せば直ぐにあの世行きの緊張感。リアルでは中々経験をし難い体験だ)

 

この世界に来てからというもの、決闘騒ぎやテロリスト、裏稼業の傭兵相手など数々の危機に瀕してきたがここまでの緊張感は士郎は感じなかった。

 

――――人外故の変則的な攻撃。

 

――――当たっているのに、必ずしも有効打とならない外殻。

 

――――そして一撃で自分を死に追いやる攻撃。

 

これはそう――――前の世界で暴走した魔術生物と戦った時に酷似している。

 

百代は油断していた。清楚は神秘に打ち勝てなかった。ヒューム・ヘルシングならばあるいは・・・

 

様々な想いが去来する。まるで走馬灯のように今までの戦闘が思い浮かんでは消える。

 

「・・・随分な時を過ごしたな」

 

最後の一体を切り伏せて、士郎は洞窟の天井を見上げた。

 

 

 

 

「この辺りは狩り尽くしちゃったから、モンスターがポップするまで休憩にしましょう?」

 

辺りを油断なく見渡したマルタがそう言って杖を下した。

 

「お疲れ様でした、シロウ。貴方の強さには驚かされました」

 

「こちらこそ。いい鍛錬の場に連れて来てもらって感謝してる」

 

先ほどまでの緊張も何のその。アルトと士郎は笑顔で握手をした。

 

そこにマルタがマグカップを持ってやってくる。

 

「本当に驚かされたわよ。貴方本当に初心者?」

 

「そうか?普段から鍛えているからかもな。それより・・・それは?」

 

「29階層のジャジャの葉とホープ牛のミルク溶きよ。まぁ飲んでみて。本当に飲んだことにはならないけど、味を感じることは出来るわ」

 

そう言って湯気がくゆるマグカップを渡してくれた。

 

「・・・これは、ミルクティーだな」

 

「ご明察。食事はリアルの体に悪影響を及ぼすからここにはないけど、このゲーム屈指のお茶よ。」

 

「ホープ牛のミルクって言う事は、ストレートやレモンティーなんかもあるのか?」

 

「ええ。29階層は茶葉が流通する街です。今のシロウなら余裕で行けるでしょうから行ってみたら是非、試してみてください」

 

「あはは。それは良い情報を貰ったよ。ありがとう」

 

「しっかし、貴方べらぼうに強いのね。こっちがフォローすることになるとは思わなかったわ」

 

「普段の鍛錬の賜物だな。いい緊張感だったよ。それに俺自身、随分とレベルアップさせてもらったしな。逆に礼を言うよ」

 

レベル5だった士郎は、いつの間にかレベル20まで上がり、完全に初級冒険者とは言えなくなっていた。

 

「・・・ここ、レベリングする場所じゃないんだけどなぁ・・・」

 

「あはは・・・一石二鳥という奴ですよ、マルタ」

 

苦笑するアルト。マルタがこんなにもフランクに話すのは自分とクランの一部の者のみだ。

 

それを考えると彼女も憎からず思っているのだろう。

 

そう思って自分もミルクティーに口をつけた。

 

 

 

 

 

それから夕方にかけて素材集めに徹し、マルタの荷車もいっぱいになった所で終了となった。

 

「ありがとうございますシロウ」

 

「おかげで補充が出来たわ」

 

「こっちも色々聞かせてもらって為になったよ。ありがとう」

 

改めて握手を交わして士郎とアルトは頷いた。

 

「また会えると良いな」

 

「そのことなのですが・・・」

 

アルトはマルタと頷き合い、もう一つの目的を話す。

 

「シロウ。クランに興味はありませんか?」

 

「え?」

 

「一応私達、『聖槍』って言うクランなのよ。クランの意味は分かる?」

 

「あ、ああ・・・一応仲良く遊ぶ団体のようなもの、だろう?」

 

「そうです。我ら聖槍のメンバーになる気はありませんか?」

 

「・・・。」

 

士郎はすぐに返答が出来なかった。

 

(キャップがその辺言わない訳が無い。それに・・・)

 

「悪い。これでも日々忙しくてな。不定期にならざるを得ないんだ」

 

「私達と行く気は無いと?」

 

「残念だけど、そうだ。それに本来は友達とログインしてるんだ。まだ返答はないけど、多分あいつも自分のクラン作りをすると思うから・・・」

 

「・・・。」

 

「そう・・・残念ね。貴方ならすぐに攻略組になれるでしょうに」

 

「何も攻略だけが目的じゃないからな。29階層のジャジャの茶葉園なんか凄く引かれるし・・・」

 

「そうですか・・・」

 

アルトは非常に残念そうな顔をしていた。

 

「ま、まぁまた会いましょう?これ、私のキャラクターカード。よかったらフレンドになりましょう?」

 

「それならOKだ。ええっと・・・出し方は・・・」

 

こんな所でもたつく彼に苦笑して、

 

「ほらアルト。貴女もフレンドで我慢しておきなさい?」

 

「・・・ですが、マルタ」

 

口惜しいのか珍しくアルトが不満の籠った目で見て来た。

 

(それもそうよね。あんなに楽しそうにしていたもの)

 

彼との狩りは彼女に普段とは違う世界を見せた。だからこそ―――――

 

「あった。これでいいか?」

 

互いのカードを触れさせ合い、フォン、と音が鳴った。

 

『クラン聖槍所属・マルタとフレンドになりますか?YES/NO』

 

「YES・・・っとここに来て初めての友達だ。よろしく頼む」

 

「ええ、よろしく。ほらアルト貴女も」

 

「は、はい。よろしければ、よろしくお願いします」

 

アルトともフレンド登録を行い、士郎はにこりと笑った。

 

「ああ。折角の誘いを断って悪い。でも友達だからな。またよろしく頼む」

 

その笑顔にもう一度誘いたい気持ちがアルトには溢れた。だがそこはマルタが抜け目なく、

 

「貴方ならいつでも聖槍に歓迎よ。そ・れ・に・良い素材集め要員としてね」

 

「俺で役立てるなら暇なときは是非とも。それじゃ二人とも、俺はここでログアウトするから。またな」

 

「ええ。また」

 

「またね」

 

そう言って士郎は貴重な体験をしたことを胸にログアウトした。

 

 

 

 

――――interlude――――

 

彼のログアウトを見送って私達は基地に戻ろうとしていた。

 

「いくわよアルト。・・・アルト?」

 

顔を伏せたままの彼女を呼ぶと、

 

「すみませんマルタ。今日は私も落ちます。後を任せていいですか?」

 

「いいわよ。・・・なに、惚れちゃった?」

 

そんな言葉に慌てて、

 

「ち、違います!ただ、その・・・彼と一緒の未来はさぞ輝いていただろうと思って・・・」

 

「ふぅん。まぁいいわ。また明日ね」

 

「はい。お疲れ様でした」

 

そう言って彼女もログアウトした。

 

「ショッキングだったみたいね。でもま、きちんと立ち直るでしょう」

 

そう結論付けて私はクラン本部となっている基地にワープした。

 

(今日は驚きの連続だったわね)

 

そんなことを私も思いながら本部で様々な指示を出すのだった。

 

――――interlude out――――




はい。士郎の初の臨時パーティでした。士郎が槍トリアを目にしたらどうなるか入り入り想像して書きました。マルタの姉さんはデフォルトの口調で。作中では主に星屑の貝殻が名前として出てきますが他にも沢山ありました。


この世界は比較的平和なので(モンスターはいる)暗躍とかは今のところ考えていません。FGOキャラとの絡みなんか書けて行ければなと思います。


投稿が遅くなりすみません自分なりに急いでいるのですが中々上手くいかず…感想、誤字報告本当に助かってます!やる気にも繋がりますし、何より誤字が…申し訳ない限りです。

いつも見てくれてありがとうございます!今回はこの辺で、では!
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