真剣で衛宮士郎を愛しなさい!   作:Marthe

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みなさんおはこんばんにちわ。ノロノロ執筆の作者です。

今回は一子が午前試合で勝ち取った高級旅館宿泊券の回です。

妻となった彼女らとの絡みが書けたらなと思います。

では


高級旅館

景色が絶景だろう空模様をバックに、立派な旅館の前に立つ。

 

「おお~・・・マルギッテのご両親を迎えた時もすごかったけど、ここはそれ以上だな」

 

圧倒されている士郎に揚羽が言う。

 

「ここは九鬼の商談相手の中でも、VIPを招待するのに使う特別旅館よ。かなり資産のある所謂富裕層向けの旅館だな。中も様々な趣向が凝らされているぞ?」

 

ふふん、と腕を組んで笑う揚羽に、士郎も微笑んで、

 

「楽しみだな」

 

「士郎ー! 行くわよー!」

 

「せんぱーい!」

 

「マルギッテさんも来られてよかったね!」

 

「そうですね。私はお嬢様が心配ですが・・・」

 

「過保護だぞマルギッテ。偶にはのびのびと生活させるのも育成では大事なことだぞ」

 

クリスを心配するマルギッテに史文恭がそう諭す。

 

「あっちにはレオニダスが付いてるから大丈夫だろ。心はここ、利用したことあるか?」

 

「こ、此方も初めてじゃ。九鬼がこのように立派な旅館を建てていようとはのう・・・」

 

「そうなのか。やっぱりよほど値の張る旅館なんだろうな」

 

うーむと士郎は目を細める。

 

(今回は俺の妻たちだけだけど・・・)

 

それでも21人である。リアルマネー換算は無粋だろう。

 

「ねぇねぇ、そろそろ入りましょう?」

 

横に来た一子がワクワクとした様子で士郎の袖をクイクイと引いた。

 

「ああ。行こうか」

 

「私たちも行こう! ほむ」

 

「う、うむ・・・場違い感がすごいが・・・これも妻の務めよな!」

 

今回のために夏休みを利用して訪れた晴と焔も旅館の貫禄に圧倒されながらも、フンス!と気合を入れたようだ。

 

 

 

 

 

「「「お待ちしておりました」」」

 

「ひゃあー! お出迎えからこれかー」

 

「ふふん。苦しゅうないぞ?」

 

「なんでモモちゃんが胸張ってるのさー」

 

百代は胸を張りそれを咎める燕。

 

そんな姿にも笑顔で対応する従業員達。

 

「出迎えご苦労! 我の伴侶と側室の妻たちである。失礼のないようにな」

 

そう揚羽が言うと一番前にいた女性・・・おそらく女将さんであろう人物が一歩前に出た。

 

「この度は当旅館のご利用ありがとうございます。女将を務めさせてもらっています、花と申します。この度は心行くまでくつろいでくださいませ」

 

まさに大和撫子と言わんばかりの美人さんである。だが、ただ顔がいいだけでなく高級旅館担当相応の貫禄も備えていた。

 

「お世話になります」

 

士郎も最大限の礼を尽くして頭を下げた。

 

「・・・ッ」

 

「義経?」

 

何やらソワソワとした様子の義経に士郎はそっと問いかけた。

 

「し、士郎君はすごい・・・義経は驚かされて声も出ないんだ・・・己の未熟を恥じる」

 

きゅっと士郎の手を掴んでぎこちなく笑う義経に、士郎はとても優しい眼差しで見つめ、

 

「義経の気持ちは正しい。・・・慣れてるほうが特殊なんだ」

 

「女将さん! 部屋はどんなとこー!?」

 

「「モモちゃん!!」」

 

「ふっはっは! 存分にはしゃぐがよいぞ!」

 

「・・・。」

 

なんだかとっても恥ずかしい士郎であった。

 

「ふふ、ではお部屋にご案内します」

 

すっ、と音もたてずに歩きだし、女将は部屋へと案内した。

 

「「「わぁ~!」」」

 

「当館自慢のお部屋“椿”にございます」

 

中は広く全員がゆとりをもって座れるようになっており、一応ほかにも二つの部屋が用意されているそうだが、この部屋だけでも十分に思えた。

 

「景色も綺麗です・・・あ、露天風呂が!」

 

「一緒に入るかシロ坊ー」

 

「・・・口の悪い後輩はこうだ」

 

「あ! 松風ー!?」

 

「ぐるぐるまわーるぐるぐるまわーる!!!」

 

士郎の指の上でくるくると回る松風。

 

「俺は厨房にお呼ばれしてるから行ってくるよ。みんなは思い思いに過ごしてくれ」

 

「こ、こんな高級旅館の厨房にまでお呼ばれしてるの!?」

 

「我が掛け合ったのだ。厨房もいい刺激となろうと思ってな」

 

「シロウの料理の腕前は一級品ですからね」

 

「昔は和食の士郎、洋食は桜、中華は私だったのにすっかり抜かされちゃったわ」

 

「まだまだ先輩は遠いです・・・」

 

凛と桜が懐かしそうにしていると、

 

「あ、あの!」

 

由紀江がガバリと向き直った。

 

「お、お二人もお料理するんですか!?」

 

「そうよ? 意外?」

 

首を傾げる凛。だが由紀江にとってはまたとないチャンスなわけで。

 

「あのあの! よろしければお料理の話を、お聞かせ願えないでしょうか!?」

 

「由紀江さん、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。私は先輩に一から習ったんです。姉さんは?」

 

「わ、私は・・・」

 

など、早速談笑を始めていた。

 

「我らも落ち着くとしよう。折角のオフなのでな」

 

「そう言いながらも私たちの旦那様を修羅場に追いやるのね」

 

よよよ、と泣きマネをする旭に、ふふんと揚羽は笑って、

 

「旦那の飯が食いたいのだ! 何が悪い!」

 

ドーン!と言い放って皆困惑した。

 

「い、いや、せっかくの高級旅館なのだから士郎もくつろいでいいのではないだろうか・・・」

 

「そうですよー私たち、まだ結婚して間もないんですからもうちょっと交流を・・・」

 

「交流が少なかったのは燕のせいじゃないかなぁ・・・」

 

百代がそっぽ向きながら言う。

 

「だって松永納豆が売り上げ伸びて忙しかったんだもん~。アイドルも忙しいのよ?」

 

「私たちのところにも来たよね、ほむ」

 

「うむ。鉢屋がそう言っていたな」

 

「燕さんすごいですよね。その合間に鍛錬も・・・お姉ちゃんとは大違い」

 

沙也佳がため息とともにいうが、

 

「そういうな沙也佳。お前の姉は黛の跡取りだ。そう簡単に剣以外に打ち込むなどできなかろうよ」

 

本を手に持った史文恭が言う。

 

「史文恭、また本を持ってきたのか?」

 

「なんだ林冲。私の本好きを舐めてもらっては困る」

 

「・・・。」

 

皆が談笑する中孤立してしまうものが一人。

 

そこに、

 

「心」

 

「セイバー?」

 

凜たちと居たセイバーが近寄った。

 

「心は誰かと話さないのですか?」

 

「此方は・・・」

 

こういう場がまだ慣れない、という前に、

 

「今までボッチだったからどうしたらいいかわかんねーんだよ。このお嬢様は」

 

「あずみ?」

 

ガバリと心の肩を抱き、

 

「ここには揚羽様がいるぞー? 仲良くなっておかなくていいのか? んー?」

 

「わ、わかっておる! 旅館のもてなしに面食らっただけじゃ!」

 

「おおー? いい度胸じゃねぇか。でもま、まずはそこのセイバーと絡むんだな」

 

「そんなことはわかっておる!」

 

「? よくわかりませんが貴女の話も聞かせてほしい」

 

そう言って喧噪冷めやらぬ中心にセイバーは手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

「ふう・・・揚羽めいきなり板前さんたちの中に放り込んで・・・」

 

コキコキと肩を鳴らして士郎は浴衣に着替える。

 

(流石高級旅館。浴衣の生地も上等だな)

 

ここは士郎用の一室。女性陣は人数が人数なので二部屋ある。

 

「しっろう~! 一緒にお風呂に入りたいにゃ?」

 

そんなところに百代がやってきた。

 

「おいおい混浴じゃないんだろ?」

 

「揚羽さんが家族風呂をとってくれたらしいぞ? 普段は林冲ちゃん達と入ってるんだろ~?」

 

「・・・。」

 

本音は違うと言いたいが、衛宮邸の女性たちは自分が入っていても気にせず入ってくるので何とも言えない。

 

「あ、答えない。スケベめ」

 

「仕方ないだろう? 言っても入ってくるんだから」

 

困ったように頭を振る士郎。

 

「おっ風呂おっ風呂~」

 

「依頼のホテルとか使ってるんだろ? 色々試してるんじゃないのか?」

 

士郎の一言に、百代はうーんと考えて、

 

「ホテルも旅館もピンキリだってことが分かったかなー。温泉が評判のとこでも、室内待機で大浴場いけない時も多々あるし」

 

「百代にそこまで頼むなんてどれだけ襲撃に怯えてるのさ・・・」

 

この世界にも傭兵が存在する以上何某かの、権力のようなものを持っていれば秘密裏に依頼が行くのかもしれないが・・・。

 

「裏の世界と事を構えるなよ」

 

「わかってるー。川神院でそういうアブナイ仕事は洗ってるよ」

 

ほっと、士郎はため息を漏らす。

 

表とは違い、裏の人間と関わったら最後、ズブズブになるのは目に見えているので多少安心した。

 

「お、ここだな!?」

 

予約済の立て札が立っている。割り振られた番号も揚羽が事前に知らせてくれたものと同じである。

 

「おっ風呂ー!」

 

「あ! 馬鹿! 落ち着けって・・・」

 

「ぬあ!?」

 

つるん、と浮かれていた足元が滑り、中に体が浮く。

 

(しくったー・・・でもま、こんくらいじゃダメージにもならないけど)

 

自分なら後頭部打ち付けても平気だと思って、一応受け身だけ取っとくかーくらいの気でいた百代。

 

しかし、

 

「よっと」

 

そっと士郎が抱き留めた。

 

「あ・・・」

 

「こら。浮かれすぎだぞ」

 

「・・・やっぱり士郎なんだなー」

 

「どういう意味だ?」

 

抱き留めた百代をゆっくり起こしてやり、ちょっとむっとした顔をする士郎。

 

「それより温泉だ!」

 

「今、後頭部打ちそうになったんだから自重しろ!」

 

「その時はまた士郎が優しく抱いてくれればいい!」

 

「・・・。」

 

暴論にもはや呆れしかない士郎。

 

「ふんふんふーん♪」

 

「・・・はぁ、まあいいか」

 

堂々と着替え始める百代にいい加減慣れたという感じで士郎も浴衣を脱ぐ。

 

「しっろう~!」

 

「今度はなんだ」

 

一糸纏わぬ姿の百代に、士郎は自分も慣れたなぁと思っていたところ、

 

「起った?」

 

「起つか!」

 

ふん!とそっぽ向いて体を洗うべく洗い場に向かう士郎。

 

ブーとちょっと不機嫌ながらもいたずらするべくワキワキと手を動かす百代。

 

――――貸し切り風呂にて、ちょっとしたバトルが勃発するのだった。

 

 

 

 

 

 

風呂でしばしゆっくりした後(少ししかゆっくり出来なかった)士郎は気になるものを見つけてそちらに歩み寄っていった。

 

「マッサージチェアか。無料開放されてるんだな」

 

五台ほど風呂へと繋がる通路に配置されていたそれの中の一つに腰掛ける。

 

「まったりコース・・・刺激強モード・・・。まったりでいいな」

 

ぴ、ぴ、と設定を済ませ体の力を抜く。

 

「お、おおお~~~・・・」

 

肩や背中、足もふくらはぎから太ももまで、ブーンと振動がほぐしてくれる。

 

(元々肩こりとかないけど・・・これは気持ちいいな)

 

しばらく心地いい振動に身を任せる士郎だった。

 

一方大部屋では、

 

「あれ!? 士郎がいない!」

 

「ちょっとモモちゃん、一緒だったんじゃないの?」

 

「確かに一緒にお風呂入ったんだけどなぁ・・・」

 

「も、百代先輩! 士郎君とお、おおお風呂入ったんですか!?」

 

義経が顔を赤くしてビクーン!と硬直した。

 

「うん。いい体してたぞ~ぐへへ・・・あいた!」

 

「反応がおやじ臭いわ馬鹿者め」

 

デシ!っと揚羽が叩いた。

 

「ふーん・・・モモちゃん士郎君と一緒に出てきたの?」

 

「あ、いや、取っ組み合いになった後少しして出て行ったなぁ」

 

「やっぱり貴女がちょっかいかけたせいじゃない」

 

はぁと溜息を吐く凛。その後ろでは・・・

 

「せんぱぁい・・・またいけないことしてきたんですねぇ・・・」

 

「サ、サクラ! 靄が、黒い靄が出ています!?」

 

「お、おお落ち着くのじゃ! ほれ! 此方にも料理の話をしてたもれ!」

 

「いざとなったら百代を盾にする他ないな・・・」

 

「無理! 凛ちゃんなら何とかなるかもだけど桜ちゃんは無理!」

 

「ちょっと。私ならどうにかなるってどういうことよ!」

 

ゾゾゾーっと鳥肌立たせて百代が離れたところに退避し、凜は追撃の構えだ。

 

「まったく・・・折角の休みなのですからいざこざは勘弁願いたいですね」

 

「まったくだ。しっかし士郎の奴どこに・・・」

 

きょろきょろと、あずみが部屋の外を見回すと、

 

「お、帰ってきたぜ」

 

「ただいま」

 

「士郎、どこに行ってたんだ?」

 

「ん、風呂場の近くにマッサージチェアがあってな。体ほぐしてた」

 

風呂で体を温めた後なので効果絶大だろう。リラックスできた様子だ。

 

「し、しし士郎さん! わわ私ともお風呂を!」

 

「いけーまゆっち! シロ坊をその気にさせて美味しく頂かれるんだー!」

 

「・・・そろそろ松風必要なくない? 本音駄々洩れだよ・・・」

 

沙也佳が頭が痛そうにして言った。

 

「あはは・・・風呂は入ったばかりだからまた今度な。それより何か遊べるものを持ってくればよかったな。売店にトランプとか売ってるかな?」

 

後輩の押せ押せムードに苦笑しつつ士郎はまたどこかへ行こうとするが、

 

ガシッ

 

「トランプなら私が持ってきてるよん」

 

ガシッ

 

「旦那様はここで私たちとくつろぎましょうね?」

 

燕と旭に掴まれ部屋の真ん中に座らせられる。

 

「燕、準備がいいな。旭、俺はどこへも行かないぞ?」

 

「ウソ。売店に逃げようとしたじゃない」

 

「逃げようとしたわけじゃ・・・」

 

言い訳しようとした士郎だったが、

 

「なら、さっきからなんで視線が泳いでんだ?」

 

「・・・。」

 

あずみの言葉で撃沈した。

 

「その・・・な? 改めて己の所業を見つめ直しているというか・・・」

 

普段居合わせない嫁たちが一堂に会したため、士郎は背徳心がMAXなのである。

 

「そんなことか。何を落ち着かない顔をしているかと思えば・・・」

 

「今日は妻が多いですからね。無理からぬこととは思いますが・・・」

 

「大友も士郎と夜通し遊びたいのだ!」

 

「もちろん私もだよ。そのためにハルを置いてきたんだから・・・」

 

すり、とすり寄る焔と晴。

 

「わ、我らは西と東で隔てられているのでな・・・こういう時こそ甘えるのだ・・・」

 

「うん、そうだね・・・」

 

「・・・焔と晴のことはうれしいけど・・・」

 

士郎はほとほと困った様子で、

 

「なんだか俺、悪代官みたいじゃないか・・・?」

 

士郎のそんな言葉に一同は、

 

「「「ぷっ」」」

 

「あっはっはっはっは!! 今更何を言っておるのか!」

 

「私らみんな士郎っていう悪い男に捕まったんだよ」

 

「ホント今更ねぇ。ほら桜、パクっと行っちゃいなさいな」

 

「ね、姉さんも・・・」

 

「わ、私はいいのよ・・・」

 

「じゃあ義経が・・・」

 

「待って! みんなして浴衣脱ごうとしない! ここは旅館! 節度を!」

 

「じゃあトランプを使って今日の夜の晩餐は誰なのか、決めましょう?」

 

旭の悪意を持った提案に皆が目を光らせる一同。

 

「あは、あははは・・・」

 

乾いた笑いしか出ない士郎だった。

 

 

 

 

「このマグロうまー!」

 

「まぐまぐ・・・お肉もお魚も美味しいわ~」

 

「先輩、このお料理私にも教えてください」

 

「士郎先輩! 私にも・・・」

 

「ホント、どこからネタを仕入れてくるんだか。・・・あ、美味しい」

 

「これは士郎が作ったのか!?」

 

「学食を任されてるだけあるね。すっごく美味しい」

 

「士郎~デザートはピーチだにゃ?」

 

「我はイチゴのほうがいい」

 

なんだってー!?

 

と実に姦しく夕ご飯をいただく一行。

 

「シロウ、美味しいです」

 

「うむうむ。士郎の味は一度ハマったらやめられぬなぁ」

 

「心の所の料理長だって立派な腕じゃないか」

 

「それはそうじゃが・・・あむ、やっぱり此方はこちらの方が好きじゃ」

 

「納豆! 納豆は「掛けんでいい!」トホホ・・・」

 

「毎回思うけど・・・士郎君いつもどうやって料理作ってるの?義経にはここまで上達できる未来が見えない・・・」

 

「基本的なことだよ。切る時は必要以上に傷つけないように。火を入れる時は火が入りすぎないように。とか」

 

「それが難しいのです。初めて手伝った時のことは・・・あまり思い出したくありませんね」

 

「でもそれが料理の上達の秘訣だったんだと思う。私も、マルギッテと一緒だったからわかる」

 

「んぐんぐ・・・はぁ。豹子頭は士郎の護衛に花嫁修業にと、忙しいな」

 

「あら、史文恭さんは料理の修行はしないの?」

 

旭に聞かれた史文恭は肩を竦めて、

 

「こんなに美味い物が出てくるのに自分でやろうとは思わん」

 

「確かに、普段こういうもの食べなれている我や心も虜にする腕前だ。真似るのはちと厳しいな」

 

「あたいはできるもんは、できる奴に任せる派だな。薬の調合くれぇなら処世術として覚えとくにこしたこたぁねぇけど」

 

「薬の調合って・・・難しいんでしょう?」

 

清楚が気に入った様子で刺身を食べながら聞く。

 

「ピンキリだな。あたいの身に付けた薬と、凛の知ってる秘薬なんかは難易度がちげぇし・・・ハーブの調合ぐれぇなら手当にも料理にも使えるくらいには簡単なんじゃねぇか?」

 

「そう! ハーブ! ちょっと面白そうだなぁって思ってたんです。先輩、そういうのも知っていますか?」

 

桜があずみの言葉に反応して問いかけると、

 

「そうだなぁ・・・あずみのいう通り何通りかの傷の手当に使える調合と、簡単なハーブバターとかハーブソルトくらいならなんとか・・・」

 

「ホント、手広くやってるわね。でもバターや塩と合わせるのはなんだかおしゃれでいいわね」

 

「チーズはいけないのか?」

 

黒糖焼酎をロックで飲んでいたあずみが問う。

 

「チーズは残念ながら経験が無いな。でも面白いかもしれない」

 

「その辺の本あったかなー?」

 

「書斎には植生の本ならばあったが」

 

「ジークが読んでた奴か。んーでもなぁ・・・流石にその辺に生えてるのは使いづらいし、ハーブはホームセンターとか専門の店で買い揃えたいな」

 

「あ、それなら最近できたお店なんだけど――――」

 

などなど、とても賑やかな夕食となった。

 

 

 

 

 

夕食後、もう一度風呂に向かった士郎であったがここでも女性陣に捕まり、家族風呂へ。

 

とはいえ、普段衛宮邸に居ない者たちが、勇気を振り絞ってという感じだったので、

 

「無理しなくていいんだぞー」

 

と仏のような目で士郎は言った。

 

結果、真っ赤に茹で上がったもの多数で、士郎は甲斐々しく看病するのだった。

 

「みんな無茶しなきゃいいのに」

 

士郎は終始苦笑していたそうな。




今回は高級旅館編でした。旅館編もう少し続きます。折角の高級旅館なのに全然休めていない士郎君。その上夜は女性方が待ち構えているので逆に修行かもしれません。

ハーブの話は、衛宮さんちの今日のご飯より。セラもリズもいないのであくまでちょろっと知識がある、程度です。
ハーブチーズとかどうするんでしょうね?作ってる方々様様です。


毎度遅いながら見てくださっている方々、ありがとうございます!これからも頑張っていく所存ですのでよろしくお願いします!
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