一家の大黒柱としてしっかり稼ぎを出す士郎を書けたらいいなと思います。
では!
士郎の一日は早朝早くから始まる。
パン!と手に持つ竹刀が鳴る。最近、セイバーとの鍛錬で使うようになった投影品の竹刀だ。なぜ投影品なのかというと、
バツン!
「ぐあっ!」
士郎の持つ竹刀が破壊されて吹き飛ばされる。このように、二人の打ち合いに耐えられないものが多数だからだ。
もちろん、強化の魔術が施されているが二人の人知を超えた打ち合いには到底ついていくことはできない。
「士郎の強化の魔術は素晴らしい。竹刀であっても私の剣戟についてこれるとは」
「どうかな、こっちは耐えられ、なかったけどなッ・・・」
それはそうだろう。士郎の戦闘スタイルはもとより打ち合いをメインとしたカウンター戦。得物にもそれ相応の頑丈さが求められる。
セイバーの剣戟はすさまじく、干将・莫耶であってもセイバーの剣には真正面から打ち合いきれないだろうことが予想される。
竹刀では自明の理であった。
「・・・ふむ。こちらもあと数合と言ったところでしょうか。武器を変えましょう」
セイバーの目利きも素晴らしく、己の竹刀もそう長くはもたないと看破し交換を申し出る。
「・・・しかし、士郎の投影がなければ竹刀だけで破産しそうですね」
「そんなに安いもんでも無いしなぁ・・・毎回この規模じゃ、そうなりそうだ」
そう言って次の竹刀を投影する士郎。これも魔術の修練だな、と頷いて。
「それじゃあ・・・」
「はい。・・・ッ!!!」
激しい剣戟がまたも始まるのだった。
「いただきます」
「「「いただきます!」」」
朝の修練が終わったら栄養補給の朝食だ。
最近は天衣と桜が中心となって朝を担当している。
「天衣、桜、毎朝悪いな」
「いいえ。先輩が一流になれる日を心待ちにしています」
「私も桜と同じだ。士郎はいずれ一流にたどり着く。だからこのくらい任せてほしい」
「天衣、今日は寮の方はいいのか?」
幾分膨らんできたお腹を抱えながら史文恭が問う。
「ああ、今日は夕食からなんだ。生徒の中にお付きのシェフがいる子がいてさ。朝はそのシェフと料理修行してるんだ」
「へぇー天衣さんは一緒にやらないの?」
「・・・実はそのシェフさんが私に対抗意識を燃やしてるみたいで・・・」
「ええ?天衣さんに?」
「天衣の料理は士郎仕込みのものだ。対抗意識を燃やすのも仕方ないと思う」
林冲が大根の煮物をパクリとしながら言った。
「目の上のたんこぶ、というわけですね」
「ああいや、決して険悪な雰囲気じゃないんだ。今回のことも生徒とシェフさんから頭を下げられたし、夕食はいつもそのシェフさんとの合作なんだ。私もいい経験積ませてもらってるよ」
「・・・なんかどこかの誰かさんみたいね」
「士郎君の腕はすごいからなぁ・・・」
「ふふ。まだまだ教えてくださいね、先輩」
「師が師なら弟子も弟子ね」
凛があきれたように言う。士郎が数多のシェフとメル友だったことを知っているからだろう。
「俺も腕を落とさないように頑張るよ」
そういってご飯を食べる士郎だった。
「「「行ってきまーす」」」
朝食を終えたら早めに登校だ。主に士郎が変態の橋を見張るためだが、
「お嬢様と直江大和は何もありませんでしたか?士郎」
「ああ。クリスはぞっこんだし、大和も元々誠実だからな。京と弁慶、四人で楽しくしてるようだぞ」
「そうですか・・・」
「任務のほうはどうだ?渡したアミュレットは機能してたか?」
「はい。士郎の言う通り効果は微量でしたが、確かに実感できました。フィーネやリザは疲れにくくなった様子ですし、コジマは元気いっぱいでしたね。ジークも調子がいつもより良いようでした。ただ・・・」
「ただ?」
言いづらそうにマルギッテは、
「テルマがこんなオカルトじみたものでなぜ調子が良くなるのだと・・・憤慨していました」
「あはは・・・テルマさんらしいな」
苦笑して士郎は空を見上げた。
「次に会うのが楽しみだ」
そんなことを笑顔で言うのだった。
パシュ!
学校に登校した士郎はいつもの学園の給水棟の上まで上がり大橋の警護をしていた。
「おふぁよう~~~・・・」
「燕・・・もう士郎を狙ってないんじゃないのか?」
屋上の入口を守っていた林冲が言う。
「そうだけどー。やっぱり士郎君の射は――――」
あまりにも自然に矢を射る士郎の姿は、いつだって人を魅了する。
「――――うん。やっぱり朝はこれでなきゃね」
そう言って誇らしげに士郎を見る燕。
「燕、おはよう」
「おはよー。旭ちゃんには会った?」
「ああ。評議会のサポートをしてるみたいだ」
川神学園の評議会は大和達、新三年生へと受け継がれたが、アドバイザーとして度々最上旭が呼ばれているようだ。
「あー・・・旭ちゃんの時の運営というか団結力というか・・・その辺すごかったからねぇ」
「でも旭も大学に通ってるんじゃ?」
「大学は単位が取れれば問題ないって言ってたな。ま、しっかり者の旭が留年、なんてことはないだろ」
「しっかり者、ね」
燕の脳裏には、キツネ耳を生やしてコンコンと鳴く姿が映し出された。
「――――」
「・・・ん?士郎君?」
士郎の目はいつの間にか遠い所を見ていた。
「燕、あれは・・・」
「――――うん。士郎君への挑戦者だね」
見逃さぬように双眼鏡を取り出す燕。
(相手は・・・盾、かな)
盾。降り注ぐ矢を防ぐならこれ、というほどポピュラーな武装だ。
レオニダスでさえ武器は槍に円盾というのだからその実績は計り知れないものがある。
――――だが、
ガン!
「うわあ!?」
大きな円盾を構えていた敵が驚きのあまり、盾を手放し尻もちをついた。
なぜなら・・・
「・・・この距離であの盾を
盾は主に、木に鉛などの鉄類を表面に張ったものが一般的だ。それでも盾はなかなかの重量がある。
しかし今回の敵は一切手を抜かなかった。完全に金属の一枚板を盾としていたのだ。
それを看破したのだろう。彼は
(金属の矢が飛ぶなんて全く信じられなかったけど・・・)
現実に彼はそれを成している。なぜと聞きたいが、これが彼の本来の射の威力なのだ。
「なかなか気骨のある奴だ。金属製の盾とはな。――――まぁその分脅威は雀の涙ほどだが」
敵は盾を貫通し、アスファルトに突き立った矢を見て完全に戦意を喪失したところを、九鬼の従者に捕らえられた。
「ねぇ士郎君。今のも手加減?」
「ちゃんと
特に何かを感じることもない様子で彼は言った。
(いつでも敵ごと撃ち抜けたか・・・冗談じゃないねん)
ふぅ、とため息を吐いて燕は双眼鏡を下した。
「今日も快調だね!」
「そうか?いつも通りな気がするが・・・」
そう言いながら狙撃を再開する士郎。
今日も川神学園の生徒達は英雄によって守られて登校するのだった。
「今日は基礎トレーニングとサッカーとしますッ!それではぁ・・・基礎トレーニング、カウント開始!」
1!2!
「段々とこの異常な体育に慣れていく自分が怖い・・・」
「常識人でありたいけど慣れていくんだよなぁ」
はぁ、とため息を吐く士郎と大和。
「いい!実に素晴らしいッ!おっと福本少年。貴方も随分と筋肉が成長しましたね!関心関心!」
「そりゃ毎日やってればなぁ・・・でもだめだぁギブアープ!」
ドシャ!
「おおお!!!前は10回が精一杯だったのに25回も!いいですぞ!」
「じゃ、じゃあ」
「うむ!今度はお腹回りの筋肉が足りていないようですね・・・腹筋25回!目指しましょう!!!」
「ヒ、ヒェー・・・」
悲鳴を上げて渋々腹筋を開始するヨンパチ。
「あの筋肉バカめ・・・好き勝手してからに」
「でも俺たちのことを思ってくれてるのは間違いないだろ。抑えて抑えて」
ステイステイ、と言われて士郎もカクリと肩を落とす。
「よ!せ!は!」
ピー!
「一子殿!また貴女は無理をする!トレーニングとは量が重要なのではありません!質と継続が重要なのです!1分間休息後、次の基礎トレーニングを始めるように!」
「うあう・・・はい」
飛ばしていた一子が注意を受けた。きちんと限界と効率は見極めているらしい。
「もう担当のルー先生がお飾りじゃないか」
「レオニダスさんの体育は俺達だけだからそれも珍しいけどな」
ちらりと見れば本来体育担当のルーは時折レオニダスに質問をしては、手に持ったノートに書きこんでいる。
「教育実習生じゃないんだから・・・」
「でも実際ルー先生、レオニダスさんに勝てなかったんだろ?」
「まぁな・・・」
そう。ルーは過去に何度もレオニダスと、鍛錬と称して戦っているのである。
とはいえ、レオニダスは英霊なので物理的に突破することは不可能。なので、手や首に巻いた布を取り合う形をとっているが、それでも尚、ルーは負け越しているようだ。
「それではサッカーを始めますッ!!クジは事前に準備しております。息を整えた者からお引きください!!!」
「んーっと・・・赤か」
「はぁ、はぁ・・・俺は白」
「大和とは敵か・・・というか、大丈夫か?大和」
「・・・がんばる」
たくましい彼女の出来た大和は頑張った。
「衛宮」
「はい。何ですか梅先生」
休み時間、珍しく何をするでもなく席に座っていた士郎に梅子が話しかけた。
「お前は時計の修理ができたな?」
「ええ。大抵は問題ないですよ」
士郎がそういうと梅子は一つの時計を差し出した。
「これは・・・梅先生の?」
「うむ。初任給で買ったものでな・・・なんだかんだ思い入れのあったものだったのだが・・・今朝方動いていないことに気づいてな」
「失礼します」
色々見るふりをして解析する。
「うん。大丈夫、直りますよ」
しっかりと頷く士郎。
「ちょっと見ただけで確信するとはな・・・すまないが、頼めるか?」
「ええ」
「生徒と金銭のやり取りはよろしくないのでな、食券でいいか?」
「いえ。今回はいいですよ。いつもお世話になっている恩返しということで」
「お前はまた・・・」
「いいんですよ。たまには頼ってください」
「・・・。」
透き通った瞳を見て梅子はフッと笑って、
「では、頼らせてもらうとしよう。もちろん無理な時は言ってくれてかまわないからな」
「はい。では預かり証をと」
ごそごそといつも使っている預かり証を梅子に渡す士郎。
「律儀な奴だ。だが、もらっておこう」
「そうしてくれると助かります」
士郎に依頼をする人は大抵思い入れがある品、とかなので士郎はきっちりと預かり証を作っていた。
なにかとトラブルの元にもなりかねないので士郎自身もきちんと預かってもらったほうがいいのだった。
「さて、時計は放課後にやるとして・・・」
キーンコーンカーンコーン
「時間だな。委員長!号令を!」
まずは梅子の授業だ。
「こんな感じかな・・・」
梅子から預かった時計がチッチと動いているのを確認し、時間を合わせる。
「奇跡の大安売りじゃないか」
じっと時計を直す士郎を見ていた林冲がため息をついた
「時計の細かいパーツまで確認してくるやつはいないし、大丈夫だよ」
「それにしたって・・・」
今回梅子の時計は経年劣化による歯車の破損が原因だった。
士郎はそれをいつものように投影でパーツを作り出しはめ込んだ。
架空によって支えられた時計はまた時を刻み始める。それは紛れもない奇跡だった。
「梁山泊でも異能をこんなに安売りするやつはいない。しかも士郎の力は・・・」
「そこまで。梅先生が来た」
士郎の言葉に林冲は渋々口を閉じた。
「衛宮、まだ残っていたのか」
「ええ。梅先生の時計、直りましたよ」
「お、おお!まさか本当に直るとは思いもしなかった。礼を言うぞ衛宮」
「いえいえ、そのくらいならお安い御用です」
早速慣れた手つきで左手に巻き感触を確かめる梅子。
「原因は何だった?」
「歯車が欠けてました。経年劣化によって錆びて割れてしまったのだろうと思うので新しいものと交換しておきました」
「まるで買った時のようだ・・・クリーニングもしてくれたんだな。恩に着る。また一緒に教鞭を振るえるな・・・」
梅子はとてもうれしそうにしていた。
「さて目標も達成したし・・・」
士郎は席から立ちあがって軽く伸びをして鞄を手に取った。
「帰るのか?」
「はい。晩飯の支度もしないといけませんし、そろそろ・・・」
「士郎ー!」
「帰るぞー!」
窓の外から仲間たちが呼ぶ声がした。
「ははは。仲間たちが待っているか。早く行ってやるといい」
「ええ。では梅先生失礼します」
「うむ。ではな」
そうして今日の学園は終わった。
コトコトコト・・・
「・・・うん。後は余熱でいいかな」
カチンと火を止めてエプロンを外す。
今日の晩御飯の用意をそうそうに済ませ、鍛造所へと足を運ぶ。
「あら、晩御飯、できたの?」
凛が何やら作業していた。
「ああ。あとは味が染みるのを待つだけ。凛は何してたんだ?」
「んー工房の案出し。今は衛宮君の鍛造所を間借りしてるけどいずれは私の工房も作らないとね」
「あー・・・やっぱり地下に作るのか?」
うーん、家具の上に何か召喚されても困るなぁと悩む。だが、
「当然じゃない。大丈夫、地上には影響が出ないようにするわ」
「そうしてもらえるとありがたいな。・・・子供も生まれるし変に触って怪我されても困るし」
「揚羽はいいとして史文恭ね。お腹も大きくなってきたし、いよいよって感じかしら?」
ニヤニヤとする凛。
「そうだな。前の世界では考えられなかったことだけど・・・俺なりに覚悟決めたよ」
「桜が嫉妬してたわね。『先輩の子供は私が産むんです!』なーんて言ってたのに」
「あはは・・・オレニモタイリョクガ・・・」
桜は揚羽と史文恭に子供ができたと知った時から激しく求めてくるようになった。
しかし、結婚したとはいえまだ学生ということと、身重になった史文恭を支えようといった風に考えたようで最近はほどほどである。
「さて、今日の作るものはと・・・」
武器が2種、包丁が二本がマストだ。それ以上作るかは全部作り終えてから決めよう。
「よし、やるか!」
「はいはい。頑張んなさい」
今日も士郎は鉄を鍛つ。必要とされているからこそ、士郎は気炎をあげて鍛造に取り組むのだ。
「はい」
泡を流した食器を隣にいる桜に渡す。
「はいっ」
元気よく返事をして受け取る桜。
茶の間ではほくほく気分が流れており、今日も晩御飯は大成功のようだ。
「先輩、今日の献立また教えてもらえますか?」
「構わないぞ。ある程度煮込んで放置するだけだけどな」
「それでも絶品でした!ぜひお願いしますね」
「ああ」
「士郎の料理は手の込んだものだと思ったのだけど・・・」
「放置・・・というか『休ませる』のも手法の一つだぞ」
不思議そうに言う林冲に士郎は言った。
「そうなのか?」
「ローストビーフなんかは特にそうだぞ。肉を焼いた後――――」
そんな士郎の料理講座をBGMに居間では・・・
「む・・・ローストビーフですか・・・」
「セイバー殿。何かお気づきですか?」
「いえ、あれは良いものだなと。噛めば嚙むほどに・・・」
「・・・またセイバーの食レポですか。今食べたばかりなのですからほどほどにしてください」
「ランサー。食事とは日々の活力に繋がるのですよ。いついかなる時も・・・」
「はいはい。わかりましたからよだれを拭いてください」
「なっ・・・!!!」
「はっはっは!セイバー殿は健啖家ですなぁ」
「レオニダス王!貴方だってそうでしょう!?」
「当然です。すべては我が筋肉へと変わるのですからな!」
「セイバー。貴女は受肉したのですから下手にドカ食いしてると太りますよ」
「大きなお世話です!きちんとその分動いています!!!」
プンスコ!と怒るセイバーにどこかからかう雰囲気が出ているランサー。
清楚と林冲は気にせず、食後のお茶を飲んでいた。
「ランサーちゃん。その辺にしといてあげなよ。セイバーちゃんもよだれに気づいたことだし」
「清楚!?」
「そうですね・・・清楚のいう通りここまでとしますか。セイバーくれぐれも気を付けてください」
「わかっています!」
じゅるり、とよだれを口の中にしまってセイバーはお茶を啜った。
「士郎、この後も仕事をするのか?」
天衣が心配げに言う。
「ああ。もう少し作っておこうかな。大丈夫。無理はしないよ」
「そういいながらいつも遅い時間までやっているから心配なのだ。少しは自重しろ」
一足先に風呂へと行っていた史文恭が戻ってきてそう警告する。
「わかったって。でも、夜のほうが作りやすいんだ。多少は勘弁してくれ」
「・・・いっそのこと士郎の鍛造所にも手を入れたほうがいいんじゃないか?」
「それいい案かも!折角リフォーム予定なんだし!」
「・・・まぁ今の工房は初期に作ったものだからなぁ・・・なにも不満なんかないけど」
「貴方も世界に認められた魔術師なんだから相応の工房にしないとね」
「凛の工房と競合しないのか?」
林冲が首を傾げて言った。
「大丈夫よ。私のは地下に作るつもりだし。士郎の場所とは競合しないわ」
「何はともあれ、家のリフォームも間近だ。みんな、意見をまとめておいてくれ」
「「「了解」」」
そういうことで話がまとまり各々の時間へと戻っていく。
「・・・。」
そんな中凛だけが複雑そうな表情をしていた。
バシャ、とお湯がなる。結局心配そうに様子を見に来た天衣に、白旗を挙げて士郎は仕事を切り上げていた。
「家のリフォームか・・・前なら自力でやってたもんだけど・・・」
今回は専門の知識が必要となるため、素直に業者を頼ることにした。
「なんだかなぁ・・・家が魔改造されてる気分だ」
そんな呟きを零したとき、
カラカラ・・・
「俺、掛札したよな・・・」
万が一に備えて掛札の存在を思い出す。
「おーい、入ってる――――」
「・・・。」
「り、凛・・・」
「なによ・・・私じゃ不満?」
「そ、そんなことない・・・けど」
「こうして士郎と入るのは初めてかしらね」
体と髪を洗って士郎のそばに入って来る凛。
「どうしたんだ?複雑そうな顔して」
「いえ、士郎は本当にこっちで一年も過ごしてたんだなって」
「そりゃあ帰り方もわからなかったし・・・むしろ凛達がこちらに来れるなんて夢のようだ」
照れくさそうに言う士郎。そんな士郎を見て、クスリと笑った凜は、
「ん・・・」
「!!」
軽いキスを落とした。
「凛・・・」
「心配・・・したんだからね。急にいなくなって・・・取り戻そうとしても取り戻せなくて・・・本当に・・・」
ポロリと彼女の頬を涙が伝う。
「心配かけてごめん」
もう一度、今度は士郎からキスをする。
「・・・!凛!」
ぐらりとするような既視感のある感覚に士郎は狼狽える。
対する凛はいたずらが成功したという顔で、
「私達も夫婦になったんだから・・・ね?」
甘えるように耳元で囁く凛に、くらくらとする士郎は、
「ああ・・・」
己の欲望をぶつけないように、大事に、大事にするよう凜から与えられる刺激に耐えるのだった。
翌朝。
「ふぁ・・・はぁ」
大きなあくびとともに士郎が目覚める。
「スゥ・・・スゥ」
隣で眠っていた凛を起こさないように布団から出て、士郎は部屋を出る。
「すぅ・・・はぁ。よし」
深呼吸して残っていた眠気を吹き飛ばす。
「シロウ」
「ああ、セイバー、おはよう」
そうして今日も彼の一日が始まる。
今日一日も鍛錬から始まるのだ
いつもより短めですが今回はこの辺で。
ざっくり士郎の一日をまとめてみましたがいかがだったでしょうか?
戦闘も暗躍もない平凡な一日に7千字強というのは多いんでしょうか、少ないんでしょうか。
最近アニメのUBWをまた見て、凛とのイチャイチャも書けたらなぁと思い書きました。
次は九鬼周辺の話をしようかなぁと思ってます。それでは!