真剣で衛宮士郎を愛しなさい!   作:Marthe

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皆さんこんばんにちわ。書きたかった一瞬が書けて非常に嬉しい作者でございます。気付けば60話越えなんですね…40話であんなに喜んでた私が60話…もう想像絶する思いです。

今回は前回士郎に近しい人達でfateをプレイしたという事で色々書けたらなと思います。

では!


彼のこと

それは壮絶なストーリーだった。七人のマスターと七騎の英霊による万能の杯、聖杯を求める殺し合い。

 

そこに偶然なのか運命なのか。マスターの一人となった衛宮士郎は、未熟な、未熟すぎるマスターとして参戦していた。

 

初めはセイバーとの出会い。

 

『問おう。貴方が私のマスターか』

 

将来、地獄に落ちてもその光景だけは忘れないと思った月光の差す場所での出会い。そして、

 

『喜べ少年。君の願いはようやく叶う』

 

最後の最後まで。衛宮士郎の敵として立ちはだかる神父の言葉。戦いを否定しながら、戦いを求める正義の味方としての在り方が鬩ぎ合い、士郎は苦悩する。

 

 

『■■■■■■■■ー---!!!』

 

悩んでいても止まらぬ戦争。戦いの度に衛宮士郎は、女の子であるセイバーを戦わせられぬと瀕死の重傷を何度も負う。

 

そもそもにして最初からランサーに心臓を一突きされたシーンでは悲鳴が上がったくらいだ。

 

そしてセイバーとの――――

 

「ちょっとまった!ストップストップ!!!」

 

「何よ士郎」

 

「これからが良い所じゃない?」

 

「良くない!全然よくない!全部とは言わないからそのシーンは!勘弁してくれ!」

 

セイバーと正式な契約を結び、大英雄へと挑む士郎。戦いには勝利したもののそれはまだ序章に過ぎず。突如現れた黄金の英雄王に士郎は宝具の打ち合いで負けてしまったセイバーの為に前へ出る。

 

『――――貴方が私の鞘だったのですね』

 

英雄王との戦いで、またも瀕死の重傷を負う士郎。だが、彼が彼女の鞘であることをやっと知ることが出来た一瞬だった。

 

しかし時を置くことなく、衛宮切嗣ではなく、言峰綺礼に引き取られたあの災害の子らの末路をみて士郎は苦悩する。そして神父はいうのだ。この子らを救うために聖杯を使えと。時間を巻き戻し、ありえたはずの幸せへと導けと。

 

だが士郎は拒否した。過ぎた時間を無かったことにすることは出来ないのだと。そんな間違った願いは叶えられないと。そうして徐々に間にあった溝を埋めた士郎とセイバー。

 

セイバーも、

 

『分からぬか、下郎! そのようなものより、私は士郎が欲しいと言ったのだ。聖杯が私をけがすものならばいらない。私が欲しかったものは、もう全てそろっていたのだから』

 

決戦を控え、互いに――――

 

「まてまてまて!!!」

 

「なんだ衛宮」

 

「うるさいぞ士郎」

 

「そう言う問題じゃない!そこは関係ないから!スキップ!スキップ!」

 

英雄王の打倒の為、己の内にあった聖剣の鞘をセイバーに返還し、いざ最後の決戦へ。

 

セイバーは黄金のアーチャーと。士郎は言峰綺礼と。最後の決着をつける為それぞれ戦いの場に赴く。

 

『最後に一つだけ、伝えないと』

 

そうして彼女はたった一言残して、己の時間へと帰って行った。

 

 

「そうか・・・士郎はセイバーさんとそんなやり取りをしていたんだな」

 

「そりゃ、アーサー王について詳しいわけだ。本人と出会ってるんだから」

 

「この言峰という男・・・許せんな」

 

「正義の対局にいるような奴だったわね」

 

「・・・。」

 

「モモ先輩?」

 

「旭ちゃん、続き、あるんだろ?」

 

「続きと言うか、別ルートね。遠坂さんがヒロインの方」

 

「・・・。」

 

まだあるのかと士郎はぐったりするが百代達は真剣な目で次を促した。

 

 

 

導入は変わらずだったが途中から一転する。衛宮士郎の同級生である遠坂凛が彼の排除に動いたのだ。

 

「ガンドって・・・指さした相手を呪うとかいう奴じゃなかったっけ・・・?」

 

「大和は物知りだな・・・そうだよ。指さした相手を呪うんだ・・・」

 

「・・・マシンガンみたいになってるけど?」

 

「遠坂のガンドは頭おかしいんだ・・・この時は本当に死ぬかと思った」

 

遠坂凛と衛宮士郎の激突は教室一室を破壊し、一呼吸置かれたが、士郎は見えぬ標的から遠坂を守るため腕に大穴が開く傷を負った。

 

「士郎はこの頃から自分を救えなかったんだな・・・」

 

「しょうがないだろう?ああしなかったら遠坂の顔に突き刺さってたかもしれないんだから」

 

ライダーの英霊に拘束され一時はあわやという所だったが何とか切り抜け、士郎は頑なに日常生活を送り続ける。

 

そんな時だった。ライダーの施した術式が発動し、全校の生徒、教師が生命力を吸われる事態になったのは。

 

「おっかねぇ姉ちゃんだな・・・」

 

「士郎が結界や空間の異常にすぐ気づくのはこの頃からか」

 

「特定の気配には気付かないけどねぇ・・・」

 

「・・・。」

 

弁慶の物言いに何も言えない士郎。

 

何とかその事態も切り抜け、共同戦線を張ることを約束した二人だが、

 

士郎がキャスターの魔術にかかり、引き寄せられてしまう。それを助けたのが・・・

 

「・・・アーチャー」

 

懐かしそうに、蔑むように士郎はその名を口にした。

 

「アーチャー?待ってくれ、アレは士郎じゃ・・・」

 

「続きを見ればわかるだろ」

 

言葉少なく言う百代に一同も口を閉じる。

 

『躱せと言ったのだ!キャスター!!』

 

しかしアーチャーは何やら不可思議な行動を取り、ついには士郎を後ろから切りつけた。

 

その冷めきった顔に皆が身震いする。

 

このルートではなぜ士郎が重傷を負うもすぐに回復するのか分からないとされているが、皆はもうその正体が騎士王の鞘のおかげと知っているため、またか、という空気であったが

 

「士郎って不死身だよね」

 

「いえ?すぐ死ぬわよ」

 

「え?」

 

それまで淡々と選択肢を選んでいた旭がそう言って本来すべきではない選択肢を取った途端、

 

「・・・死んだ」

 

「そんな・・・」

 

「このゲームは選択肢を間違えると基本的に主人公は死ぬか酷い結末に終わるのよ」

 

「・・・なんて悪趣味なゲームだ」

 

と、自分のことながらよくもまぁ生きていたものだと頭痛がする士郎である。

 

令呪によって士郎を襲うことが出来なくなったアーチャーがとった行動は、キャスターの宝具によって遠坂との契約を破棄し、キャスター側につくことだった。そしてセイバーも、士郎の姉とも言える藤村大河を人質に取られ、セイバーをも奪われてしまう。

 

「・・・二人とも英霊を失ってしまったのか」

 

「これじゃ戦いにならない。しかしあのアーチャー。自ら裏切るとは・・・」

 

皆、アーチャーの出来事に憤慨している様子だ。

 

英霊を失った二人は接触のある唯一のマスター、イリヤを求めてアインツベルンの城を目指す。程なくして辿り着けた二人だが、異常な光景に目を奪われる。

 

「また黄金のアーチャー!?」

 

「ギルガメッシュ・・・こいつは何処まで・・・!」

 

イリヤを守ろうと11もある命を消費しながら必死に戦っていた。

 

「このバーサーカーの宝具って十二の試練ていうんだよな?」

 

「ああ。文字通りその数の試練を乗り越えた証として11の蘇生権をもつ。しかもBランク・・・まぁ、俺の偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)並みの攻撃を別な方法で12回当てて殺さないと倒せないって言う性能だ」

 

「うげぇ・・・なにその最強スペック・・・」

 

「大英雄ヘラクレスともなれば大体の人間が耳にしたことはある名よ。これだけ強力でも不思議はないか」

 

「・・・。」

 

百代は複雑な気持ちでじっと様子を伺っていた。

 

 

最強であるはずのバーサーカーはギルガメッシュによって一つまた一つと命を散らしていく。それは英雄王の背後から無限に現れる武具からイリヤを守るためだった。

 

しかし如何に11の命を持とうとも有限であることには変わりない。最後は神性に対して強力な効果を発揮する天の鎖にからめとられ、最後の命を散らせた。

 

しかし、大英雄の名は伊達ではなかった。全ての命を散らせたというのにもう一度再起したのだ。だがそれも虚しく、英雄王に屠られてしまう。

 

そして、英雄王は士郎の目の前でイリヤの目を切り裂き、心臓を抉り出して去って行った。

 

「・・・よく士郎飛び出さなかったな」

 

「いや、飛び出す気だった。でも遠坂が・・・」

 

遠坂の必死の抑制により飛び出すことが出来なかった士郎は無念を抱きつつ、亡骸を葬った。唯一の手を失った二人は途方に暮れるがそんな二人に予想外の所から声がかかった。

 

「ランサーだわ!」

 

「この人がクー・フーリンよね・・・」

 

いつかの夜に士郎の心臓を穿った人物である。どうやら彼のマスターもこの状況は良くないと見ているのか、二人に協力する姿勢を見せていた。

 

『仲間だからって、気安く遠坂に近寄るな』

 

「ぶっ・・・」

 

「わっはっはっは!」

 

「クック・・・衛宮正気かお前は・・・!」

 

「・・・。」

 

皆に笑われてブスッとした顔になる士郎。

 

「言っとくけど、これ俺じゃないぞ」

 

「しかし、紛れもなくお前の本心だろう?もちろん、この状況での、だが」

 

「・・・。」

 

士郎の言葉にランサーは爆笑し、いたく気に入った様子で二人の援護をかって出た。

 

「でもランサーさんが味方なのは心強いわね!だってアーチャーと互角にやり合ってたんだもの」

 

「いや、アーチャーと言うからには本領は弓のはずだ。アーチャーと剣で互角とはそう楽観視できないのではないか?」

 

クリスの懸念はいい意味で裏切られた。ランサーは一度戦って帰還しろという命令の下動いていたので本気ではなかったのだ。

 

『いつぞやの夜とは違うだろ?』

 

圧倒的なランサーの戦い様にアーチャーは苦戦を強いられる。そして戦いは宝具対決へと転がり込んだ。

 

刺し穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)ッ!!!』

 

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)ッ!!!』

 

投げつけられた槍と投擲物、特に槍に対して強力な守護を発揮するアイアスの盾が激突する。

 

「最強の槍か」

 

「最強の盾か」

 

結果は相打ち・・・とはいえアーチャーは満身創痍という形だが、宝具対決は終わった。

 

一方士郎と遠坂はキャスターを凛の八極拳で急襲し、何とか勝利を収めようかという瞬間だったが、マスターであり、彼らの学校の教師である葛木宗一郎に阻まれてしまう。

 

しかし、

 

投影、開始(トレース・オン)

 

その言葉と共に出現した白と黒の夫婦剣によって距離を稼ぎ、

 

『宗一郎様!!』

 

アーチャーの剣弾により、キャスターが倒れ、その後アーチャーによってあっけなく倒されてしまった。

 

「ぐぬぬ・・・このアーチャー、どれだけ自分の主人を裏切れば気が済むのだ!」

 

正義に燃えるクリスがそう叫んだ。皆もそう思っているのかその顔は険しい。

 

そして彼の目的は衛宮士郎の抹殺であると明言した上で彼は本当の宝具を展開した。

 

So as I pray, unlimited blade works.(その体はきっと剣でできていた)

 

「これは・・・」

 

「固有・・・結界」

 

そう。彼はアーチャーでありながら弓矢による伝説をもつ英霊ではなく生前は魔術師だったのだ。

 

「ねえ、これってやっぱり・・・」

 

「・・・。」

 

士郎は黙って目の前の字へと目を向けた。

 

『自らの手で衛宮士郎を殺す。それだけが、守護者と成り果てた俺の、唯一の願望だ!』

 

彼の正体は守護者となった衛宮士郎。そのなれの果て。他者の救いを求めながら、自らの救いに目を向けなかった偽善者。彼はそう罵った。

 

しかしその場はセイバーと遠坂が再契約するという荒業で切り抜けたが、今度は遠坂がアーチャーに連れ去られてしまう。

 

そして彼は衛宮士郎との決着に壊れたアインツベルン城を指定した。

 

戦いが、始まる。だがそれは戦いというほどのものですらなかった。

 

『誰かを助けたいという願いがキレイだったから憧れた。故に、自身からこぼれ落ちた気持ちなど無い。これを偽善と言わず、何と言う!』

 

当然だった。神秘の頂点である英霊の彼に人間の、それも未熟な魔術師の士郎が敵うはずもなかった。

 

『初めから救うすべを知らず、救うものを持たず、醜悪な正義の体現者が、お前の成れの果てと知れ!』

 

それは呻くような、己を傷つける言葉の刃だった。そして彼の剣が士郎を捉える。気付けば、そこに横になれば死体と見間違われるほど彼の体はボロボロだった。

 

『そんな夢でしか生きられないのであれば、抱いたまま溺死しろ!』

 

倒れる士郎。だが彼は無感動に思ったのだ。

 

『けれど――――何かを忘れている気がした』

 

地獄を見た。地獄を見た。地獄を見た。いずれ辿る地獄(結末)を見た。

 

何度も何度も死人で溢れる光景が映し出される。これがお前のなれの果てだと。お前の行きつく先だと。何度も見せつけられた。

 

「・・・。」

 

「士郎・・・」

 

それまでアーチャーに怒りを抱いていた皆が意気消沈して士郎を見た。しかし彼は変わらず映し出された映像を見る。

 

その胸に浮かぶのは一体何だろうか。悲しみだったのか。それとも後悔だったのか。皆の眼には分からなかった。

 

戦いはそれでも続く。

 

『確かに、始まりは憧れだった。けど、根底にあったものは願いなんだよ。この地獄を覆してほしいという願い』

 

そうして士郎はもう一度立ち上がる。

 

『そうか、彼女の鞘――――!あれは聖遺物。召喚されたものではない。契約が切れてもその守護は続いている――――!』

 

『体は――――』

 

『貴様ッ!』

 

「『剣で出来ている』」

 

士郎と映像の士郎の言葉が重なった。

 

「『おまえには負けない。誰かに負けるのはいい。けど、自分には負けられない――――!」』」

 

映像の士郎とここにいる士郎の言葉が重なり続ける。それは、彼が衛宮士郎であるという事の証拠に他ならなかった。

 

「『なぜならこの夢は決して――――』」

 

間違いなんかじゃないんだから。と士郎は言った。

 

『酷い話だ。古い鏡を見せられている。こういう男がいたのだったな――――』

 

「士郎・・・」

 

「それは俺のセリフだアーチャー。俺も今、古い鏡を見せられている」

 

画面向こうのアーチャーに士郎は言い捨てるように言ったのだった。

 

その後、遠坂は無事に救助されたがランサーは言峰の令呪で自害させられ、しまいにはまたギルガメッシュが現れ、士郎とアーチャーを亡き者にしようとしたがアーチャーが士郎を庇い、消える。

 

ランサーのつけた火によって城が燃える中、手を下そうとしていたギルガメッシュは、落ちて来た灰を見て、服が汚れると一言述べて立ち去った。

 

「おいおいマジかよコイツ」

 

「慢心にもほどがあるだろう・・・」

 

その後、士郎と遠坂は互いに柳洞寺に陣取ったギルガメッシュを強襲し、聖杯の器とされてしまった間桐慎二の救出に向かうことを決意。

 

『士郎と私の間にパスを繋ぐ』

 

そう彼女は告げて服を・・・

 

「まってストップ!!!そこでスキップだ!!!」

 

「何よもう・・・」

 

「ここからがいいところなのに・・・」

 

「良いも悪いもあるか!俺の身になってみろ!!!」

 

ぜぇー、ぜぇーと息を荒げる士郎。しかし今度は無情にもそのまま流されてしまう。

 

「アッー!!!」

 

「そうだよね・・・この流れだとこうなるよね・・・」

 

「チクショウー!士郎め、こんな美人と・・・!」

 

「これまでを考えるとセイバーさんもだよね」

 

「・・・もうヤメテ・・・」

 

顔を手で覆って悶える士郎。彼はほっとかれたまま場面は進む。

 

魔術刻印を移植したことで遠坂から魔力を供給してもらえるようになった士郎は、遂にギルガメッシュと相対する。

 

何度か宝具の叩きつけ合いをこなしたのち、山門にいたアサシンを下したセイバーが駆けつける。

 

「佐々木小次郎か・・・」

 

「努力だけで同時に三つの剣筋を放つ。恐ろしい相手でしたね」

 

「それを下したセイバーさんも流石だね」

 

「流石騎士王だ!!」

 

ギルガメッシュと戦うと言うセイバーにここは大丈夫だから先に行けと言う士郎。悩んだ末、セイバーは先に居るだろう遠坂の下へと向かった。

 

『セイバーを使わず自らを捨て石にするなど!筋金の入った偽善者よ!』

 

愉快過ぎるとばかりに笑うギルガメッシュだが、先ほどまでとは違う士郎の空気に剣弾を発射する。

 

『勘違いしていた。俺の剣製っていうのは、剣を作ることじゃないんだ。俺に出来ることはただ一つ、心を形にすることだった』

 

そして始まるのはアイアスの盾に守られながら紡ぐ士郎の呪文。それは世界を己の心象風景で塗りつぶし現実とする秘術。

 

『行くぞ英雄王――――武器の貯蔵は十分か』

 

かくして顕現した固有結界unlimited blade works(無限の剣製)。英雄王の放つ宝具と相殺し続け、士郎と英雄王は剣を捨てながらの接近戦へともつれ込む。

 

「士郎はなんで戦えてるの?その・・・えいれい?の方が強いんでしょ?」

 

「そうだけど、コイツだけは例外なんだよ。無数の武器を用意できる奴と既に準備している奴。どっちが有利かなんて決まってるだろう?」

 

「相手は接近戦に強くないアーチャー・・・そうか、だから衛宮はセイバーを先に行かせたのだな」

 

英雄王がフェイカーと罵るのはこれも関係があったのだ。そうして不利を悟ったギルガメッシュが手元に乖離剣(かいりけん)を持ち出した所を腕ごと切り飛ばし、渾身の一撃を見舞う。

 

だが、英雄王はまだ生きていた。

 

「えええ!固有結界も解かれちゃったしどうするの!?」

 

一歩足りなかったなと相変わらず笑うギルガメッシュ。しかし、急に無くなった彼の右腕に黒い穴が開き、ギルガメッシュが吸い込まれてしまった。

 

「やったか!?」

 

「ガクト、それフラグだから・・・」

 

モロの言う通り穴から鎖が飛び出してきて士郎の腕に絡んだ。

 

「あ!?」

 

「出てこようとしてる・・・?」

 

それは黒い穴に自らの体を溶かされながらもはい出ようとするギルガメッシュだった。

 

「ど、どうするの!?」

 

「落ち着けワン子ここは多分・・・」

 

『この――――!いっその事この腕ごと――――』

 

『お前の勝手だがな。その前に右に避けろ』

 

何処からともなく飛来した短剣がギルガメッシュの額に突き刺さった。

 

『アー・・・チャー・・・』

 

そのまま鎖は力を失い、ギルガメッシュは今度こそ、穴に消えた。

 

その後。肉壁となっていた聖杯から慎二を助け出し、セイバーの約束された勝利の剣(エクスカリバー)によって聖杯は消し去られ、辺りには平穏が戻ってきた。

 

『アーチャー!』

 

「アーチャーさん、最後まで見守ってたんだね」

 

「それにしたって分かりにくすぎるでしょ。キザったらしいね」

 

義経の言葉に呆れたように言う弁慶。

 

『大丈夫だよ遠坂。俺もこれから頑張っていくから』

 

そんな透き通った笑顔を浮かべてアーチャーは退去した。

 

「セイバーさんもいなくなっちゃったの?」

 

「いや」

 

士郎は一子の言葉を否定した。その先には衛宮邸の道場に座するセイバーの姿が・・・

 

「よかった。ハッピーエンドで・・・」

 

「そうじゃなきゃ困る」

 

はぁ、とため息を吐く士郎。

 

「これで終わりか?」

 

「いえ、まだ間桐桜さんのルートがあるけれど・・・」

 

その時、PCが異音を上げて黒煙を吐き出していた。

 

「まずい!」

 

「百代!」

 

「川神流奥義・無双正拳突き!!」

 

百代の拳を受けたPCは粉々に砕け、中にあったディスクも焼け付いてしまった。

 

「これは・・・もう駄目ね。これまでが奇跡の時間だったんですもの。仕方ないわ」

 

「まだ続きがあったんですか?」

 

大和の言葉に頷く旭。

 

「ええ。間桐桜さんがヒロインのね。ただ、ちょっとショッキングな場面が多いからこれで良かったのかもしれないわ」

 

そう言って寂しそうに焼け付いたディスクを見る旭。

 

「これが私が士郎の事をよく知る理由よ。納得してもらえたかしら?」

 

「納得なんて出来ない。・・・でも、こうして存在したのだから何も言えない」

 

士郎は難しい顔をしてそう言った。

 

「士郎は激動の中を過ごしたんだな」

 

「激動と言えば激動だったな。どうしようもないことはいくつもあった。今でもしこりのように残っている物もある。けれど――――」

 

やはり自分は間違っていなかったのだと士郎は言った。

 

「みんな言いたいことがあるでしょうけど口に出さないようにね。今夜の記憶が消されてしまうかもしれないわよ」

 

「わかりました。んー・・・」

 

グイーっと固まっていた体を動かす大和達。しかし、

 

「・・・。」

 

「百代?」

 

百代だけはじっと士郎を見つめていた。

 

その様子に何か嫌な予感を覚えた士郎は、

 

「さ、さぁ今日は終わりだ。もう夜だしみんな帰ろう」

 

そう言って立ち上がった士郎の手を百代が掴んだ。

 

「・・・。」

 

「も、百代?」

 

「衛宮の言う通りだ。子供は早く帰って寝るがよい。我・・・いや、我らは衛宮と詰めねばならぬことがあるのでな。」

 

「揚羽さん!?」

 

「そう言う事なら帰ろうぜー」

 

「そうだな。口に出来ない以上こうしていても口に出そうだし」

 

「じゃあみんなお疲れ!ってことで」

 

そう言ってさっさと帰ってしまう風間ファミリーだが、百代と由紀江はじっと士郎を見つめていた。

 

「主ー私も先に帰るよー」

 

「弁慶・・・うん」

 

弁慶も何気なく義経を残して帰ってしまった。

 

「・・・これで邪魔者はいなくなったな?」

 

「はい。もう私達だけです」

 

「士郎・・・!!!」

 

「なん・・・んむ!?」

 

いつぞやの夜のようにまた唇を奪われた士郎。しかし今回はそれだけでは収まらず押し倒されてしまった。

 

「ちょ、百代!?なんで服に手をかける!?まてまてまて!!!揚羽さんも助け・・・」

 

「ん?それは無理だな」

 

「なんで揚羽さんまでってみんなー!!?」

 

「百代ちゃん次私だよ」

 

「マルギッテはやらんのか?」

 

「・・・。」

 

またバサリという音が・・・

 

「いや待って、なんで、なんでさーーー!!?」

 

 

 

――――その日士郎は最上邸に泊ることになるのだった。なぜそうなったのかは・・・後日、艶やかな顔で過ごす彼女等を見ればわかることだろう。




はい。作者なりに駆け足でfateのルート書きました。上手く書けたかなー……ちょっと心配。こうして私自身振り返ってやっぱりfateってすごいなって思う次第ですマジ恋もすごいですけどfateを考えた奈須きのこさんってすごいや・・・

HFルートは最初書こうと思ったんですが説明が難しくなりそうなのと今後の展開的にお茶を濁した方が良いと判断しました。もちろん好き嫌いで書いてるわけではないのでHF好きな方ごめんなさい。

最後は何してんだって?そりゃ決まってるよ。

というわけで次回もよろしくお願いします。では!
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