さあやってまいりました凛たちの合流です。
色々しっちゃかめっちゃかになりそうですが落ち着いて書いていきたいと思います。
では!
――――
フオン、と士郎の身体に魔力が走る。遂に士郎は、元の世界に取り残してきた遠坂凛達をこの場に呼び寄せることとなった。
「長かったな・・・」
時間にして約一年。彼はこの時を待った。本来の成功確率を考えればたかが一年と言われかねないが、一年とは十分に長い時である。
――――
魔導書からも凛の声が聞こえてくる。時は満ちた。さぁ奇跡をここに・・・!
――――interlude――――
時間は少し巻き戻る。凛たちが準備を行っている時・・・
「本当にいいの?ルヴィア、カレン」
彼女達は士郎を慕いつつも今回の世界間移動には乗らないと明言していた。
「貴女、しつこいですわよ。私にはエーデルフェルト家という守らねばならぬ家名があるのです。シェロを失うのはとても惜しいですが、そのために放り出すわけには参りません」
「私は本来エクソシストの付き人であり、冬木の教会担当です。急に姿をくらませれば魔術師が大挙してこちらに来るでしょう?そうなってもいいのかしら?」
「うう・・・的確な所を・・・こっちの恩も知らないで・・・」
「恩も何も貴女には貸付金があるのです。その辺を見逃してやるだけありがたく思いなさい」
「ルヴィアゼリッタ。それならこの金を使うと良いです」
そう言って出てきたのはバゼットだった。
「世界を跨ぐ以上、私の持っている財産は持って行っても偽札にしかなりません。ならば有効に活用してもらった方が金も本望でしょう」
「そうですか。では借金の件は帳消しとします」
そう言ってルヴィアは一枚の羊皮紙を燃やした。
(やったわ!ナイスバゼット!)
「何を言っているのかわかりませんが、私との借金は帳消しになっていませんからね。その分向こうで色々優遇してもらうのであしからず」
「そうですよ!私も姉さんに貸した分があります!」
ぐぬぬ・・・と唸る凛。その様子を遠目に見ていたセイバーとライダーもこれが最後になるであろう光景に感慨深いものを感じていた。
「このやり取りも最後ですね」
とセイバーがしみじみと言った。
「ええ。どこか感慨深いものがあります」
ライダーも逞しくなった桜に涙がほろり。
「リン、そろそろ時間ではないですか?」
「セイバーも士郎に早く会いたいのではないですか」
「なっ・・・そんなことは・・・その」
顔を赤くして俯くセイバーにちらりと視線を向けて、
「リン。セイバーではないですが本当に時間ですよ。水晶の先の士郎も聖杯起動に入っています」
「そ、そうね!それじゃ――――」
――――
と彼女等も別れを告げたのだった。
――――interlude out――――
「聖杯起動完了・・・遠坂、」
「もう来てるわよ」
振り返れば黒髪に赤い服が特徴的な少女がいた。
「遠坂・・・」
「久しぶりね。士郎」
「ああ・・・そうだな」
そうして次々と現れる取り残してきた人たち。そして――――
「シロウ」
「ああ、いらっしゃい、セイバー」
へっぽこな自分に仕えてくれた蒼き従者が現れ、次に出てきたのは
「先輩!」
「桜・・・どぅわ!?」
「先輩・・・先輩・・・」
泣きじゃくる桜だった。
「・・・悪かった。桜、泣き止んでくれないか?」
「しばらくこうしててもいいなら・・・」
「あはは・・・でも桜も着替えないと」
「ふえ?」
よく見れば桜も凛も服のサイズが合っていない。士郎がこちらに来た時同様、肉体年齢が若返ったようだ。
「本当に若返ったわね。うーん・・・何故かしら、時の隔たりがある?」
「姉さんでもわからないんですか?」
桜の問いに難しい顔で彼女は言う。
「お手上げ、って言いたいけど多分向こうとこちらでの辻褄合わせだと思うわ。私達は肉体の若返りとして、セイバー、ライダー、異常はない?」
「リン。問題と言うかなんというか・・・」
「・・・あら?セイバー貴女・・・」
「はい。受肉・・・したようです」
「え?」
士郎は何を言われたのか理解できなかった。
「こちらも問題ですね。・・・私としては問題なしですが」
「ら、ライダー?その姿・・・」
ライダーは本来の長身の女性ではなく猫耳のようにフードが尖ったものを被った小柄な可愛らしい姿に変わっていた。
「ライダーではなくランサーの霊基のようです」
フオンと鎖のついた大鎌を振って満足そうに彼女は言った。
「ら、ランサー?霊基が変わるなんてことあるのか?遠坂」
「わからないわよ。次元通過自体が異常なことなんだからそこにあるものをそうだと思うしかないわ。バゼットは?」
「・・・。」
「バゼ・・・ット・・・?」
彼女も若返りの影響を受けたのだろう。幾分か小柄になりずり落ちそうなスーツを必死に掴んでいる。
「ま、まぁともかくみんな来れて良かったよ。ルヴィアさん達は残ったんだろ?」
「ええ。よくわかったわね?」
「ルヴィアさんは家名を何より大事にしてたからな。カレンはちょっとわからないけど」
「カレンさんは・・・」
「ここに居ないメンツの事を話しても仕方ないでしょ。後で魔導書で確認しなさい。それより早く着替えないと風邪を引くから、士郎は退出してもらえるかしら」
「ああ悪い。それじゃ俺は母屋の方に居るから。セイバーとライダー?は?」
「私はシロウと行きましょう」
「今の私はランサーなのでそう呼んでください。私は桜たちと一緒に向かいます」
「助かるわ。何処かの剣馬鹿がラッキースケベしないで済みそうね」
「するか!」
と叫んでこんなやり取りも久しぶりだな、と思った。
「・・・。」
「セイバー?」
母屋に入ってからもセイバーは何か考えていた。
「すみませんシロウ。予想外に受肉などしてしまったので色々考えてしまって」
「・・・本来の時間の事か?」
士郎の言葉に、セイバーはゆっくりと頷いた。
「私は半英霊。英霊となるその前段階です。当然残してきたことがあります。けれど――――」
トサ、とセイバーは士郎に倒れかかった。
「セイバー・・・」
「良かったのでしょうか。私は聖杯などよりもシロウが欲しい。しかし――――」
「大丈夫さ」
不安げに言うセイバーの肩をしっかり掴んで士郎は言った。
「この時間が許されないのだとしたら俺も一緒に罰を受けよう。きっとこの時間は、頑張り続けたセイバーへのご褒美だ。何も心配することなんてない」
「・・・こんな褒美を与えられるほど私は立派ではないのですが・・・」
「何言ってるんだよ。セイバーは本当に、心を削って頑張ったじゃないか。今度アーサー王伝説を見よう。きっとセイバーの頑張りが反映されてるはずだ」
「シロウ・・・」
スゥっとセイバーの顔が近づいてくる。士郎自身も吸い込まれるように――――
「ちょっと。なに抜け駆けしてるのよ」
「り、リン!これは・・・」
「うふふ・・・何しようとしてたんですか?先輩・・・」
「さ、桜!そ、その・・・」
二人は恥ずかし気に俯いた。
「・・・まぁいいわ。それじゃ、案内してもらおうかしら。新・衛宮邸って奴をね」
「あ、ああ!是非見てくれ!部屋も沢山あるから何処にするか決めてもらわないとな!」
「先輩・・・最初は私ですよ・・・?」
「桜、婚約者がいるのならもう・・・」
ぞわぞわと黒くなっていく桜に劇薬を投入するライダー改めランサー。
その夜士郎の叫び声が夜闇に響き渡ったのだった。
翌朝、みんなにセイバーや凛、桜、バゼットの紹介をして、いざ朝食である。
「いただきます」
「「「「いただきます!」」」」
いつもより多めの挨拶に苦笑しながらも士郎と天衣謹製の朝食をしっかり食べる。
その中には、
「まぐまぐがつがつ!」
凛達が来るきっかけとなった美鈴という少女もいる。
彼女は魔導書が渡されるなり、華凛が置いていってしまったのだ。
「こらメイ。もう少しゆっくり食べぬか」
「だって史文恭お姉さま!こんなに美味しい料理が!片腕が使えないのが歯がゆいです!」
なんでも、今回の盗掘騒ぎで彼女は冗談抜きの一文無しになったそうで、士郎が引き受けなければ身寄りもないという事で、しばらく衛宮邸で預かることになった。
一番慕われている史文恭は、
『なに。少しばかり鍛えて送り返せばいい。頭は絶望的だが実力はそれなりにある。傷が治ってある程度したら里に手紙でも送ろう』
という事で現在は彼女も居候だ。
「シロウ、おかわりをお願いします」
「はいはい。まってなー」
遂に購入した業務用炊飯器の出番である。皆で食べるときはこれで炊き、皆の腹を満たしている。
当然余るのでその後はお弁当を支える大事な道具だ。
「しかし、何だな。士郎の世界から五人もやってくるなんて。魔術は凄いんだな」
「聖杯があったからこその奇跡よ、林冲さん。そう何べんも奇跡は起こせないわ」
優雅にご飯を食べる凛。だが、その表情は柔らかいものだった。
「シロウ、腕を上げましたね」
「そうですね。私にも教えてくださいね先輩」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
「士郎のご飯はいつもこうだと思ってたけど・・・」
「俺だって人間だぞ林冲。元からこんなに上手かったわけじゃない」
「それにしては私が来た時には大した腕だったが」
史文恭がおかずを摘まみながら言う。
「そりゃあ元々料理はしてたからな。それでも、この世界に来てかなりするようになったからな」
元の世界では限られた食材で如何に美味しく仕上げるか、を念頭に置いていたが、今では沢山の食材を使えるだけあって創意工夫が必要になった。それだけ訓練されているのだ。
「ただいまー!」
そんな折、久しぶりに聞く声が聞こえた。
「清楚、おかえり」
「「「おかえり」」」
「うん!・・・遠坂さん達がいるけど後で説明してね、士郎君」
「ああ。まずは荷物を置いてくるといい。積もる話もあるからな」
はーい、と言って清楚は自分の部屋に戻って行った。
「あの子、なんで私達のこと知ってるの?」
「俺たちが登場するゲームがあってな・・・」
「なにそれ!?じゃあ私達の事隅々まで知られてるってこと!?」
「落ち着け遠坂。確かにそうだけど、もうそのゲームは存在しない。揚羽にも確認してもらったから確実だ」
「先輩、私も・・・」
「大丈夫だ。桜の話は見ることが出来なかったんだ。不幸中の幸いだけど大丈夫だよ」
あくまで濡れ場のシーンはなかった事で通す士郎。そんな事までしれたらどうなるか分かったものではない。
「それに見られた人数も少ない。だいじょグエ」
「大丈夫じゃないわよ!プライベート侵害!!」
「まて、遠坂、そんなこと言われても、ぐは!」
「遠坂凛。その辺にしてくれ朝食が滞る」
冷静にそう告げた史文恭たちもおかわりとお椀を出している。
「過ぎたことは仕方ないだろう。私も見た口だけど・・・色々考えさせられる物語だった」
「私達の行いが見られていたというのは据わりが悪いですが、個人への問題提起となったのなら嬉しいですね」
「そういう問題じゃないわよ・・・」
「とにかくここには魔術教会も何もないんだ。魔術の方も警戒を緩めてもいいんじゃないか?」
士郎がそう言うが、
「ぬるい」
「へ?」
「忘れたの衛宮君。魔術師は秘匿の為なら何でもやるのよ。何処かに潜伏して――――」
「それもないぞ!遠坂凛!」
そう言って縁側の方に立っていたのは、
「九鬼揚羽、降臨である!」
「揚羽!?」
「貴女が通信で言っていた九鬼財閥の長女ね。貴女達の情報は当てになるのかしら?」
「無論よ!世界の九鬼財閥に見破れぬものは無い!」
「・・・。」
自分の事で相当に動揺していただろうにと士郎は思ったが黙っている。
「それよりもそなた達の今後を纏めて来たぞ。朝食後に良いか?」
「ありがとう。これで遠坂達も安泰かな」
「士郎君。どういうことですか?」
黙々と食事をしていたバゼットが言った。
「みんな若返りが起きただろう?とりあえず学校に通わないと体裁が悪い」
「・・・まぁあわかるけど。本っっっ当に何もないのね?」
「ああ。今回の聖杯も遺跡の奥に隠されていたらしいんだ」
「確かにここに来た時聖杯は崩壊寸前でしたね」
「この世界には『気』と『異能』の二つがある。気の達人でも聖杯を見抜けなかったんだ。だから同系統の別な力だと認識できる」
「気の方が扱いやすかったから魔術は衰退した・・・一応の道理は通るわね・・・」
「それよりも遠坂達のこれからだろう?揚羽は朝食食べて来たのか?」
「士郎の所に行くので食べてこなかった!」
ドドーンとふんぞり返る揚羽だが褒められたことではない気がする。
「何を言うか!旦那の飯にありついて何が悪い!」
「貴女、誰に言ってるのよ」
・・・いいらしい。
という事で揚羽を含め大人数で朝食を済ませ、凛達は改めて揚羽と向かい合った。
「改めて、我は九鬼財閥軍事部門を統括する九鬼揚羽である」
スッと出された名刺を見て本当に企業の人だと理解した凛たち。
「軍事部門?その貴女が何で私達の面倒を見るのよ」
「なに。士郎とは様々な契約をした仲でな。一律してみることにしている。前置きはさておき、そなた達の体裁だがそれぞれこのようにまとめた。異論があれば言うてみよ」
「・・・。」
凛たちが中を見ると、
「えっと?川神学園新二年生に編入・・・士郎とは別で遠坂、間桐から衛宮切嗣に引き取られた・・・ねぇ・・・」
「私の方は大学一年生という事になってますね」
「セイバーと元ライダーは英霊であろう?」
「そうだったんだが・・・」
士郎は言いにくそうに、
「セイバーが受肉して・・・」
「受肉?もしや・・・」
「ああ。霊体じゃなく本物がここにいる」
「・・・。」
はぁあと深いため息を吐き、揚羽は新しい用紙を準備する。
「であればセイバーも学園に通った方がいいな。その背丈からすると16前後か?それならば「ちょっと待ってください」ん?」
「私は肉体年齢の時が止まっているのです。私はここの誰よりも年長者ですよ」
セイバーがこう言ったのには理由がある。そのままでは中等部、中学生になってしまうのだ。校舎も違うし距離もある。それでは納得がいかんという事だ。
「そうなのか・・・しかしいきなり高学年では知識が追いつかなかろう。レオニダス王も士郎と同じ二年生から編入して勉学を積んでいたのでな」
「ならば私もそうしていただきたい。リンや桜、士郎を守るためにはなるべく近くに居たい」
「セイバー・・・」
士郎はこれだけ強くなったというのにまだ剣としての役割を通そうとしている。その姿に嬉しい思いがこみ上げるが、
「ふむ・・・ではバゼットとランサーを除き、全員川神学園の
さらさらと用紙に書く揚羽。そこで凛が首を傾げた。
「士郎は今年で進級よね」
「そうだな」
何か問題が?と士郎も首を傾げる。
「私達新二年生よね」
「そうですよ姉さん」
「・・・。」
ぎゅっと拳を握り、
「ていうことは士郎は・・・先輩?」
「そういうことになるな」
「なんで士郎の方が先輩なのよ!私達同期でしょ!」
「それは仕方ないだろう?俺は若返ってから一年経つんだ。見た所遠坂達は高校二年生くらいだろう?」
「ッ!そうだけど!」
「おい遠坂凛お主まさか・・・」
揚羽の予想通り、
「なんで士郎が先輩なのよー!!!」
なのよー!!なのよー!なのよー・・・と鬱憤が空に消えた。
「清楚、ここにいたか」
「うん。荷物整理終わったよ。そっちはいいの?」
「あー・・・大丈夫だろ。あれでも俺の師匠だ。交渉には慣れてるだろ。それより大器さん達は?打ち上げをするって聞いてたんだが」
「遠坂さんお師匠なんだ。へー・・・」
物珍しそうに揚羽と言葉の激闘を繰り広げている姿を見ている清楚。
「清楚?」
「ん?あ、ごめんね。九鬼の敷地は嫌だから士郎君の家にしちゃったけどまずかったかなーって」
「う、うち!?いいけど、騒がしいぞ?」
「うん。その様子をお父さん達に見てもらおうって思って。私が家出して、さみしくないか、ちゃんとご飯食べてるかって心配だーって言ってたから。百聞は一見に如かずってね」
「あはは・・・となると義経達も来るよな。テーブル出しとくか」
「ありがとう!あ、お買い物行くよね?」
「ああ。食材を買わないとな。折角だし美味しいもの食べて行ってほしい」
「うん!じゃあえっと小十郎さんいるかな?」
「え?ああ、入り口で待機してるのを見たけど・・・」
「揚羽さんまだまだかかりそうだしアッシーにしちゃお!」
そういって楽しそうにトントントンとかけて行く清楚。
「・・・。」
その姿が希望に満ち溢れていて士郎は眩しそうにしていた。
「士郎君!いくよ!」
「ああ。今行く!」
その後をついていく士郎であった。
「買い物ですか?」
「はい。家には車が無いので一苦労なんですよ。そこで・・・」
揚羽の要件が済むまで乗せてはもらえないかという頼みだ。
「お任せください。あの様子ですと一時間はかかりそうですから。ただ、確認は必要なので待っていてください」
そう言って小十郎は荒れ狂う戦場に向かって行った。
「大丈夫かな・・・」
「大丈夫じゃないか。なんか執事としてレベルアップしてるらしいし」
と思っていたのだが、
ドゴーン!
「く!すみません揚羽様!」
上手くガードしたらしい小十郎がこっちに飛んできた。
「ふう・・・それではお二人ともお乗りください」
「い、いいんですか?お叱りを受けたんじゃ・・・」
「いえ!私が叱られたのは行動が遅い!という事だったので。受け身も取りましたし問題ありませんよ」
「おお・・・本当にレベルアップしている・・・」
滅茶苦茶な気道を見せられて思わず手を出してしまったが、どうやらうまく機能しているらしい。頼もしくなっている。
「!貴女武道を嗜むのね。私にもたしなみ程度だけどあるの。どう?ここは実力で勝ち取るのは」
「よかろう!だが注意せよ我には銃弾も効かぬでな。半端な腕でくればこちらの指示に従ってもらうぞ?」
「上等!庭借りるわね、衛宮君!」
「・・・いいけど荒らすなよー穴開けたら元に戻してくれよ」
早速バトルが始まったと士郎は頭が痛そうにしていた。
「あの、お止めしなくて大丈夫ですか?揚羽様はヒュームさんの弟子ですよ?」
「負けるにしても勝つにしてもそうすれば納得がいくでしょうから放っておきましょう。それよりお願いします」
「・・・ほう。遠坂凛劇中にもあったが相当やるな・・・じゃなくって!お願いします!」
妖しく目が赤い色を帯びたが今は押さえてくれたらしい。
「では行きます。行きたいお店があれば言ってください!」
という事でこちらは発進、凛達は勃発という事で時は流れるのであった。
「「ただいまー」」
「「おかえり」」
若干少ない声が帰ってきた。
「どうしたんだ?って庭が・・・」
案の定、ボコボコになってしまっていて、クッキーを思わせるロボットが穴を埋めている。
「あれは・・・破壊されたクッキーシリーズの代替え機ですね。isシリーズは、なにやら知能面で問題が発見されて再開発中だとか」
「早速やらかしたのか・・・」
頭痛が痛いとはこのことである。
「私が言うのもなんだけど大丈夫かな」
「一応様子を見てくるよ。小十郎さんありがとうございました」
「いえいえ!少しでも恩返しが出来て嬉しいです」
小十郎もまんざらではなさそうだ。
「ただいまっと士郎か。何やら買い物袋が多いようだが、何かあるのか?」
「史文恭、ただいま。今晩、義経達とその両親が来るそうだからその食材。俺はこれから料理しなきゃいけないからみんなに伝えてくれないか?」
「承知した。ほらメイ。行くぞ」
「・・・。」
史文恭にひしっとくっついた少女も史文恭に連れられて去って行く。
「橘さん」
「ああっ!士郎!よかった庭がボコボコになっていたから襲撃でもされたのかと思ったぞ」
「すいません。遠坂はちょっと・・・でもないか。やると決めたらとことんやる奴ですので・・・」
いつかの時計塔の景色が頭に浮かぶ士郎。
時計塔では生命力を示す授業というのがありどうやって示すのかと言うと生徒同士のガチンコバトルである。ルヴィアと凛は何かって言うとこの授業で室内を破壊し修繕にアルバイトの募集がかかるほどに破壊し尽くしたことがある。
今回もまぁ似たようなものであろう。
「遠坂さんと揚羽さんは別室で休んでるぞ。夕食はどうするんだ?」
「それが・・・」
カクカクシカジカウマウマと義経達の事を話して調理をお願いした。
「俺も一通り様子を見たら戻りますから、その間お願いします」
「わかった。任せてくれ」
ということで天衣に調理をし始めてもらい、士郎は凛と揚羽の様子を見に行った。
「入るぞー」
どうぞーと声が帰ってきたのでスッと引き戸を開けて入ると・・・
「・・・。」
アチャーと士郎は天を仰いだ。
「互いにボコボコなのはいいとして、遠坂、ガンド撃ったな?」
「可愛い彼女に酷い言いぐさね衛宮君。こうでもしないと勝てないから・・・」
凛の使う八極拳・・・通称マジカル八極拳は四肢の強化に留まらず、魔術を編み込んだ特殊格闘。実力では揚羽が上だったのだろうが魔術まで使うとなるとそうはいかないのだろう。
「抜かったわ・・・機関銃の如き音がするから武器でも隠し持っていたのかと思ったら・・・」
ガンドは防いでも酷い風邪のような症状がでる。つまりはあれを物理的に受けてはいけないのだ。それを銃弾を掴むようなことをしたのだろう、手から真っ直ぐ気脈を侵している。
放っておいても回復するだろうが・・・
――――
揚羽の気脈にそっと魔力を添えて――――
「今だ!」
「ふん!」
言われるまでもなく揚羽は士郎に合わせて気を放出した。
「はぁ。スッキリした!」
「ああっ!?士郎何するのよ!」
「あのな遠坂。揚羽は恐ろしく忙しいんだ。それをガンドなんか使って引き留めて。今日のスケジュール大丈夫か?」
「今日の予定はオフにしたわ。しかし、なんだな。魔術の恐ろしさを身をもって実感したわ。呪われるとはこういう事かとな」
一応ガンド以外は使わなかったようだ。数少ない宝石をケチったのだろう。
「大丈夫か?」
「うむ。あの酷い風邪さえなければ大したことは「てい!」あたた・・・」
それ以上は勘弁ならんと凛が叩いた。
「今日は義経一家が来るはずだな?準備をしなくてよいのか?」
「もう始めてもらってるよ。二人の様子見に来ただけさ」
「そうか。いや助かった。今後は凛のガンドをどうにかするのが課題よな」
クックックと笑う揚羽だが割と冗談じゃないので笑えない士郎である。
「盾でも構えるか?」
「内側に特殊合金を含んだ布を履くのもありだな」
とても物騒な会話に士郎はお手上げだ。
「今日はオフにしてしまったのでな。夜の会食、我も参加させてもらおう」
「ああ。構わないぞ。所で遠坂との取り決めは・・・」
聞いたところによると編入試験でSクラス編入となった場合には三年生として扱う、という事になったそうだ。
「まぁ問題ないだろ遠坂はうちの学校でもトップだったし。油断さえなければな」
「そうなのか。八極も我が押されるほどだ。才女として話題になるかもな」
「・・・。」
何事にも優雅たれ、が家訓だとはとても言えない士郎であった。
日が落ちる頃、大和と義経達がやって来た。
「あけましておめでとう!士郎君!」
「大将ーあけましておめでと」
「あけましておめでとう、士郎」
「・・・。」
挨拶する二人に対し与一は鋭い目であたりを見渡していた。
「与一。魔術品はないぞ」
「・・・くッ先読みされていたか・・・」
「おい。そんなことより挨拶」
ギリギリ・・・
「あっ明けましておめでとうございます頭蓋骨がぁ!!」
またもやぷらーんと頭だけで持ち上げられる与一に士郎は苦笑を浮かべ、
「衛宮君。久しぶりだね」
「お久しぶりです大器さん。昌子さんも、あけましておめでとうございます」
「覚えてくれてたんだねぇ。明けましておめでとう」
久しぶりに見た二人は壮健そうで何よりだった。
「今日は私達を迎えるのに色々と用意してくれたんだってねぇ。ありがとう」
「いえいえ、折角いらしたんですから。心づくしを味わっていってください」
「そうかいそうかい。ありがとう。それにしても広い屋敷だねご両親は要るのかい?」
「!」
「残念ながら、はやり病でどちらも亡くしてしまって。でも大丈夫ですよ、毎日充実していますから」
「そうか・・・悪いこと聞いてしまった。申し訳ない」
「大丈夫ですよ。それより中にどうぞ。宴の準備は出来ていますので」
「ありがとう。ではお邪魔します」
「お邪魔するよぉ」
中に入れば二つのテーブルにドン!と置かれた料理の数々。テーブル二個分なので圧倒的ボリュームだ。
「お父さん、お母さん、凄いでしょ?」
「ああ。まさかこれほどとは・・・全て衛宮君が作ったのかね?」
「家で料理の修行をしている人が居るのでその人との合作です。・・・橘さん!」
「どうしたんだ、ああ。新年あけましておめでとうございます」
「貴女が衛宮君の弟子なのねぇ」
「はい。料理の事は全て彼から学びました」
自信ありげに言う天衣に士郎は恥ずかしくて苦笑を浮かべた。
「さ、どうぞ座ってください。食べた後は露天風呂もありますからしっかりと味わってくださいね」
そう言ってつまりかけていた列を動かす。すると大和が話しかけてきた。
「士郎、今回手伝えなくてごめんな」
「気にすることないぞ。今日は大和もお客さんなんだからしっかり味わってくれ」
「ありがとう。一つ借りだな」
全員が席に着いたらいざ、実食である。
「いただきます」
「「「いただきます!!」」」
そうして賑やかに晩餐が始められた。
「これは・・・美味いな」
「これは私以上だよぉ」
「まるで旅館のお料理みたい!」
「こう言っちゃ悪いけど・・・旅館の料理より大将の方が美味いね」
「あ、弁慶川神水の吟醸があるけど呑むか?」
よろこんで!という声に惹かれ大器はすうっとテーブルを囲む皆を見た。
「・・・。」
「あなた。心配は無用だねぇ」
「そうだな。こんなに暖かい場所なら・・・」
自分の心配が取り越し苦労で良かったと彼は思った。
その後は、
「シロウ、おかわりをお願いします」
「はい、セイバー」
「セイバー・・・?あ!ゲームの!!!」
「どうかしましたか?」
「あ、セイバーあのな・・・」
「サイン欲しい・・・!わ、わ、でもどうしよう書いてもらうものが無いよう!?」
「ヨシツネ。私はいつでもここに居ます。慌てないで今度にしましょう」
「はい!アーサ「セイバー、な?」セイバーさんありがとうございます!!」
とか
「セイバーさんに遠坂さん達もいるな・・・」
「それはキャップに感謝だな。あの聖杯が正常なものって分かったんだ。それで連れてこれたんだ」
「マジか・・・これは凄いことになるぞ」
「言うのはまだ待ってほしい。色々調整中でな。頼むぞ」
何て言う事もあり食卓は実に盛り上がった。
最後には、
「衛宮君。ありがとう。清楚や義経達の事が心配だったんだが、ほっとしたよ」
「私からも。ありがとうねぇ」
なんて薄っすらと涙がこぼれることもあった。
(がんばろう。これからも)
そんな光景を目にしてこの光景を無くさないようにしようと、士郎は固く決意したのであった。
いかがだったでしょうか。前半はfate陣営後半は戻ってきてマジ恋陣営としてみました。
ルヴィアはねぇ・・・家名を大事にしてるからね。来られませんでした。カレンも冬木の管理者が居なくなるので当然アウト。彼女等の事は今後通信で登場するかも…?
そしてライダー、まさかのランサー化。大きいことを気にしていた彼女からしてみればうはうはでしょうね。理由は後にも書かれますがライダーのままだと危険だからですホロウやってる方ならわかるかもしれません。
次回はfate陣営について。これからどう彼女等を交えていくか色々考えてます。
では次回もよろしくお願いします!