今回はセイバー達と風間ファミリーの邂逅です!ここが重要なポイントになりそうなのでしっかり描いていきたいと思います。
では!
宴の翌日、遂に島へ帰るのだという大器さんたちのお見送り。
「義経、また来るからね」
「そうよ。また会えるわ」
「お母さん・・・」
「ほらほらおいで。また来るからねぇ」
「衛宮君、直江君。娘達をよろしく頼むよ」
「微力ながら精一杯力を尽くさせてもらいます。な、大和」
「もちろんです。俺も頑張りますので・・・」
「うん。二人にそう言ってもらえて安心だ」
「ほーら。泣き虫はここで終わり!胸張ってがんばるんだよぉ」
「うん・・・!」
「では衛宮君、直江君、また」
「今度は島に来てねぇ」
「はい。お気をつけて!」
そうして大器さん達は船に乗って島を目指した。
「今度は俺達が行かないとな」
「ああ。昨年は忙しかったからな」
今度こそは、と互いに決心する士郎と大和だった。
「義経達はこのまま帰るのか?」
「えっと・・・セイバーさんにサイン貰いたいんだ」
「なんせ騎士王だからね。主が放っておけるはずがないよ」
「つーか俺も欲しいぜ。騎士王のサインなんざ持ってる奴いないんだからな」
「あーそれの事なんだが」
士郎は言った。なぜセイバーというクラス読みをしているかという事と、今後の動きについてだ。
「レオニダスの時もそうだったけど基本隠蔽したいんだ」
「な、なら『セイバー』さんでいいから!お願い!」
「まぁそれなら・・・」
かの有名な騎士王としれた日には大パニックが起きる。それだけアーサーの名は知れ渡っているのだから。
「やったぁ!今から色紙買ってくるよ!!」
「あいや。置いてかれる。待って、主ー」
「まったく落ち着きのねぇ連中だ・・・深淵の者どもに会ったらどうするんだ」
相変わらず与一の言うことは分からないが、とりあえず彼も追いかけて行った。
「なぁ士郎」
「なんだ?」
大和らしくないはっきりとした物言いをしない姿に違和感を覚える。
「セイバーさんや遠坂さん達を仲間達に紹介するのはダメか・・・?」
「そういうことか」
だから大和は言い辛そうにしていたのだ。
仲間達はあのFateなるゲームを見た仲だし、問題ないだろう。
「一応遠坂に確認してからな」
「お、おう!(遠坂さん大丈夫かなー・・・)」
遠坂も拒みはしないだろう・・・多分とどんぶり勘定する士郎。とにもかくにも帰ってみると
「・・・。(だるーん)」
「と、遠坂?」
テーブルに突っ伏す凛が居た。
「異能はともかく、気ってなによ誰でもスーパーマンになれるじゃない・・・」
どうやら異能と気について林冲から情報収集していたらしい。
「そんなに便利・・・ではあるか。でも魔術にしかないものも存在するぞ」
「ハン。あのね衛宮君。どちらも生命エネルギーをもとにしている以上、大抵のことは共有されるのよ。クソ真面目に魔法陣書いたり触媒を用いるより断然楽じゃない」
「暴論だなぁ・・・実際「貴方は異能側でしょ」うぬぬ・・・」
ジトッとした目で言われる士郎。確かに彼の魔術はどちらかというと異能の側面を持つのだ。火を起こし、風で巻き上げ、水を自在に操り、土をコントロールするのとはまた違う。
「確か武松っていう人も言ってたな」
「武松も外敵を倒す異能持ちだからな」
「その武松?っていう人はどんな異能持ちなのよ」
「あー・・・秘密。ただ、遠坂なら似たようなことは出来るとだけ」
「なんでよ、詳しく教えなさいよ」
「極秘組織なんだよ。いくら遠坂でもペラペラ情報は言えないんだ」
「ふぅん」
結局それで納得したのか凛はまたテーブルに突っ伏した。
「それよりも遠坂、大和達・・・仲間達に紹介したいんだけど、いいか?」
「大和・・・?ああ、直江君ね。なに、貴方仲良しグループなんて入ってるの?」
「あ、ああ・・・最初はどうしたらいいか悩んだんだけどな・・・今では気のいい仲間達だよ」
「いいけど、その人たちも例のゲーム見たの?」
「ああ。魔術の事もほとんど知ってる」
「・・・はぁ。衛宮君。本当ならあらゆる手を使って口封じなのよ?もう少し・・・」
「それは重々承知だよ。俺もいきなり明かしたわけじゃない。もう世に魔剣とか出してるしそれでも「待った」?」
凛はことさら頭が痛そうに、
「魔剣?衛宮君、まさか秘奥の一部を公開してるの!?」
「ああ。製法は秘密だけどな。これだけ手広くやって何も音沙汰無しなんだから大丈夫だろ?」
「そりゃそうだけど・・・ああもうっ。いいわよ!私は秘匿させてもらうからね!」
「・・・遠坂が宝石魔術使うのもばれてるんだけどなぁ」
士郎の言葉にキー!と怒りの声を上げてそっぽ向く凛。
「桜もいいか?」
「先輩、私も・・・」
「大丈夫だ。見れたストーリーはセイバーと遠坂のストーリーだけだ。桜の事は見れなかったから大丈夫だよ」
「よかった・・・」
「士郎君、私も行きますか?」
「良ければそうしてくれ。ちなみにバゼットの事は一切出て来てないから純粋に初対面だな」
そうですか。とだけ言ってバゼットは屋敷の気配を辿る、
「バゼット。疼くのは分かるけど怪我させるなよ」
「わかっています。この屋敷は実にいい。実力者が集まっている」
「この街は頻繁に護衛依頼や武闘派の依頼が来る。バゼットなら生活しやすいんじゃないか?」
「興味深いですね。それほど荒事に溢れていると?」
「特にこの街はな。学生が対処してることもあるくらいだ」
「ちょっと待って。学生が?一介の学生が犯罪者と事を構えることもあるっていうの!?」
「たまにな。依頼という形で様々なことができる。バゼットは大学だけど川神大だろう?そう変わらないはずだ」
「これはますます燃えますね・・・!」
シュッシュとシャドーボクシングするあたり有望である。
「あの先輩?そんなに物騒な街なんでしょうか・・・?」
桜の心配はもっともだった。
「そんなことはない・・・というか武家系列の女子が多くてさ。何事にも白黒つけたいっていう考え方が多いんだ。俺なんか初日から決闘を申し込まれたしな」
「なんでそうなるのよ」
「武人らしく相手の強さを図りたいんだと。俺にはよくわからないけどな」
「そりゃ士郎には分からないでしょうね。それにしても面白い街じゃない。初めて来たわ。それだけ荒事があって治安がいい街なんて」
「不思議な街ですね」
「そこで?英雄・衛宮士郎は何をしたのかしら?」
「茶化すなよ・・・」
それからは士郎の経験した一年間を語り尽くすことになった。
辛い時もあった冷徹な判断を下しそうな時もあった。逆に心救われる時もあった。そんなことをひっくるめて士郎は語ったのだった。
次の日、午前は学園で必要になるものを集めて午後は風間ファミリーの秘密基地に行くことになった。
「シロウ、よいのでしょうか、あれもこれも士郎を頼ってしまって・・・」
恐らく金額の事だろう。四人分(バゼットは自分で揃えに行った)の必要道具を揃えるとなると随分な金額になる。
「大丈夫さ。九鬼から援助金出てるし俺も稼いでいるからな」
「それよ!士郎。私「その手には乗らないぞ遠坂」なんでよ」
大方また上納させようとしたのだろうがそうは問屋が卸さなかった。
「家には食い扶持が多いんだ。多少は援助できるけど、前のようには無理だ。大黒柱として賄っていかないといけないんでな」
「ふぅん・・・士郎、変わったわね」
「確かに。先輩変わりました」
クスクス笑う姉妹に士郎は首を傾げた。
「俺なんか変なこと言ったか?」
「いえ。シロウは正しい。なにも間違ってなどいません」
セイバーも優しい微笑みで士郎に言った。
「それにしても実力差でクラスをS~Fに分けるなんて思い切ったことをするわね」
「それは俺も思ったよ。成績は金では買えない、がモットーだからな」
「でも私服で通ってる人もいるんですよね?」
「いるけど・・・あれは学園に多額の献金をすると許してもらえるらしい。うちはそんなことしないから制服な」
稼いではいるけれど財布の口は固い士郎であった。
家に帰ると久しぶりの顔に出会えた。
「マル!」
「ただいま。士郎」
穏やかな顔をするマルギッテだが、その後ろに凛達を発見してぎょっとする。
「し、士郎!そちらは・・・」
「ああ、マルは知ってるかもだけど遠坂、桜、セイバーだ。色々偶然が重なってこちらの世界に来れたんだ」
「この人は?」
「ああ、この人はマルギッテ・エーベルバッハ。ドイツの猟犬部隊の隊長だよ。同級生のクリスって奴の護衛」
「マルギッテ・エーベルバッハです。お見知りおきを」
「遠坂凛よ」
「間桐桜です」
「セイバーです」
「ふむ・・・」
検分するように三人を見るマルギッテ。
「セイバーは元より間桐桜と遠坂凛にも武の心得があると見ました。いずれ手合わせするのが楽しみです」
「・・・マル」
「どうしたのですか士郎」
マルギッテの検分に額を押さえて上を見る士郎に、
こういうことね、と何処か納得する三人であった。
そんなマルギッテとの邂逅を迎え、士郎はキッチンに向かう。
「あら?お昼は食べて来たじゃない」
「あー、これは秘密基地に居る皆の分だよ。俺と後輩の由紀江で作って持ち寄るんだ」
そう言って士郎はいくつかのおかずを作り、朝の残りで握り飯を作ってバスケットに入れた。
「さ、行こう。ここからだとそれなりに距離がある。急ぎの用事もないし向かうとしよう」
「いいわよ」
「秘密基地かー楽しみです!」
「危険はないのですか?シロウ」
「大丈夫だ。廃ビルだけど地盤も固いしビル自体も立派な作りしてるからな。大和達は一応管理人らしくて好きに使ってるんだ」
「学生が廃ビルの管理人?」
「仲間内の一人の親が廃ビルの所有権を持ってるらしい。それで管理してくれるなら、ってことらしいぞ」
「ふうん。いいじゃない、いかにもって感じで」
「倒壊しそうな雰囲気はありませんでしたよ」
ぴょこりと猫耳のようなフードが現れた。
「わっ!ラ、ンサー!?」
「一通りの視察は終わったか?」
「ええ。士郎の地図があって助かりました。それと・・・なんですが」
ランサーがとても言い辛そうに言う。
「私の声には上姉さまと下姉さまのような魅了の力でもあるのでしょうか・・・公園にいた不審者をこれで拘束したのですが・・・」
ランサーは鎖を見て、
「こちらを見るなり何故かあがめられてしまって。気持ち悪いので木につるしてきたのですが・・・まずかったでしょうか?」
「「「・・・。」」」
「大丈夫だランサー。そいつハゲてなかったか?」
「ハゲてました」
大丈夫だ、問題ない。と返して士郎は出かける準備をする。
「レオニダス王はいかないのですか?」
「私は午後から予定がありまして、そちらへ出向かなければならないのです。マスター、危険な要因はありませぬな?」
「ああ。全くないよ。しっかりやって来てくれ」
当然ですとも!と返事を貰っていざ出発。
「ランサー・・・レオニダス王って隠してないの?」
凛から当たり前とも言うべき質問がやって来た。
「最初は隠そうと思ったんだがなー・・・本人が堂々と名乗ちゃうから色々苦労して結局こうなった」
「よく混乱にならないわね」
「同姓同名の別人とでも思われてるのが有力だ。義経とかもいるしな」
「ああ・・・あの子ね。当然本人じゃないんでしょ?」
「・・・。」
凛の言葉に士郎は押し黙った
「なによ」
「義経達は人のクローニングで誕生したクローン人間だ」
「はぁ!?なんて馬鹿なことを・・・!」
「ホムンクルスならまだ良かったのかもしれないが・・・事実だ」
「でも、義経ちゃん達先輩のご飯食べて笑ってましたよ」
桜の言葉でふっと空気が軽くなった。
「そうね。誰のクローンでもあの子はあの子だわ」
「俺もそう思ってる。正直増えるようなら叩き潰す気でいたんだがな・・・今のところその気はないみたいだ」
「士郎はどうするのよ」
「レオニダスとも話したんだが俺たちは本来部外者だ。その俺が押し付けるわけにもいかないだろうと傍観だ。ただし沢山出てきたらアウトだ。問答無用で叩き潰す」
凛と桜にすうっと冷たい風が流れた。彼はやる。例え悪と罵られようと必ずやるだろう。
「・・・まぁいいわ。願わくば、また逃避行生活にならないように祈るばかりね」
ふうと一息ついて先を促した。
「それよりまだなの?結構歩いたけど」
「もうすぐだ。桜、荷物持とうか?」
「いえ、大丈夫です。でも水分くらいは準備しておくべきだったかもしれませんね」
「俺のにお茶がある。ちょっと待ってろ・・・」
コポコポと温かいお茶が紙コップに注がれた。
「ほら。これ呑んでもう少し頑張ってくれ」
「ありがとうございます!」
僅かに疲労を見せていた桜が回復してくれた。と、セイバーが、
「あれではありませんか?」
気配を探知したのだろう秘密基地の廃ビルを指さした。
「・・・。」
しかし、セイバーは複雑な表情を見せた。
「どうしたんだ?」
「いえ、向こうは随分と前から気付いていたようなので・・・」
「それは百代と一子だよ。気を展開して気配を追ってるんだ。セイバーが不覚を取ったわけじゃないよ」
「しかし・・・」
「まぁまぁ、紹介もするしその時に説明するから」
そう言って秘密基地の中に入る。いつもは静かな秘密基地が、ざわめいているのを感じる。
階段を上がって、
「ここだ」
ガチャリと扉を開けると、
パンパンパン!
「「「遠坂さん、間桐さん、セイバーさんようこそ!」」」
と盛大な歓迎をされた。
が。
「お前らな、誰が先頭なのか想像くらいできないのか・・・?」
クラッカーのしだれと紙吹雪をすべて受けた士郎が言った。
「悪い悪い、そこまで考えてなかった」
苦笑交じりに言う大和。
しかし、秘密基地には歓迎の飾りが付けられており、もてなそうとというのは本当のようだった。
「やっと来たな」
「結構前から気配はしてたけどね」
百代と一子が事も無げに言う。
「あの広い気配探知が一介の学生!?シロウ、どういうことですか?」
ズズイと迫ってくるセイバーに、まぁ落ち着けと言って、
「こっちの黒髪が川神百代、この世界では『武神』と呼ばれてる。隔絶した戦闘能力と理不尽な技を使う。正真正銘の武神だ」
「川神百代だ。遠坂さんが揚羽さんと引き分けたって聞いて待ちきれなかったんだ。もちろんセイバーさんも。手が空いてる時でいいから摸擬戦しないか?」
「武神・・・と。なるほど。強大な何かがいるとは思いましたが貴女でしたか。私はセイバー。訳あって本名を隠していますが・・・」
ちらりと士郎を見ると首を横に振っていた。
「意味はないようですね。ならば誇らしく告げましょう。我が名はアルトリア・ペンドラゴン。赤き竜の加護を受けたブリテンの王です」
鎧を展開し、ぶわりと黄金の魔力を滾らせて宣言するセイバー。そのいで立ちは、来るならば全て受けて立とうという気迫が漲っていた。
「す、凄い威圧感だわ・・・ゴクリ」
「自分と犬では歯が立たないな・・・」
「こえーのもあるけどよ」
「これぞアーサー王って感じだね。身震いしちゃうよ」
男子陣も偉く感動したようで姿勢をびしりと立てている。
何も言わぬ百代も闘気を高めていた。
「はいはい。こうなることは分かってたけどそこまで。秘密基地を爆破する気か?」
「む、それはいけません。本名を名乗ったことなど数えるほどしかなかったもので」
すうっとセイバーの黄金の魔力が収まった。
「百代もだぞ。まだ闘気が漏れ出てる」
「だ、だってアーサー王だぞ?滾らない方がおかしいだろ?」
と慌てふためく百代だが次の言葉で凍り付く。
「滾るも何も百代じゃセイバーには勝てないよ。俺なんかとやり合ってる時点でレベルが違う」
「なっ・・・」
「「「え?」」」
士郎の一言にカチリと固まる一同
「姉さんが・・・」
「モモ先輩が・・・」
「「「勝てない!?」」」
「・・・。」
「なんだ、みんな勝てると思ってたのか?百代、君には瞬間回復があるが、それは
「・・・。」
百代は答えなかった。
「川神さん、だったかしら。私達は心臓を潰されても首を飛ばしても襲い掛かってくる化け物との戦闘経験があるわ。貴女は傷を瞬間的に回復する術を持つのでしょうけど、それだけじゃセイバーは越えられないわよ」
「わかってる」
「姉さん?」
「それでも武人として滾るんだ。もっともっと高みに行きたい。レオニダスさんやセイバーさん達の域に達してみたい!」
そう熱意を燃やす百代の眼はキラキラしていた。
「士郎がくるまで私は武神の座に胡坐をかいていた。でも――――」
心底楽しそうに言う。
「世界には、もっともっと強い奴がいる。別次元だっていい。この世には、私よりも強い奴なんて山ほどいるんだって。士郎が教えてくれた」
「百代・・・」
「だから戦ってみたいんだ。今私は何処まで来れてるのか。これからどんな高みがあるのか。もっと知りたい。挑戦したい」
「なるほどね。それを成しえるのは英霊だけ、か。そういう馬鹿、嫌いじゃないわ」
凛もニヤリと笑った。
「まずは己を高める事ね。今の貴女はこの世界じゃ最強かもしれないけど私達の尺度ならまだまだ手こずるくらい」
「いつか、貴女と戦える日を心待ちにしています。モモヨ」
「ああ!その時はよろしくお願いします!」
「モモ先輩が挑戦者かー」
「まゆっちはどうなんだ?」
「無理です。剣術という面でも闘争者という面でも」
「あはは・・・今のところ勝ててるのは気配察知くらいかな?」
「あれは実に見事でした。モモヨと貴女は?」
「はい!川神一子です!」
「百代の妹なんだ」
「なるほど。二つの気配を感じましたからカズコですね。私の事はセイバーと呼んでください」
余裕そうに会話していた一子だが、いざ自分中心になると緊張するのかカチカチになっていた。
「セイバーもだけど他の二人も紹介したいんだ遠坂、桜」
「遠坂凛よ。以後お見知りおき願うわ」
「ま、間桐桜です!姉さんの妹です」
「姉さん?」
「妹?」
「あー・・・遠坂と桜は姉妹なんだ」
「「「ええー!!?」」
これはこっちの紹介も長くなりそうだと士郎は思うのだった。
「シロウ」
「ん?なんだ?」
セイバーは質問攻めにされる二人を見て、
「ここは、暖かいですね」
「・・・ああ。自分の半生を笑っちまうくらいあったかいな」
微笑みを浮かべてそう言った。
「それで?ここではいつも何をしているの?」
「特に決めてないよ。適当に喋ったりみんなでゲームをする時もある」
「みんなの共有スペースだからね。あ、新刊のジャソプみた?」
「みたみた。なんかなー士郎が居そうな雰囲気だったな」
「それは聞き捨てならないな。何巻だ?」
と士郎が検分に乗り出す。
凛は、
「なぁなぁ、遠坂さんて本物の魔術師なんだろ!?空飛べたり出来るのか!?」
「こんなに喋って・・・まぁいいわ。おとぎ話の魔法使いのことは大体できるわよ」
「おおー!すごいな魔法使い!」
「ただし現代機械に恐ろしく弱いけどな」
「そこ!うるさい!」
バキュン!
「おわあ!やめろ!秘密基地を壊す気か!」
飛んできたガンドを避けて言う士郎。
「もう、物騒だねぇ・・・」
黒く焦げた所をフキフキとするクッキー。
「そういえば自然にいますね、この子」
「僕の名前はクッキー!万能ご奉仕ロボさ!」
お茶を桜に出してありがとう、と撫でられて満更でも無い様子。
「女にはデレデレしちまってー・・・俺様の時だとす-ぐに」
「なんだ!?やるって言うならやるぞ!」
ガションガションガション、ブオン
「紳士たるものレディファーストだ」
「うお!てめ、やったなクッキー!」
「フハハハ!やってやったぞ次はどうくる?」
「また始まった・・・」
「俺様の進化した筋肉を舐めるなよ!」
「暴れるなら外でやれ!今から飯とデザート出すんだから」
ぴしゃりと士郎の怒声にぐぬぬぬ、と唸るガクト。
「決着は今度にしてやらぁ」
「私こそだな」
ガションガション
「まったくあんまり怒らせないでよね」
「「「・・・。」」」
その光景を見た凛、桜、セイバーは何処からツッコめばいいのか分からず固まってしまった。
「へ、変形した・・・!?」
「諦めろ遠坂。あれはああいうものなんだ」
機械に弱い凛は尚更意味が分からぬとプルプル震えているが士郎は諦めを促した。
凛達の風間ファミリーとの邂逅は静かに幕を閉じる。闘争の気配こそあったものの、お互いに実力を上げ先へ進むだろう。
そして冬休みは終りを告げる。まずは百代達の卒業式だ。
はい。今回はこんな感じに纏まりました。一見物騒な場面がありましたが要は今の百代じゃ話にならないよってことです。グロイ表現になりますが部位欠損のダメージを瞬間回復じゃ無理だろうと判断しました
次回は百代達の卒業式!卒業しても変わらず風間ファミリーでいてほしいな、と思う作者です。ではまた次回!