ホロライブオルタナティブ~彗星に捧げる星詠みの詩~   作:星夜見流星

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すいちゃん1stアルバムStill Still Stellar発売おめでとうございます!


日常の始まり

季節は春になり始めカーテンの隙間からは暖かな陽の光が差し込み始めたという頃、ふと自然に目が覚めた為壁にかけてある時計を見ると針は朝の八時を指していた。

相変わらず部屋にあるものと言えば何処にでもあるようなクローゼットにシンプルな机、その上には世間一般には出回らない魔導書と呼ばれる本が数冊に小さな匣が三個と紫の装飾が施された指輪が一つ置かれている。

そろそろ模様替えをするかなどと考えながらベッドから降りるために視線を戻すと自分以外誰もいないはずの布団の中でもぞもぞと動くなにか。

「またか」と呟きながら布団を捲るとそこには水色のパジャマを着ていつも片方に纏めている綺麗な水色の髪は解かれ可愛らしい寝顔で寝ている少女が一人。

こんな可愛い彼女が一度ステージに立てばたちまちカッコよく見えるのだから不思議なものだ。たまになら頭を撫でても怒られないだろうと信じて彼女の頭を撫でる、丁寧に手入れをしているのかかなりさらさらしている髪を十分ぐらい撫で続けていると撫でられてる感覚で彼女も起きたらしい。

 

「・・・んぅ?(きょう)君起きてたんだ〜」

 

まだ眠いのか目を細めながら聞いてくる彼女に「おはよう、すいちゃん」と返す。

 

「おはよ〜、すいちゃんわ〜」

 

「今日も可愛いよ」

 

寝起きだからかいつもよりフワフワしている彼女は満足したのか満面の笑みで「ありがと」と言ってくる。一緒に住み始めた頃はかなりドキドキして心臓に悪かったが数ヶ月経った今は流石に慣れた、慣れないことは時間が解決するとはよく言ったものだ。

もう少しこの時間を堪能したいところだが時間がなくなるので準備を始めないといけないのだが寝ぼけているのかしがみ付いてくる彼女を引き剥がさなければならない。そういえば今日は久しぶりのオフだからみんなで買い物しに行くって言っていたはず。

 

「さて、のんびりしすぎると遅刻するから起きるよ?」

 

「あと五ふーん・・・」

 

「今日はみんなと買い物行くんでしょ?待ち合わせまであと二時間しかないよ?」

 

そう言うと「あと二時間!?」といいながら飛び起きるすいちゃん、これは完全に目が覚めたな。

 

「それを早く言ってよぉぉぉぉぉぉぉ」

 

そんな叫び声をあげながら自分の部屋に戻っていく彼女を見送りながら自分も準備をするためにベッドから降りる。いつもなら無理やりにでも一緒に連れていかれるが今日は仕事があるため別行動である。仕事と言っても夜のための活動と報告書の準備なので三時間もかからずに終わりはするのだがそのあとに時間がかかるため今回は合流できない。すいちゃんにそのことを話したらかなりのブーイングが飛んできたが説得したら仕方なく納得してくれた後に埋め合わせとして今話題のスイーツを食べに行く約束をさせられたのは記憶に新しい。世間一般からすればデートになるのだろうが彼女の立場もあるため本人に聞いてみたのだが「特に気にしてないからいいの!」の一点張りで本音ではどう思っているのかわからなかった。

 

「本当はもっと遊びに行ければいいんだろうけど今日ばっかりはなぁ」

 

なにせ行かなければ噛み殺されること間違いないのだ、そんなことになれば夜の仕事どころか約束ですら行けるか怪しくなる。それだけは何としても避けなければならない…絶対に。

俺は寝間着に使っているジャージを脱ぎクローゼットに入っている破れにくい材質でできているズボンを穿きコートを羽織る、そして机の上に置いてある匣をコートの内側に仕舞い指輪を右手の中指にはめたあと感覚を確かめるために右手を動かす。

出来ることならこんなことやめて平和に暮らしたいと強く思う一方俺自身が戦うことで大切なものを守れるなら安いものだと思う自分もいる。

 

「今の俺にできることは手の届く範囲で大切なことを守ること、ただそれだけだ」

 

そう呟きながら俺はリビングに向かうために自室を出る、今日も忙しい一日になりそうだ。

 

 

 

一階に行きリビングに着いた俺はキッチンに行き朝食の準備をする。時間も余裕があるわけではないので無難にトーストでいいだろう、二階からドタバタと聞こえる騒がしい音がそう言ってきている気がする。

トースターにパンを二枚入れてスイッチを押し、待っている間は暇なためリビングにあるテレビを点け天気予報を観る。どうやら今日は雲一つない晴天らしい、仕事が仕事なので雨が降らないのはかなりありがたかった。

 

 

 

天気予報も終わりだらだらニュースを観てできた朝食を食べながら時間を潰して十分ぐらいするとリビングのドアが開きそこにはいつもの黒をメインとした私服を着ているすいちゃんがいた。

 

「ふふん、どうよ鏡君今日のすいちゃんは!」

 

ドヤ顔で言う彼女は如何にも感想待ちという雰囲気を漂わせている。

実を言うと半年以上同棲しているが本当にこれだけは慣れない。本人が何を言って欲しいか分からない時が多いのだ。

この前すいちゃん経由で知り合ったポンコツ巫女が言うには「とりあえず困ったら今日も小さいって言えばいい」と言っていた。

うん、言ったら間違いなく殺される。でも反応が気にならないと言えば嘘になる、ならば言うことは一つだろう。

 

「今日もちいs「あ?」みこちに困ったら言えって言われました」

 

目を逸らしている俺を睨みつけるすいちゃん。今蛇に睨まれる蛙の気持ちが分かった気がする、これからは気軽にこれ言うのはやめておこう。頼むからすいちゃんもハルバード出さないでくれ床が傷つくから、直すの俺だから。

たまにだがこのレベルの脅しやら威圧やらが飛んで来るなら魔術なんて教えないほうが良かったんじゃないかって思えてくる。

 

「みこちは後で絞める」

 

ごめんなみこち、俺には止められそうにないわ

 

「それで?鏡君はどう思ってるの?」

 

「いつも通り似合ってるよ、ただ期待されてもそれしか言えないからね?」

 

「最初からそういえばいいのに…鏡君のばーか」

 

「ごめんって、それじゃあ俺はそろそろいくよ」

 

そう言うと一瞬暗い顔になるすいちゃん

 

「今日は遅くなる?」

 

「夜次第かなぁ」

 

「怪我だけはしないようにね?」

 

「…善処します」

 

「しないようにね?」

 

笑顔で言ってくる分圧がすごいんですがそれは。

 

「わーったよしなければいいんでしょしなければ!」

 

「ならよし!」

 

今度こそ本当の笑顔で笑っているすいちゃんを見ていると気持ちが安らぐ、まさか自分でも生きている間にこんなやりとりをする相手ができるとは思ってもみなかった。

数年前に両親が殺され復讐を誓ったあの日からすると、すいちゃんと出会ってここまで変わるとは本当に思わなかったのだ。

まさに人生の分岐点はあそこだったのかもしれない、きっと彼女に出会っていなければ今頃生きる意味を失い死んでいた頃だろう。

 

「それじゃあ行ってきます」

 

「うん、行ってらっしゃい」

 

このやりとりをしていて思う。いつまでもこんな日々が続きますようにと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヴァイスシュヴァルツの0期生のプロモはサインなしそらちゃんでした。やはりサインはなかなか出ませんね・・・
一応ロボ子さん以外の0期生+あずきちは出番考えてあるんですけどロボ子さんどうやって出しましょうか・・・
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