ホロライブオルタナティブ~彗星に捧げる星詠みの詩~ 作:星夜見流星
石の貯蔵消えてオワタ。
あれから半年が経った。
私はアイドル活動の傍らで彩歌さんのもとで修行して魔術もそれなりに使えるようになった。なんでも私の属性は希少な光属性らしく回復やサポートに適しているらしい。
一ヵ月が過ぎたぐらいで焔君にばれて猛反対されたけど彩歌さんの説得もあってなんとか許してくれた。
それと定期的に焔君の家にお邪魔する様になった。といっても遊びに行くわけじゃなくて彩歌さんが忙しい時に焔君に教えてもらう為お邪魔してるといった感じだ。
彩歌さんの屋敷ほどではないが焔君の家にもそれなりの設備や資料があるので学校終わりに仕事がなければ帰りに寄って行くのが恒例になっている。
「焔君これどうするの?」
「あーこれはここをこうしてやると起動するぞ」
そして今日も例外なく自分の魔術を完成させる為に片っ端から資料に載っている魔術を教わりながら試していた。
「そういえば焔君はどうやって作ってるの?」
「俺か?複雑な公式じゃない限りイメージしかしてないぞ」
「え、なにそれチート?」
今私がいる場所は焔君家の地下にある彼の魔術工房。周りを見れば壁一面に置かれた本棚、何かを作ったり整備する為の道具と作業台、何故かターゲット(再生機能付き)、そして簡易的なキッチンに休憩する用の椅子とテーブルが置かれている。
テーブルには彼が入れてくれたお茶の他に借りている魔導書とメモする為のメモ帳、焔君がやっている仕事の書類、作業用に音楽を流してる私のスマホが置いてある。
彼に教わり始めてからかなり見慣れた光景だけど悪い気はしない。それどころかこの時間を楽しみにしている自分がいる。
「そういえば明日は土曜か」
「そうだねー、すいちゃんは家でお仕事だけど」
「なら今日は帰るか?時間的にも頃合いだろ」
彼に言われて置いてあるスマホの画面を見ると19という数字が映されていて夜になっていることがわかる。
「お姉ちゃんが待ってそうだしそうしようかな」
借りていた魔導書を閉じて元あった場所に戻す為に席を立つ。それを見てか焔君も席を立つと私から魔導書を奪っていく。
「片付けは俺がやっとくからお前は帰る準備しとけ」
そう言って本棚に向かう焔君。
この半年間で分かったことは彼はかなりお節介だということ。夜道は危ないからと毎回送ってくれるあたり本当に心配性らしい。(本人はかなり否定している)
「準備できたよ」
「オッケー。それじゃあ行くか」
出入り口を出て電気をつけると目の前には螺旋階段があり私達二人はそれを登る。この地下階段は良くある隠し階段になっていて、一階にある物置部屋に出て焔君は隠し扉にしている本棚の鍵である本を奥に押すと本棚が動き出し入り口が塞がれる。
「いつも思うけどよくこんなの地下に作れたね」
「魔術師の家なんてこんなもんだぞ。師匠の工房だって地下にあるだろ」
「だってあれはお屋敷だから出来るけどここ一軒家じゃん」
ここ数ヶ月ほぼ毎日通っているけど明らかに家の広さに対して工房の方が少しだけ広いのだ。いくら地下にあるとはいえ所有地以上の部屋が地下にあるのはどうなのだろうか。
「スペースの事言ってるならあの工房自体は師匠の所有地にあるぞ」
「どゆこと?」
「地下にある工房の扉は特注の転移装置なんだよ。だから工房自体は家の下にはないってわけ」
「ふ〜ん、なるほど」
彼から転移装置と言われて納得する自分もだいぶあちら側の常識に染まってきたなと思う。
そもそも転移装置なんて物は一部施設などにしかない高額な代物でそれが一般家庭の家に設置されてる辺りこの家を建てた彩歌さんがどれだけ凄いのかがよくわかる。
話をしながら玄関に行き、靴を履いてドアを開けると外は暗く肌寒い風が吹いていた。
「寒ッ」
「まぁ秋だしな。それに明日は雨らしいぞ」
私達は玄関を出て歩き始める。
前に彼が言っていた通り自宅があるマンションまではかなり近く、というよりマンションの裏手のほうなので徒歩十分かからないぐらいで家に着く。
相変わらず歩いてる最中も趣味の話などをして歩き続け、話しているとあっという間にマンションの前に着いてしまった。少し物足りなさも感じるがこればっかりは仕方ないといつも通り割り切って諦める。
「それじゃあ休み中はそっちに行かないからまた学校で」
「あぁ、またな」
挨拶を交わして彼の背中が遠くなるまで見送り、私もマンションに入るのだった。
土曜日。
学生にとってその日は休みであり、多くの人は休日を楽しんだりするだろう。
まぁそれは一般的な学生の話であって俺にはやらなければならない仕事が山積みなので休みなんて物は存在しないに等しい。
今だって師匠から回された書類全てに目を通すのに軽く二時間以上は使っている。あの人は部下を休ませるということを知らないのだろうか。
自室で座りっぱなしの作業だった事もあり体が重く感じ、背伸びをして窓の外を見れば雨が降っていた。
(雨か)
仕事から解放され午前中のうちに買い物も終わらせてある。後はゲームをするなりパソコンをするなりして過ごすかなどと思っているとピンポーンと言う聞き慣れたチャイム音が聞こえた。
(こんな時間に誰だ?)
時計を見れば十八時を過ぎ丁度夕飯時といった時間帯。
こんな時間に来る人物なんて終わったのを見計らって追加の仕事を押し付けに来る師匠ぐらいしか思い当たらないが違った時を考えたら出ないわけにも行かないので玄関に赴く。
「はいはいどちら様でって…星街!?」
玄関を開けると目の前にいたのは全身びしょ濡れの星街だった。
「お前今日来ないんじゃ…てかなんでびしょ濡れなんだよ」
顔を俯かせた彼女はただただ何も言わずに立っている。明らかに何かあって飛び出してきたといった感じだろう。
「…はぁ。なにがあったのか知らないけどとりあえず中に入ってここで待ってろ」
俺は急いで洗面所兼脱衣所に行きタオルを持って玄関に戻る。持ってきたタオルを星街に投げると星街は小さな声で「ありがと」と言って顔と髪を拭き始めた。
「それで傘も刺さずに家に来るって、なにしたんだ?」
今日は家で仕事と昨日の帰り際に言っていたから本来なら来ないはずだ。目の前にいる彼女に問うと小さな声で何か言い始める。
「…した」
「はい?」
「お姉ちゃんと喧嘩した」
「あーなるほど」
つまり姉と喧嘩してその勢いのまま傘も刺さずに雨の中を走ってきたわけだ。
というか…。
「なんで俺ん家?」
「…一番近かったから」
予想はしてたがまあそれもそうか。事務所の知り合いの家に行こうにも遠い上に恐らくだがなにも持ってきてないのだろう。
「お願い!帰りたくないから泊めて!。なんでもするから!」
「そう言われてもなぁ。てか気軽になんでもするとか言うなよ」
全く急になにを言ってるんだこいつは。
というか普通考えて同級生の女子を家に泊めるのはどうなのだろうか?、それよりも彼女はアイドルであるわけで万が一バレたらスキャンダル間違いなしだ。しかしこのままにするわけにもいかないしどうしたものかとタオルで体を拭く星街を見ながら少しの間考え、俺が導き出した結論は。
「とりあえずそのままじゃ風邪ひくし、風呂沸かしてあるから入ってこい」
びしょ濡れの彼女を風呂に入れることだった。
八月になりますしせっかくなんでプールとか夏祭りの話とか書きたいですね…。
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