ホロライブオルタナティブ~彗星に捧げる星詠みの詩~ 作:星夜見流星
七月七日。
その日は七夕で年に一度織姫と彦星が会う日と言われていて街には至る所に竹が置かれており、街の人達は思い思いに願い事を書いて竹に吊り下げている。
そんな街のいたるところで賑わっている中とある少女はいつも通り彼氏である少年の仕事を手伝っていた。
「《青く煌めく星々よ 降り注げ》シューティングスター!」
自身の魔術を発動して頭上から水色の光を無数に降り注がせ周囲にいる敵の集団を塵にし、彼女の背後には二丁の銃を正確に乱射して残りの敵を的確に処理する少年の姿があった。
「これでラスト!《煌めく星の輝きよ 弾けろ》スターダスト!」
敵の目の前に現れた光の球体が弾けると拡散された光が残りの敵を貫く。
「終わったぁ~!」
「すいちゃんお疲れ様。手伝わせてごめん」
「いいのいいの、今日は配信もないし明日はお休みだし。すいちゃんは鏡君と一緒にいられればそれで十分だから」
二人揃ってその場に座り込み話しながら夜空を見上げる。今日は雲一つない晴れ空で星が輝いて見えていた。
「天の川なんて見るの久しぶり」
「俺は初めて見たな」
「そうなの?」
「ああ、小さい頃は星なんて見なかったからな」
鏡華は地面に寝そべるとそれにつられてすいせいも寝そべる。
顔を横に向ければ最愛の恋人の顔が見れるその距離感は付き合い始めた頃なら恥ずかしさに顔を背けていただろう。
しかし不思議なことに時間が経つと恥ずかしさなんて消え去ってしまうのだから不思議なものだ。
そう考える鏡華はふと思い出したかのようにすいせいに問いかける。
「そういえばすいちゃんは短冊になんて書いたんだ?」
二人の仕事先である事務所には毎年のように竹が用意され、書きたい人が短冊に願い事を書いて吊り下げるのが恒例になっている。
すいせいも例外ではなく他のメンバーに連れられ一緒に書いているのを鏡華は見かけていた。
「ん〜、逆になんて書いたと思う?」
「そうだなぁ。ライブが開催できますようにとか?」
「ぶぶー、残念でしたー。すいちゃんはそんな安直な願い事書きませーん」
「じゃあなんて書いたんだよ」
まるで悪戯した子供のような笑みを浮かべるすいせいに教えるよう催促する。
「鏡君が願い事教えてくれたら教えてあげる」
「書かされてるの知ってんだからね」とドヤ顔で言うすいせい、一方鏡華はどこで知られたんだ?と内心驚きながら顔を背ける。
「ねーねー教えてよー」
「仕方ないなぁ」
しつこいおねだりに鏡華も諦めて顔を向ける。
「俺の書いた願い事は『休みが増えますように』だよ」
「え?それだけ?」
「それだけ」
あっさりした回答に言葉を失うすいせいに鏡華は苦笑いで理由を述べる。
「だって休みが増えれば出掛ける機会も増えるだろ?。最近は休みが重なる日が無さすぎるしこれぐらいが願うには丁度いいんだよ」
(ま、本当の願い事は別にあるけどな)と本心を隠しながらすいせいに話しかける。
「それでお前はなんて書いたんだよ」
「んー、やっぱり教えない」
「おい、俺が教えたんだから教えろよ」
「だって鏡君の話嘘っぽいし。あ、流れ星!」
「流れ星はいいけど誤魔化すなよったく…」
視線を夜空に向き直し空を見上げれば満点の星空に無数の星が流れる神秘的な光景が目に入る。
そしてその光景を観ながら鏡華は思ったことを口にした。
「織姫と彦星からすれば俺達は羨ましい存在なんだろうな」
「急にどうしたの?」
「さあな、自分でもなんでかわからないわ。そんな事より流れ星にも願っとくか」
「そうだね」
流れ続ける流れ星に願い事を願う二人。
すいせいは短冊に書いた願いを、鏡華は本当の願いを。
夜風にさらされながら夜空を観る二人は自身のパートナーの願いが一緒な事を知る由もなくただただ願うのだった。
『いつまでも一緒にいられますように』
本編も今月中には更新しますので気長にお待ちください。
すいちゃんのキャラ崩壊について
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